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日本カイロプラクティック徒手医学会(10.25~26)に出席します
金沢市で開催される「日本カイロプラクティック徒手医学会・第16回学術大会」(10.25~26)に出席します。

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テーマは「イネイト・インテリジェンス~治癒のメカニズムを科学する~」

なんともカイロ的なテーマです。

歯科医師の幸田秀樹先生のワークショップ「姿勢制御系における顎口腔系の役割」は興味深い内容で、楽しみです。

「線維筋痛症のアプローチ」というパネルディスカッションも関心のあるテーマ。

その他、神経根障害を自律神経系の変調から解き明かすという伊藤彰洋DCのワークショップも聞き逃せない。

今回、私は何の役割もないので、じっくりと聞いてきたいと思います。
でも、金沢は酒田からは遠い。というよりアクセスが悪い。
飛行機を乗り継いで出かけますが、前日に東京に着いていないと、小松行の便に間に合わない。

というわけで、その間オフィスはお休みします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。
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by m_chiro | 2014-10-24 08:51 | Trackback | Comments(0)
全盲の猫と飼い主のハイキング(youTubeより)
心地よい空気
山々を渡る澄んだ気配
草木の匂いと干渉するスピリッツ
大自然にとけ込んだ全盲の猫と飼い主の心の通い
大自然の中にある自然な交流
視覚が失われても、
生き物はからだの全ての感覚を使って生きるんだね
朝からとても優しい気分になりました


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by m_chiro | 2014-10-22 08:48 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
「痛み学」NOTE 69.  慢性痛と「ゲイン・コントロール」②
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。


69.鎮痛と中枢性感作の相反起動スイッチ

下行性疼痛抑制系におけるセロトニン系は、延髄の大縫線核(NRM)に中継されて作動する仕組みである。
このことが分かったのは、猫の縫線核を電気刺激した実験からだった(ギルボーら、1973)。
脊髄後角に入る末梢からの侵害刺激のシナプス伝達が抑制されたのである。
その後も数々の動物実験が繰り返されて、下行性疼痛抑制系が確立されたのであるが、これらはすべて電気刺激によって同定されたものである。

しかしながらセロトニン系そのものは、それほど単純ではないようだ。

例えば、大縫線核(NRM)のある吻側延髄腹内側部(RVM)を電気刺激すると、脊髄後角で痛覚が抑制されるという周知の反応が起こる。
かと思うと、逆に痛覚が促進し過敏反応が起こる。

この相反する反応はなぜ起こるのだろう。

電気生理学的には、RVMに3種類の受容細胞が存在するとされている。
それは「ON-cell」、「OFF-cell」、「Neutral-cell」の3種類で、「ON」細胞では痛覚が促進し「OFF」細胞では痛覚伝導が抑制される

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ところがすべてのセロトニン神経系は「Neutral」細胞に入るという。
このスイッチの切り替えは、どのように選択されるのだろう。

また、こんな報告もある。
侵害刺激が伝達されている後角に、セロトニンを局所投与すると、ここでもRVMへの電気刺激同様に相反する反応が見られるというのである。

先にも触れたように、セロトニン受容体は後角のみならず脊髄灰白質の周辺に広く分布し、しかもセロトニン受容体も3種類が関与するとされる。
この真逆の反応も、どのように選択されるのだろう。

要するにRVMへの電気刺激でも、後角へのセロトニン投与でも相反反応が起こるわけだが、その相反反応の切り替えに関わるのが「ゲイン・コントロール」と考えられている。

ところが縫線核のセロトニン神経は低頻度で、しかも規則的な活動をしてる(前掲書)。
しかも、外部環境や内部環境のストレスや危機による影響は受けないとされる。

それでも、睡眠と覚醒のサイクルによる状態変化は関与するらしい。
脳内セロトニンの欠乏が睡眠障害に関わるこは知られているが、どのようにして「ON」と「OFF」のスイッチが切り替わるのだろうか。

「ゲイン・コントロール」では「状態依存(state-dependent)」による調節が行われる。
痛みが「生理的条件下」にあるのか、あるいは「慢性的病態における条件下」における痛みなのか。
それぞれの状態に依存して「ゲイン・コントロール」の設定が行われとする。

「ゲイン・コントロール」の機序が作用して、慢性痛に移行したり可塑的な変化を起こすとしたら、既に警告信号としての役割を持たない病態下にあることを示す状態なのだろう。
痛みの可塑化を進める罠が、あらゆる機会に張り巡らされているとしたら厄介な話である。

