間質性膀胱炎の擬態をつくるMPS
加茂先生のブログ記事「医師よこれ以上患者に迷惑をかけるのはやめよう」に、ワシントン・ポストの記事が紹介されていた。
そのワシントン・ポストの記事は、こちら。 “Myofascial pain syndrome often leaves doctors baffled and patients untreated” その記事を要約すると、次のような内容です。 長い間「間質性膀胱炎」と診断されてきた患者さんが、実はMPS(筋・筋膜性疼痛症候群)だった。いろいろドクターショッピングを重ねたが、なぜ誰も分からなかったのだろう、と疑問を投げかけながら、MPSの扱われ方を問題視して書いている。 「間質性膀胱炎」もMPSの擬態である可能性がある。 参考までに、ワシントンポストの記事内容も紹介しておきます。 「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)は医者を困惑させ、患者は治療されないまま放置される」 私の症状が始まったのは2008年1月のことでした。 おしっこをするたびに膀胱に深刻な痛みを伴うようになったのです。 私は「間質性膀胱炎」と診断されました。 周知のことではありますが、この病気は治療法がないとされる慢性的な膀胱症状のことです。しかしながら翌月になると、痛みは腿、膝、腰、臀部、腹と背中に広がりました。 私の病状は3年後に正しく診断されることになったのですが、その時まで既に2人の 泌尿婦人科医(urogynecologists )、3人の整形外科医、6人の理学療法士、2人の徒手セラピスト、 リュマチ専門医、神経科医、カイロプラクターとホメオパスに診てもらっていたのです。 何が間違っていたのでしょう? 完全に予想外であった私の症状:筋筋膜性疼痛症候群(MPS)に従うとすれば、リリースされていないで縮んだ筋線維に原因があったことになります。 筋線維の絶え間のない収縮は緊張した筋肉に硬結を作り、あるいはトリガーポイントを作り、そこから完全に健全な部位にまで身体の組織に痛みを送るのです。 たいていの医者は、一度も筋筋膜性疼痛症候群(MPS)について聞いたことがなく、ほとんどの医者がそれをどのように治療するべきか知りません。 私の症例で、骨盤底(骨盤の底となる筋肉の容器)におけるトリガー・ポイントが、膀胱への関連痛となったのです。 歩くと、私の 太腿に沿ったポイントが鋭い痛みを作り、膝関節の上にも痛みを作ったのです。腰部と臀部と腹部のポイントは骨盤と腰部の関節面をずらし、背中のもっと上の方にまで痛みを引き起こしたのです。 痛みがとても激しかったので、座ることができたのはごく短い時間だけでした。 「なぜ、誰もMPSを知らなかったのでしょう?」 Dr.ティモシー・テイラーが、私の痛みの原因を正確に診断した直後に、私はドクターに尋ねました。 ドクターが応えてくれました。 「医者は筋肉を専門に扱わないから」。 「筋肉は忘れられた臓器なんです」。 「そこには神経線維がありません」 ジョンズ・ホプキンス大学・神経学のロバート・ゲルウィン准教授によれば、そこに関連痛が伴うという一部の理由だけで、ほとんどの医科大学と理学療法プログラムは筋・筋膜痛の教育を行っていないのだそうです。 痛みとリハビリテーション医学所長でもあるR.ゲルウィンは、最近になってやっと内科学科がこのタイプの痛みを理解するようになった、と言っています。 R.ゲルウィンが話してくれました。 「神経外科医と長時間話しあったことを思い出すのだが、(関連した)痛みには、接点もなく、神経線維もなく、連鎖もなく、血管もなく、神経もなく、この2つの部位を結び付けるものは何もないんだ」と、その神経外科医は言っていた。 もちろん、その外科医は「関連痛のメカニズムが脊髄を通して拡大されたものであることを理解していなかったね」。 緊張した筋繊維からの痛みのシグナルは、同様に身体の他の部位からのシグナルを受け取る脊髄の特定の部位にも移動するのです。 その痛みが他のどこかから来るかのように、筋肉からの痛みシグナルが神経系で印象づけられると関連痛が発生するのです。 関連痛は今日ますます医者に認められてはいるが、筋・筋膜痛の診断と治療に大部分の医者が対応するようになるまでにはもっと多くの時間がかかる、とテイラーは見ているようです。 開業者はトリガーポイントを識別するために、特定のトレーニングを必要とします。 そして筋線維に索状硬結を識別し特定するために、慎重に患者を診察し触診しなければなりません。 2000年の調査では、痛み専門家の88パーセント以上はMPS(筋筋膜性疼痛症候群)が正当な診断であったとことを認めていますが、それを診断することについての基準に関しては意見が違っていました。
by m_chiro
| 2013-07-16 17:48
| 痛み考
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