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カテゴリ:症例( 146 )
4月に「除外診」した患者さん(ALS)は、40年来の親友!
酒田にオフィスを構えて以来、家電等の管理をお願いしていた友人がいる。

彼が3年ほど前に検診でのPSA値が高いとされ、細胞診で前立腺癌(2本+/12本中、Gleason's score7点)とされた。放射線療法とホルモン療法で前立腺癌は完治とされ、今後はPSA値の経過観察となった。

ところが、今年の4月頃に「息切れと多汗、暑さ寒さに敏感、喉の渇き、食欲低下など」の症状を話していたので、「ホルモン療法で自律神経のバランスでも崩れたのでは....」と、あまり深刻にも考えずに話題にしていたのである。

それでも彼には不安があったようで、3か所の病院で内科全般、心臓など検査を受けた。心電図、CT画像にも問題が診られない。血液検査でも問題が指摘されなかった。要するに「運動不足だ」と言われ、病院のリハビリで対応するプログラムが処方された。

それでも改善の兆しが見えない。
4月半ばを過ぎて、「病院の検査結果を全部持って行くのでみてもらいたい」と予約が入った。いろいろ話を聴いてみたが、要領を得ない。ともかく汗がよくでること、息切れがする、階段も途中で休んであがる(リハビリの運動は大丈夫)、食欲低下などの愁訴を述べるが、不安感とでも言おうか全身的に何か変だという感じ、のような感じようであった。

からだの状態をチェックしようと体に触れたら、呼吸が異様なことに気がついた。横隔膜が上手く動けないようだ。呼吸器関連の検査は、肺のX-rayで異常なしとされているという。ともかく呼吸器を診てもらおうと、知人の内科・呼吸器科の先生に紹介した。

診察した先生は、すぐに病院の呼吸器内科に紹介されて検査入院をすることになったのである。
結果、D-Dダイマー精密測定の異常値が検出された(正常値の10倍ほど)。
赤沈1時間の検査値も倍の値だった。
ところが、その原因を特定でない。そこで、神経内科の追加検査がリクエストされる。
髄液検査で、出された結果は「ALS(筋委縮性脊索硬化症)の疑い」「球麻痺の疑い」だった。
愕然とした結果である。4月半ばのことであった。
上下肢の筋力もみたが、特にこれといった格別の異常を感じなかったので、その結果には、余計に驚かされた。
私は最悪、延髄の梗塞だろうかと推測したのだったが....(画像で問題が指摘されていなかった)。

確定診断は「ALS」だったが、これまでALSを除外したのは5症例になった。それがしかも40年来の友人で、私は彼にかけるべき言葉をみつけることができなかった。

病室に彼を訪ねると、開口一番「いや~、よかったよ!」と言ったのである。
私は一瞬、その意外な言葉にも躊躇していると、続けて「このまま病気が分からないで不安のままに死んだら、死んでも死にきれなかった」。
病室のTV・インターネット回線でALSのことを調べて「十分に納得できた。悔いはない」。
病室いる間、ず~と喋り通しで、いろんな思い出話で笑ったり、深刻な病気の人とは思えない雰囲気の空間だった。結局、人工呼吸器も拒否して、令和元年5月1日になって息を引き取った。その潔い覚悟を目の当りにし、わが身に置き換えて考えてみたが、果たしてそれほどの覚悟が出来るだろうかと思うばかりであった。

彼のALSは「呼吸麻痺先行型ALS」だったのだろう。横隔膜を支配するC3-5頸髄節における前角細胞の脱落変性が先行した病態なのだろう。

by m_chiro | 2019-06-14 11:36 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「腰下肢痛...?」、どうも変だなぁ~!

「腰下肢痛...」、どうも変だなぁ~!


「右の臀部から大腿外側が痛い」と言って治療にみえた女性。
思い当たるきっかけもない。
検査でも緩解因子が見つからない。
時にズキズキする。自発痛である。
夜間痛もある。右側臥位で寝るのが比較的楽だ、と言う。
どうも変だなぁ~!

