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腰痛❶-文献学的考察-
腰痛に関する文献学的な考察では、TMS-Japan代表の長谷川淳史氏の記述および論説が根拠とすべき情報を提示している。長谷川氏の業績の一端を紹介しながら、私の参考とすべき「MEMO」としてここにも記録しておきたい。

❶ターニングポイントは1994年
腰痛の概念は近年大きく変わりはじめた。
私がカイロプラクティックの勉強をはじめた40年ほど前とは隔世の感がある。
当初、腰部椎間板ヘルニアは腰痛に関する諸悪の根源という考えが定説的であった。
それゆえに椎間板治療に対する治療は、外科的対応も含めて徒手療法でも花形のスキルであった。

ところが、一向に腰痛問題は解決されなかった。
それどころか腰痛の罹患率は更にアップし、そのことによって経済的損失も増大していく。
そんな状況を打破すべく、アメリカ医療政策研究局(AHCPR)が腰痛対策に本腰をあげたのである。
1992年までに発表された急性腰痛に関する論文を精査・検討したのだった。
その結果を「成人の急性腰痛診療ガイドライン」として報告したのが1994年である。

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AHCPRが『成人の急性腰痛診療ガイドライン』に着手した理由は次の4点。

(1)アメリカでは腰痛の罹患率が15~20%と高く、就業不能の原因としてあげられる第1位が腰痛である。

(2)プライマリーケアにかかる患者で腰痛を主訴とする患者は2番目に多く、整形外科医・神経外科・産業医を訪れる最大の理由にもなっている。そして、外科手術を受ける疾患でも3番目に多いとされ、経済的・心理社会負担もきわめて大きい。

(3)腰痛のために活動障害のある患者の多くが、臨床転帰を改善させる有効な診断と治療を受けていない。その科学的根拠が増加している。

(4)腰痛の研究機関が増加してきた。そのことによって一般的に行なわれている腰痛治療の体系的評価が可能となった。現存する科学論文には欠点があるものの、現在行なわれている治療法の有効性と安全性に関する結論には充分な科学的根拠がある。

アメリカ医療政策研究局(AHCPR)がまとめた「成人の急性腰痛診療ガイドライン」が公開されたことで、腰痛の概念的変化が変わりはじめる。
それが1994年のことである。
1994年は、腰痛の概念が変わりはじめるきっかけとなった年なのだろう。
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by m_chiro | 2016-03-25 09:34 | Trackback | Comments(0)
3.13セミナー、どうにか終わった!
JSC東日本支部からの依頼で行ったセミナー(3.13)を無事に終えることができた。
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宮坂支部長との2年越しの約束を果たすことができて、先ずは安堵したという心境かな。
支部長の宮坂仁先生は、東京で開業(木場カイロプラクティック)するカイロ界・若手のホープでもある。
実にナイスガイだ。
支部長に就任したのが2年前で、彼の存在を知ったのは丁度その頃だった。
以来、宮坂先生の支部長ぶりを眺めてきた。
今回のセミナーにあたっても、数カ月前に入念な打ち合わせ会を行ってくれた。
セミナーを依頼されて、こんな丁寧な企画や意図を説明されることは、そう多くはない。
熱い思いを聞いた。
その思いに応えなきゃと思うのは結構プレッシャーだったが、ともかく意図する方向性だけは保つように心がけたつもりである。
やり終えて、会員限定、人数制限などの参加への縛りの意味も、その意図が理解できたように思えた。

カイロプラクティック・コンセプトは、とてもハードな問題である。
これといったコンセンサスがないからだ。
解釈はいくらでもできる。
このことが結果的にカイロプラクティックを混乱させている源でもあるのだろう。
カイロ界がそれを明確に提示しないのであれば、自らが考えて構築する以外ない。そのことが強く求められているのが、今のカイロ界の現況である。
参加者がどう聞いたかは、たいした問題ではない。
私の考えを押し付ける気はないからである。
狙いはひとつ。自分の職業としている学技を追窮して深く考えてみよう、という志に点火できたかどうかにある。
「そこから技術指導を盛り込んでもらいたい」という宮坂先生のリクエストにしたがって、技術については「Somatic Flow Therapy(SoFT):身体フロー療法」のイントロダクシャンを紹介した。
「身体フロー現象からみた軸停滞のリリース」がテーマである。
この方法は私が近年あたためてきた手法の一つでもある。

カイロの視点は生体力学・動力学が主流だった。近年では、神経学的視点が重視されるようになり、神経学に学ぶ人も多くなった。
神経学はカイロ創世時からのテーマである。大事なことは言うまでもない。
もうひとつ生物学的視点もあってもいいのだろう。
そういう思いから身体フロー現象という観る視点を紹介したのである。
だからといって、どれが優れているとか新しいとか古いとか、そんなことを言うつもりは毛頭ない。
なぜなら、どれもがヒトを観るという視点では共通項が多いからである。

徒手療法にも様々な手法がある。
それらにも少なからず共通項がある。
その共通する手法の狙いは何だろうと考えると、それは姿勢運動制御系にあるのではないだろうかと思う。
姿勢運動制御系の基本中の基本は、3つの軸による制御と調整にかかっている。
動力学視点であろうと、神経学的視点であろうと、生物学的視点であろうと同じである。
だから、イントロとして軸停滞のリリースを取り上げた。
それを生き物として、どのように対処し調整しているか。
そんな観方から、軸の停滞の見分け方を紹介した。
その軸の停滞が、身体のどの部位に起因して起こっているのか、それを見極める簡単な方法を知ってもらったのである。

