左上腕の痛みに、陰陽交叉法を応用したら...
左上腕の痛みを訴える女性。
どんな状態で痛むのだろうか?
「….どんな時でも痛い!….」
動きには関係なく、思い当たる理由もなく痛いのだそうだ。
ホントでしょうか?
ベッドに仰臥位で上肢は伸展静止位、これでは?
「やはり痛い!」
では、右肘を曲げて見て、これでは?
「アッ、痛くない」
肘関節の屈曲位では痛みが消える。上腕三頭筋が関与するのかもしれない。

タッチトークを行うと、筋筋膜障害ではなく「ベクトル」で反応する。
ベクトルは運動系の経線情報にも関わる。優先順位を問うと、「右下肢」優先で「クロス・パターン」で反応する。
クロスパターン動態で抑制が起こる。クロールパターン動態はOKである。
経線の停滞部を見ると第一趾の脾経ラインが内果で停滞する。
その停滞部位を押圧して、足関節のアライメントを合わせて維持し、左上肢の痛みの変化を尋ねると、「アレッ、痛くない!なんで?」。
いろいろな方向に動かしてもらったがOKである。

そこで右足関節のアライメントを調整した。
これで左上肢の痛みが消失しているが、脾経のラインを追うと、右下腹部に停滞がある。
脾経の筋関連は大胸筋鎖骨部、内側広筋、上腕三頭筋、広背筋である。
そこで更に右下腹部の停滞部位にコンタクト(フロー状態になるCWスピン)して、他方手で右の脾経の脈を捉まえてモニターした。
脈が変化したところでリリース。
クロスパターン動態での抑制も正常になった。

起きて右上肢の動作痛を確認してもらう。
大丈夫のようだ。
陰陽交叉法のシステムを応用すると、運動情報系のトラブルにとても良く反応することがある。便利に使える。
[PR]
# by m_chiro | 2017-02-17 12:37 | Trackback | Comments(0)
米ガイドライン、60歳以上の降圧薬処方基準を緩和
アメリカの内科学会(ACP)と家庭医学会(AAFP)ha,60才以上の健康な成人の血圧値の新しい基準を設けたガイドラインを発表した。そのために60才以上の降圧薬の処方を緩和することにしたようだ。それによると、収縮期血圧150mmHg以上を治療対象にしている(これまでは140mmHgであった)。ただし、脳卒中や心筋梗塞の既往、心疾患の著明な危険因子など、既知の心血管疾患のある成人の場合は140mmHg未満までを目標にすることが望ましい、としている。


米ガイドライン、60歳以上の降圧薬処方基準を緩和

米国内科学会(ACP)および米国家庭医学会(AAFP)が発行した新たなガイドラインで、60歳以上の健康な成人の血圧治療の目標値を緩和することが推奨された。

これまで高血圧の境界値は、収縮期血圧(高いほうの数値)で140mmHgに設定されていた。
しかし、新ガイドラインでは、60歳以上の成人の場合は収縮期血圧150mmHg以上を治療開始の基準としている。

このように目標を緩めることにより、便益と害のバランスが適切となるという。
それ以上積極的な治療を行っても、得られる便益はほとんどないとACPおよびAAFPは述べている。

米ノースウェル・ヘルス(ニューヨーク州グレートネック)のGisele Wolf-Klein氏によると、健康な高齢者の血圧コントロールを厳しくすると、便益よりも害のほうが大きく、極度の低血圧や失神などの事象を引き起こす可能性もあることが、近年の複数の研究で示唆されているという。

しかし、心血管治療はどの患者にも一律にすべきものではなく、患者によっては目標値をさらに下げる方がよい場合もあると、新ガイドラインの著者らは述べている。

たとえば、脳卒中または「ミニ脳卒中」の既往のある60歳以上の成人の場合は、収縮期血圧140mmHg未満を目指す必要があるという。
また、心臓障害リスクが高いと思われる60歳以上の成人にも同様の治療を検討すべきだと、ガイドラインでは述べている。

米ウィンスロップ大学病院(ニューヨーク州ミネオラ)のKevin Marzo氏は、「60歳以上の集団では半数以上に高血圧がみられる。
十分な治療をしないと、脳卒中、心筋梗塞、心不全などの重篤な心血管障害のリスクが増大する」と指摘する。

同氏によると、60歳以上の健康な人には150mmHgの目標値が適すると思われるが、脳卒中や心筋梗塞の既往、心疾患の著明な危険因子など、既知の心血管疾患のある成人の場合は140mmHg未満まで目標値を下げるのが望ましいという。

[PR]
# by m_chiro | 2017-02-01 11:19 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
「繰り返す難治性のめまいは首を疑え」
BPPV(良性頭位変換性めまい)や動揺病の背景にある頸部の問題および姿勢制御に関わるこの問題は、
経験する症状でもある。
体の揺れやふらつき感といった動揺病症状はもいれると、めまい感を訴える患者さんは、決して稀な症状ではない。日経メディカルの記事「繰り返す難治性のめまいは首を疑え」は参考になる。