痛み出した状況をしつこく聴く。
臀部の痛みの他に、気になったことや、変わったこと、気づいたことはないか、と尋ねる。
すると「昨日お風呂に入った時に、お尻におできができていた」(尾骨から7~8cm右上らしい)。
「500円大の大きさ」、と言うが、粒々がある感じなのだそうだ(帯状疱疹を疑う)。

場所が場所なので、最初に家内に見てもらった。
どれどれ....、「あ~、やはり帯状疱疹だろう」。
「すぐに皮膚科に行くように!!」

電話が入り、「やはり帯状疱疹だそうです」。

「こじらせると帯状疱疹後神経痛に悩まされるから、しっかり治療するようにしてね」。

今週の除外1号でした。


by m_chiro | 2019-05-24 09:11 | 症例 | Trackback | Comments(0)
膝痛から運動交叉のアンバランスを探る
60代の老婦人が左ひざの痛みを訴えて来院した。
最近の春の気配に誘われて何かと忙しくなる時期でもある。
急に動きはじめたのだろうか?
そう思いながら尋ねると、そろそろとは思っているがまだ寒いから、とのこと。
腰も肩も痛むから、冬の間あまり動かないで来たからじゃないのかな?と話した。
運動分析をすると、屈曲より特に伸展する動作で左ひざの内側が痛むという。
全ての動きで同じ部位に痛みが起こるようだ。
経絡ラインでは脾経である。
関節可動域はたいした問題は感じられない。

最初に全体調整を試みた。
治療の優先は「神経バランス」とでる。検査結果にしたがって、治療は以下のように進めた
①ベーガル神経(背側核・疑核)へのアジャスト
②滑車神経(左下斜筋を指標にリセット)
③副神経(左);左上僧帽筋と左胸鎖乳突筋の低下を指標にしてリセット
④Subluxation;L3、C4のアジャスト
⑤運動膜連鎖のパターン(左腎~小腸のライン);クロスパターン&頸椎伸展位の抑制バランスの指標をリセット

ここで膝痛の確認した。屈曲では問題なかったが伸展位で内側(脾経)ラインが痛む。
そこで、巨刺法の応用を試みることにした。陰陽交叉なので右上肢の大腸経にリセットポイントを選ぶことにした。
このように運動パターンで発痛部位が限局されるケースには、経験的に巨刺法の応用がとても効果的と思っている。
タッチトークで取穴(と言っても鍼灸師ではないのでアバウトな取穴ではあるが)を決める。
 1)L15(陽谿);刺激した状態で左伸展運動をさせるとVAS10→5
 2)L16(偏歴);さらに膝伸展運動でVAS10→4
 3)ST25(天枢):さらに膝運動でVAS10→0

推論;おそらく冬場の間コタツにでも入りながら手作業(右手の反応なので右手ばかり動かしてきたのかな? どうもパッチワークを続けたらしい)
状態の一側の動きに対して下半身は固定的にアンバランスが作られたのだろう。

患者さんは「とても楽になった。よかった!」と言ってくれたが、
「治ったのではないよ。右手だけでなく、脚も全体的に動かすようにしなさい」と生活上の指導・管理を付け加えた。



by m_chiro | 2019-03-15 11:00 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「脳梗塞かしら?」;朝起きたら左上肢が挙げれない

症例:中年女性;朝起きたら左上肢が挙げれない

主訴:左上肢が挙上できない(屈曲90度以上挙がらない)

現病歴:通常通りの生活をしていた。朝起きたら左上肢が重苦しい。握力も弱って、上腕がビリビリする感じがある。とにかく左腕がだるい感じで90度までしか持ち上げれない。痛みはない。「脳梗塞だろうか?」と思って脳外科へ行こうとしたが、その日に相談のつもりで来院した。

既往歴:腰部ヘルニアの手術(17歳)

    腰部ヘルニアの手術(2回目、48歳)

    子宮筋腫

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検査:深部反射、減弱ぎみだが左右差なし。 小脳テスト(-) 上肢バレー徴候(±)56cm左が下がるが回内は起こらない;力が入り難いための現象と判断した。

迷走神経、背側核と疑核のチェック(+)

FDS;左大脳機能低下

脳神経;Ⅳ滑車神経(左下斜筋+)、Ⅶ顔面神経(左+)、Ⅷ内耳神経(左+)、Ⅸ副神経(左+)、Ⅹ舌下神経(左+)

副交感神経;下腸間膜神経節(L2+)


治療;以上の検査結果に従い、当該の神経系にアジャストした。



結果・考察;

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こうした原因が良く分からない脱力症状、例えば顔面麻痺など、あるいは逆にチックなどはパニック症状に近いのかな。こうした症例には迷走神経系をチェックするようにしている。関連して脳神経、自律神経系にアジャストして変化をみると挙げられるようになった。S.W.ボージェスの多重迷走神経理論(ポリヴェーガル理論)からみると、とても納得できる。この理論をもとに、どのように手技治療に応用すべきかを模索してきたが、やっと一つの形が見えるようになった。さらに、簡便な方法を追究していきたい。



by m_chiro | 2019-02-05 12:38 | 症例 | Trackback | Comments(0)
踵の問題かな?
「最近、朝起きると左足の小趾側が痛くて歩けない」(40代女性)という患者さんがみえた。
歩き慣れてくると痛みが軽減するらしい。
加えて、
右肩(三角筋前部周辺)の痛みと左膝窩の痛みもある。
だが、思い当たるきっかけもない。

