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腰痛、関連痛、神経根痛の生理学的定義 ❹神経根症(radiculopathy)
腰痛、関連痛、根性痛の生理学的定義
❹神経根症(radiculopathy)
"PAIN"®誌147(2009)に掲載されたNikolai Bogduk(オーストラリア、Newcastle大学)博士の論文は、とても重要だと感じた。
以下は、そのタイトルとURLである。

"On the definitions and physiology of back pain, referred pain, and radicular pain."

(https://www.semanticscholar.org/paper/On-the-definitions-and-physiology-of-back-pain%2C-and-Bogduk/b4c9d97a2ba23d21cf8fd50e215d8da5544c7b9b)

要点をまとめて備忘録として残す。
4.神経根症(radiculopathy)

これは別個の病態である。
定義;伝導が脊髄神経または根に沿ってブロックされている神経学的状態である。

*感覚神経が遮断されると、しびれ感が症状が徴候になる。

*運動神経繊維がブロックされると、麻痺(numbness)が起こる。
(注)numbness;しびれ感、麻痺、無感覚(感覚異常の不明確な用語で、異常感覚に加えて感覚の消失や低下も含む);ステッドマン医学大辞典4版より

*反射の減少は感覚と運動神経がブロックされたときに起こる。

*無感覚はデルマトーム(皮膚節)の分布にあり、弱化はマイオトーム(筋節)の存在する。

*しかしながら、神経根症(radiculopathy)は痛みによる定義ではない。
*それは客観的な神経学的徴候によって定義されるのである。

*神経根症と神経根痛は一般的に混在性に発症するが、痛みがない場合には「神経根症」が起こり、神経根症がない場合には「神経根痛」が生じる。

*慎重な臨床検査は、「神経根症」を診断する最良のツールである。

*電気生理学的検査は滅多に必要はない。
*いずれにしろ、神経根痛の分節起源はその分布から決定できる、というのは真実ではない。

*L4,L5およびS1の神経根痛のパターンはお互いに区別することはできない。
「神経根痛」と「神経根症」がコンビネーションで発症したケースでのみ、分節を推定することが出来る。
その場合でも、起源となった分節を決定できるのは痛みの分布ではなく、デルマトーム分布における麻痺の分布である。

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by m_chiro | 2018-11-22 09:53 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
腰痛、関連痛、神経根痛の生理学的定義 ❸神経根性痛(radicular pain)
腰痛、関連痛、神経根性痛の生理学的定義
❸神経根性痛(radicular pain)
"PAIN"®誌147(2009)に掲載されたNikolai Bogduk(オーストラリア、Newcastle大学)博士の論文は、とても重要だと感じた。
以下は、そのタイトルとURLである。

"On the definitions and physiology of back pain, referred pain, and radicular pain."

(https://www.semanticscholar.org/paper/On-the-definitions-and-physiology-of-back-pain%2C-and-Bogduk/b4c9d97a2ba23d21cf8fd50e215d8da5544c7b9b)

要点をまとめて備忘録として残す。
3.神経根痛(radicular pain);神経根痛は、メカニズム的あるいは臨床的に体性関連痛とは異なる。 
 定義:「生理学的に、後根あるいはその神経節から発生する異所性発火によって誘発される痛みである。」

*椎間板ヘルニアが最も一般的な原因であり、影響を受けた神経の炎症が重要な病態生理学的プロセスであると思われる

*神経根痛の臨床的特徴は、椎間板ヘルニアの手術を受けた研究で確立された。
 研究のひとつ;椎間板ヘルニアの手術を受けた覚醒している患者で、罹患した神経および隣接する神経を鉗子で圧迫してチャレンジした。
 別の研究;縫合の糸は神経の周囲に置かれ、その傷口から引き出され、続いて引っ張られる。
 誘発される痛みは特有なものであった。
 それは不快感があり、下肢の長さに沿って幅2~3インチ(約5~8cm)以下のバンド状に移動した。
 これは神経根を刺激してつくられる唯一のタイプの痛みである(「根性痛」として解釈されるべきタイプの痛み)。
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*重要なこと;正常な神経根を圧迫したり、引っ張ったりしても神経根痛は生じない。
 以前に、神経根に炎症があった場合にのみ、機械的刺激が神経根痛を誘発する。

