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[ホメオダイナミクス] 1.医療と代替療法を分ける確かな境界
ホメオダイナミクス
―われわれが体のためにしていること―


1. 医療と代替療法を分ける確かな境界

われわれの治療室にみえる初診の患者さんの多くには前医がいる。
医療機関を受診してから代替療法を求めるという患者さんが多いということだが、もちろんその逆のケースも多いことだろう。
理由はともかく私が気になっていたこと、それは医療機関で「なんでもありません」あるいは「どこも悪くありません」と医師に言われたという物言いだった。
そのことは即ち「どこにも治療すべき問題はない」という診断が下されたことになる。
いったい医療は何のために存在し、患者さんの愁訴にどう向き合うべきなのだろう、と問いかけてしまう。
そう考えていくと、「患者さんの苦痛、あるいはそこに付随する不安を取り除く」ことにこそ医療の役割があるのではないのか、という思いに至る。

その視点に立てば、患者さんが「痛い」、「辛い」、「具合が悪い」などと訴えて医師に救いを求めているのに、「何でもない」では合点がいかないのも理解できる。
確かに、「どこも悪いところはない」の診断は、患者さんの「不安」を取り除くはずなのだが、そうは思わない人たちもいる。
それも無理からぬことではある。

なんでそうなるのだろう、と思いを巡らせていてハタと気がついた。
言うまでもないことだが、代替療法の治療家には診断する権利がない。
診断行為は医師に限定された権利である。

といっても、少なくとも我々も人の体を診る、あるいは施術する。
そこには当然、「診立て」という行為がつきまとう。
痛みや苦痛を訴える患者さんの障害や問題がどこにあり、それはどのような経過を辿る問題で、どう対応すべきかの判断に迫られるからだ。
だから、「診立て」をせざるを得ない。
それは患者さんにとっても重要なことなのだ。

では、なぜ診断権が与えられていないのだろう? 
それは診断に必要な知識の有無だけの問題ではないようだ。
あくまでも診断に必要な能力の問題といえる。

医学教育における診断の定義は次のようなことらしい。
「病理的所見を確定あるいは推定された単一の疾患名をつける」ことである。
この定義にしたがえば、病理学的評価が基本ということになる。
しかも、その病理的所見を確定しなければならない。
そのために画像所見や剖検、手術所見が必要である。
あるいは推定しなければならない。
そのために生化学的検査がよって炎症、変性、新生物などの有無を推定することも必要とされる。
だから医師以外は診断能力を持たないし、診断権も与えられない、ということになる。

しかしながら、少なくともカイロプラクティックでは病理学的所見を対象に治療をしているわけではない。
むしろ、生理学や機能神経学的な土俵で観察をしている。
だから「診断」の視点が違っている。
「診断」という用語に固執するつもりはないが、偏った視点が焦点になっているのも不幸の基だと思う。
ここは拡大解釈が必要であり、我々は生理機能的視点からの「診断」を主張・確立すべきであろう。
そうすれば、医療と代替療法を分ける確かな境界がより鮮明になると思うし、それはむしろ我々にとって必要なことであり、重要な課題でもあるのだ。

要するに除外すべきものは医療に委ね、適応すべきものは生理機能的に臨床推論していく姿勢が重要なのだ、と自分に言い聞かせたのである。

では、我々はいったい何を診て、患者さんの体のために、何をやっているのか。
それを「ホメオダイナミクス」という視点から書き綴ってみたいと思う。
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by m_chiro | 2013-08-29 12:29 | ホメオダイナミクス | Trackback | Comments(0)
空の誕生日ケーキ
空は捨て犬だったので、本当の誕生日は不明である。
でも、推定して8.28を空の誕生日とした。

空は2003年2月8日に、わが家にやってきた。
もうかれこれ11年になったのだから、すでに老犬の仲間入りをする年になっている。

それでも、一時預かりで里親探しをしてくれた「うちの子日記」のお姉さんが、いまだにケーキを送ってくれる。
今年もカワイイ、立派なケーキが届いた。

小包を開封していると、早速、空と桐子が寄って来た。
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「なんかくれるん?….」
桐子「おいしそうな匂いじゃねぇ~。はよ、ちょうだい!」