歩行をみると、少しかばうような歩行になっているが、たいした強い痛みが出ているわけでもなさそうである。
右肩の可動域は最大屈曲と外転で制限があるものの、他動的には可動できるが多少の痛みを伴っている。
下肢の可動域は股関節(左)に外転制限が顕著である。
左足関節の可動域は、踵骨固定に対して自動回内は30°±、自動化以外30°±、
つま先立ちをさせると、踵骨が歪曲する。
左アキレス腱に外側ヒールテンションがある。
左蝶形骨が上方に動きがあり、下方に制限がある。

最初に硬膜管のリリースを行う
①S3-尾骨/C6のリリース
②蝶形骨-後頭骨-尾骨のリリース/左踵骨の調整を行う
③上肢と下肢のクロスラインをリリース
 左長腓骨筋、前脛骨筋、腓腹筋外側/右肩甲下筋の膜繋がりをリリースして調整
④鎖骨上神経(C3)、肋間上腕神経(T2)、外側上腕皮神経(C5)から肩前部領域に対して皮膚内部のリリースを試みる。

再チェック
右肩可動域;最大屈曲/外転ができる
歩行:痛みがなくてもスムーズな歩行とは言い難い
左股間節可動域;外転範囲が広がる

⑤歩行運動認知法を行う;スムーズな歩行が阿可能になる

歩行リズムと股関節外転不全が気になったので、何か運動してるの聞いてみた。
すると、週に1度の割合でエクササイズジムで1時間ほどの運動を行っていると言う。
(運動内容;ランニングマシン、バイクマシン、上肢のモビリゼーション・ストレッチ)
「そう言われれば、運動した翌日が最も調子が悪くなっていたかも.....」と彼女の弁。

問題は「左踵骨」の歪曲にあるのかな?、と思えた症例だった。
by m_chiro | 2018-10-22 15:19 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「坐骨神経痛、詐病サギ師の筋」と言うけれど...

2か月前に右腰臀部から痺れを伴った下肢痛になった男性。
ペインクリニックを受診する。
「坐骨神経痛です」と言われて、硬膜外ブロック注射を受ける。
2時間が経過してやっと立つことができたが、症状は変わらない。
1週間後に再び硬膜外ブロック注射を受ける。
それでも症状に変化はない。
さらに1週間後に、今度は「神経根ブロック」注射を受ける。
今度は、立っているのも辛くなった。悪化する一方だった。

仕事も休まざるを得なくなって、それで今度は当院にみえた。

右の中小殿筋、梨状筋にトリガーポイントがある。ジャンプ兆候である。
仰臥位でも腰下肢痛が出て、仰臥位ができない、という。
それで小殿筋ストレッチをかけて軽度の牽引を行った。
仰臥位で両下肢を左側屈にして足首を把持し、右下肢を外旋位で内転牽引を行った。
「あ~、気持ちいい! 痛くない! なんで?..」
おそらく「小殿筋」のトリガーポイントからの関連痛であろう。
でも、小殿筋単体ではなさそうである。「あぐら姿勢」を取らせると再現されるところをみると、中殿筋、梨状筋もからんでいそうだ。
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中小殿筋は「坐骨神経痛」の「詐病・サギ師の筋」と言われている。

いわゆゆる「嘘つき」の筋肉ということだ。

類似の症状を出して、その病態に成りすます、あたかも「サギ師」の筋だというわけである。

こうした「嘘つき」の筋は、徒手療法の臨床現場でもよくみられる「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」の関連痛である。

痛み症状の部位が必ずしも原発部位ではなく、、傷害部位から離れて発症する。

発症部位イコール原発部位ではないのである。

痛みは嘘をつくことがあるから厄介なことになる。

とは言っても、筋自体はその機能生理にしたがって関連痛を引き出しているわけで、「嘘つき」呼ばわりは臨床家の勝手な言い分に過ぎないのだろう。

だかこそ、病態の見極めが肝要になる。


帰りには、痛まずに歩けるようになったが、小殿筋が収縮する動作で再現される。

痛みが起こった時の対処法を教えて、中小殿筋と梨状筋のストレッチを在宅で行うように指導した。


それから4回の治療を行った。今では仕事に復帰している。

今度は長時間歩行ができるように、取り組んでいる。



by m_chiro | 2018-04-06 18:39 | 症例 | Trackback | Comments(0)
腰椎すべり症で右腰下肢痛に悩まされている女性(巨刺法の応用例)
農業婦人の腰下肢痛の症例。
3年ほど前から右腰下肢痛に悩まされている。
整形外科医院に受診し、「腰椎すべり症」と診断された。
それでも今手術する段階ではないので、保存的に治療することを勧められている。
鎮痛剤と湿布剤が処方されている。

