六然社・直伝講習(9.19)「復習Guide ①」
参加された方々のために「復習のためのガイド」を記しておきます。
①ヒトの空間認知能力 人間の能力で何が凄いかと言ったら、おそらく誰もが「もちろん高次能力」と答えるだろう。現代の高度の文明や文化を築いたのも、この高次の能力に負うところである。だから異論はない。 でも、この能力って脳の進化に伴って増築されてできた脳の領域が担っているのである。だからと言って、その能力の凄さが下がると言うものではないが、それでもよく考えてみよう。 ヒトの進化のプロセスの中で、二足歩行を成し遂げた生物学的な特性の中での凄さは、何と言っても環境空間における立ち位置を認識する能力にあるだろう。 その空間認知は、どのようにしておこなわれているのか。それを理解することが、すなわちヒトの姿勢制御系を知ることでもある。 こうした空間における自己認知のシステムは、情報処理系としてプログラムされている。 このプログラムは、脳に対する入力刺激を神経学的に統合するかたちで機能しているのである。それは反射的な運動制御として、筋肉に出力されるプログラムとなっている。 このプログラムは強いものではあるのだが、実は危うい。だから神経学的に代償されることで統合しようとする。その結果が、姿勢の歪みであったり、機能的な不均衡として出力されるのである。 治療家は、ともすると表現された身体的に代償された結果にアプローチするわけだが、ここは視点を変えて神経の入力情報から姿勢制御系を捉えてみようとするのが、今回の直伝講習の主旨である。 その主な入力情報とは何か。 ①視覚系の情報、②聴覚系の情報、③頭位、④頸部の回転、⑤迷路刺激、⑥固有受容器である。 これらの入力情報が統合されて、ヒトは空間における自己を認知していることになる。要するに、これらの全てのシステムが統合されて脳が機能しているのだということを知る。そんな機会になることを、この講習では意識して臨んだ。 特に、今回は網膜からの視線運動反射(視動反射)、眼球運動、頚眼反射の反射バランスの不均衡による神経学的代償作用が身体にどのように影響するかを診た。 そして視覚神経系へのアプローチが、どのようにその制御系に変化をもたらすか、その治療の一例を紹介してみたわけである。 (22~23日は、日本カイロプラクティック徒手医学会に出席します。 続編は、その後に書くことにします。)
by m_chiro
| 2012-09-21 19:12
| カイロプラクティック
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