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丸池様と牛渡川
鳥海山麓の伏流水が平野部の牛渡川に流れ込んで、そこは秋になると鮭が遡上する川である。
途中に孵化場があって、遡上してきた鮭は孵化場のプールで稚魚となって日本海へと旅発っていく。

そして、毎年秋になると牛渡川に帰ってくる。
牛渡川の水は、伏流水を含んでとても綺麗だ。
川底まで綺麗に透けてみえる。
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水面が陽の光を受けて、まるで鱗のように光の波紋となって輝いていた。

孵化場の裏側には丘陵があって、そこは杉林の森である。
この森に生息する植物や動物は、殺生も持ち去ることも禁じられている。
手つかずの森なのだ。

この森に少し足を踏み入れると、林の中に伏流水の湧き水だけでできた直径20メートルほどの池がある。
この地区の人たちは、この池を「丸池様」と呼んでいて信仰の対象になっている。
何しろエメラルドグリーンの色を讃えた神秘的な丸池なのだ。
最近、パワースポットとしてひそかな人気があるとか、県外から訪れる人やアマチュア・カメラマンなどの姿も見える。
東北大震災の後、エメラルドグリーの色があせたり、水の量が少なくなったらしい。
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水深は4~5メートルほどで、水底まで見通せるほどに澄んでいる。
伏流水の湧き水なので水温も低く、倒木が池の底に倒れこんで長い年月池の底に沈んだままである。
それがこの池に棲む竜のように、水底に息づいているようなのだ。
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夕暮れには街並みの夕焼けが、足早にやってくる秋の訪れを告げるように真っ赤に燃えていた。
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by m_chiro | 2015-09-30 09:02 | 庄内の記 | Trackback | Comments(0)
「関節のメッセージを聴け!」を読んで、バラルの身体観・治療観に触れる
c0113928_1026716.jpg科学新聞社発刊のJ.P.・バラルD.O.の新刊本「関節のメッセージを聴け」を読んだ。

バラルの本が面白くないはずはないし、期待を裏切るはずもない。

今回の新刊本は一般人の読者を意識して書かれたようだが、治療家にこそ読んでほしいと思う。

バラルの治療観がとても分かりやすく語られていて、多くの示唆に富んだ内容になっている。
前作「体からのシグナル」に続く、姉妹編のような位置にある本だ。

オステオパシーの概念には、独自の用語や生命観・身体観があり、馴染のない者にとっては難解なところがあるかもしれない。

難しい専門書に向き合うとき、私は二段階の読書法をすることがある。
まずは平易に書かれた本に学ぶ。
そこで考え方や理論を概略理解した上で、専門書に取り組む。
あるいは専門書から逆に反芻しながら全体を理解するように読み込んでみる。

だから、専門教本が多いバラルの著作の中で、こうした平易に解説した本はとても有難い存在なのである。

この本では、関節を単に運動器の一部として捉えてはいない。
関節は心身の問題と深くかかわる存在だ、とバレルは説いている。
関節障害は心身問題を抜きにしては語れないし、それは双方向性に関わっているという。

そうかと言って、すべてを心理的要因と決めつけるのは、あまりにも安易すぎる。
その罠に嵌らないように、と戒めることも忘れていない。

あらゆる関節障害を実症例から解説し、そこに想定し得る関連性を多角的視点から論じている。
人の機能のプログラムに介入する要因には、身体内外の環境因子が深くかかわっている。
こうした視点や思いがけない関連性に学ぶことは、私たちの観察の幅を広げてくれることだろう。

また経験に基づいて、それらに効果的で具体的なアドバイスやエクササイズも紹介している。これも参考になる。

この本から、「治療は、やみくもに行うものではない」という一貫した治療家の姿勢を、読者は汲み取ることだろう。

治療家の素質とは、心身からのメッセージを謙虚に受け取り、それを熟慮する姿勢にあるのだという。
まさに、患者の心身に向かって「傾聴すること」から治療が始まるのだ。
そして、人間の謎に挑み続けようとする飽くなき探求心こそが、治療家の矜持を保つ志だと教えられた。

