「科学者は批判的で懐疑的であるべきだ」エルンスト教授の教訓
食品安全情報blog「懐疑主義の遺産」
2011年5月30日の「Nature news」に掲載されたエルンスト教授へのインタビュー記事の内容の一部が紹介されている。 ”A legacy of skepticism”(懐疑主義の遺産)という記事内容である 世界で最初に代替医療の教授になったエルンスト(Edzard Ernst)博士が辞任することになった。 そのエルンスト教授に、Daniel Cressey記者がインタビューした内容である。 エルンスト教授はホメオパシー、鍼灸、ハーブ、マニピュレーションの代替医療を専門としてきた。ホメオパシーについては博士号を持つ。 そのエルンスト教授がインタビューで、「ホメオパシーはとても意味がないことがわかった」と語っていた。 そんなエルンスト教授の姿勢が、ホメオパシーを信頼し支援している英国王室の意にそぐわなかったのだろう。エルンスト教授の辞任をめぐっては、チャールズ皇太子から大学側への圧力があったという風聞すらあるようだ。 もしも、そのことで大学側が皇太子の意向を反映させたのだとしたら医学教育の危機でもあろう。 インタビューの中で、次のように語っている。 「科学者は批判的で懐疑的であるべきだと私は信じているので、科学を使う場合にはあなたが望んだことが正しいことを証明するためにではなく、それが正しいかどうかを調べるために使うべきだと考える」 徒手療法の現場では、摩訶不思議な身体現象によく遭遇する。 エルンスト教授の教訓を我が身に当てはめると、 「摩訶不思議な現象を証明するために科学を使うのではない。それが正しいかどうかを調べるために科学の知見を使うのだ」ということになろうか。 どっちも同じようなことではないかと思うだろうが、この紙一重の差が代替医療の世界では重要なのだ、とエルンスト教授は語っている。 菅内閣時代に「バカ+バカ=バカ」と言っていた政治家がいた。 あまりにも愚劣な考えを持つ政治家をいくら集めても、愚劣は愚劣だ、という意味だろう。 徒手療法での不思議現象を似非科学で証明しようとしても、「不思議現象+不思議科学=摩訶不思議」である。 それ以上にはならない。 「科学する者は批判的で懐疑的であれ」 この言葉も重い。
by m_chiro
| 2011-10-30 23:56
| 雑記
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