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それってホントの話ですか?
昨日みえた県外からの患者さんは、昨年末に負傷した男性である。
会議が終わって階段を降りているときに、左膝がガクッとなり踏み外しそうになったらしい。
足を踏むと激痛で、やっとの思いで帰宅したそうだ。
しばらく安静にしていたが、痛みも引かず腫れてきた。

こうしてはおれないと、近所にある総合病院の整形外科を受診。
X-rayで問題ないが、膝に水が溜まっているので抜きましょう、ということになった。
抜かれた水はドス黒い色をしていたそうだ。
医師からは、安静にしていないで膝の屈伸運動をするように指導された。
帰宅してから、指導に従って寝ながら膝の屈伸運動を行っていたが、痛みは益々ひどくなり歩けなくなった。
3日目に水を抜いたときは、鮮血混じりの水だった。

不安に思った患者さんは、県庁所在地の総合病院まで出向いて診てもらうことにした。
X-rayで、大腿骨下端にV字状の亀裂が見つかり「骨折」と診断された。
ギブスをされ、最初の病院で治療するようにと言われ、X-rayを持たされて、前医のところに戻ってきたのだそうである。

その前医は、「折れてたのか」と淡々としたものだったとか。
2か月後にギプスが外れ、リハビリをしてもらえると思っていたら「これで終わり」だと告げられた。
「リハビリはしてもらえないんですか」と聞くと、「勝手にやらないように」とストップをかけられた。結局、普通に生活するように勧められただけだった。
「何か注意することはありますか」と尋ねると、「ジャンプしたり、走ったりしないこと」と言われる。

骨折を見逃して運動を勧め、リハビリ期に入ったのにただ単に普通の生活を勧める。
それって、ホントの話ですか?
これは、その医師の個人的資質や考え方の問題としか思えないが、レッドフラッグが除外できたら普通の生活に戻すことは確かに重要な働きかけである。
ところが痛みや不調を抱える患者さんは、不安や痛みを恐れて普通に動かせなくなる。
だから「habit(癖、習慣的行為)」を「re(再度、新たに、更に)」するために「re-habilitation」が求められるのだろう。


この患者さんはギプスが外れて4か月が過ぎても、いまだに跛行する。
「ジャンプや走ること以前の問題なんだ」と憤慨している。

これではあぐらも出来ないはずだ。
主に膝の屈曲と伸展の双方向での可動域改善リリースを行い、歩行の運動認知法を試みた。
傷害そのものは治っているのだから、あとは可動域が改善すれば跛行せずに歩けるはずである。
それでも正常歩行ができないのであれば、歩行機能の誤った認知をリセットすればいい。
歩行させると、左膝に意識が集中し過ぎていて歩行運動機能がバラバラの感じである。
運動認知のプログラムをリセットさせると、3回目で「あれっ! あれっ! ちゃんと歩けるヨ!!」。劇的に歩行が変わった。
その様子を待合室から見ていた人たちからも拍手が起こっていた。
患者さんの不安を残したままで、ちょっとした働きかけをする労力を惜しむべきではないのになぁ~。
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by m_chiro | 2012-06-28 14:18 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「ドラゴンタトゥーの女」に大満足!
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一昨年の2010年、私は「ミレニアム」という大作の推理小説にはまった。
そのときの記事は、「今年ハマったエンターテイメント」。

全3巻の小説で、上下巻を合わせると6冊になる大作だ。面白くて一気に読んだ。

この小説の魅力は、1にストーリー展開である。密室殺人を思わせる未解決事件の調査に始まり、警察小説・スパイ事件に政治スキャンダルへ、そして法廷劇に格闘シーンと、めまぐるしく物語が展開し、飽きさせずに引きずり込まれた。

2に、リスベット・サランデルという天才ハッカー・女性調査員の魅力。惚れ惚れする。
病的な記憶力(そのわけは続編で明らかになるはず)、抜群の身体能力、スーパーヒローの誕生である。

3に、善悪が逆転したように見えて、実は真逆の意外性。
舞台はスウェーデンで、あまり馴染みがない背景も新鮮だった。
とにかく映画化が進められていたので待ち遠しかった。

