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もう「プラセボ」なんて言う必要もないのかな...?

プラセボでも腰痛患者の痛みは軽減する?

ランダム化比較試験で検討

米国の慢性疼痛患者は数百万人に上るが、鎮痛剤として処方されるオピオイド依存の問題が深刻化している。

今回、新たな研究から、慢性的な腰痛を抱えている患者は、たとえプラセボ(偽薬)であっても薬を服用すると、標準的な鎮痛薬に相当する約30%の疼痛軽減効果を得られることが明らかになった。


また、MRI検査を実施したところ、腰痛患者の脳の構造や心理的な特徴からプラセボが有効かどうかを予測できることも分かったという。


研究の詳細は「Nature Communications」912日オンライン版に掲載された。

この研究は、米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部教授のA. VaniaApkarian氏らが行ったもの。

同氏らは、約60人の慢性腰痛患者を対象に、プラセボを服用する群と非オピオイド系の標準的な鎮痛薬を服用する群、さらに診察のみで何も治療しない群にランダムに割り付けて、8週間にわたり疼痛レベルを毎日評価した。


プラセボまたは標準的な鎮痛薬を服用する群の患者には、どちらの治療であるのかは知らせなかった。

その結果、研究開始から8週後には、プラセボを服用した群では、何も治療をしなかった群に比べて疼痛が大きく軽減し、治療に対する反応率も高いことが分かった。


なお、この研究ではプラセボを服用する群と標準的な鎮痛薬を服用する群の比較は行っていないという。

また、対象患者に脳MRI検査を実施して脳の構造を比較したところ、プラセボが奏効した患者では、皮質下辺縁系(subcortical limbic)の情動脳領域が非対称性(右側が左側よりも大きい)であることや、大脳皮質感覚野(cortical sensory area)が大きいなどの共通した特徴がみられることが分かった。


さらに、心理検査によれば、自分の身体や感情の状態を意識的に捉えられ、開放的な性格である患者でプラセボが奏効する確率が高かった。

Apkarian氏は「プラセボの効果は予測できないとする考え方が一般的であるが、今回の研究結果はその考えを覆すものだ」と話す。


今回の結果から、同氏は「一部の患者にはプラセボ治療に反応する資質が備わっており、プラセボであることが分かっていても治療効果が得られる可能性がある」と結論づけている。


疼痛管理の専門家で米ジョンズ・ホプキンス大学のMark Bicket氏は「この研究結果は、プラセボは疼痛の緩和や機能の回復に重要な役割を担う可能性があることを示すものだ」と指摘する。


その上で、「プラセボは全ての人に有効ではないかもしれないが、プラセボを服用した腰痛患者で30%もの疼痛の軽減がみられたのは減薬や活動量の増加につながることが期待され、臨床上意味がある」と述べている。


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by m_chiro | 2018-09-29 09:50 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
関連痛のメカニズム❶

関連痛のメカニズム❶

「収束―投射説」


組織に損傷が起こると、その部位に痛みが起こる。

要するに、痛みの原因となる部位と痛みの場所はイコールだということになる。

この考え方は、「損傷モデル」として長い間支配的な概念になった。

だから、痛み訴える部位に何らかの損傷があるとみて治療することになる。


ところが、痛みの部位とその原因となる部位が一致しないことがある。

それが「関連痛」の存在だった。関連痛の定義は、次の以下の通りである。


「内臓疾患により内臓に侵害刺激が加えられた際に、その内臓と離れた位置にあるにもかかわらず、皮膚表面や筋肉に特別過敏な感覚や痛みをかんじることがあり、この現象を関連痛と呼ぶ。」

                (「痛みの概念の整理」花岡一雄編著)

関連痛の概念は、1984年に発表したMartynの論文「炎症性疼痛における生理学的意味」に始まるらしい。

1893年には、英国の神経学者Henry Headが内臓疾患からの関連痛として「ヘッド帯」なるものを学位論文して発表した。

その中で、内臓疾患の関連痛は皮膚節(デルマトーム)に現れるとしたのである。


また生食を筋肉に注入すると、注入部位だけでなく離れた部位に痛みが放散することを明らかにしたのはT.Lewisとされている1938)。

 

