愛犬・桐子逝く(17歳)
老犬の桐子は、春から運動機能が衰えてリハビリしながら過ごしてきた。 そして冬の足音と共に、その生命を終えた。 11月17日(金)、午前2時30分頃である。 桐子は生後5カ月ほどで群馬県の伊香保で捨てられた。 お腹を空かして餌を求めてうろついているところを捕獲されたのである。 保健所に連れていかれるところへ、捕獲場所のアパートの若夫婦が飼手を探すことを条件に、一次預かりをした。 その若夫婦はインターネット上で飼い主を求めたのであるが、縁があって私のところに来ることになった。 新潟の長岡で子犬を受け取り、帰りの道中、桐の花が鮮やかに咲いていたので、名前を「桐子」とした。 甲斐犬の血が濃いMixだと思う。 それから17年を共に過ごしたことになる。 心根のやさしい強い犬だった。出入りする多くの人に愛されてもきた。 ただ一つ、食べ物の盗み癖には泣かされた。 捨て犬の習性が消えなかったのだろうか。 でも、それ以外はとても忠実な犬だった。 17歳は、人間の年齢で言えば90歳を優に超えている。 だから、老衰で眠りについたまま息を引き取ったことになる。 ほとんど手のかからない犬だったが、この6か月ほどは介護に追われた。 歩行介助にはじまって、排泄介助、食事介助と重なっていったが、桐子自身は一言も泣き言らしいそぶりも見せなかった。 転んでも、転んでも、歩みを前に進めた。 食事の時だけ、自分も食べるとばかりにワンワンと声を出して自己主張をした。 空(くう)は、いつも桐子に添い寝をしてくれていた。 介護も大変だったが、老犬になっても妙に可愛らしかった。 低気圧が上空を覆った頃から、3日間ほどはほとんど寝たきりになり、次第に食も水も口にしようとしなくなった。 スポイトで水を与えたり、パンに牛乳をつけて与えたりしたが、あの旺盛な食欲はすっかり影をひそめてしまった。 桐子はパンが好物でもあったのだが...。 そうして眠りについたまま息を引き取った。 体を綺麗にし、タオルケットに包んで寝かせ、香を炊いて枕経をあげた。 夜が明けるまで、思い出が走馬灯のように駆け巡って胸の中を寂しげに風が通り過ぎて行くのを感じながら.....。 ブログに書いた桐子の主な過去記事。 愛犬、雪の原を駆ける;http://mchiro.exblog.jp/10668671/ 第6回・わんわん大運動会;http://mchiro.exblog.jp/11751639/ 呆れた食い意地!;http://mchiro.exblog.jp/12677581/ 空のうっとり顔と桐子の「待て」;http://mchiro.exblog.jp/13033431/ 桐子&空の新年走り始め;http://mchiro.exblog.jp/13397399/ 桐子のリボン;http://mchiro.exblog.jp/13749462/ 盗人・桐子の悪行三昧;http://mchiro.exblog.jp/16374189/ 「隙間風の桐」、今度は何を企むか;http://mchiro.exblog.jp/16415675/ もう、どうにも止まらない!;http://mchiro.exblog.jp/16487942/ 桐子の療養生活 ;http://mchiro.exblog.jp/17999321/ 桐子のリハビリ;http://mchiro.exblog.jp/26636893/ 桐子の室内リハビリロード; http://mchiro.exblog.jp/26669215/
by m_chiro
| 2017-11-18 17:03
| わん・にゃん物語
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