前掲著(「脳内物質のシステム神経生理学」有田秀穂著、2006、中外医学社、16-17p)から、少し長くなるがその対応の要点を引用紹介しておこう。

具体的には、覚醒時に自律神経系が交感神経優位にシフトする現象に関係する。その根拠は、5-HT神経の活動が睡眠、覚醒リズムによる状態依存性の変動(覚醒時に活動亢進、睡眠時に抑制)をすることによる。この機能的意義は、5-HT神経の運動系への促進効果と通じるものがある。両者とも昼間の活動を最適に維持することに寄与する。すなわち運動系では「姿勢筋や表情筋に緊張を与え」自律系では「交感神経優位にシフトさせる」という状態をつくりだす。車にたとえていえば、「エンジンをかけてアイドリング状態にすること」が5-HT神経の役割で、「アクセルを踏んで激しく動き回ることは」青斑核のノルアドレナリン神経の働きであろう。


「ゲイン・コントロール」における「「OFF-cell」の作動経路を働かせるには、どうすればよいのか。
それはヒトの生理的条件下のプログラムが活性している状態を目指すことにあるのだろう。
病態条件下では、痛みの増悪や中枢性感作の促進プログラムが作動してしまうのだ。
運動系や自律神経系におけるヒト本来の精神・生理機能系のプログラムを、十全に働かせる対応が鍵なのかもしれない。
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by m_chiro | 2014-10-18 12:10 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
「痛み学」NOTE 68.  慢性痛と「ゲイン・コントロール」①
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。


68.セロトニン系における「ゲイン・コントロール」

慢性痛症の背景に中枢性の痛覚過敏があるすれば、その機序はどのようなものだろう。

そのひとつとして「ゲイン・コントロール(gain controll)」という痛みの修飾作用の関与が提示されている。
「ゲイン(gain)]とは「利得」のことであるが、転じて電気信号回路における信号の増減のことをさす。信号のフィードバック制御が継続的に修正されることで、その状態に依存する調節が行われるのだ。

運動系では感覚情報のフィードバックとフィードフォワードを使って運動制御が行われている。
電気機器にも、こうした制御が使われていて、例えばセントラル・ヒーティングなどでは室温が設定されると、その温度を維持されるまで温度を上げるようなものだろう。
その状態(設定温度)に依存する調節作用が行われるのだ。

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さて、左の図は「痛み刺激の伝達経路」と「下行性疼痛抑制系」が示してある(「脳内物質のシステム神経生理学」有田秀穂著、15頁の図から一部転載)。

図で脊髄灰白質周縁に緑色で示された領域は、セロトニン終末の分布と対応している。

これによるとセロトニン(5-HT)受容体は、脊髄後角に限定されているわけではない。
かなり広い領域に受容体が分布している。

この下行性疼痛抑制系の起始核は中脳中心灰白質(PAG)であるが、帯状回、視床下部、偏桃体中心核、前頭葉などから皮質下のPAGに投射され、疼痛抑制系がスタートする。

その経路として、「セロトニン系」と「ノルアドレナリン系」の2経路が同定されているが(図にはセロトニン経路のみ記載)、それらはPAGからの直接投射はほとんどない。

延髄の大縫線核(B3:セロトニン系)と、橋の青斑核(A6:ノルアドレナリン系)に中継されて作動するのである。

                        (つづく)
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by m_chiro | 2014-10-18 08:57 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
「痛み学」NOTE 67.  慢性痛における筋痛症問題の概念はややこしい❹ 
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。


❹ 線維筋痛症(FM)を「筋痛症」で括るべきなのだろうか

前回紹介したCareNetの記事「正しい線維筋痛症の知識」で、著者は線維筋痛症(FM)の症状とその背景について下の図から解説し、その症状と進展プロセスを以下のように解説している。
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全身痛、しびれ、疲労感、感覚異常(過敏や鈍麻)、睡眠障害、記憶力や認知機能の障害などいわゆる不定愁訴を呈する。中枢性過敏症候群に含まれる疾患の合併が多い。痛みや感覚異常の分布は神経分布とは一致せず、痛みやしびれの範囲は移動する。天候が悪化する前や月経前後に症状がしばしば悪化する。症状の程度はCRP<CWP<FMとなる(図1)。