〇初診時
痛みは、右の上殿部から大腿外側後面へ、さらに下腿外側から拇趾へと痛だるさとしびれ感を伴ってる。
つま先歩行(-)、踵歩行(右±)、右拇趾伸筋MMT(↓)、右中殿筋に圧痛、仰臥位での下肢伸展位での痛み(+)、歩行での痛み;跛行なし(+)
■治療
硬膜管のリージョン;S2,S4、尾骨―C6
蝶形骨-後頭骨-上顎骨、右ヒールテンション
結果(VAS)10→5

〇4日後(2回目)
2日ほど調子良好だったが、昨日から再悪化
■治療
上掲神経節;C3、星状神経節;C7
硬膜管のリージョン;S4、C2
巨刺法の応用;右膀胱経に左心経ラインから(タッチトークで陰ゲキ;HT6、任脈の巨闕;CV14の2穴周辺を求める)
(10HZの探知器で反応点を探り刺激しながら右下肢の運動を指示、痛みが起きないのでソマセプトを貼付して歩行状態をみる。)
 歩行でも痛みを感じないで動けるようになる。

◇推論
右下肢と左上肢の交叉する運動パタンが不全の状態である。
おそらく果樹の選定作業で右下肢に重心を落として、左手で枝を固定する作業の連続が筋筋膜性の障害につながったのではないだろうか。
そのために右の中小殿筋に発生したTrPによる関連痛と思われた。
直接TrPを刺激すると関連痛が起こり不愉快のようなので、巨刺法を応用した左上肢からの遠隔法がとてもよい反応をしたようである。
上肢と下肢の支持筋を固定しないで使うことを勧めておいた。
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by m_chiro | 2018-03-10 17:10 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「私の身体は、いったいどうなってしまったのでしょう?」
20代後半になって、身体が右側に傾きはじめた女性。
次第に歩行もままならなくなって、整形外科に受診する。
診断は「脊椎側湾症」だった。
腰痛や肩甲骨間部痛、偏頭痛、後頭部痛も顕著になって行った。
痛みは「側弯症」と無関係とされ、鎮痛剤と筋緩和剤が処方されたが、一向に改善する兆しがみえてこなかった。
神経内科でも異常なし、とされている。
不安が募り、あちこちの医療機関を回っているうちに、精神的にも不安定になり、不眠症にもなった。
やがて神経科、心療内科も受診することになったのだった。

診察すると、身体的な歪みはあっても構造的な側弯の徴候はみられない。
徒手検査チェックから、以下の問題に対応することにした。
1)脳神経4;滑車神経
2)星状神経節;T2
3)上腸間膜神経節;T11
4)下腸間膜神経節;T12、L2
5)翼口蓋神経節
6)顎下神経節
7)迷走神経
8)硬膜管リージョン;S4、尾骨-C7、L3
9)蝶形-後頭骨-上顎骨連鎖

遠方からの来院なので月に1~2回の治療期間になったが、2回目に来院したときには「歩きやすくなった」と述べている。
2回目の治療でも、翼口蓋神経節、顎下神経節、滑車神経節(左上斜筋+)のチェックで引っかかった。
いつもマスクを着用しているので顎の変位を見落とした。
歯の問題を聞いてみたところ、数年前から歯に隙間できて噛み合わせがおかしい、と告白したので顎関節チェックを行う。
TMJ問題
1)オープンマウス(+)
2)下顎の左側方移動(+)

症状は医療のたびに安定していったが、まだ長時間の歩行で歪みが起こる。
さらに歯科医師での治療を併用するように勧める(治療終了まで3カ月を要した)。

今年の2月にみえたときには、歯の治療が終了していた。
顎機能が安定したら、また状態がよくなっていた。
これまで、のべ10回の治療を継続したことになる。
10回目の治療後に、いろいろ訪ね歩いた治療が功を奏しなかったこと。
原因不明とされ、先天的なものとまで言われて長い間かけていた不安だったことなど。
諸々話しながら、その不安な気持ちを抱えて遠方の私のところまで治療にきたわけである。
それでも治療するたびによくなっていったので、本当に良かったと言っていただいたことが大きな励みになった。

