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痛み学NOTE② 「痛い!」と言われれば痛いのである
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

② 「痛い!」と言われれば痛いのである

 国際疼痛学会(IASP)の「痛みの定義」によれば、「痛みとは、組織の損傷を引き起こす、あるい損傷を引き起こす可能性のある時に生じる不快な感覚や不快な情動を伴う体験、あるいはそのような損傷が生じているように表現される感覚や情動的体験である」としている。

 この定義によれば、痛みとは生体に実在する障害あるいは潜在的な組織障害に伴って起こる知覚的、情動的な不快体験ということである。からだのどこかに神経を刺激する有害なものがあるとする知覚と、不快感を示す心の表現をさしているのである。つまり、痛みは二面性を持っていることになる。

 これは実にやっかいな問題でもある。痛みが知覚的かつ情動的なものであるとすれば、まったく個人的な体験と言う以外ないのだ。

 痛みを愁訴とする患者の症状が良くなったと言われても、良くなった痛みが本当はどの程度の痛みで、それは多くの人に共通の強度なのか、あるいは疾患によって同じものなのかを計り知ることはできない。痛いと言われれば、それまでのことなのである。
by m_chiro | 2007-11-20 09:13 | 痛み学NOTE
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