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久々に興奮した!
「体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見
-細胞外刺激による細胞ストレスが高効率に万能細胞を誘導-」

(理化学研究所)

このニュース、久々に興奮した!
分化が完了した体細胞は、決して「初期化」(受精卵に近い状態)に逆戻りすることはない。
この生物細胞学的常識を覆した理化学研究所の小保方晴子(30歳)さんらの研究。
要するに、成熟した細胞が原始的な状態に戻る、というのだ。
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あまりにも生物細胞学の常識を破る研究であったため、世界的に権威ある英科学誌「ネイチャー」への投稿で、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している」と酷評され、「掲載を却下された」という曰くつきの研究である。
それほどに驚きの研究である。
今世紀一番のビッグニュース。

画期的な研究を行った小保方さんは、白衣の代わりに「祖母のかっぽう着」が研究用のユニホームとか。
人にも応用できる日が来ることを願うばかりである。

小保方さんが分かりやすく答えているインタビュー記事。
このインタビューだけでも興奮ものである。
「生物のロマン見ている」 小保方さん会見一問一答

「研究を進めているが、生体内ではストレスが加わっても完全な初期化が起きない。大きな変化が起きないように制御されているのではないか。」

「単細胞生物にストレスがかかると胞子になったりするように、(多細胞生物である)私たちの細胞も、ストレスがかかると何とかして生き延びようとするメカニズムが働くのではないか。そういうロマンを見ています。」


私たちの細胞も、ストレスに対して生存しようとするメカニズムが働く。
生体内の細胞では完全な初期化が起こり得ないのだろうが、何らかの刺激に細胞自体が反応して変化することはあり得るのではと、「考える細胞」のことを思わずにいられない。
生体細胞の外部からやってくるシグナルが、私たちのからだを変えていくのだ。
治療家としては、そこに「ロマン」を感じている。
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by m_chiro | 2014-01-30 22:30 | Trackback | Comments(0)
有難いご時世になったものだが….。
医学を学ぶには、今では良い教材に恵まれている。
われわれの徒手療法でも技術指南書が続々刊行されて、逆に本を選ぶのに悩まされる時代になった。
それに治療家が自分の考えや技術をネット上に公開する時代でもある。
私らの時代とは隔世の感がある。
だから動画を通しても見て学べるし、多くの治療家の考え方も読んで学べる時代になった。有難いご時世である。
労せずして先達の成果を学べるとは言っても、それはあくまでも辿り着いた花や実を覗き見たに過ぎないのだろう。
先達が苦労して結実させたプロセスは、読み手の側には抜け落ちているのだから….。

「老子」にこんな一節があった。

なにかに挑戦するとき、
難しいと思って始めても、
終わってみたら、
容易だったと思うことがある。
やってみたら簡単でも、
その過程では困難だらけだったのではないか。

(伊藤淳子訳「老子」より)

何かを導き出した先達の苦労が浮かんでくる。
きっと、突き詰めた思索の日々に眠れぬ夜もあったに違いない。
上手くいかぬと、地団太踏んだこともあったことだろう。

花や実だけ頂戴しても、即座に先達と同じようにできないのは当たり前なんだ。
自分自身の中では、先達が苦労したプロセスと時間がすっぽりと抜け落ちているわけだから…。
それに技術の感覚的な問題は共有できない。
だから、まったく同じというわけにはいかない。
大事なことは、自分自身の中で感覚的に腑に落ちる創意工夫が大切なのだろう。
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by m_chiro | 2014-01-20 15:52 | 雑記 | Trackback | Comments(2)
「抑制+抑制=興奮」、「興奮+興奮=興奮倍返し」
アメリカ医療施設評価合同委員会(JCAHO)が「痛みの評価」を第5の必須バイタルサインに加えたのは2001年のことである。

それまでは、体温、血圧、心拍数、呼吸数の4つがバイタルサインのチェックが必須項目であったのだから、「痛み」は医療現場での重要な評価項目になったわけで画期的な制度化であった。

ところが、最近そのことの弊害を警告する論文が出てきた。
“Kindness kills: the negative impact of pain as the fifth vital sign.
「思いやりが仇になる:第五のバイタルサイン(痛み評価)におけるネガティブな衝撃」といったところだろうか。

単純に数値で痛みを評価することで過剰な投薬(オピオイドなど)が行われる。
そのことが痛み患者の活動障害を招き、あるいは生命を脅かされることになる。
そんな事態を警告した論文である。