昨年、そのスウエーデン版の映画「ミレニアム」の三部作をDVDで観たが、がっかりだった。
小説の魅力が半減していたし、ただ複雑なストーリーをなぞったようで、全くワクワクしなかった。

ハリウッドがリメークした映画が、このあいだDVDでリリースされた。
先日すぐに観たが、原作の魅力を失わないいい出来だった。
北欧の幻想的な雰囲気もよく出ていた。

ダニエル・クレイグという好きな俳優もいいし、ルーニー・マーラという新進の女優も、この映画を引き立てていた。
ルーニー・マーラはリスベット・サランデルの知的な魅力を醸し出していてよかったなぁ~。

制作サイド、フィンチャー監督も、スウェーデン版の映画を全く観ないで取り組んだそうだが、それも幸いしたかもしれない。
音楽も良かった。
劇場で観たかった。
続編が今から楽しみだ!!
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by m_chiro | 2012-06-23 18:44 | Books | Trackback | Comments(0)
やれやれ、今度はPCが入院だ!
購入してまだ半年ほどにしかならないのに、PCがいかれてしまった。

電源を入れると始動音が聞こえたと思ったら、プツンと電源が切れてしまう。
バッテリーをはずして、電源コードもはずして、セッテングし直してもダメ。

何度試しても動いてくれない。
保障期間中なので製造元に入院手続きをとった。

急遽、モバイルPCに繋いでいる。

このPCは「九州カイロプラクティック同友会」の一昨年の忘年会でゲットしたものだ。
超うれしい~!

これで何とか急場を凌ごうと思う。

「九州カイロプラクティック同友会」、ホント、有難い会だなぁ~!!
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by m_chiro | 2012-06-20 16:07 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
愛犬家には必見のBS・TV番組「ザ・カリスマ ドッグトレーナー」
夢中になっているBS放送のTV番組。
はまってます。
「ザ・カリスマ ドッグトレーナー ~犬の気持ち、分かります~」

犬と仲良く・快適に暮らしたい、そう思っている人には必見です。
カリスマ・ドッグトレーナーのシ-ザーが、犬と飼い主が抱える難しい問題を見事に解決します。
いや~、すごい! おもしろい! 犬の行動学の勉強になります。
犬の行動や心理を熟知しているからこそできるんですね。感動的です。

シーザーがいつも強調していることは、犬のリーダーとしての「エネルギー」が大事だということです。
犬は言葉を理解できません。だからこそ、リーダーとしてのエネルギーと威厳が大事なんだそうです。
それをパワーと勘違いしてはいけませんね。
大型犬だろうが、小さな犬だろうが同じに扱わなければいけないのだそうです。
むしろリーダーとしての飼い主の「エネルギー」伝播、「リラックス状態」「威厳」がキーワードのようです。
大声を出して叱り飛ばしても決して解決などしないのです。むしろ逆効果なんだね。
そのことがよく分かります。

BSで見れない人はYou-tubeでもいくつか見ることができます。
大型犬だろうがミニチュアア犬だろうが、頭を抱えているようなケースを実に素早く解決する方法を見つけだしています。

例えば、こんなケース。これも感動ものです。



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by m_chiro | 2012-06-16 13:59 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(0)
「ゼロか、100%か」②情報が認知的側面に与える影響には侮れないものがあるなぁ~。 
慢性痛を抱える患者さんは、とかく動きや運動に対して恐れている。
かと思うと、100%頑張る。
この「ゼロか、100%か」の性格特性にも一因があるようだ。

こうした痛みの裏付けとなるような研究がある。滋賀医科大学の芝野忠夫・小山なつ先生らが行った「駆血帯疼痛試験」の研究で、血行障害のある筋では容易に強い痛みが起こりやすいことを示唆している。
その研究も、以前記事にした。
「痛み学」NOTE30. 「訳あり筋」が痛むわけ①
もしも筋に血行障害が起こると、その筋は反復収縮によって容易に痛みが現れるという。
この現象を指標にしたのが「駆血帯疼痛試験」である。