同じ手法で高張食塩水を注入して、関連痛は筋肉などの組織の過敏点から生じるとしたのはJ.H.Kellgrenである。

この体性からの関連痛は、局所麻酔で治まることを両者が報告している。

(こうした関連痛の歴史的背景については、小山なつ著「痛みと鎮痛の基礎知識」上・下巻に詳しい。)


関連痛のメカニズムには諸説ある。

大別すると、末梢神経における機序にその根拠を求めた「末梢説」と、中枢神経での機序に求めた「中枢説」に分けられる。

中枢神経系に関連痛の根拠を求めた「中枢説」でよく知られているのはRuch「収束―投射説(1947)である。

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「収束―投射 (projection)説」は、脊髄における痛覚伝道路である二次ニューロンに内臓からの痛覚一次ニューロンと、皮膚からの痛覚一次ニューロンが収束しているために関連痛が起こる、とする説である。


内臓からの痛みは局在が明瞭ではない。

ところが皮膚では局在が明瞭である。

皮膚はヒトの身体と外界との境界をなしていて、多くの刺激を感受し、情報網も多い。

したがって、脳は皮膚からの情報を優位に結びつけやすいのだろう。

ヒトの持つ学習能の所作なのかもしれない。





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by m_chiro | 2018-09-27 16:39 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
運動不足は、ガンのリスクが高くなる

「運動不足でがんリスク上昇」


 米国人の多くは、運動不足が原因で心疾患糖尿病などの発症リスクが高まることは知っているが、大腸がんや乳がんなどの各種のがんや、呼吸器疾患、胃腸障害などのリスクが高まることは十分に認識していないことが、新たな研究で明らかになった。研究の詳細は「Journal of Health Communication89日オンライン版に掲載された。

 米ワシントン大学セントルイス校外科学准教授のErika Waters氏らは、横断調査に参加した米国の一般住民1,161人から無作為に選んだ351人を対象に、座りっぱしになりがちな生活習慣による運動不足が原因で、発症リスクが上昇する疾患の知識を問うオンライン調査を実施した。

 その結果、参加者の6割以上は運動不足が原因で心疾患や糖尿病などの代謝性疾患リスクが上昇することを知っていたが(それぞれ参加者の63.5%、65.8%)、がんリスクが上昇することを認識していた人の割合は3.4%に過ぎなかった。

 また、運動不足により呼吸器疾患(3.4%)や胃腸障害(0.9%)のリスクが高まることも認知度は低かった。

 さらに、参加者の55.6%は、運動不足で発症リスクが高まる疾患の名称を2つまでしか答えられなかった。

 これらの結果を踏まえ、Waters氏は「運動不足が心疾患や糖尿病の発症リスクを高めることは多くの人が知っているが、それ以外にもリスクが高まる疾患があることを認識している人はほとんどいないことが明らかになった」と話している。

 今回の結果の背景について、Waters氏らは「運動に関する啓発活動では、心臓の健康や体重管理に有用な点ばかりが強調されがちで、運動不足によるがんなどの疾患リスクについてはほとんど触れられていない」と指摘する。

 そのため、「今後は、運動不足でリスクが高まる疾患は心疾患や糖尿病だけではないことを一般の人々に広く知らせていく必要がある」と述べている。



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by m_chiro | 2018-09-14 09:24 | 学術記事 | Trackback | Comments(2)
回転性めまい、体験談
8月末、突然の回転性めまいに襲われて

猛暑が過ぎて、8月の終わりを向かる頃に今度は急に秋風が吹きはじめた。
この夏の暑さを思えば、なんと凌ぎやすいことか。
早朝に庭に出て、蓮甕に住むメダカに餌をあげようとしゃがみ込んだら、体が横に揺れて倒れそうになった。
かろうじて両手で支えて、どうにか立ち上がった。
部屋に入って、仰向けに横になったら、途端に回転性のめまいに襲われた。
頭を押さえてめまいが治まるのを待った。
ほどなくして頭部中間位でめまいが治まる(約30秒ほど経過して後に治まるとされている)。
頭部をゆっくりと回旋させて行き、45度くらいで再びめまいが。
左右とも回旋位で再発する。
冷や汗が出て、汗びっしょりになった。
気分も悪いので、めまい体操(エプレイ法)など試してみようという気にもならなかった。
これは頭位や体位の変換で起こる「良性発作性頭位めまい;BPPV」である。
このような状態では、「最も楽な姿勢で安静を保ち暗くした部屋に寝かせることがよい」とされている。