*圧縮刺激単独では痛みを伴うが、それは後根神経節が関与していると思われる(動物実験での支持)。

*動物実験;根性痛の神経生理学的相関をもたらした。
正常な神経根を圧迫すると瞬間的な放出のみが誘発されるが、後根神経節 を圧迫したり、炎症を起こしている後根を圧迫するとAbおよびAδおよびC線維の放電を誘発する。したがって根性痛は、侵害受容性求心性線維の発火というよりも、突き刺すような(lancinating)、ショッキング、電気的(electric)という方が合っている。
これは傷害された神経における異所性発火のためである。
誘発された感覚 はとても不快であるが、古典的侵害受容性の意味では「正確には痛みではない」
灼熱感、ショッキング、または電気の性質は、求心性侵害受容性放電以上のものと一致する。
それにもかかわらず、英語にはより正確な言葉がないため、この感覚は痛みと呼ばれることがある。

*坐骨神経痛は不可解な用語である。
 (これは痛みのメカニズムが理解されていなかった時代に由来しているためである。)
 その言及されてきた痛みは、痛みの領域を通過した末梢神経の刺激に起因するものであった。
 IASPは「根性痛」の用語に置き換えることを推奨している。

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by m_chiro | 2018-11-20 11:01 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
腰痛、関連痛、神経根痛の生理学的定義 ❷体性関連痛
腰痛、関連痛、神経根痛の生理学的定義
❷体性関連痛

"PAIN"®誌147(2009)に掲載されたNikolai Bogduk(オーストラリア、Newcastle大学)博士の論文は、とても重要だと感じた。
以下は、そのタイトルとURLである。

"On the definitions and physiology of back pain, referred pain, and radicular pain."

(https://www.semanticscholar.org/paper/On-the-definitions-and-physiology-of-back-pain%2C-and-Bogduk/b4c9d97a2ba23d21cf8fd50e215d8da5544c7b9b)

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3.体性関連痛(somatic referred pain):定義上の核心;腰椎の構造上における有害な刺激は背部痛に加えて関連痛を生じることがある。

痛みは下肢に拡がり、有害な刺激の部位を支配する神経以外の神経に支配されて いる領域で知覚される。

*痛みの根源が腰椎の体性組織にあるので、「体性関連痛」と呼ぶ。

*したがって「内臓関連痛(visceral referred pain)」、「神経根痛(radicular pain)」と区別する。

*「体性関連痛(somatic referred pain)」は神経根の刺激を伴わない。

*これは椎間板、椎間関節、仙腸関節などの脊椎構造内の神経終末の有害な刺激によってつくられる。

そのメカニズムは侵害受容性の収束である(下肢の領域に対して起こる脊髄2次ニューロンの求心性細胞への)

*原則的に、体性関連痛は同じ分節からの線維と部分的支配を共有する領域で知覚される。

*しかしながら、体性関連痛神経根の圧迫によるものではないために神経学的徴候はない。

体性関連痛は鈍い(dull)痛み、苦痛、時には広がる圧迫感として愁訴される。

*部位を限局することが難しく広範囲に及ぶ。

*落ち着いてしまうと、部位が固定される傾向があり、患者は患部の境界を分けることが難しいことが多いものの、その中心(コア)的部位を確実に識別すること   が出来るようになる。

*だが、そのパターンは患者間で一貫性がない(過去には疼痛パターンの分節マップが提示されたが、このパターンは皮膚節のものではない;図1)。

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*提示されたパターン図は下肢の部分的な神経支配に対応し、筋肉や関節のようでもある。

*さらに、体性関連痛は臀部および近位大腿部に最も集中する傾向があるが、足まで延びることもある。(このような分布は正常被験者の実験での椎間関節と椎間板への刺激で誘発される。椎間関節への麻酔により安定させることが出来る。)

*これらの実験と一致するようなデータでは、下肢に拡がる比較的固定された部位に関連した鈍い痛みが患者に発生したときは「体性関連痛」と認識すべきである。


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by m_chiro | 2018-11-19 11:02 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)



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