例えば、上腕の血流を20分間遮断しても、安静位を保っていれば痛くない。
ところが、最大握力の半分の力で握力計を2秒間隔で握る運動を反復すると、1分以内に痛みが出て、3分以内に耐えがたい痛みが現れるという。
下のグラフは、その研究の結果である。
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上腕の駆血は、ゴム製のエスマルヒ包帯をきつく巻いて血圧計のマンシェッテに空気を送り、内圧を200mmHgに高めて調査している。

グラフの縦軸は痛みの強度をあらわしているが、痛み評価スケールは最大の痛みを20として独自に設定している。横軸は秒単位の時間軸である。

この調査では30秒ごとに最大握力の50%の力で2秒間握らせ、2秒間のインターバルの後で再び2秒間握ることを反復している。

その結果を30秒ごとに独自の痛みスケールで評価したグラフである。
3分で最大疼痛評価(スケール20)に至っていることが分かる。

1分を過ぎたころから疼痛強度が高まっていき、3分で最大強度の痛みが現れる。
慢性的な血流障害があれば、動きによって容易に痛みが出やすいことがわかる。

そこで、この研究を逆手にとって、「ゼロか、100%か」の患者さんへの運動指導をしている。
つまり、運動は1分以内で行う。そしてインターバルを3分取り、完全な筋活動の休息時間にする。これを反復させるのである。

こんな患者さんがいた。慢性的な膝痛で歩けないという女性である。動きを恐れて安静にしている。
整形外科では廃用性の委縮になるからと、リハビリや運動が勧められている。
ところが運動中から痛みだし、それからしばらく動くのが辛くなる。
だから、安静にしている。
少し良くなると、今度は筋の委縮で動けなくなるのではないかと気になりだし、また在宅エクササイズを熱心にはじめる。そして悪化する。その繰り返しである。

私は次の方法を指導した。例えば、歩行運動では家の廊下を1分間歩いて、3分休む。この反復運動を行わせた。すると、あまり痛みもなく歩けるし、運動後に支障もでない。
ところが、「そんな程度の運動で痩せた筋肉が太くなるんですか?」と心配そうに尋ねてくる。
そして、インターバルの間に「足首の伸展-屈曲運動ぐらいならしてもいいですか?」、とまで言う。
どうも中途半端は嫌いなようだ。

この「1分活動/3分休息」運動を行っているうちに、家事も大分できるようになってきた。
「少しいいみたい」と言うようになって暫く経った頃、TVを見たと言って嬉々としていた。
「NHKで、閉塞性動脈硬化の歩行運動をやってました。足の動脈が閉塞した患者さんが、新たに動脈のバイパスが出来てくるんですよ。ビックリしました。私にもいいはずですよね」。

私はその番組を見なかったが、彼女の脳裏には血管が造られる映像がしっかり畳み込まれたようである。それ以後、この運動にも気持ちが入ったようでグンと活動性が増した。
下肢の冷えも取れてきたそうだ。
今は散歩に取り組んでいる。同じような患者さんで、「1分動/3分休」歩行からはじめて、一日5000歩以上を歩くようになった人もいる。

情報が認知的側面に与える影響には侮れないものがあるなぁ~。

映像、恐るべし、でした。
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by m_chiro | 2012-06-14 17:06 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)
「ゼロか、100%か」①
face bookのお友達が紹介していた記事「繊維筋痛症になりやすい人は、草むしりが好き?」「石井苗子の健康術」(YomiDr.)からのものである。
研修先の心療内科医の言葉を取り上げて、痛みの患者さんの性格特性とその対応について書いている。

それによると、線維筋痛症などの慢性痛に悩まされる人には、共通する性格特性があるようだ。
「とことんやる」タイプらしい。
次に「一番が好き」なタイプで、診察の予約も朝の一番目が好き。
待ちたくないタイプのようでもあるが、ちょっと違うようだ。
「とことんやるタイプ」とは「ゼロか、100%か、のとことん」のようだ。