そのような患者さんに遭遇したら、「めまい出現前のエピソードを聞き出すこと」が大事だと分かる。
そこのところの記事を引用して貼付しておく。

めまい出現前のエピソードを聞き出す
 頸性めまいを疑った場合、どのように診断していけばいいのだろうか。
高橋氏は、「ふらふらするめまいか、ぐるぐるするめまいか」という質問に始まり、脳血管疾患や耳鼻科疾患を除外するために、「頭が痛かったり、重かったりはしませんか。
耳鳴りや耳の調子がおかしい感じはありませんか」と問う一方で、
必ず肩こりの有無を患者に確認する。

人によっては肩こりの重症度の受け止め方が異なるため、「肩こりはない」という患者にも「首や肩が重いようなすっきりしない感じはないかと質問することが有効」と高橋氏はアドバイスする。

 さらにめまいが出現した時期よりも前に、頸部を酷使するようなエピソードがないかを確認することも大切だ。
二木氏は「BPPVと診断して治療しても改善が認められないときに、過去に頸部疾患を指摘されたことがないか聞くことも有効だ」とアドバイスする。
 
福武氏は、問診で主に肩こりの4大危険因子を聞くようにしている。
(1)運動不足かどうか、
(2)パソコン作業などの姿勢の問題を抱えていないか、
(3)ストレスで緊張することが多いかどうか、
(4)首から上(眼や歯)に悪いところはないか、首から下(腰や膝)が悪くないか
――の4つだ。

[PR]
# by m_chiro | 2017-01-21 15:48 | 「神経学」覚書 | Trackback | Comments(0)
鷹下肢痛への硬膜外ステロイド注射の有効性についての一研究
腰下肢痛への硬膜外ステロイド注射は、よく見ても短期間の効果しかなく、有効性を示す科学的根拠は見いだせない、とする研究。

腰痛と坐骨神経痛に対する硬膜外ステロイド注射に関するRCT(ランダム化比較試験)の系統的レビューを実施した結果、硬膜外ステロイド注射の有効性を示す科学的根拠は見出せなかった。
もし効果があるとしても短期間しか持続しない。

すでに硬膜外ブロック注射の保険適応を制限し始めている国や地方があります。
医療従事者が自分の腰痛患者に行なう治療に関して、完全な支配権を握っている時代は終焉に向かっています。
いつまでもエビデンスのない治療を続けているわけにはいきません。

Efficacy of epidural steroid injections for low-back pain and sciatica: a systematic review of randomized clinical trials.
腰痛および坐骨神経痛に対する硬膜外ステロイド注射の有効性:無作為化臨床試験の体系的レビュー

この研究の目的は、腰痛に対する硬膜外ステロイド注射の有効性を評価することであった。
公開された無作為化臨床試験のコンピュータ支援検索および試験方法の評価を用いてデータを得た。
硬膜外ステロイド注射を評価する12のランダム化臨床試験が確認された。
硬膜外ステロイド注射の有効性に関する4つのカテゴリー(研究集団、介入、効果測定、およびデータ提示および分析)および著者の結論を使用して、方法の質についてのスコアに基づいてデータを抽出した。

試験の方法スコアは17〜72ポイント(最大100ポイント)の範囲であった。
8回の試験では、メソッド点数が50点以上であった。
4つのベスト・スタディ(> 60ポイント)のうち、2人が肯定的結果を報告し、2人が否定的結果を報告した。
全体的に、6つの研究は、硬膜外ステロイド注射が基準治療よりも有効であり、6が基準治療よりも良くないことを報告した。
試験の方法論的品質と報告された結果との間には関係がないようであった。

結論として、ほとんどの研究の設計に欠陥がある。
最善の研究では、硬膜外ステロイド注射の矛盾した結果が示された。
硬膜外ステロイド注射の有効性はまだ確立されていない。
硬膜外ステロイド注射の利点は、もしあれば短期間しかないようである。
今後の研究努力は正当であるが、治験の方法にもっと注意を払うべきである。


[PR]
# by m_chiro | 2017-01-20 10:41 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
「痛み学」NOTE 76.機能性身体症候群(FSS)は慢性痛症を統括するのか
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。


「痛み学」NOTE 76. 機能性身体症候群(FSS)は慢性痛症を統括するのか

本来、痛みは生理機能的に誘発されるものである。
ところが、その原因を器質構造に求める時代が長く続いた。
それを反証するかのように筋・筋膜にスポットが当てられ、「筋筋膜疼痛症候群(MPS)」が提示されたのである。1952年、Travellらによるものであった。