だから痛み評価の数値をネガティブに受け取らないためにも、日常的な痛み評価を行うことには気を付けなければならない。

特に、患者自身が自分の痛みを数値化する「NRS(数値評価スケール)」には、ネガティブな心理的インパクトが大きいだろう。
数値は治療者サイドで参考にするものだから、患者さんに数字が見える必要はない。
その意味では「VAS(視覚的アナログスケール)」の方がより配慮されている。
だからと言って、日常的に評価することには気をつけたい。
特に気を付けるべき患者さんもいることだろう。

神経シナプスがもたらす作用から言えば、「抑制+抑制=興奮」という結果になるからだ。
言語や数字は興奮性物質ではないが、明らかに脳のプログラムに関与する。
だからプラシーボにもノンシーボにもなり得る。
医師が、痛みの数字評価を投薬不足と判断するのは更に問題である。
オピオイドの副作用が倍増する。

徒手療法家にも同じことが言える。
結果が出ないからといって、更に刺激量を増やしていくと過剰刺激になる。
「興奮+興奮=興奮倍返し」が起こり、過敏現象がもたらされるのだ。
効果としての数字にこだわるより、先ずは「なぜ?」と考えるべきなのだろう。
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by m_chiro | 2014-01-17 12:06 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
「鼠蹊部の痛みで左肢が上がらない」運動部の女子選手
女子(高2)運動部選手が練習終了後に歩いていて、左股関節がカクッとなり「歩行で左肢が上がらない」と言ってみえた。
中学3年の時に、運動部の練習中に左大腿骨頭骨折で手術をした外傷既往歴がある。
20㎝ほどのケロイド状瘢痕が残っている。痛々しい傷跡である。

手術後の問題では?、と不安になり執刀医を受診したが、両側の骨頭部が黒くなっていると言われただけだった。でも手術後の問題は何もないのだそうだ。
結局、痛みの原因は不明ということで、鎮痛剤と湿布薬を処方された。
その上で、運動部を止めればいいのに....と示唆的なアドバイスがあったようだ。

母親の両肩に手を載せて、ムカデ競争のようにして治療室に入ってきた。

レントゲンで骨頭の変化は両側にあるが、右側は痛まない。
左側だけが痛い。これって直接的な関係はなさそう。
右側は手術していない。左は手術の大きな瘢痕がある。これは関係ありそうだが、今まで
トレーニングをしてきたし、試合にも出場してきた。
カクッとなったのは、左側だけ。これは関係ありそう。
ぎっくり腰のようなもので、筋・筋膜の問題なのだろう。

SLRを行うと、左は45度くらいで左鼠蹊部に痛みが出てロックする。
内圧変動が鼠蹊部から臍方向にある。
鼠蹊部から傾聴を行うと、S状結腸間膜周辺に行きつく。
その傾聴についてはバレルD.O.の著書に詳細が述べられているが、内圧の変動や勾配を感じることができると尚よく理解できるだろう。
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さて、そのS状結腸間膜を狙って3~4指を臍方向に差し込んでいくと緊張と圧痛がある。
ちなみに鼠蹊部には圧痛はない。

結腸間膜をリリースすると、SLRが80度くらいまで抵抗なく拳上できるようになった。
ところが、最終域で大転子の上方に痛みがでる。
痛みの部位が鼠蹊部から大腿筋膜張筋部に変化した。
今度はその筋膜緊張を、大転子から上下に手術痕を挟んで対角にリリースした。
するとSLRも問題なくできる。股関節の屈曲運動も可能になった。

顕著な圧痛のない痛みの領域は、責任部位ではないと診た方がいい。

後で聞いたのだが、冬の合宿中にノロウイルスで腸炎になったらしい。
この症状には、そんな経過も関与したのかもしれない。
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by m_chiro | 2014-01-14 18:04 | MPS | Trackback | Comments(0)
NCA中国に行く。 ④解剖の試験が単位認定に
この記事は、1993年に日本カイロプラクティック・アカデミー(NCA)の学生を引率して行った第一回。大連医科大学での解剖実習授業を記事にしたものです。1994年に、会誌「JS Club」に掲載されました。


