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腸内の善玉菌はダークチョコレートが好きらしい
CareNetの記事から。
「ダークチョコレートの健康の秘密明らかに」

アメリカのルイジアナ州立大学・食物科学部教授であるJohn Finleyらの研究に関する記事。
腸内菌には善玉菌と悪玉菌(この呼び方もどうかと思うが…)があり、善玉菌はダークチョコレートが好きらしい。

ダークチョコレートとは乳製品が入ってないもので、カカオマス40%~60%が入っているものとされているようだ。

なんでも善玉菌はチョコレートを食べて発酵させ、抗炎症作用のある化合物を作り出すという。
ザクロやアサイー(ブルーベリーのような実らしい)などの果物と一緒に食べると更に効果的なんだとか。

研究者たちによれば、善玉菌がダークチョコレートを発酵させて生成した化合物が「身体に吸収されると、心血管組織の炎症を軽減し、脳卒中の長期リスクが低下する」、と発表した。ただし、この研究は医学誌に掲載されるまでは予備的なものとしている。

でも、片頭痛では赤ワイン、チョコレート、チーズ等が誘発因子となる食品とされているから額面通りに鵜呑みにはできないところもありそう…。
片頭痛はポリフェノールが誘発するとされているようですが、ホントのところはどうなんでしょう。
心血管リスクとの関係では、予防的にも作用するのだろうか。

あるいは心血管リスクには良くても、片頭痛以外に健康を害する誘因が他にもあるのだろうか。

体内生成される化合物は作用反作用の両面からみないと、一概には言えない問題がありそうだね。
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by m_chiro | 2014-03-31 15:44 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
だから、骨じゃないんだって!
「肩こりは頚椎X線で“みえる”のか」
頚部症状とX線所見との関連についてはいまだ議論が続いているが、弘前大学整形外科の熊谷玄太郎氏らは地域住民762例を対象とした調査において、その関連を評価した。その結果、男女とも頚椎の矢状面アライメントは頚部症状と関連していないことが示されたが、女性においては頚椎の変性変化と頚部痛強度との関連が有意であったことを報告した。(Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2014年2月26日の掲載報告)

弘前大学整形外科の調査から、Care Netの「肩こりは頸椎X線で“みえる”のか」の記事。
その結果は、X線写真にみる頸椎矢状面アライメントと頸部症状は関連していない、ということ。

だから、問題は骨ではないんだ!

そんなことは既に明らかなのに、いまだに臨床の現場ではその単純な因果論が俎上に上がる。
医学は解剖学の発達と並走するように進歩してきた学問だから、解剖学的に診ようとする習性がつきまとっているのだろう。

この調査も、「女性においては頚椎の変性変化と頚部痛強度との関連が有意であった」と結んでいる。
どうしても、その因果論が気になるようだ。

医学は、あくまでもヒトを身体という閉鎖されたシステムの中で捉えて診ようとする。
ところが実際のヒトは、人間関係や社会的あるいは環境的要因と共存する開いた系である。
だからヒトを閉鎖系の中に捉えている限り、ヒトの持つすべての症状を証明することなどできないのだろう。

こんなことを言うと、「骨の変性変化と症状の関連はゼロではないだろう!」、と小児病的に「全か、無か」を盾にしようとするかもしれない。
でも問題とすべきは、「脊椎の変性変化と疼痛強度との相関」がセントラル・ドグマになっていることなんだ。
だから、そうした関連性が「ゼロか、ゼロでないか」なんて、大した問題ではない。
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by m_chiro | 2014-03-25 08:39 | 動態学 | Trackback | Comments(0)
MPSの原因がTrPとは限らない
右腰臀部痛で40代女性が来院した。
腰痛のきっかけは分からない。数日前から徐々に痛み出した。
腰臀部の筋群が、左側に比べて右側が相対的に緩んでいる。

c0113928_15211879.jpg望診すると、右の肩甲骨周囲と対側の左後頭骨下部に固縮が感じられる(図の赤のエリアが痛みの部位で、青のエリアは固縮の部位で表した)。

それでこんな会話が続いた(私が赤字で、患者さんは青字)。

「問題が腰にあるのではないようだね」。
「えっ!腰がけど痛いんですよ…」。

「症状があるところが責任部位とはかぎらないよ。だから痛みがあるところに原因があるとは決めつけられないよ」。
「そうなんですか..??」

「だって、風邪をひいて熱が出たり、鼻水や咳がでたりいろんな症状がでるでしょう。でもそれって鼻が悪いから鼻水が出ているわけでも、気管が悪くなったわけでもないでしょう。鼻や気管に責任はない。だから細菌を退治する。それと同じことだよ」。
「..…???」。

