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「パガニーニ愛と狂気のバイオリニスト」をDVDでみた
パガニーニ(1782~1840)というイタリアの天才バイオリニストは、「悪魔に魂を売り渡して得た」才能と言われるほどに、19世紀の音楽界を騒然とさせたバイオリン奏者だったようだ。

「パガニーニ愛と狂気のバイオリニスト」をDVDでみた_c0113928_10364871.jpgそのパガニーニの生涯が映画になった。
デイヴィット・ギャレツトというバイオリン奏者がパガニーニを演じたのだが、その映画の主題曲ともいえる「愛しい人よ」には魅せられてしまった。
歌い手は、ニコール・シャージンガー
以前、ブログの記事にして、その歌声を紹介しておいた。

『ニコール・シャージンガーの「愛しい人よ」』


「愛しき人よ」は、パガニーニ作曲の「バイオリン協奏曲第4番~第2楽章」にゲーテの詩「恋人のそばに」をアレンジして乗せたもの。
この逆バージョンは、このゲーテの詩にシューベルトが曲をつけたものもある。

楽しみにしていた映画「パガニーニ愛と狂気のバイオリニスト」を劇場で見逃がしたので、DVDリリースされると同時に借りてきてみたのだ。
が、率直な感想を言えば映画は惜しい出来栄えだった。

パガニーニの生涯にある程度の知識がないと、物語の流れがイマイチ分かりにくいからだ。でも、D.ギャレットの演奏の映像は素晴らしかった。

当時、音楽界の花形は歌い手であった。
楽器奏者はあくまでも裏方家業だ。
それをパガニーニはバイオリン奏者として表舞台で一世を風靡したわけだから、その演奏技術には並外れたエンターテイメント性もあったのだろう。
もっともプロデュースしたマネージャー役の存在もあったからかも知れないのだが…。

パガニーニはバイオリンや音楽的素養は天才でも、好色で博打好きの酒飲み、飲む打つ買うの破天荒な人生を送った人のようだ。
そんな人生が死期も早めている。

それでもパガニーニの奏でる曲目は、パガニーニしか演奏できなかったのだろう。
今では技術も向上しパガニーニ以上に演奏できるバイオリン奏者もいるらしい。
主演のD.ギャレットもそのひとりだろうか。

主題歌の「愛しき人よ」は、パガニーニが惚れ込んだシャーロットという歌手志望の若い女性に贈った。
シャーロットがコンサートで歌い、彼女は一躍有名になる。
が、二人の愛はマネージャーの策略で実らないで終わるのである。
ところが運命とは皮肉なもの。
それを境に女性は歌手として注目され、パガニーニは病と共に凋落して行く。
そんな流れで物語が構成されている。

だから「愛しき人よ」の曲と歌は、この映画で人生の分岐点になるような重要な位置にあるのだ。
吹き替えの歌をニコール・シャージンガーが歌っている。
素晴らしいなぁ~!

バイオリニストに演技を求めても、やむを得ないところではある。
でも、これだけの素材なのだから、もう少しきちんと映画を創ってほしかったと思う。
アカデミー賞を取った「アマデウス」では、作中人物のサリエリの回想がナレーション役にもなっていて、モーツアルトの人となりや背景や才能がよく理解できる構成だった。
残念なことに、「パガニーニ…」の映画には、そうした工夫も欠けている。
駆け足で物語が展開し、ただギャレットの演奏とニコールの「愛しき人よ」の歌声だけが印象に残った。
by m_chiro | 2015-02-13 10:45 | 雑記
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