例えば、草むしり。なぜか線維筋痛症の人は草むしりが好きらしく、それも調子が悪ければ全く何もしない。ところが調子が上向くと100%全力を尽くして草むしりをする。
「やるなら徹底的にやる、やらないなら何にもしない」といった性格の人が多いんだとか。
「だから朝の一番で最初の予約が好き」。
「この病と闘うには、性格を変えることも大事かもしれません」と石井苗子さんが書いていた。
が、性格をそう簡単には変えられないから悲しい。

この記事で思い出すのが、“Physical activity and low back pain: a U-shaped relation?”の論文。
不活動と過活動の痛みのリスクは同じだという研究である。
もっとも慢性腰痛との関連が示唆されたわけではないが、痛みとの関連性では興味深い内容である。

そのことを何度か記事にしたことがある。
「不活動と過活動」
「身体を動かさないことのリスク①」

不活動と過活動の痛みのリスクはU字曲線になるというもの。
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縦軸が痛みのリスクの高さを表し、横軸は活動の激しさを表している。
図表は「ゼロか、100%か」のように、両極で痛みのリスクが高い、という結果である。

私のところにも、痛みを抱える「ゼロか、100%か」の患者さんがみえる。
そんな方には、滋賀医科大学の小山なつ先生らの研究「駆血帯疼痛試験」を参考にして、日常の活動に応用する指導している。
(長くなるので続きは次回に)。

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by m_chiro | 2012-06-13 08:57 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
桐子の再手術・無事終了
子宮蓄膿症で摘出手術を受けた桐子でしたが、術後の腹腔縫合の結果がかんばしくない。腸ヘルニアのようだ。
再手術で腹腔の縫合をすることになったのだが、なぜ癒合しなかったのかと獣医さんを悩ませることになった。
こんなケースは手術した獣医さんにとって初めてのことだったようだ。
あちこちから情報を得て、考えられる原因を想定することになった。
それで再手術が延び延びになった。一番危ぶんだのが癌の筋転移だったとか。

最初の術後から桐子は、とても元気になった。食欲も復活し、散歩の距離も眼力も、全体的な若さも格段に良くなったのである。問題は腸ヘルニアがあるだけ、そう思っていた。

桐子は群馬県で生まれたようだ。幼くして捨てられて、保健所送り寸前だった。
そこへ、不憫に思った近所の若夫婦が救いの手を差し伸べたのである。
インターネットで里親募集をしてあげると申し出て、それが私の目にとまり、わが家の家族になった。
それから12年、家族と共に過ごしてきた。生い立ちは恵まれなかったが、幸せな日々を過ごしてきたと思う。
もしも何か悪い病気が見つかっても、それが生存を脅かすものであれば更に侵襲的な手術は望まない。ともかく腹腔を縫合して腸の陥入による障害を防いでもらえればいい。
そう獣医さんに伝えた。

獣医さんも、「わかった。でも手術の段階で周辺組織も一応よく診てみる」ということで、やっと6月11日に手術となった。
無事に再手術を終え、その日の夕刻に引き取りに出向いた。
動物病院に入ると、待合室にも桐子の吠え声が聞こえてくる。
受付で、「ずっとあの調子なんです」と言われた。

獣医さんから詳しい説明を受けたが、癌組織らしきものは見られなかったようだ。
結局、推測できることは、最初の手術後は初めての外泊で、しかも入ったこともないゲージで、ずっと吠えっぱなしでいたために腹圧がかかって引き裂かれたのではないだろうか、ということだった。

「飼い主の姿が見えないと、ずっと呼び続けて....。こいつは幸せな犬だ。念のため通常の倍も頑丈に縫合したし、圧迫包帯をしておいた。多分、今度は大丈夫でしょう!」。

帰りは夕闇が迫り、夕焼けがきれいだった。
私もどこかホッとした気分で夕焼けをみた。
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家に帰ると頭部カラーの代わりに、再び家内のTシャツで舐め防止。人が動くたびに、何かもらえないかとついて回る。この日は水も食事も抜きだったのだから無理もないが、朝まで辛抱してもらわなければならない。
桐子、完全復活の予感!!でした。御心配いただいた皆さん、ありがとうございました。
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by m_chiro | 2012-06-12 09:09 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(6)
症例の成功例から学ぶことは「決定論的治療法」ではない
施術した症例報告の成功例を読んで、それが決定論的な治療法だと思い込んではいけない。
「治療は一期一会である」、そう深く心に刻んでいる。
だから、Aの症状に上手くアジャストできたからと言って、その手法で同じ症状に適応できるとは限らない。