翻訳文も洗練されていて、訳書にありがちな読みにくさを感じることもなかった。
おかげで、バレルの治療哲学にすんなりと入り込むことができた。
これも読み手にとっては有難いことだった。
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by m_chiro | 2015-09-24 10:34 | Books | Trackback | Comments(0)
除外しなければ、なにも始まらないことがある
ある男性の患者さんが治療にみえた。
スポーツマンで立派な体躯をしている。
腰から左下肢の痛みを訴えている。
最初はこむら返りのような痙縮が起こって、それから腰痛や左下肢痛に悩まされるようになったようだ。もう一カ月ほどになる。

整形外科を受診して、X-Rayから「とても素晴らしい脊椎で問題はない」とされたが、痛みの原因は分からない。鎮痛薬と坐薬と湿布を処方され、リハビリとして腰部の牽引治療が続けられた。なぜ牽引なのかも分からないが、それが定番の治療なのだろう。
改善しないので治療にみえたのだが、ありふれた症状とはいえ、よく話を聴いてみると奇妙な病態であることが分かった。

基本的に痛みが増悪するのは寝ているときだという。
痛み出したら起き上がって歩く、そうして動いていると次第に落ち着いてきては再び寝る。
鎮痛薬と坐薬を使っていて、調子のよい時には起き上がる回数も少ないが、ほとんど一晩で数回は立ち上がっては落ち着かせて寝るということの繰り返しだそうである。

ということは、立って動いているときが最も楽な所作ということにある。
通常の腰痛の病態とは逆の増悪因子である。
日常の立位での仕事や通常の活動は、なんとか消化しているという。
生化学検査やMRIの検査の有無を聞いてみると、健康診断では良好で内科的に気になる症状はないとのことだった。

訴えは、左大腿四頭筋部や内転筋部、中殿筋部にある。
ところが筋・筋膜由来の硬結や圧痛など、相応の所見は見当たらなかった。
さて、この病態から何を推測すべきだろう。
私は、硬膜か髄膜の刺激症状ではないかと疑った。
X-Rayで骨の構造的病理的所見に異常がないのであれば、MRIでの画像所見で確認する必要がありそうである。

あくまでも推論とした上で、私の意見を伝えた。
1週間後に電話があって、MRIを撮ったという。
夕方にやってきたときには跛行状態だった。
どうしたのかと尋ねると、MRI撮影中から痛み出してどうにも治まらないという。
MRIの結果は明日になるということだが、痛みが治まらない。
いつもは立って動いているうちに楽になるのに、歩くのも辛い。
まして臥位になることはできなかった。

座位は比較的楽だというので、大腿部を触診すると、左の四頭筋と筋膜張筋まで緊張度が無くなっている。
皮膚上からのタッチで、筋・筋膜をリリースしてみた。
やがて痛みが軽減し四頭筋に緊張が戻ってきた。
筋紡錘への刺激を考慮して伸縮性のテーピングで補助をする。
これで歩行ができるようになり、通常の状態まで動けるようになった。
臥位をさせてみると可能だが、長い時間には不安がある。
筋・筋膜をリリースして痛みが軽減したからといって、そこに原因を求めることはできない。
臥位になると悪化するからで、どうも硬膜・髄膜を刺激する要因がありそうだ。

明日になればMRIの結果が分かるだろうから、その旨を伝えた。
翌日、電話があった。
腫瘍がみつかったらしい

ありふれた症状であっても、どこか理屈に合わなかったり、奇妙な発症の仕方をするケースでは、除外する見立てをしなければ何もはじまらない。
そんなことを再確認した症例だった。

