カテゴリ:学術記事( 8 )
骨盤の歪みは腰痛と関連するのか?
「骨盤が歪んでいませんか?」と聞いてくる腰痛患者さんが少なからずいる。
骨盤の非対称性と腰痛との関連を調査した論文が専門誌に掲載されている。
発症後1年以内の腰痛患者144名と健常者138名を対象に、骨盤の歪みを厳密に測定して腰痛との関連を調べた研究である。
その調査で、どのような臨床的意義においても、骨盤の非対称性(歪み)と腰痛とは関連していないことが証明されている。
代替医療にとっては、もっとも受け入れ難い事実かもしれない。
それでも、肝臓は右、心臓は左、右肺は3つ、左肺は2つ。
人間の身体は左右対称ではないことを解剖学で習ったはずである。
それを思い出そう!

「静的骨盤における非対称性と腰痛との関連」
この研究調査は、理学療法サービスを求める21~50歳の患者の12ヶ月未満の腰痛と骨盤の非対称性との間の関連性を評価した論文。
つまりは、骨盤の非対称性になると腰痛になる、この前提を評価している。
これまでに、骨盤の歪みが腰痛とどのように関連しているかを系統的に公表評価した研究は行われていない。

結果は、骨盤の非対称性は臨床的に有意義であると思われるいかなる方法でも、腰痛と積極的に関連していなかった。
後上腸骨棘のランドマークの非対称性は、腰痛の弱い陽性の関連性のある証拠を示した。
この結果を受けて、
「骨盤の非対称性と腰痛との間に有意義な正の関連がない場合、
この前提に基づく評価と治療戦略に疑問を呈するべきである」と結論づけている。





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by m_chiro | 2018-07-04 22:04 | 学術記事 | Trackback | Comments(2)
ナッツを定期的に食べることは、心房細動リスクに良い影響か

ナッツの定期的な摂取は心房細動リスクを低下させる

Nut consumption and incidence of seven cardiovascular diseases

毎週適量のナッツを食べる人は、心房細動の発症リスクが低めであるようだ、というスウェーデン・カロリンスカ研究所からの研究報告。

研究チームはまた、それほど確かではないが心不全のリスクも低下することを発見したという。

先行研究では、ナッツの定期的な摂取は心疾患/脳卒中と、その関連死のリスクの低下に関連することが示唆されていたが、どういう心血管疾患に有効なのかハッキリしていなかったという。

研究チームは、45-83歳の61,000人以上の人々に生じ摂取頻度調査を実施し、その後平均17年にわたって追跡調査した。

ナッツを食べる人は、食べない人に比べてより学歴が高く健康的な生活習慣である傾向がみられた。

喫煙率は低めで血圧も低めだった。

さらには、より痩せていて、活動的で、アルコールを良く飲み、野菜と果物も良く食べた。

追跡期間中に、4,983例の心筋梗塞があり、うち917例は致死的だった。3,160例の心不全、7,550例の心房細動、972例の大動脈弁狭窄、983例の腹部動脈瘤、3,782例の脳梗塞、543例の脳出血があった。

性年齢を調整した結果、ナッツの摂取は、心筋梗塞、心不全、心房細動、腹部動脈瘤の低下と関連がみられた。

けれども、生活習慣、普段の食事、糖尿病の有無と家族的などを調整すると、心房細動と心不全のリスクだけが関連付けられたという。

ナッツは、健康的な脂肪、ミネラル、抗酸化物質が豊富であり、これらすべてが心血管系の健康に寄与しているのだろう、と研究チームは説明している
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by m_chiro | 2018-06-15 09:22 | 学術記事 | Trackback | Comments(1)
「ウォーキングはガムを噛みながら」が健康にいいらしい!

The effects of gum chewing while walking on physical and physiological functions.

