腰痛治療の「新ガイドライン」(米国内科学会)では、まずは薬物療法以外を推奨
Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians.

米国内科学会(ACP)が先ごろ発行した新たなガイドラインによると、腰痛患者にはまず薬剤を用いない治療法を試すことを推奨している。
薬物療法であろうと、他のさまざまな療法であろうと、ほとんどの治療法は「効果が少ない」か「中程度の効果」であることがわかったからである。

特に神経根性腰痛については治療効果を示すエビデンスはほとんどなかったが、運動療法には有用性が認められた。

麻薬系鎮痛薬は最終手段とすべきであるが、アセトアミノフェンには効果が認められないため、今後は推奨しないという。オピオイドは依存症や過量投与のリスクがあり、有効性を示すエビデンスも少ないため、やむを得ない場合のみ使用し、数日にとどめるべきであるとしている。

ガイドラインでは、一般に12週間未満の腰痛の場合は、温熱シート、マッサージ、鍼治療、カイロプラクティックにより効果が得られる可能性があるとしている。

12週間以上続く場合でも、運動療法、鍼治療のほか、ヨガ、太極拳、マインドフルネスによるストレス軽減、ガイデッド・リラクゼーションなどの「心身」療法、認知行動療法が有効な場合があるという。
運動療法は最も一般的で有効性も期待されるということだろう。

 「Annals of Internal Medicine」に2月14日オンライン掲載された今回の勧告は、腰痛治療に関するさまざまな研究のレビューに基づくものであるが、薬物療法か否かを問わず、ほとんどの治療法は効果が「少ない」か「中程度」であることがわかった。

特に神経根性腰痛については治療効果を示すエビデンスはほとんどなかったが、運動療法には有用性が認められた。

付随論説を執筆した米ハーバード大学医学部准教授のSteven Atlas氏は、今回の勧告はプライマリケア医にとっては大きな変更であると指摘する

。医師が患者に紹介すべき鍼師を知らない場合もあり、費用の問題もある。
治療の決定は実用性の問題に大きく左右されると、Damle氏も認めている。
また、医師は複数の治療法を併用することも多く、もっと実際的な臨床試験が必要であるとAtlas氏は述べている。

慢性腰痛の患者は、治療に期待しすぎず、現実的に考えることも重要であるという。

 なお、今回のガイドラインでは非侵襲的治療のみを取り上げており、薬剤注入や外科手術などの侵襲的治療については触れていない。
[PR]
# by m_chiro | 2017-03-04 08:48 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
自力歩行ができなくなったサッカー少年
小学4年生の男子が、左股関節部の痛みで自力歩行もままならなくなった。

なんでも4日前に「よさこいダンス」の練習があって、そのとき違和感があったらしいが、そのままダンスの練習をやり通した。

それから歩行時に痛み出したので整形外科を受診する。
X-ray(-)で、湿布薬を処方されて物療に通うように指示された。
翌日はサッカー練習も休んだ。

一夜明けて朝には痛みが軽減していたので、午後からサッカーの練習に出る。
練習の帰りに、また違和感がでる。歩行がおかしい.....。

その翌日の朝、起きると痛みで歩行ができない。
階段もお尻をつきながら降りてきて、学校には祖母に車で送り迎えをしてもらう。
友達の介助のおかげで、学校生活を過ごしたものの、歩行ができない。
再び整形外科へ。ところが休診だった。

それで私のところに連れてみえた。

左股関節が、ほとんど外旋・屈曲できない。
腸腰筋や鼠蹊部周辺の筋群に強いスパズムがある。
カウンター・ストレインを用いて、徐々にスパズムの緩解をめざした。
急性の強いスパズムだったので、少し手こずったが股関節の屈曲が8割程度は可能になった。

歩行させると、歩けた。
ちょっとは痛みが残るが、今日はこれで安静にするように…。

ところが、週末に2日間のサッカーの大会があるので「出てもいいか?」、という。

5日あるとはいえ、「様子を見て普通に歩けるようになったら、少しづつ運動をはじめてもいいが、完全回復しないうちに無理をしたらまた痛むから、今回は休んだら..、」と忠告しておいた。
よくこういうパーターンがあるが、これまでも忠告を守られたことはほとんどない。

気になっていたら、大会の翌日におばあちゃんが報告にみえた。
「いや~、次の日には魔法をかけらたようによくなって、ありがたかった!」

サッカー大会も欠場者が出ると、次の大会はトーナメントから外されるらしく、みんなに迷惑をかけられないからといって2日間出場したが、その後も大丈夫だった。

ひとまず安心したが、そんなわけでみんな無理するんだろうなぁ~。
一人の選手の欠場で、次の試合の出場権を失う規則なんて、どうかしている…。
[PR]
# by m_chiro | 2017-02-28 17:25 | 症例 | Trackback | Comments(0)
右上肢の挙上で痛みのダンサー(陰陽交叉法の応用②・同側例)
今度は、陰陽交叉法の応用でも同側パターンである。
同側のクロール・パターンで抑制反射が起きている症例である。

ダンスの大会に向けて猛練習中の女性、右肩を挙上していくと三角筋部の痛みがあるといってみえた。
可動域に問題がないが最大域に近づくにつれて痛みがではじめる。
首の動きでも違和感がある。
大会前に調整した意向である。

タッチトークで「ベクトル」、クロール・パターンである。
優先は肝ラインで、同側の三焦ラインとの陰陽交叉・同側パターンである。
肝経の関与筋は菱形筋、三焦経で肩の動きに関与する関連筋は小円筋である。

