ほどほどを考えた
毎日まいにち、わたくし達の食卓にあがり、ヒトのからだを育ててくれる食料。
その中でも重要な食料である穀物。
日本で生産されている量は年間1000万トンだそうだ。
輸入している量は5400万トンだと言うから、生産量の5倍強を輸入に頼って私たちの食生活が成り立っているのである。

ところが驚いたことに、残したり捨てたりして処分されている量が1400万トンあるという。
日本国内で生産する量より、はるかに多い量が捨てられている。
いや~! 驚きです。

これを豊かな暮らしだと勘違いしていては、どこかで反動が来るに違いない、と思うのは心配のしすぎだろうか? 

今、世界では8億人が飢餓状態にあるのです。
日本人が捨てている1400万トンの食べ物で、飢餓人口の半分・約4億人もの人たちが飢餓から脱出できるのだそうだ。
そうなると、そんなに多くを捨ててもったいない、と言う時限の話ではなくなってくる。

ヒトも自然界の中で生きている動物。
人はそこらの動物とは違う、と勝手な振る舞いをしていると、いつかそのツケが回ってきそうである。
環境問題は重要な今日的テーマでもある。
ほどほどに生きる、という生き方を考えてみたいものである。

両腕を伸ばし、手の指先を合わせて輪をつくり、それを地球の歴史だとしてみよう。
アメーバーの時代が左ひじの前で発生したとすると、肩を横切って右肩、腕、右ひじ、そして右の手首あたりまで続いたことになる。
恐竜の時代は右の中指一本分くらいの長さで、ヒトが生まれてから今日までは爪先をヤスリでゆっくりと擦り取ったほどの期間でしかないのだそうだ。

生命の歴史の中で、全体的なバランスを保ってきたからこそ続いた38臆年を、人間の
勝手な行動で崩すようなことがあっては、生命の健全な維持すら難しくなるのではないかと思えてくる。
# by m_chiro | 2008-01-10 22:31 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
腰下肢痛の冤罪とされたヘルニア
41歳の婦人が、長時間のハイヒールでの歩行の後に右腰下肢痛になり、痛みで跛行するようになる。
整形外科でMRIの結果(2004・8・10)、L5/S1の見事なヘルニアが見つかった。
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手術を勧められるが拒否、9月2日から保存的治療を試みる。
経過は良好で、跛行や運動痛も解消した9月28日に、再度MRI撮影を行った。
結果は、見事なヘルニアのままだった。
痛みが解消したにもかかわらず、ヘルニアに何等変化はなかった。
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上の2枚の画像は8月10日撮影で、下の2枚は9月28日撮影したものだが、ヘルニア像に変化は見えない。
そんな報告が「Journal of JCC(日本カイロプラクティック徒手医学会誌)Vol.7」に掲載された。報告者は私の学友・高橋克典氏である。

ヘルニアを腰下肢痛の犯人にした整形外科医には、そのヘルニアを除去する手術を勧められたが、結局は冤罪のヘルニアを切ることなく保存的徒手療法を試みた。

その結果、ヘルニアは微動もしなかったが、痛みは消えた。
痛みとヘルニアは無関係で、こんな例は沢山あるのだろう。

加茂整形外科医院のサイトからの以下の文献を参照下さい。

「大きな椎間板ヘルニアを手術以外の方法で治療するのは安全か?」http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_387.htm
大きな椎間板ヘルニアが存在すれば椎間板手術の適応と判断してよいのであろうか?南カリフォルニアの研究者らによれば、答えは『No』である。

Michael S.Sinel博士らは、「椎間板の大きさのみを、手術適応か否かの判断材料とすべきではありません。我々は、臨床的症状のある大きな腰椎椎間板ヘルニアの大部分は、馬尾症候群のような絶対的な手術適応でなければ、保存療法でもよいと考えています」と報告している(Sinel etal.,1999)。

# by m_chiro | 2008-01-09 00:30 | 症例 | Trackback | Comments(0)
眼には見えないものへの評価
これまで腰痛や坐骨神経痛は神経の機械的圧迫説が主流であった。
いや、まだ現在進行形と言うべきなのかもしれない。
椎間板の変性や骨の変形に原因を求めているのである。
したがって、治療は機械的圧迫を取り除くことがすべてだった。

ところが最近は、眼に見えない原因がわかってきた、と言われるようにもなった。
それも腰痛専門の著明な教授などもメディアで発言しだした。
「心理・社会的因子」は、腰痛の原因因子として理解されつつあるように思われる。
しかし、これまでの通説であった機械的圧迫説が崩れなければ、その先も見えてはこない。
昨今は、そんな注目に値する論文が発表されているようだ。