(ガムを噛みながらのウォーキングは身体生理機能的に効果的)

早稲田大学スポーツ科学学術院准教授の宮下政司氏とロッテの研究グループがまとめた報告。
21~69歳の男女を対象に行った調査結果(J Phys Ther Sci. 2018 Apr;30(4):625-629. doi: 10.1589/jpts.30.625. Epub 2018 Apr 20.)に掲載された。
ガムを噛みながらウォーキングすると男女・年齢にかかわらず、エネルギー消費が増加し、身体生理機能上の効果が認められた。
特に、中年男性での増加が顕著で、身体生理機能的に効果が高かった。

調査では、21~69歳の健常な男女46人を、A群(ガムを噛みながらのウォーキング)、B群(ガムを噛まずにウォーキング)に分けて、歩行中の心拍数、歩行距離、歩行速度、歩幅、エネルギー消費量を計測、疲労度をアンケートした。
歩行時間はそれぞれ15分間、自分のペースでウォーキングしてもらった結果をまとめている。

結果:A群(ガムを噛みながら歩行)では、B群に比べて心拍数が健全な範囲内で平均3%増加(男性では2.1%、女性では3.8%)していた。
特に中年男性での増加が顕著であった。
歩行距離で3.5%、歩行速度で3.5%、エネルギー消費で2.5%の増加であった。

研究グループの結論は「ガムを噛みながら行うことで、健康づくりに有効とされるウォーキングの効果を高める」と結論し、
今後は呼気ガス測定などエネルギー消費の詳しい検討を進めているようである。



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by m_chiro | 2018-05-31 09:49 | 学術記事 | Trackback | Comments(2)
シナモンで関節炎の症状が緩和される?

シナモンで関節炎の症状が緩和される?

Cinnamon Consumption Improves Clinical Symptoms and Inflammatory Markers in Women With Rheumatoid Arthritis.

シナモンがリューマチなど関節炎症状が緩和されるのではないかという調査の記事。

人口の0.4~0.5%、30歳以上では約1%が関節リューマチ(RA)にかかるとされている。

シナモンは、民間療法で関節炎などに使用されたりするが、これまで詳細は検討されていなかった。

今回、イランからの研究結果により、シナモンの摂取は、RA(関節リュウマチ)患者の炎症と臨床症状を改善する安全で潜在的な補助的療法である可能性が示唆された。

(Journal of American College of Nutrition誌オンライン版2018年5月3日号に掲載)


本研究は、女性RA患者36例を対象にした無作為化二重盲検試験である。
対象者を無作為に2群に分け;シナモン粉末500mg(シナモン群)とプラセボが入ったカプセル(プラセボ群);を8週間連日投与し、開始時と終了時の空腹時血糖(FBS)、脂質プロファイル、C反応タンパク質(CRP)、TNF-α、赤血球沈降速度(ESR)、血圧、臨床症状を測定した。

主な結果は以下の通りであった。
●プラセボ群と比較して、シナモン群のCRPおよびTNF-αの血清濃度が優位に減少した(p<0.001)
●拡張期血圧はプラセボ群と比較して、シナモン群で有意に低かった(p=0.017)
●プラセボ群と比較して、シナモン群は臨床スコアであるDAS28(Disease Activity Score)、VAS( Visal Analogue Scale)、圧痛関数と腫脹関数を優位に減少させた(p<0.001)
●FBS、脂質プロファイル、肝酵素またはESR(赤血球沈降速度)の有意な変化は観察されなかった。





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by m_chiro | 2018-05-18 09:01 | 学術記事 | Trackback | Comments(2)
心臓疾患に有益なタンパク質とは?

心臓に有益なタンパク質とは?

肉のタンパク質よりナッツのタンパク質が心臓に良い?


Patterns of plant and animal protein intake are strongly associated with cardiovascular mortality: the Adventist Health Study-2 cohort


肉類のタンパク質が心疾患のリスクを高めるのに対して、種実(ナッツ)類のタンパク質は心臓の健康に有益であるようだ、という米国ロマリンダ大学などからの研究報告。

研究チームは、アドベンチスト健康研究-2の参加者で81,337名の男女のデータを解析した。

食事調査は、食事摂取頻度調査票を用いて2002年と2007年の間に実施された。

平均9.4年の追跡調査期間中に、2,276名が心血管疾患(CVD)で死亡した。

肉由来のタンパク質を多く摂取した者は、心血管疾患(CVD)による死亡リスクが60%高く、ナッツや種子由来のたんぱく質を多く摂取した者は、CVDによる死亡リスクが40%低かったという。

穀類、加工食品、豆類(Legumes)・果実・野菜由来のたんぱく質とCVDには関連がみられなかった。

「食事中の脂肪が心血管系疾患のリスクに影響を与えることは頻繁に言われるが、タンパク質もまた重要だがしばしば見過ごされがちな独立したリスク因子である」とギャリー・フレーザー博士は語っている。

