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4月に「除外診」した患者さん(ALS)は、40年来の親友!
酒田にオフィスを構えて以来、家電等の管理をお願いしていた友人がいる。

彼が3年ほど前に検診でのPSA値が高いとされ、細胞診で前立腺癌(2本+/12本中、Gleason's score7点)とされた。放射線療法とホルモン療法で前立腺癌は完治とされ、今後はPSA値の経過観察となった。

ところが、今年の4月頃に「息切れと多汗、暑さ寒さに敏感、喉の渇き、食欲低下など」の症状を話していたので、「ホルモン療法で自律神経のバランスでも崩れたのでは....」と、あまり深刻にも考えずに話題にしていたのである。

それでも彼には不安があったようで、3か所の病院で内科全般、心臓など検査を受けた。心電図、CT画像にも問題が診られない。血液検査でも問題が指摘されなかった。要するに「運動不足だ」と言われ、病院のリハビリで対応するプログラムが処方された。

それでも改善の兆しが見えない。
4月半ばを過ぎて、「病院の検査結果を全部持って行くのでみてもらいたい」と予約が入った。いろいろ話を聴いてみたが、要領を得ない。ともかく汗がよくでること、息切れがする、階段も途中で休んであがる(リハビリの運動は大丈夫)、食欲低下などの愁訴を述べるが、不安感とでも言おうか全身的に何か変だという感じ、のような感じようであった。

からだの状態をチェックしようと体に触れたら、呼吸が異様なことに気がついた。横隔膜が上手く動けないようだ。呼吸器関連の検査は、肺のX-rayで異常なしとされているという。ともかく呼吸器を診てもらおうと、知人の内科・呼吸器科の先生に紹介した。

診察した先生は、すぐに病院の呼吸器内科に紹介されて検査入院をすることになったのである。
結果、D-Dダイマー精密測定の異常値が検出された(正常値の10倍ほど)。
赤沈1時間の検査値も倍の値だった。
ところが、その原因を特定でない。そこで、神経内科の追加検査がリクエストされる。
髄液検査で、出された結果は「ALS(筋委縮性脊索硬化症)の疑い」「球麻痺の疑い」だった。
愕然とした結果である。4月半ばのことであった。
上下肢の筋力もみたが、特にこれといった格別の異常を感じなかったので、その結果には、余計に驚かされた。
私は最悪、延髄の梗塞だろうかと推測したのだったが....(画像で問題が指摘されていなかった)。

確定診断は「ALS」だったが、これまでALSを除外したのは5症例になった。それがしかも40年来の友人で、私は彼にかけるべき言葉をみつけることができなかった。

病室に彼を訪ねると、開口一番「いや~、よかったよ!」と言ったのである。
私は一瞬、その意外な言葉にも躊躇していると、続けて「このまま病気が分からないで不安のままに死んだら、死んでも死にきれなかった」。
病室のTV・インターネット回線でALSのことを調べて「十分に納得できた。悔いはない」。
病室いる間、ず~と喋り通しで、いろんな思い出話で笑ったり、深刻な病気の人とは思えない雰囲気の空間だった。結局、人工呼吸器も拒否して、令和元年5月1日になって息を引き取った。その潔い覚悟を目の当りにし、わが身に置き換えて考えてみたが、果たしてそれほどの覚悟が出来るだろうかと思うばかりであった。

彼のALSは「呼吸麻痺先行型ALS」だったのだろう。横隔膜を支配するC3-5頸髄節における前角細胞の脱落変性が先行した病態なのだろう。

by m_chiro | 2019-06-14 11:36 | 症例
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