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「これ、みんな空のなんよ! オアズケするん?」

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「匂いだけなら、いいんよぉ~….。ウ~ンおいしそう!」

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「まだ、オアズケするん?…」

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「おねえちゃん、アリガトウ! ホントは、空はオアズケなしのがいいんよぉ~」
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by m_chiro | 2013-08-28 22:49 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(0)
「神経学」覚書1.神経系のネットワークには眼が眩みそうだ
1. 神経系のネットワークには眼が眩みそうだ

神経系は大きく2つに分けられている。
それは「中枢神経系」と「末梢神経系」と呼ばれていて、末梢神経系は身体の組織に存在する受容器(感覚器)と効果器(筋肉や腺)に接続されている。

そして、これらは中枢神経系を介して相互に情報交換し、そのことによって身体の変化や環境の変化に対応する「叡智」を産み出しているのだ。
カイロプラクティックでは、この叡智のことを「イネイト・インテリジェンス」と表現していて、この偉大な働きを見据えて理論構築がされている。
一般的には「自然治癒力」と表現されるかもしれないが、「イネイト・インテリジェンス」には情や意といった哲学的な意味合いも包括的に織り込まれているように思える。

その働きを全うする手段は、神経細胞が行う「興奮」と「抑制」という電気信号を使った伝達方法に依存している。
カイロプラクティック的に言えば、神経の「トーン」、つまりその過不足ということになる。
これも身体への物理的刺激に留まらない。
言語も含めてヒトの神経活動を捉え直すべきなのだろう。

単純な神経系では、この「受容器」と「効果器」の間に一つの神経細胞が介在する。
ところが、おもしろいことに介在する神経細胞の数が増えてくると、神経細胞は集積して一塊になる傾向があり、それが中枢神経系として発達したとされる。

その中枢神経系である脳は、単なる興奮性の伝達経路として存在しているわけではない。
受容器から送られてきた情報を記憶したり、書き換えたり、整理したり、それらの情報を照合することで情報に応答する新たな興奮を作り出している。

例えば、痛みは侵害刺激を感受した受容器が、それを電気信号に変えて大脳皮質の感覚野に投射されて、どこの部位が痛みを感じているかを知る。
ところが、末梢の受容器から脳の感覚野における対応部位に、単純に情報が伝達されているわけではない。
痛みに関連する脳領域の広範囲に情報が伝えられているのだ。
それはまるで我々が日常的に使うE-mailで、同時に数カ所にC.C.-mailが送られるようなシステムになっている。

視覚系などは、もっと複雑である。
見ることはカメラで写真を撮るように単純なものと思いがちだが、そうは問屋が卸さない。
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このダイアグラムDavid Van Essen教授(ワシントン大学、解剖学・神経生物学・学部長)が猿の視覚経路を表現したものであるが、眼が眩みそうな経路である。
しかも平面ではなく階層的なネットワークで構成されている。
ヒトでは更に複雑だろう。

人間の脳は、約1,000億個の神経細胞からなっていて、その一つ一つのニューロンが更に千個から一万個のシナプスを持って情報交換し、あるいは情報を共有していることになる。
何と厖大なシステムなんだろう。

しかも、この神経のネットワークは、特定の目的に応じて作られているのだが、その仕組みを知ることは難儀である。
だいたいが未だよく分からない。
ブラックボックスが随所にあるようなものだ。
ここまでくると神経系を単一の神経系とみなして、局在論的に神経解剖学や神経生理学、心理学などと領域を分けて研究しても埒が明かないのだろう。
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by m_chiro | 2013-08-21 09:09 | 「神経学」覚書 | Trackback | Comments(0)
サプライズ!!
蒸し暑い日が続き、何か書く意欲も萎えて、夜な夜なビールに酔いしれていました。
そこへ私の誕生日がやってきたのです。
年を重ねるということは、先の時間が削られるような気がして、誕生日を祝う気持ちも封印していたのではありますが…..。

ところがサプライズがおこりました。
私のところで研修をした安達先生には何でも知られており、彼がFacebook上に誕生日のお祝いメッセージを送ってくれたのです。
すると、それに呼応してFacebookのお友達からもいろいろメッセージが…。

「もう誕生日なんてめでたくない!」という私の気持ちに対して、中には「誕生日は、いついつまでも目出度いのだよ!」という言葉もあり、また励ましの言葉もあり、皆さんの気持ちがとても有難く感じられて、久しぶりに誕生日の幸せに浸っていました。

そこへ、今度は患者さんが「Facebookで知った」と言って、お祝いのケーキと、純白の大輪のダリアを届けてくれました。
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なんとも、サプライズ!!でした。
ネーム入りのケーキだなんて…。