筋筋膜痛そのものは、ヒポクラテスの時代にまで遡ることができる古い疾患名でもある。
それでもMPSの概念とは違う。
MPSは筋・筋膜に起因する関連痛などの複合的な関連症状を特徴とする症候群である。
だから筋・筋膜が傷害された病態とは概念的に異なるのだ。

MPSはトリガーポイント(TrP)の存在がひとつの指標になっている。
それは押圧刺激などによって他の部位に関連痛を誘発する特徴があり、少なからず自律神経症状を伴うこともある。
それでも診断の指標となる臨床検査値は見当たらない。
症状も一様ではなく、全身性に発症する。面倒なことに、TrPができる機序も仮説の域を出ていないのである。それに押圧によって痛みを伴うからといって、必ず関連痛が生じるわけでもない。筋・筋膜という視点で考えると、「線維筋痛症(FMS)」と重複する要素もありそうだ。

線維筋痛症は、1990年に米国で診断基準が発表されている。
初期症状を圧痛点に求めていることもMPSと重なるところではあるが、関連痛が指標になっているわけではない。
圧痛点による決定的な違いは、MPSが一側性に出現するのに対して線維筋痛症では両側性に顕れる。
4㎏/㎝2での触診で圧痛点を確認することになるが、全身18ケ所のランドマークのうち11ケ所以上に存在が認められる病態を初期症状としている。

ところが次第に自律神経症状や精神神経症状が顕著になり重症化する。
ドライアイ、ドライマウス、不眠や鬱など、多様な随伴症状から受診科目も広範にわたっている。
ともかく複雑で厄介な病である。
今では下降性疼痛抑制系の障害を重視しているようだが、この病態の詳細については日本線維筋痛症学会が「線維筋痛症診療ガイドライン」を発刊(2013)していてネット検索で読むことができる。

近年また新たな概念が提示された。
それは「機能性身体症候群(Functional Somatic Syndrome;FSS)」とされる疾患である。
世界疼痛学会(IASP)では、2009-2010年のスローガンに「世界運動器痛年」を取り上げた。
その運動器痛のカテゴリーのひとつとして「機能性身体症候群;FSS」を提唱しているのである。
ところが「またもや」である。
FSSは適切な診察や検査を行っても、病理学的所見の存在を明確に説明できない病態とした。
医学的に説明できない身体症状は、今に始まったことではない。
それだけに痛みは複雑であることになるが、FSSは痛み症状だけでなく慢性的な疲労感、動悸やめまい、過敏性腸症候、ムズムズ脚症候、線維筋痛症など、これも症状が重ね合わされて表現されるという。

FSSは、A. J. Barsky教授(ハーバード大学・精神科)が1999年に定義した。
当初は批判的な意見も多く、その拡散には時間を要したのだろう。
‟The Lancet” 誌にレビューが掲載されたのは2007年だった。
批判が多かったのも分からないでもない。
何しろパンドラの箱のように、いろんな疾患や症状が詰め込まれている。
そのような「医学的に説明困難な身体症状(Medically Unexplained Symptoms)」は、以前から「MUS」として一括りにされてきた。
ここにきて「FSS」を新たに一つの疾患概念にしようという狙いなのだろうか。

FSSに含まれる病態には、それぞれの診断基準に類似や合併疾患が認められること、精神症状の随伴が高率で、しかも発症率も女性に多いことなど類似点も多い。
このこともFSSとして一括りにした理由らしい。

医学的診断とは、病因を病理学的に推測・確定することにある。
が、痛みなどの感覚機能の病態を確定的に断定することには困難が伴う。
そもそも生きものは複雑系にあるからだ。
だからこそ、腰痛などの痛みは自己限定疾患とされ、2012年の国際疼痛学会では90~95%の腰痛を非特異的であるとした。

背景には心理・社会的要因があるとする。
要するに訴える症状は氷山の一角であり、底辺には心理・社会、経済など身体機能的に関連する大きな問題が眠っているということだろう。

だからと言って心理的な理由をあげつらい、臨床の現場で患者を説き伏せても、あるいは気休めの言葉を投げかけても、解決に繋がるわけではない。
まして不安を増長させる物言いはノーシーボ効果をもたらす最悪の対応になる。

そうなると「病の物語」に耳を傾け、納得いく説明と理解から治療がはじまるのだろう。
そこから集学的アプローチが望まれるのである。
[PR]
# by m_chiro | 2017-01-07 21:43 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)



守屋カイロプラクティック・オフィスのブログです
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
ほとんどがMPSなんだけ..
from 心療整形外科
月経が再開した
from 心療整形外科
TPは痛みの現場ですらな..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
脊椎麻酔後頭痛について
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
起立性頭痛
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
「5%の中に本当の椎間板..
from 心療整形外科
髄液循環系と揺らしメモ
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
医師はユニコーン(架空の..
from 心療整形外科
末梢神経の周膜と上膜にも..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
また勉強になりました。
from 漢のブログ
ライフログ
検索