「栄養学者は、伝統的に肉の脂肪は悪玉脂肪であるとか、種実類の脂肪は善玉脂肪であるという風に言うことが多いが、今回の結果はより多くのことを示唆している。食事に含まれるタンパク質の生物学的影響をもっと考慮する必要があるだろう」

本研究は、別の問題、たとえば「特定のアミノ酸が重要であるのか」、「どのタンパク質が重要であるのか」といった問題を提示するものである、とフレーザー博士はまとめている。



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by m_chiro | 2018-05-08 10:25 | 学術記事 | Trackback | Comments(2)
座りすぎ注意! 代謝だけでなく脳にも置く影響か?
座り過ぎは代謝だけでなく脳にも悪影響?

(この調査は座位行動と脳への有害影響を調べたものだが、途中にどれくらいの頻度で立つ動作が含まれていたか考慮されていない。
あくまでも参考的な予備調査と見ておいた方がいいようだ。)


長時間座り続けることは、記憶力に関連する脳の一部に良くない影響を及ぼすようだ、という米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校からの予備的研究。

Sedentary behavior associated with reduced medial temporal lobe thickness in middle-aged and older adults


 研究チームは、45-75歳の35名に、この1週間の身体活動量や座位時間について聞き取り調査した後、高解像度MRI画像診断を受け、脳の新規記憶が形成される部位である内側側頭葉(MTL)を詳細に調査した。

その結果、座位行動は、MTLが薄くなることの有意な予測因子であることが明らかになったという。
身体活動を、それも高度にしていても、それだけでは座位行動の有害影響を防ぐには不十分であった。

この研究結果は、長時間座り続けることが脳の構造を薄くする原因になると言っているのではなくて、両者に相関関係がみられただけであることに注意すべきだと研究者らは語っている。
加えて、調査では何時間座っているかを尋ねただけで、その間にどれくらい頻繁に立ち上がるかは尋ねなかった。

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by m_chiro | 2018-05-02 08:45 | 学術記事 | Trackback | Comments(2)
辛い経験→脳の老化→加速

離婚などのライフイベント1回で「脳の老化」が4カ月早まる


離婚や家族の死、金銭トラブル、深刻な健康問題といった人生を左右するようなつらい出来事は、ストレスをもたらすだけでは済まないようだ。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のSean Hatton氏らによる研究から、こうした重大かつネガティブなライフイベントを経験すると脳の老化が加速することが明らかになった。


この研究結果は「Neurobiology of Aging38日オンライン版に発表された。

Negative fateful life events in midlife and advanced predicted brain aging


Hatton氏らは今回、19651975年に兵役に就いていた男性359人(平均年齢62歳)を対象に、重大なライフイベントと生物学的な脳年齢との関連について検討した。

対象者の約88%は白人で、約80%は前線での戦闘の経験はなかった。

対象者には5年の間隔を空けて2回の調査を実施し、家族や友人の死、離婚、離別、流産、経済的な問題、深刻な医療上の緊急事態といったライフイベントの経験の有無のほか、生活習慣や社会経済的状況について尋ねた。


また、記憶力の検査やアルツハイマー病のリスクに関連する遺伝子の検査、さらに脳のMRI検査を実施し、全ての情報をアルゴリズムに入力して脳年齢を推定した。

なお、このアルゴリズムでは脳の老化に影響する可能性がある心疾患リスクやアルコール摂取量、社会経済的状況、民族などの因子を調整して脳年齢が推定された。


その結果、重大かつネガティブなライフイベントを1回経験するごとに、脳の老化が4カ月早まることが分かった。つまり、「家族の死」と「離婚」の2回のライフイベントを経験すると、脳年齢は8カ月高まることになる。


この研究は因果関係を証明するものではないが、Hatton氏によると、以前からストレスが多くかかる出来事を経験すると染色体の末端にあるテロメアの短縮が加速することが分かっているという。

テロメアは染色体を保護する役割を果たし、加齢に伴い短くなる。


今回の研究報告を受け、専門家の一人で米ノースカロライナ州立大学チャペルヒル校のDanielKaufer氏はストレスが炎症を惹起している可能性を指摘。

また、「ストレスフルなライフイベントが起こると、食べられなくなったり、眠れなくなったりする人は少なくない。したがって、ライフイベントそのものではなく、ライフイベントが起こった時のこうしたネガティブな反応が脳に悪影響を与えるのではないか」との見方を示している。