姿勢制御系に顎機能の問題は重要である。解決しない問題には、何かきっかけが必要である。
それが顎機能問題だったりすることもあるわけで、それを実感させられた症例だった。

徒手医学会でお世話になっている歯科医師・幸田秀樹先生は、顎機能と姿勢制御の問題に真っ向から取り組んでおられる。
たびたび学会でもご高説を拝聴したし、セミナーでも貴重な学びをいただいた。
参考文献も紹介いただいてきたことが、この症例にも活かされた。
幸田先生にお目にかかった折に、ご報告しておきたい。

by m_chiro | 2018-02-19 16:43 | 症例 | Trackback | Comments(0)
巨刺法の応用形❹ 右上肢上腕部のの外旋・内旋時痛
2年ほど前から右上肢・上腕部の痛みが続いている。

10年ほど前に乳がんの摘出手術を行った40代女性。
手術での右肩甲骨と鎖骨周辺の痛みと肩関節の可動制限が回復して、やっと運動機能的に良好な状態になっていたが、2年ほど前から右上肢の内旋外旋の動作で痛みと制限が起る。
就寝時は右上肢の置き場がないような感じで痛むことがあり、
肩関節の可動域に問題はないが、特定の角度で痛む。
時に整形外科でのリハビリと物療を受けているが改善しない。

*動態診
痛みの出る部位と運動時の変化をみると、すべて肺経のライン上にある。
内旋外旋位で顕著(大胸筋の停止部位と関連か?)

*タッチトーク
①対症優先、巨刺法の適応、肺経・胃経交叉優先
②巨刺取穴のチャートから胃経「豊隆」で反応する

*治療
❶患部対側の胃経を第2趾から辿って停滞する部位(「豊隆」と思われるポイント)を探る。
 探ったポイントに一転圧刺激を行い、右上肢の運動を指示する。
 「アレッ! 痛くない! 動かせる! なんで?…」
❷左前脛骨筋のフロー状態にない線維群を探ってリリースする

再び右上肢の運動を行わせるが、問題なし。
運動に対して固定された経絡ラインの痛みには、巨刺法の刺激応答がとても効率よい成果が期待できる。
by m_chiro | 2017-07-27 12:33 | 症例 | Trackback | Comments(0)
巨刺法の応用形❸ 右膝の歩行痛・屈曲障害
巨刺法の応用形❸ 右膝の歩行痛・屈曲障害

初診
昨年10月に長時間の正座後に右膝の具合が悪くなる。
次第に腫れてきて整形外科受診(X-rayで老化変性が診られる。水腫)
水を抜き、鎮痛薬の処方。
腫れたら水を抜くことの繰り返しで、歩行痛(特に歩きはじめが顕著)、正座ができない。

運動痛をみると、屈曲伸展で膀胱経ラインに痛みが出現する。
経絡に特有の痛みであるため、巨刺法の応用形を試みる。
タッチトークで刺激点を決める。応答は対側心経ラインの「小海」である。
「小海」を刺激しながら、膝の屈曲伸展運動を行わせると痛みが消失する。
そこで、「小海」部位を治療対象にした。
終わって、歩行させると痛みなしに歩けた。

2回目
3週間後に来院。
歩行痛はない。最初の治療効果が継続している。
正座はまだできない。
更に運動痛を探ると、膝屈曲位での外転運動で脾経ラインの膝の部位に特有の痛みが限局して現れる。
タッチトークすると対側の大腸経「温溜」で応答する。
「温溜」を押圧刺激しながら、右膝屈曲・外転運動を行わせると痛みもなく動かせる。
治療ポイントを「温溜」にとる。
治療後の膝屈曲外転運動を再現させると、痛みがなく運動できる。
更に、歩行の足の運びがよくなった。
後は、正座ができるようにあることだが、自宅でのエクササイズを指導した。
さて、今度はどう変化するだろう。

特定の運動痛が経絡上にみられれば、鍼を使わなくても巨刺法の応用形は1~2、あるいは3ポイント以内の効果的に少ない刺激で可能である。
タッチトークからの応答を用いると、ほとんど1ポイント、経絡混在のケースで2ポイントで効果があがるようになった。
その診たてが適切であれば、特有の痛みに有用性の高いシステム系の治療となるように思う。
私としては、刺激の手法を刺激器具を用いないで、徒手による方法によって精度を高めるように工夫したい!

by m_chiro | 2017-04-14 09:28 | 症例 | Trackback | Comments(0)



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