小円筋は上腕骨頭を運動時に関節窩内で安定させる補助を行う。
おそらく関節可動域の問題ではなく、安定が不十分なために最大可動域で周辺の筋への負荷がかかるのだろう。

肝臓ラインを辿って、停滞部にコンタクトし肝臓の脈をモニターしてリリースした。

肩運動させてみると、大分良好になった。

あと1~2割の痛みは動態リリースで解消した。
ダンスの練習での負荷が過剰で、脳内での再構築が不十分なのだろうと思ったからである。

結果、良好になった。
これで、ダンス大会でも頑張ってほしい!
[PR]
# by m_chiro | 2017-02-18 10:30 | 症例 | Trackback | Comments(0)
左上腕の痛みに、陰陽交叉法を応用したら...
左上腕の痛みを訴える女性。
どんな状態で痛むのだろうか?
「….どんな時でも痛い!….」
動きには関係なく、思い当たる理由もなく痛いのだそうだ。
ホントでしょうか?
ベッドに仰臥位で上肢は伸展静止位、これでは?
「やはり痛い!」
では、右肘を曲げて見て、これでは?
「アッ、痛くない」
肘関節の屈曲位では痛みが消える。上腕三頭筋が関与するのかもしれない。

タッチトークを行うと、筋筋膜障害ではなく「ベクトル」で反応する。
ベクトルは運動系の経線情報にも関わる。優先順位を問うと、「右下肢」優先で「クロス・パターン」で反応する。
クロスパターン動態で抑制が起こる。クロールパターン動態はOKである。
経線の停滞部を見ると第一趾の脾経ラインが内果で停滞する。
その停滞部位を押圧して、足関節のアライメントを合わせて維持し、左上肢の痛みの変化を尋ねると、「アレッ、痛くない!なんで?」。
いろいろな方向に動かしてもらったがOKである。

そこで右足関節のアライメントを調整した。
これで左上肢の痛みが消失しているが、脾経のラインを追うと、右下腹部に停滞がある。
脾経の筋関連は大胸筋鎖骨部、内側広筋、上腕三頭筋、広背筋である。
そこで更に右下腹部の停滞部位にコンタクト(フロー状態になるCWスピン)して、他方手で右の脾経の脈を捉まえてモニターした。
脈が変化したところでリリース。
クロスパターン動態での抑制も正常になった。

起きて右上肢の動作痛を確認してもらう。
大丈夫のようだ。
陰陽交叉法のシステムを応用すると、運動情報系のトラブルにとても良く反応することがある。便利に使える。
[PR]
# by m_chiro | 2017-02-17 12:37 | Trackback | Comments(0)
米ガイドライン、60歳以上の降圧薬処方基準を緩和
アメリカの内科学会(ACP)と家庭医学会(AAFP)ha,60才以上の健康な成人の血圧値の新しい基準を設けたガイドラインを発表した。そのために60才以上の降圧薬の処方を緩和することにしたようだ。それによると、収縮期血圧150mmHg以上を治療対象にしている(これまでは140mmHgであった)。ただし、脳卒中や心筋梗塞の既往、心疾患の著明な危険因子など、既知の心血管疾患のある成人の場合は140mmHg未満までを目標にすることが望ましい、としている。


米ガイドライン、60歳以上の降圧薬処方基準を緩和

米国内科学会(ACP)および米国家庭医学会(AAFP)が発行した新たなガイドラインで、60歳以上の健康な成人の血圧治療の目標値を緩和することが推奨された。

これまで高血圧の境界値は、収縮期血圧(高いほうの数値)で140mmHgに設定されていた。
しかし、新ガイドラインでは、60歳以上の成人の場合は収縮期血圧150mmHg以上を治療開始の基準としている。

このように目標を緩めることにより、便益と害のバランスが適切となるという。
それ以上積極的な治療を行っても、得られる便益はほとんどないとACPおよびAAFPは述べている。

米ノースウェル・ヘルス(ニューヨーク州グレートネック)のGisele Wolf-Klein氏によると、健康な高齢者の血圧コントロールを厳しくすると、便益よりも害のほうが大きく、極度の低血圧や失神などの事象を引き起こす可能性もあることが、近年の複数の研究で示唆されているという。

しかし、心血管治療はどの患者にも一律にすべきものではなく、患者によっては目標値をさらに下げる方がよい場合もあると、新ガイドラインの著者らは述べている。

たとえば、脳卒中または「ミニ脳卒中」の既往のある60歳以上の成人の場合は、収縮期血圧140mmHg未満を目指す必要があるという。
また、心臓障害リスクが高いと思われる60歳以上の成人にも同様の治療を検討すべきだと、ガイドラインでは述べている。

米ウィンスロップ大学病院(ニューヨーク州ミネオラ)のKevin Marzo氏は、「60歳以上の集団では半数以上に高血圧がみられる。
十分な治療をしないと、脳卒中、心筋梗塞、心不全などの重篤な心血管障害のリスクが増大する」と指摘する。

同氏によると、60歳以上の健康な人には150mmHgの目標値が適すると思われるが、脳卒中や心筋梗塞の既往、心疾患の著明な危険因子など、既知の心血管疾患のある成人の場合は140mmHg未満まで目標値を下げるのが望ましいという。

[PR]
# by m_chiro | 2017-02-01 11:19 | 雑記 | Trackback | Comments(0)



守屋カイロプラクティック・オフィスのブログです
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
ほとんどがMPSなんだけ..
from 心療整形外科
月経が再開した
from 心療整形外科
TPは痛みの現場ですらな..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
脊椎麻酔後頭痛について
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
起立性頭痛
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
「5%の中に本当の椎間板..
from 心療整形外科
髄液循環系と揺らしメモ
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
医師はユニコーン(架空の..
from 心療整形外科
末梢神経の周膜と上膜にも..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
また勉強になりました。
from 漢のブログ
ライフログ
検索