なお、今回の研究は主に白人男性を対象としたものだったが、Hatton氏は「この研究結果は女性や他の人種にも当てはまる可能性が高い」としている。

また、健康的な生活習慣によって、ネガティブなライフイベントによる脳の老化リスクは抑えられるかもしれないとしている。


Kaufer氏もこれに同意し、「つらい出来事を経験した時の反応には個人差がある。食事などの生活習慣に関連した因子は、脳や身体の反応に長期的な影響を及ぼすと考えられる」と説明。

その上で、「精神的な回復力を強化することで、ストレスフルな状況でも前向きに対処できるようになる可能性がある。今回の研究結果は、そのような治療的介入についてもヒントを与えてくれた」と話している。




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by m_chiro | 2018-05-01 12:14 | 学術記事 | Trackback | Comments(3)
「世界一辛いトウガラシで激しい頭痛、脳動脈に異常も」
「思い当たることもないのに...」と言いながら痛みを訴える患者さんには、前夜にの食事の内容を聴きとると思わぬ関連に突き当たることがある。
例えば、食べすぎなどで内臓膜に緊張をもたらすと、膜系の連鎖から関連痛の誘因になることも臨床ではよく経験するところだ。
あるいは「そう言えば、前の晩に韓国鍋の激辛料理を食べた...」とか、激辛食を食べ過ぎても痛みの誘因となる。
下記の記事はBMJ症例報告からの内容である。
世界一辛いトウガラシ「キャロライナ・リーバー」を食べて可逆性の脳血管攣縮症候群による雷鳴頭痛を警告したものである。
世界一辛くなくてもカプサイシンが誘因となる関連痛にも気をつけたいものである。

「世界一辛いトウガラシ(キャロライナ・リーバー)で激しい頭痛、脳動脈に異常も」An unusul cause of thunderclap headache after eating the hottest pepper in the world-"The Carolina Reaper"


トウガラシを食べると救急科を受診しなければならないレベルの激しい頭痛が起こる可能性があることを、覚えておいた方が良いかもしれない

トウガラシを食べるコンテストに参加した男性が、世界で最も辛いとされている種類のトウガラシを食べた後に「雷鳴頭痛」と呼ばれる激しい頭痛に苦しんだとする報告書が「BMJ Case Reports49日オンライン版に掲載された。


CT検査では脳動脈の一部の攣縮が認められ、男性は可逆性脳血管攣縮症候群(RCSVと診断されたという。

報告書を執筆した米バセット・メディカルセンターのEdward Bischof氏らによると、この男性は34歳。

ニューヨーク州で開かれたトウガラシを食べるコンテストで、世界で最も辛いトウガラシとされる「キャロライナ・リーパー」という種類のトウガラシを食べたという。

その直後に男性は吐き気を催し、さらに数日間にわたって激しい首の痛みと頭痛が数秒間持続する症状が繰り返しみられた。


男性は救急科を受診し、さまざまな神経症状の検査を受けたが、異常はなかった。

しかし、CT検査で脳動脈の一部の攣縮が認められ、RCVSによる雷鳴頭痛と診断された。

その後、この男性の症状は自然消失し、5週間後のCT検査では脳動脈が正常に戻っていたという。


RCVSには必ずしも明確な原因があるわけではないが、特定の処方薬や違法ドラッグに反応して発症する場合がある。

Bischof氏らによれば、トウガラシの摂取によるRCVS発症例の報告はこれまでなかったが、以前からカイエンペッパーの摂取が冠動脈の攣縮や急性心筋梗塞と関連していることが報告されている。


今回の症例報告について、米ノースウェル・ヘルス頭痛センター所長のNoah Rosen氏は「可逆的だが危険な脳動脈の攣縮に抗うつ薬や精神刺激薬、マリファナが関連することは分かっていたが、今回の報告からカプサイシンも関連する可能性が示された」と説明。

その上で「治療は対症療法しかないため、問題を起こしうるこれらの物質の摂取を避けるしかない。したがって、世界一辛いトウガラシを食べようとしているなら、それは考え直した方が良い」と話している。



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by m_chiro | 2018-04-26 22:43 | 学術記事 | Trackback | Comments(2)



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