快癒を願うばかりである。
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by m_chiro | 2015-09-10 11:55 | 症例 | Trackback | Comments(0)
形態学講座②の授業(9.5~9.6)に出席します
臨時休診のお知らせ
9月5日(土)~6日(日)は、形態学講座②の授業に出席します。


講師は、後藤仁敏先生です。
後藤仁敏先生の紹介
10代の頃から化石・鉱物採取に熱中され、東京教育大学理学部では地質学鉱物学を専攻。同大学を卒業後、東京医科歯科大学歯学部口腔解剖学教室に入局。解剖、組織、発生、進化を実践的に学ばれ、歯学博士、教授となられる。
現在までに1000体以上の人体解剖を行い、人体と歯の解剖学・組織学・発生学・進化学を教えると同時に、サメからヒトまでの脊椎動物の歯の形態・構造・発生・進化の研究をテーマに100以上の論文を書かれている。
古生物学者の井尻正二先生を師事され、恩師は解剖学者の三木成夫先生。
「頭蓋顔面の発生学」を翻訳され、著書の一部に、「歯の比較解剖学」「講座進化4形態学からみた進化」「硬組織の起源と進化」「新・ヒトの解剖」「唯臓論」「歯のはなし・なんの歯この歯」がある。
また、カイロプラクティックの大学で解剖学講師をされていたことがあり、日本だけでなくオーストラリアでの人体解剖の経験を持つ。


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講師の後藤仁敏先生(鶴見大学名誉教授)の著書を3冊読んだ。
「唯臓論」は、「唯脳論」(養老猛司著)を意識して書かれたのだろう。

「はじめに」の冒頭で「解剖学者の養老猛司氏は、人間がつくったものすべて脳の産物と考え「唯脳論」を提唱した」と書き出している。
唯臓論は「唯脳論の立場ではなく、人の活動をすべて内臓の機能から説明しようとする試み」のようだ。

私も1989年に「唯脳論」が出版されたときに読んだ。
とても感動した本で、私にはバイブル的な存在になった。
でも多くの書評を読むと、少なからず著者の本意との温度差を感じてならなかった。

「唯脳論」の主張は脳化されたことによって、ヒトの身体性が無視されていることを説いている。
だから脳がすべてだという主張ではない。
中枢は末梢の奴隷であるというスタンスだと受け止めた。
だから身体性の意義に心を止めよ、それが唯脳論の底辺に流れている、と私は理解した。

後藤先生の「唯臓論」も身体性としての内臓の機能をとりあげたものだろう。
その意味では「唯脳論」の路線上にある内容だと思うが、「唯臓論」のタイトル意味がいま一つ釈然としないところではある。

今回の授業では、消化器と呼吸器について、その形態・発生・進化について学ぶことになる。
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by m_chiro | 2015-09-04 15:32 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
空の13回目の誕生日
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空の誕生日には、毎年、誕生祝のプレゼントが届く。
送り主は、「ちばわん」メンバーのMikiお姉さんだ。


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空の一次預かりをしながら里親を探し、私のところにご縁ができた。
そして今年で13回目の誕生日を迎えた。
あのワガママでやんちゃな女の子も、今では老境に入って老いが目につくようになった。


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私は現在3匹の捨て犬と同居している。
と言うより、犬の家を我々夫婦が間借りしているようなものだろうか….。
犬の健康管理にも留意しているので、みな元気である。
予防注射以外で、獣医さんのお世話になることはまずない。
一度、先住犬の桐子が子宮蓄膿症で手術したことがあったが、今はすこぶる元気である。
それでも寄る年波には勝てず、難聴や白内障の気があり、脚力の衰えが目立つようになった。


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わんこ達の衰える様を目の当たりにしながら、わが身の老境とも重ね合わせる。
いつまで一緒にいたいと思いながらも、必ずやってくる別れを意識するようになった。
悲しいかな、これも現実である。

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by m_chiro | 2015-09-01 09:24 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(0)



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