起因部位が分かれば、そこを治療のターゲットにするだけの話である。
その技法はなんでもいい。
得意な技法をつかえばいいだけのことである。
セミナーではスピンタッチ、双方向性合わせ鏡タッチ、ベクトルの一致とバリアの顕出、ボディトークによる刺激(4種)の選択を行い、速度重視のアジャストメントを行う。
結果、軸の停滞がリリースできたかを確認しながら進めるという、基本的な手法である。
この方法は、筋・筋膜系、骨格系、関節、骨、神経、脈管系、内臓機能系、脳機能系へと応用していくことができる。
どんな理解が得られただろう? それだけは気になっている。
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by m_chiro | 2016-03-17 10:53 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
CNNが取り上げたTMS理論
長谷川淳史先生TMS Japan代表)が、1999年に「セサモイド」誌に書いた私の記事「CNNが取り上げたTMS理論」をFacebookで紹介していた。

久しぶりに読み返すことができて懐かしかった。
確かにあの頃は、まだ痛みが脳の中にあるという考えは少数派のものだった。
長谷川先生のコメントにあるように、「感慨深いなぁ~」である。
ちょっと長いけど、対談インタビュー形式なので気軽に読めると思う。
ぜひご一読いただければ嬉しい!

守屋徹先生が紹介した『ラリー・キング・ライブ』は実に面白い。あの当時、「痛みは患部ではなく頭の中にある」という概念は、まったく受け入れられなかったけど、エビデンス(科学的根拠)が蓄積されて今ではずいぶん広がりを見せている。わたしの歩んできた道は間違っていなかったのだ。感慨深いなぁ。

ちなみに、渡辺謙さんやデーモン小暮閣下も『ラリー・キング・ライブ』に出演したことがある。また、映画『ジョンQ -最後の決断-』の中で、デンゼル・ワシントン演じるジョンQに『ラリー・キング・ライブ』から説得を試みたシーンが印象に残っている。(▼▼)


CNNが取り上げたTMS理論http://www.tms-japan.org/moriya02.html
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by m_chiro | 2016-03-07 12:16 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
脳の電気的刺激を自分でやるムーブメント “Nature”誌からの警告(2016.3.2)
「食品安全情報blog」http://d.hatena.ne.jp/uneyama/に、興味深い記事が紹介されていた。
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脳を刺激する器具が非医療用として使われるようになったが、その意味を考えるときがきたという。
”Nature”誌(2016.3.2)からの記事である。

DIY(Do it yourself)、自分でやっみろとばかりに脳刺激器具が安価で簡単に手に入り、スポーツパフフォーマンスや学習能力、自己啓発、ストレスの対応や精神力の向上など、一見輝かしい未来がそこにあるように思わせるが、神経学者が警鐘をならしているという。
日本でも、東京オリンピックに向けて、プロジェクトが動き出しているようだ。
大丈夫なの?

そのブログ記事を全文引用しておく。

脳のパワー
脳刺激は非医療用に使われるようになったがその意味を考える時期である

昨年米国の神経外科医が3人の患者の奇妙な症状を報告した。頭痛、吐き気、足の衰弱、低血圧、転倒などの症状を訴える60代から70代の胸部X線撮影で問題がわかった。心臓用のペースメーカーと、パーキンソン病の特徴的な振戦を抑制するために脳に埋め込まれている電極の電源ユニットがあまりにも近くにあったのだ。機器が干渉していた。

脳深部刺激は10年以上治療に使われてきているが手術は高価で誰にでもできるわけではない。適応患者は少ない。より安価で簡単な脳刺激装置に関心が高まっている。

学術誌ではいくつかの症例報告があるが一部の人たちが自分で自分あるいは子どもに市販の製品を使い始めている。このDIY脳刺激には多くの神経科学者が警鐘を鳴らしている。害がある可能性があるからだが、他により根本的な倫理上の問題がある。依存や不安などの症状のためではなく、精神能力を向上させる目的で使いたい人たちが増えている。

運動能力を増すために薬物を使うことは顰蹙を買うが同じことが認知機能強化技術についても言えるだろうか?

(こんなサイトがhttp://www.diytdcs.com/
でもこんなのが話題になってたので日本のほうがやばいのかも。
http://www.jst.go.jp/coi/sympo/data/v2_2.pdf)
Natureが心配しているのは一部の暴走、日本のは国を挙げての官民合同プロジェクト。)

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by m_chiro | 2016-03-04 17:45 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
天候の変化が痛みや鬱症状などに影響する
「慢性歯周炎の急性期の発生は気象変化後1〜3日」

3月に入ったと思ったら、また大寒波襲来のニュースが流れた。
札幌周辺では、春の訪れどころか寒波の再来に大変な事態が起きているようだ。
巻きこまれて死亡者も出ていた。

天候の変化が、痛みや健康状態に影響するということは知られている。
臨床でも経験することだ。
天候と症状悪化などの因果関係や機序についてはよく分からない。
気象変化した後の1~3日後に、慢性歯周炎でも痛みや腫れ症状が悪化するようだ。
岡山大学・予防歯科学の研究チームが調べた。

慢性歯周病患者150人の症状出現と、岡山地方気象台の2年間の気候データと比較している。
慢性歯周病の痛みや腫れの悪化が、気温の変化や気圧の変化と関係していたことを突き止めた。
なんでも、気圧が急激に低下した2日後、1時間ごとの気温の上昇が大きかった日の翌日に多く発症していたことが分かったという。

機序は不明ながら、天候変化が交感神経やホルモン分泌に影響を及ぼす可能性があることは言われてきたことである。
環境からのストレスも重要な健康因子である。
自律神経系や内分泌に影響を与える、ということだろう。
それが、歯周病の原因菌増殖に関与する可能性も高いのだそうだ。
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by m_chiro | 2016-03-01 11:02 | 雑記 | Trackback | Comments(0)



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