「坐骨神経痛、詐病サギ師の筋」と言うけれど...

2か月前に右腰臀部から痺れを伴った下肢痛になった男性。
ペインクリニックを受診する。
「坐骨神経痛です」と言われて、硬膜外ブロック注射を受ける。
2時間が経過してやっと立つことができたが、症状は変わらない。
1週間後に再び硬膜外ブロック注射を受ける。
それでも症状に変化はない。
さらに1週間後に、今度は「神経根ブロック」注射を受ける。
今度は、立っているのも辛くなった。悪化する一方だった。

仕事も休まざるを得なくなって、それで今度は当院にみえた。

右の中小殿筋、梨状筋にトリガーポイントがある。ジャンプ兆候である。
仰臥位でも腰下肢痛が出て、仰臥位ができない、という。
それで小殿筋ストレッチをかけて軽度の牽引を行った。
仰臥位で両下肢を左側屈にして足首を把持し、右下肢を外旋位で内転牽引を行った。
「あ~、気持ちいい! 痛くない! なんで?..」
おそらく「小殿筋」のトリガーポイントからの関連痛であろう。
でも、小殿筋単体ではなさそうである。「あぐら姿勢」を取らせると再現されるところをみると、中殿筋、梨状筋もからんでいそうだ。
c0113928_18273300.jpg

中小殿筋は「坐骨神経痛」の「詐病・サギ師の筋」と言われている。

いわゆゆる「嘘つき」の筋肉ということだ。

類似の症状を出して、その病態に成りすます、あたかも「サギ師」の筋だというわけである。

こうした「嘘つき」の筋は、徒手療法の臨床現場でもよくみられる「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」の関連痛である。

痛み症状の部位が必ずしも原発部位ではなく、、傷害部位から離れて発症する。

発症部位イコール原発部位ではないのである。

痛みは嘘をつくことがあるから厄介なことになる。

とは言っても、筋自体はその機能生理にしたがって関連痛を引き出しているわけで、「嘘つき」呼ばわりは臨床家の勝手な言い分に過ぎないのだろう。

だかこそ、病態の見極めが肝要になる。


帰りには、痛まずに歩けるようになったが、小殿筋が収縮する動作で再現される。

痛みが起こった時の対処法を教えて、中小殿筋と梨状筋のストレッチを在宅で行うように指導した。


それから4回の治療を行った。今では仕事に復帰している。

今度は長時間歩行ができるように、取り組んでいる。



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by m_chiro | 2018-04-06 18:39 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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