線維筋痛症は、多彩な症状や疾患が背景にある慢性痛である。
慢性広範痛症(CWP)は機能性身体症候群(FSS)とダブルようにも思えるが、名称としては背景にある広範な中枢性過敏症候群を想定すると、FSSの命名の方が妥当のようにも思える。

ところが線維筋痛症(FM)に至っては、筋の異常を思わせる指標は広範な圧痛(TeP)ぐらいで、筋病理に関する根拠は見当たらない。

線維筋痛症の診断基準も圧痛点の数に依存していて、主要な症状が筋痛にあるというだけの話だ。
背景の疾患も一様ではなく個性がある。

したがって、FM診断基準だけに従って線維筋痛症(FM)と決めつけてはならないし、その背景を考えると線維筋痛症候群(FMS)と呼ぶべき疾患なのかもしれない。

また、病態生理学的視点に立てばFMSは中枢神経系疾患であって、筋疾患の括りでは理解も解決もできないようである。
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by m_chiro | 2014-10-16 07:49 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
「痛み学」NOTE 66.  慢性痛における筋痛症問題の概念はややこしい❸
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。


❸ 筋痛症の背景には中枢性過敏症候がある

筋痛症に関わる概念は病態の領域も曖昧で、それらの概念も整理されているとは言い難いものがある。
多分に混乱しているのだろう。
次ぎ次と新たな概念が専門科目の領域から提示されて、益々複雑にされていく感がある。
筋・筋膜の病態生理がよく分かっていないこともあるだろうし、痛みの修飾作用が多岐にわたることも一因かもしれない。
あるいは「痛み学」が学問領域として自立し教育されていないことや、研究が半ばであることも理由かもしれない。

デカルトは、痛みを刺激の受容から認知まで一つの経路で括った。
そんな感覚の唯物論的解釈が成立するのであれば、ことは簡単だったのだ。
ところが痛みは視床より上位にバトンされ、そこから大脳皮質の広範な領域に投射される。
当然、精神心理や記憶・運動といった問題が複雑に絡んでしまう。
だから、その領域の専門家は、自らの立ち位置で解釈するのだろう。

そのような状況下で、「CareNet」に筋痛症をまとめた記事が掲載されている。
著者はアメリカ国立衛生研究所(NIH:2001~2004)に勤務した経歴を持つ戸田克洋先生(廿日市記念病院リハビリテーション科・日本線維筋痛症学会評議員)で、筋痛症問題といっても線維筋痛症の背景にある問題を整理したものである。
それでも筋痛症問題の背景を概略理解することができる内容になっている。

「正しい線維筋痛症の知識」の普及を目指して! - まず知ろう診療のポイント-」

筋痛症の広範な病態を指摘してあり、ここからも筋痛症の問題が深刻な病態であることを知ることができる。筋痛症の問題には少なからず脳の機能的な問題が関わっていて、背景に中枢性過敏症候群(Central sensitivity syndrome)という疾患の存在があるようだ。

中枢性過敏とはワインドアッド(wind up)現象とされるもので、痛みの感度を増幅させる中枢性の機能にかかわっている。
以前に「下行性疼痛抑制系」について触れたが、中枢性感作はその逆の疼痛増幅系とでも呼べるシステムの存在といえるだろう。
そして、これが神経可塑性の重要な一面を担っているのである。

もっともその始まりは末梢侵害受容器、特にC線維の活性にあるのであって、だからこそ痛みには早い対応が要求されている。
災いの芽は早めに摘めということだが、この病態だけは末梢受容器からの入力がなくなっても維持されるというから厄介である。

だからこそ、背景にある中枢過敏の病態も併せて考慮しなければならないのだろう。
戸田先生の記事によると、慢性筋痛症の背景には少なからず中枢性過敏を示す症候が存在するようだ。
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(「正しい線維筋痛症の知識」の普及を目指して! - まず知ろう診療のポイント-」より)

この図からも一目瞭然のように、かつては心身症や心因性兆候、身体表現性障害とされていた疾患が筋痛症の温床になっている。
その背景の病態を知ると、厄介な筋痛症の複雑な病態の存在を考慮しなければならないのだろう。

ところが不思議なことに、MPS(筋・筋膜性疼痛症候群)の概念はどこにも登場しない。
どう考えてもMPSは、筋痛症問題の広範な背景を占めているように思えるのだが、こうした括り方も問題を複雑にしている理由なのかもしれない。
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by m_chiro | 2014-10-10 22:02 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)



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