そんなことは分かっていると思いがちだが、なかなか腑に落ちていないことに気づかされる。
訴える症状に対面したとき、すぐに成功例の手法が頭をよぎるからだ。
それを実施して思った効果が得られないと、あのときは上手くいったのに何でだろう、となる。
症例の成功例に学ぶときは、往々にしてこの罠にはまる。

それも大切な学びには違いないが、「一期一会」の心情があれば、いつもニュートラな状態で患者さんに臨めることになる。
この臨機の精神こそが重要なんだと思う。

もちろん、いろいろな方法論を学び知ることは決して無駄ではない。
それだけ引き出しが多くなる。引き出しの多さは、対応の幅も広げる。

もっと大事なことがある。
例えば腰痛に対するA,B,C,...それぞれの先生方の方法論から、それぞれの治療効果の作用機序を学ぶこともできる。
その作用機序から、そこに共通する病態の機序を探ることともできるだろう。
すると、入口は一つだけではないことを知ることにもなる。
症例報告に学ぶ意義はむしろそこにあるように思う。

症例報告の成功例は、決して「決定論的治療法」を学ぶサンプルではない。
そのことを自分自身への戒めとしている。
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by m_chiro | 2012-06-07 12:00 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
身体機能の組織化と眼球運動
身体機能の組織化と眼球運動
症例1:「身体の左半身が沈んでいく....」


昨日、治療にみえた20代の患者さんは、身長180㎝以上の筋骨隆々とした立派な体躯の青年だった。まるでアメフトかラグビーの選手のような体格である。仕事がデスクワークなので運動不足にならないようにと、ランニングやエクササイズなどで鍛えているそうだ。

一見するに健康そのものようなこの男性の訴えは、「身体の左半身が沈んでいくような感じで傾いていく」というものだった。
メデイカルチェックで異常は見当たらない。それで治療にみえた。

望診すると、捻じれた停滞軸が感じられる。
抑制バランスをチェックすると、見事なほど反射の遅延がみられ、顕著に左一側性に抑制バランスがある。
c0113928_1783851.jpgこうした身体機能を組織化することができないでいる症例では、眼球運動の機能の偏向がみられる。
眼球の運動軸が身体の筋運動に影響を与えているからだ。

この患者さんは左右の上直筋、左の外直筋と右の内直筋、左下斜筋による眼球の運動がスムーズではない。
反時計回り(CCW)の眼球運動では良好であるが、時計回り(CW)の運動では1時~3時方向での回転運動で眼球が動揺する。

出力系は脳から足部へと、筋運動のトーンを統合する組織化が行われる。
だから眼球運動の偏向による頭位は、治療上かなり重要なカギとなる。
眼球運動頭位反射(OCR)の異常というわけではなく、眼球運動の誤差修正が行われていないためではないかと考えている。

運動のコントロールは、神経レベルでは大脳基底核位が制御している。
しかし最終的な誤差は小脳が行う。小脳は前庭系と密接にアクセスし、誤差学習能力を発揮している。運動機能プログラムの誤差調整が十全でないのだろう。

左Tiltがあり、先ずはそれをリリースしてみたが上体の回旋軸の停滞が残る。
そこで眼球運動を調整するために、小脳テント、顔面頭蓋、後頭骨-Cのつくる菱形ライン(私はダイヤモンドヘッドと呼んでいるが)のテンションを調節した。
まだCWで2時方向の動きが飛ぶので、これは眼球運動の認知を行う手法でリリースした。これで停滞軸が消失した。

立たせて歩かせてみると、「全然違う」と言う。
身体の運動機能については眼球運動のチェックは欠かせない。頭位や眼球の軸運動の偏向は、左右の筋のトーンを変えて眼球運動を代償するからである。
だから感覚のミスマッチも起こるのだろう。
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by m_chiro | 2012-06-05 17:09 | 症例 | Trackback | Comments(0)



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