「ところで腰が痛くなる前に、どこか具合の悪かったところはなかったの?」。
「ん~…、アッ! 4~5か月前に右足首を捻挫しました。それが原因なんですか?」。

「いや分からないけど、違うと思うなぁ~。なにか上体の方で具合が悪かったということはなかったの?」。
「ああ~、今でも時々仕事中とか肩甲骨の内側が苦しくなる時があります」。

「それは、腰が痛みだしてからのこと? それとも腰痛の前から苦しかったの?」
「腰が痛くなる前からですね」。

「ちょっと右腕を挙げ行くよ」。

「イテテテテ...。」。

「腰が痛いの?」

「イヤ、手が上まで挙げれない...、肩が痛くて...」

左小脳機能に相対的低下がみられたので、先に左側からの刺激を入れてみた。
C1(LL)、後頭骨(LPI)のカイロプラクティック・サブラクセーションをリリースする。
結果、右体幹回旋での痛み(-)。
左体幹回旋での痛み(+)。
痛みの部位が縮小する。

その痛みの部位からテンションを追うと右肩甲骨に至る。
右掌を痛み部位に、左掌を右肩甲骨に添えて、2ポイントでテンションをリリースする。
今度は、右体幹回旋での痛みがでなくなった。


「ほら、腰をっ治療したわけではないけど、よくなったでしょう!」

「そうですね。不思議ですね...」
「不思議じゃないよ! 原因が他のところにあったという話だよ」

このケースはTrPにターゲットを絞ったわけではない。
MPS(筋筋膜性疼痛症候群)は、必ずしもTrP(トリガーポイント)があるとは限らないからだ。
筋・筋膜性の連鎖による組織のテンションの引っ張りも、痛みの発症に関与していることは間違いないだろう。
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by m_chiro | 2014-03-18 15:45 | MPS | Trackback | Comments(11)
動きのパターンが崩れるとき②
②多動症? それともチック?

このところ診させていただいている思春期の少年がいる。彼は自閉症である。
ところが成長と共に多動傾向が特に顕著に表れるようになった。
治療ベッドにジッしているような静止位を保てない。
横になったと思ったら、突発的に飛び起きて飛び回る。
か、と思うとトイレに走りこむ。あるいはドアの向こうに走りこむ。
そばに置いておいた器具類を見つけては投げる。
先日は、突然、石を拾って投げて自動車を凹ましたらしい。

まるで治療のできる状態ではないが、両親の熱意にほだされてクレニアルに挑戦してみた。
たびたび突発的な動きによって中断されながら、それでも続けているうちに突発的な動きが起こる間隔が長くなり、何とかクレニアル治療として成立するようになった。
すると欠伸をするようにもなったが、眠りに落ちることはない。

医師からは、処方薬を成長に合わせて増量していく計画が実施されている。
ところが多動傾向は治まる気配すらない。
多動症の薬で「コンサータ」という薬が効果的に作用すると聞いたので、担当医に相談してみたてはどうかと勧めてみた。

すると、医師は「それは多動症の薬だ。希望があれば使ってもいいが、チックや癲癇があれば使えない」というような説明を受けたようである。
その話を聞いて、アレッ?、と思った。

もしかして担当医は、この少年の病態をADHDと診ていないのではないだろうか?、と思ったのである。
通常、ADHDは成長と共に減少するとされるが、この少年の多動は成長と共に激しくなっていった。
その目線で、この子を観察していると、彼の突発的な動きは身体運動で表現するチックなのだろうか、とも思えてくる。


c0113928_17521635.jpgオリバー・サックスの「火星の人類学者」には「トゥレット症候群の外科医」の症例について書かれている。また、「妻を帽子とまちがえた男」では「機知にあふれるチック症のレイ」で、やはりトゥレット症候を紹介している。
それを読むと、トゥレット症候にとてもよく似た行動のように見えるのだ。
だからと言って、その鑑別するための線引きは簡単なものではないのだろう。
だからきっと、担当医も慎重に適正な投薬量を探っているのかもしれない。

オリバー・サックスは、次のように述べている。
トゥレット症患者の脳内では、ただドーパミンが過剰となっているだけではない。パーキンソン病患者の脳内で起きていることが、ドーパミンの低下だけではないのとおなじである。人格を変えてしまうような疾患であるからには、もっととらえがたい広範な変化もおこっている。異常がおきる経路は微妙なうえに無数あり、個々の患者で異なるし、一人の患者についても日によってちがってくる。Lドーパがパーキンソン病患者にとって決定的な治療薬ではないのと同様に、トゥレット症患者にとってハルドールは、ひとつの治療薬ではあるが、ほかの薬と同じく決定的な治療薬とはいえない。純粋に薬学的あるいは医学的な治療法に加えて、「実存的な」治療法もあるにちがいない。[中略]
したがってそれらは、患者を苦しめている苛酷な強迫、「皮質下部の盲目的衝動」に対抗するものと考えてよいだろう。(「機知あふれるチック症のレイ」より)