純白のダリアにも魅せられてしまいました。
背景を暗くして上から少しだけ光を入れて写真を撮りました。
なかなか魅力的です…。
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今度は、光をたっぷりと入れて接写してみました。
美しい!! 芯の花びらが開くのを待ち望んでいるようです。
この花を眺めていると、「気持ちをリセットして、真っ新になってこれからも頑張るように!」というメッセージが聞こえてくるようでした。
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この年になって、こんな幸せな誕生日を迎えたことに感謝です。
みなさん、ありがとうございました。
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by m_chiro | 2013-08-20 12:39 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(4)
今年は「夏のない夏」.....
長年住んで、今年のような夏は経験したことがない。

6月に夏日が続いて、7月に入ったと思ったら雨続き。
しかもゲリラ豪雨、集中豪雨と河川の水かさも相当なものだった。

8月に入ってやっと梅雨明け宣言が出たが、それでも雨は降り続き、時々晴れ模様。
農家の畑にはスイカやメロンが水に浮いていたし、夏に欠かせない食材「枝豆」は早々と枝枯れ状態が….。

昨日(9日)は、お隣の県・秋田内陸部の集中豪雨で山が崩れるという悲惨なニュースに驚かされた。

秋には庄内柿が特産品になるが、ほぼ全滅状態に落ちたと聞いた。
もう、お盆である。
お盆が過ぎれば秋風が吹き始める。

それでも夏の風物詩や行事は例年通りに執り行われた。
酒田港花火大会(8.3)!
「酒田市の最上川河川公園で繰り広げられ、約1万2千発の花火が夜空を彩った。….最上川右岸の観客席には浴衣姿の若者や家族連れが大勢訪れ、夏の夜空に映し出される光の芸術を堪能していた。」(山形新聞8.4の記事より)
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私は郊外から遠眼に眺めたが、酒田上空のスクリーンに見事な絵巻模様だった。

お盆が近づくと、庄内のブランド枝豆「白山だだちゃ豆」が出荷される。
今年は早々と患者さんからいただいたので、早速、食した。
心配した「だだちゃ豆」の生産状態も、私の口に入るのだから、何とか命脈を保つことができたようだ。
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わが家では恒例の梅干しを漬けたが、雨続きで天日に曝す時もない。梅雨明け宣言を待って、2日ほど天日干しをしたのだが快晴にはほど遠い。また雨….。

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それでもどうにか色づいてきた。
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「夏のない夏」にも、夏の風物詩はとまらない!
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by m_chiro | 2013-08-10 05:54 | 庄内の記 | Trackback | Comments(2)
「ペイン・スケール」は「痛み評価」の記録に必携のツール
今では、痛みの評価が必須のバイタルチェックになりました。

臨床の現場では、数値評価法(NRS)が簡便に使われているようです。
NRSは「痛 みのない」状態を0として、「耐え難い痛み」10までの間の数字から、患者さんが数字で表現する方法です。
しかしながら、患者さんの好みの数字が選択されたり、あるい は忌み嫌う数字が避けられたりすることがよくあり、個性や文化・環境が色濃く反映されやすい欠点があるとされます。

今回、江崎器械株式会社(http://www.esaki.biz/)の新商品「視覚的アナログスケール(VAS)」 は、その欠点をカバーするスケールでもあります。
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              (スケールの面面と商品ケース)

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(スケールの裏面には、検者が患者さんが示したポイントを数字で評価するようになっています)

VASは患者さんに数字で評価してもらうのではなく、ペインロードのどの地点に自分の痛みがあるか、患者さんが示した地点を検者がスケール裏面の数値で評価します。

できるだけバイアスを取り除き、より正確な主観的評価法して痛み記録のツールに活用できれば、臨床上の評価にも反映されることでしょう。

二回目以降の評価では、患者さんが前回に示したポイントからはじめると、患者さんは自分の痛みの状況をその時点で再認識することにもなるようです。
とかく人間は過ぎ去ったことを忘れがちですから….。

また、江崎社製のVASスケールは、患者評価側に顔マークが両端についており、子供や高齢者にも一目でペインロードの善と悪の方向が理解できるようになっています。

このスケールは我々の臨床における「痛み評価」の記録に必携のツール です。
お勧めします。

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by m_chiro | 2013-08-02 08:45 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)



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