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筋膜は「へちまたわし」のイメージ
筋組織はいくつもの合胞体構造になっていて、一般的な細胞体構造とは違っている。
この筋組織には結合組織と呼ばれる支持構造があり、これが膜系の仕切り構造を作っている。 一本一本の筋線維は筋内膜で包まれ、それらのいくつかは筋束となって筋周膜で仕切られている。 その筋束の集合は筋上膜で包まれて固有筋を作り、他の固有筋と分けている。 これらの筋膜は固有筋を束ねて更に腱に合流する。それらが合成されて骨膜になり、更にまた違う筋肉に移行して行く。 これらの筋膜組織は膠原線維と考えられており、体性神経線維が分布している。 Aδ、C線維のグループⅢ、Ⅳの神経である(Lloyd-Huntによる神経線維の分類 )。交感神経も含まれている。 こうした膜系の連鎖は固有筋の概念と違った構造体として、支持機能と運動機能、情報網として作用しているのだろう。 ![]() この筋肉の膜構造を眺めていると、「へちまたわし」のようだ、と思えてくる。 身体の頭頂から足の先まで、その表層から深層へと、筋膜は「へちまたわし」のように筋肉や血管、神経を内包しながら全身を包み込んで多重構造による支持組織のイメージが湧いてくる。 ![]() 「へちまたわし」 この前の記事(1月21日)「B.フラーとT.ヤンセンに膜系連鎖を学ぶ」にsansetu先生がコメントを寄せてくれた。武道の流派の動きを引用してヤンセンのロボットの動きを評しいる。 支点・力点、作用点の流動と固定を同時進行で行なう技術がありますが、このロボットの動きとよく似ています。支点が流動するので相手は何をされているのか分からなくなります。 このコメントは有り難かった。コメントの中で、「支点が流動する」という表現は筋膜リリースの手法のコツだと感じた。 一般的に固有筋のストレッチは、その筋の起始あるいは停止(関節)を固定して伸張させる作用点を作る。 ところが筋膜のリリースでは支点が流動する。つまり固定することはしない。 かといって支点がないわけではなく、支点が変化する。つまり支点は流動するのである。 筋膜が持つ伸縮性と弾性それに神経系の情報ネットワーク網は、徒手治療が果たしている役割も多いにちがいない。
by m_chiro
| 2009-01-27 16:27
| 膜系連鎖
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