「Spine」誌に発表されたBoosらの研究論文である。
Boosらは椎間板ヘルニアの危険因子を全部揃えて、手術する人と、同じようなプロフィールを持ちながら全く痛くない人のMRIから76%もの椎間板ヘルニアを見つけた。
そして、手術する人と全く痛くない人の差は3つしかない、とした。

ひとつは、手術する人にはヘルニアによる「神経の圧迫が非常に強い」こと。
あとのふたつは、全く眼には見えないものだ。
そのうちのひとつが「work perception;仕事への満足度」である。
仕事の受け止め方の問題で、満足度、上司の評価、リストラの危機感など、仕事にかかわるストレスが関与するらしい。
もうひとつが「psychosocial factor;精神社会学的因子」である。
つまり、自身の性格、不安や抑うつ、結婚生活上の問題を抱えていることである。

これらが手術する人と痛みのない人を分けており、薬剤の効果や死亡率にまで影響しているらしい。
医療従事者は、ストレスへの対処をきちんと考える必要があるようだ。

それでも気になるのは、Boosらが椎間板ヘルニアによる「神経の圧迫が非常に強い」ことを「痛み」として捉えていることである。
その場合、手術の選択枝が考慮されるというのだが、「神経の圧迫」が「痛み」とイコールだという生理学的根拠は聞こえてこない。「機械的圧迫」の程度を、痛みの強度で推し量っているだけではないのだろうか。
それが痛みではなく「脱落症状」を呈するケースとなれば、外科的対応もうなずけるものがあるのだが。
ともかく、無駄な外科的アプローチだけは避けるべきだろう。
もっと多角的なアプローチが必要なのである。
# by m_chiro | 2008-01-08 00:25 | 雑記 | Trackback | Comments(7)
痛み学NOTE⑧ 慢性痛には2つのタイプがある
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

⑧ 慢性痛には2つのタイプがある
急性痛と慢性痛という分け方がある。
どこがその分岐点かと言うと、一般的には痛みの発症からの期間で分けている。
米国政府研究班がまとめた「急性腰痛のガイドライン」ではマニピュレーションをBランクの効果と判定したが、そこでは6ヶ月をその境界にしていた。
ところが、2~3週間から数週間で治癒する急性疾患も多いわけで、必ずしも6ヶ月が目安になるとは限らない。
大体、急性痛と慢性痛を期間で分けることに意味があるのだろうか。確かな意味など何もないように思える。

急性の痛みは生体の防御・警告系とされ、身体を傷害や危害から護るために不可欠の生得的システムであるが、通常は一過性である。基礎疾患が治れば、痛みも消えるはずなのである。
問題なのは、組織の傷や炎症が治癒したにもかかわらず痛みが持続する慢性痛症で、これには二つのタイプがある。

ひとつは急性痛が単に長引いている慢性痛「タイプⅠ」と、もうひとつは神経に可塑的変化が起きた「タイプⅡ」の慢性痛症で、このタイプⅡこそが「神経因性疼痛」である。
この二つのタイプの発症メカニズムは全く違うが、明確にタイプ分けをするのも臨床的には難しい。
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(愛知医科大学・熊澤孝朗教授の作図より)

純粋な「タイプⅡ」が高率で発生するとも考えられない。
印象としては、慢性痛には多くの「タイプⅠ」が含まれているように思える。
だとすれば、「侵害受容性疼痛」が多分に混在しているのではないだろうか。
では、なぜ除痛に失敗したのか、という疑問が残る。
おそらく、その痛みの病態が捉えきれていないか、侵害された受容器の見落としか何かがあるのだろう。
兎にも角にも、慢性的な痛みに悩まされるのは辛いことである。
ましてや神経が歪む神経因性疼痛の病気になったら、もっと不幸なことである。
痛みは、警告系の役目を終えたら消えなければならないのだ。
慢性痛症になる前に、出来るだけ早く痛みを取り除くこと。
これを痛み治療の大原則としなければならないのである。
# by m_chiro | 2008-01-04 18:17 | 痛み学NOTE | Trackback(1) | Comments(1)
迎春 2008
迎春
2008年
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「雪だるま姉妹」のぬいぐるみ。
患者さんが作って来てくれました。
友人知人から「かわいい! 私にも作って!」、
とせがまれて70対作ったそうです。
驚きです。

肩がこった!、腰が伸びない!と言いながら、うれしそうでした。
人の喜ぶ様をみて一生懸命になれる人は輝いています。
私もそんな精神にあやかりたい、と年の初めに心しました。
# by m_chiro | 2008-01-03 12:17 | 雑記 | Trackback | Comments(2)



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