NCA中国に行く。
④解剖の試験が単位認定に

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解剖実習の最終日には、大学側で行う試験がある。医学部の学生と同じ方法で行われる。
献体に30のタグが付けられ、一問一分のタイムリミットで、一人ずつ答案用紙に名称を記入していくのである。
試験官が数人、不正をチェックするために配置されている。
タイム係りが、笛で一分間隔に時間を刻む。大学での成績表が、そのままNCAの単位として登録されるのである。皆の顔も真剣だ。

試験の結果が発表された。
22名の平均点が92点という高得点。
決して問題が易しかったわけではない。かといって私たちが特別優秀だったというわけでもないのだろう。それは、教授陣の懇切丁寧な指導の賜物以外の何ものでもなかったように思う。

通訳を介さないで済む応答、日本語に不自由しないで学べる実習がもたらした恩恵は実に大きかった。
大学側には、最大の配慮と誠意をもってこの実習を担当していただいたことを感謝しておきたい。
お互いの国情の違いを乗り越え、解剖学という共通の学究を通して心をひとつにした10日間であった。
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さよなら謝恩パーティで「大和魂の国から来た皆さん、一日10時間熱心に実習に集中したそのファイトを学んだ」とおっしゃってくれた孫教授の言葉が、疲れ切った私たちを癒してくれた。
パーティ会場には、実習を成し遂げた満足感と達成感が溢れている。
大学関係者と酒を酌み交わし、肩を抱き合い、歌を唄い、再会を誓いあった。
孫璽玉教授が、声をつまらせて別れを惜しんでくれたあの涙を、私たちはいつまでも忘れないことだろう。
「友誼長存」、使用した解剖学の教科書に残されたサインが、今でも胸を熱くする。
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by m_chiro | 2014-01-14 17:57 | 解剖実習 | Trackback | Comments(0)
NCA中国に行く。  ③解剖実習で遭遇したこと
この記事は、1993年に日本カイロプラクティック・アカデミー(NCA)の学生を引率して行った第一回。大連医科大学での解剖実習授業を記事にしたものです。1994年に、会誌「JS Club」に掲載されました。


NCA中国に行く。
③解剖実習で遭遇したこと


今回、特に印象に残ったことをいくつか紹介しよう。
中年の女性の腹部を開けて美しい大網を除くと、まるでウインナーソーセージを意図的に並べたように整列した小腸が現れた。
c0113928_1714880.jpg教授も、数十年解剖に携わってきて初めて見た、と言う。
そんな珍しい献体も、なぜこんなに規則正しく整列しているのか一緒に調べましょう、と惜しげもない。
結局、腸間膜が通常より随分と短いことが判った。
引っ張り出した小腸を離すと、すぐに元の位置に整列してしまう。
これではイレウス(腸閉塞)も起こるまい。

頭部、顔面部の解剖はなかなか難しい。馬技師が脳を取り出すデモを行った。
アメリカでのデモは、電気ノコであっという間に取り出してしまったが、今度はあの名人・馬技師の手にかかるのだ。

カイロプラクティックでは脳硬膜を重要視しているので、硬膜はきちんと残してほしい、とリクエストを出す。馬技師は大工道具のような小道具で、先ず頭蓋を外し、硬膜を奇麗に残して、大脳を取り出して見せた。大脳鎌、小脳テント、矢状静脈洞、脈絡叢、脳室、脳神経と、靭帯の神秘の究極に入り込んでいく。
静まり返る教室。言い知れぬ感動。
不思議な空間で、多くのことを感じた時間であった。

私たちは仙腸関節も見たい、と申し出た。
この強靭な関節を開くのは大変な作業である。馬技師も初めての試みだと言う。
開いて見る意味があるのか、と首をかしげる。
アメリカのカイロ大学での実習とは違って、医科大学ではカイロ的な視点を持っていないのだろう。
カイロプラクティックではとても重視している関節であることを説明してとにかく開いて見ることになった。
技師は、最初は難渋していたようであったが、さすが10分もしないうちに奇麗に開いて見せた。
実習の初心者では、こうはいかない。
だから難しい局面になると、解剖技師の出番になる。

私はJanse&Illiが報告したイリィ靭帯に注目したのだが、残念ながらはっきりと確認することができなかった。
イリィ靭帯は関節包内にある骨間仙腸靭帯とみられ、Fred.Illi D.C.が発見した靭帯である。
Illiは、その著「The Vertebrall Column」の中で、イリィ靭帯発見の苦労を述べている。
最初はいくら仙腸関節を開いても何も発見することができなかったようだ。
もう研究を打ち切ろうとした時、腸骨の骨膜の下方から調べる方法を思いつき、2回目のチャレンジで、ついにその靭帯を発見したという。
追跡調査を行ったFreemen,Fox & Richrdは、検体の75%にこの靭帯の存在を確認したことを報告している。
関節面に触れると小さな凹凸を持った表面は、ぬるぬるした滑液のような感触があった。