BPPVにおける発作時の注意事項にしたがって、めまい体操などせずに「安静」を心がけた。
気分の悪さが治まって、少し眠ったようだ。
目覚めて頭を回旋させてみた。ゆっくりなら動かせる。
自分で出来ることを試みようと思い、眼球運動と抑制バランスを調べると「下斜筋」で反応する。
下斜筋は、斜め上方への眼球の動きになる。動眼神経支配である。
そこで斜め上方に眼球を保持して、小脳経由で同側の肩関節から反発刺激を送った。
左右ともに調整すると、眼球運動がスムーズになる。
次に側頭骨での抑制バランスを解除した。
SOTブロックをカテゴリーⅡにセット(LPIN-RAIN)しての側頭骨リリースを行う。

しばらくして再び頭位回旋させてみる。大分動かせるようになったので、ベッドから起き上がった。
起きれた。時計を見ると10時を過ぎている。
この際だから重篤な問題を除外すべく、家内に勧められるままに近所の脳神経外科・内科に受診。

医師は、ルーチン通りにめまいの起きた状況と経過を問診した。
次に「眼振」の検査(-)、上肢のバレー徴候(-)、小脳失調の徒手検査のひとつである手の回外・回内テスト(-)
回転性はめまいは、周囲がグルグル回転し一定方向に流れるような、あるいは自分が回転するような感じがあるとされる。
頭位のテスト(座位)では、最大屈曲、伸展、左右回旋のすべてがOKだったが、左右側屈(+);側屈で再び回転性のめまい。
医師は「内耳性めまい」と診断した。
「内耳性めまい」の原因としては、以下のように言われている。
「大変つらいめまいを生じるものの比較的良性の内耳性めまい(三半規管の障害によるめまい、正確には前庭機能障害)が最も多く見られまるが、中には脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血ほか)や心臓疾患などによる命にかかわる場合もある。また薬剤性、高血圧症、脱水症、不整脈、起立性低血圧症、熱中症、各種神経難病、低血糖症、貧血、外傷後頸部症候群、頸性めまい、鼻性めまい、心身のストレスなどもめまいの原因になる」。

医師は、除外するためにMRIと頸椎CTを撮った。
結果は、脳梗塞(-)、椎骨動脈、脳底動脈(-)、頸椎像(-)で重篤な中枢性の問題が除外された。
めまい止め、血流改善の薬を処方された(点滴なし)。
その日は、早い動きをしなければ通常通りに生活できた。
「脱水症」も誘因になる。きっと猛暑の疲れがドッと出たのでは?、と思えた。

薬局に勤務する患者さんが、その日の夕方に「OS1」をお見舞いに持参してくださった。
有難く一気に飲んだら、気分的にもよくなった。

夏バテ、侮るなかれ! みなさんもご注意を! 心身のストレスも脱水症にも気をつけて! 
急に秋風が吹くと体調を壊したり、高齢者や病気中の人は特に警戒が必要でしょう。




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by m_chiro | 2018-09-11 16:30 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
空の誕生日(16歳)のプレゼントが届いた
「8月28日は空(くう)の誕生日だヨ~!」by桐子

空も16歳になった。
中型犬では93歳だそうだ。めっきり老犬の風体になったはずである。
誕生日の日に、一時預かりのお姉さんからお祝いのプレゼントが届いた。
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早速、空も寄ってきて鼻をクンクンいわせている。
ポンせんべいをあげたら、喜んで食べた。

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最近は年のせいもあってか、食べ物の嗜好が顕著である。
豆腐などは、何が気に入っているのか料理に使うために冷蔵庫から取り出しただけで寄ってくる。
だから、おからを買ってきて煮干しだしで煮つける。これがことのほかお気に入りみたい。
果物も、スイカは食べるが、バナナとメロンは見向きもしない。

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行動もゆったりしてきて、普段は寝ていることも多くなった。
散歩もゆっくり歩く。気分次第で遠くまで歩いたり、早く家に帰りたがったり、気ままに暮らしている。
眼は白内障が進んできている。右目だけが顕著なので、まだ見えてるような気がするが、時にガラス戸に頭をぶっつけたりもする。



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by m_chiro | 2018-09-05 08:41 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(0)



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