薬学的、医学的治療法に加えて「実存的な」方法もあるのだとすれば、神経学的に個体それぞれの感覚あるいは原始的な感覚を神経学的に統合させる手法はそのひとつなのだろう。
そう思いながら、機能神経学を学ぶ、あるいはそれを臨床に応用する手法の学びは一層魅了的なものになった。

続く
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by m_chiro | 2014-03-15 17:53 | 「神経学」覚書 | Trackback | Comments(0)
動きのパターンが崩れるとき①
①「手が振るえるんです。パーキンソン病じゃないかと….」

先日、治療にみえた女性が「手が振るえるんです。パーキンソン病じゃないかと….」と心配げに話をされた。
「今は振るえていないようだけど、いつもではないの?」と尋ねると、「時々」だと答えた。
緊張すると振るえる、のだそうだ。

「例えば、どんなとき?」。

どうも手紙など字を書くときに振戦が起こるらしい。
手の動作時に起こる振戦である。他の部位には起こらないようだ。
鼻-指テストを行わせてみると、やはり振るえる。

「もしかして両親か誰かに、同じように振るえる人はいない?」。
「もう亡くなりましたが、父親がそうでした」。

おそらく遺伝による本態性振戦なんだろう。

パーキンソン病の振戦は静止位で振るえのが特徴的で、他のことに意識を向けたり、なにか行動を起こすと止まる。
だからパーキンソン病と違って良性の振るえではあるのだろうが、何か隠されているものがあるかもしれない。神経内科医に診断してもらうよう勧めた。

余談になるが、昨年末のことである。
業界の仲間とお茶を飲みながら歓談していたときのことだった。
話題が神経学の認知機能のことに及んで、「オリバー・サックスが書かれた本にはそんな話題が盛りだくさんだ」と話したことがあった。

すると、傍で話を聞いていたカイロの初学の女性が「その本の題名と著者を教えてください」と尋ねてきた。
「妻を帽子とまちがえた男」という本で、著者はオリバー・サックスという神経学を学んだ臨床医であることを教えておいた。
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先日、伊藤彰洋D.C.の神経学セミナーを受講した折、また彼女と一緒になった。
サックスの本を読んだらしい。
とても面白く勉強できたと感謝されたのであるが、多くの仲間にも読むように勧めているのだそうだ。
メールで感想も頂戴した。そして、今度は「レナードの朝」を読むつもり、と話していた。
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伊藤彰洋D.C.のセミナーは「神経機能学からみた臨床アプローチ」をテーマにした2回目の講座である。
1回目が痛みを中心にした体性感覚についてだったようであるが、この2回目の講座は運動制御に関わるテーマが中心である。
その意味でも「レナードの朝」は運動制御に関する予備知識をタイムリーに勉強ができるだろう。

「レナードの朝」は、20世紀初頭にヨーロッパではじまり、3年間で世界的に広がった「眠り病」の症例について書かれている。
やがて診断名は「嗜眠性脳炎」と確定されたが、流行の当時は医師によって確定診断が違った。
例えば、流行性譫妄、流行性分裂病、非典型的狂犬病、流行性パーキンソン病、流行性多発性硬化症、非典型的灰白髄炎などなど。
それだけ症状も多様であったし、後遺症に苦しむ患者さんも多かったようである。

オリバー・サックスは、臨床医として診た嗜眠性脳炎の患者に対し、パーキンソン病の新薬として期待された「L-ド-パ」を処方したのである。そして、その患者を永い眠りから覚醒させた記録の物語である。
ところが、その覚醒も長くは続かず、また元に戻ってしまう。
「レナードの朝」は映画にもなったが、ぜひサックスの物語を読むことを勧めたい。
映画では語れない病態の情報や運動制御に関する神経学の難しい基礎知識を、ワクワクしながら学べるからだ。

オリバー・サックスにとどまらず、臨床医が紡いだ症候学や病態などを書いた物語はいろいろある。
たとえば、「ER 救急救命室」というアメリカのTVドラマの原作となった本、やはりTVドラマの「ドクター・ハウス」の原作となった本などもあるが、私はオリバ-・サックスの書くノンフィクションの物語は秀逸だと思う。

こうした物語に学びながら、学びの手順を専門書に格上げしていく。これが私の勉強法でもある。
私の能力では難しい専門書を読んでも理解できない。
悲しいことに、誘眠剤効果があるくらいだ。
だから秀逸な物語は、専門書への入り口であり、バネでもある。

さて、運動制御に関するテーマは難しい。
その上いまだに専門家の間でも議論がある。
伊藤D.C.のセミナーに学んで、いろいろ見えてきたところもあり、ここで自分なりに整理しておこうと思い「動きのパターンが崩れるとき」というテーマで時間をみながら書いていきたいと思う。

続く
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by m_chiro | 2014-03-10 18:38 | 「神経学」覚書 | Trackback | Comments(0)



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