解剖に臨むたびに、常にテーマを持って向かうのだが、それが達成させられたり、次の課題に引き継がれたり、新たなテーマが出来たり、それが解剖実習の堪えられない魅力でもある。
献体の死と向き合いながら、そこから学ぶ側にはまたぞろドラマのようにいろいろなテーマが投げかけられる思いがしてくるのだ。
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by m_chiro | 2014-01-11 17:06 | 解剖実習 | Trackback | Comments(0)
NCA中国に行く。 ②-2解剖実習はじまる
この記事は、1993年に日本カイロプラクティック・アカデミー(NCA)の学生を引率して行った第一回。大連医科大学での解剖実習授業を記事にしたものです。1994年に、会誌「JS Club」に掲載されました


NCA中国行く。
②-2解剖実習はじまる


献体は全部で五体。20歳前後の感染症で亡くなられたという女性。30過ぎの女性、40代の男性が二体、60代の男性が一体。いずれも死後間もない遺体である。
献体の状態といい、年齢配分といい、こうした配慮は大学が私たちに示してくれた数多くの厚意のひとつであった。

c0113928_178239.jpg私たちは4人から5人が1チームとなってそれぞれの献体を解剖する。
皮膚をはがす作業から始まり、浅いところに筋肉を見る。筋肉表面を出して形や範囲を確かめる。
裏側から入ってくる神経、動静脈を確かめる。次第に深い層に進んで、内臓、脊椎、頭部、脳へと進めて行く。

私も過去3度ほどアメリカのカイロ大学で解剖実習を経験したが、一体の献体を40数時間で仕上げる実習は、時間的にもかなり無理なスケジュールとの印象を免れなかった。
通常、解剖は半日を一回として60回のスケジュールで行うそうだが、40時間では限界があって当然であろう。
今回の90時間のスケジュールでも決して充分とは言えない。
だが人間の集中力の限界も考えれば、この時間数はぎりぎりのところかもしれない。
それでも今回は内臓もよく見ることができた。

近年、カイロプラクティックも内臓治療のアプローチが盛んになってきている。
回盲弁、副腎、胸腺どれひとつとっても、百聞は一見にしかずである。解剖学の教科書で平面的に捉えていた認識やイメージが、実際に触れた時に一新させられることが多々あるのだ。
こうした解剖実習を終えた後に読む解剖学の成書は、生命を吹き込まれたように、不思議と読む人に馴染んでしまうのである。
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by m_chiro | 2014-01-11 16:14 | 解剖実習 | Trackback | Comments(0)
縁起物の「苦が去る」
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新年早々に、患者さんから縁起物の「つるし飾り」をいただいた。
ご自身の手作りだそうだ。

日本の三大つるし飾りと言えば、福岡の柳川つるし飾り、伊豆稲取のつるし飾り、そして酒田の笠福がある。

福島県にも猿雛かざりがあり、9匹の猿雛を吊り下げて「苦が去る」という縁起物になっているのだそうだ。

患者さんが作ってくれたのは吊り下げではなく、枝に9匹の猿を置いて、花もつけたアレンジ作品である。
掲載した拡大写真を見てほしい。有難いことだが、細かい作業である。

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早速、ふさわしい花瓶に入れて治療室に飾った。
今年は春から縁起がいいやぁ~、であってほしい!

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by m_chiro | 2014-01-08 19:34 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
謹賀新年2014
明けまして
おめでとうございます。

                           2014年 元旦

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昨年は大変お世話になりました。

拙い記事にお付き合いいただいた皆様、心よりお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

また本年も、変わらぬお付き合いと、ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。


治療室に正月の飾りつけを致しました。
馬の木彫りは、昔々、講師を務めた折、記念に受講生から頂いたものを、午年に因んで一緒に並べました。懐かしく思い出しながら、あの頃の熱も一緒に引き出したいものです。
背景の扇面に書かれた短歌は、私には曰くのもので昨年額に入れました。
曰くについては、後日、記事にしておきたいと思っております。

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by m_chiro | 2014-01-01 11:49 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)



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