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パーキンソンニズムと思われた患者さん
富山セミナー(2.25-26)の直前にみえた患者さん。
セミナーで「鑑別診」の時間に「パーキンソンニズム」について触れ、この患者さんの病態を紹介した。

50代男性で、奥さんが治療にみえている。
その奥さんが言うには、ご主人の動きがのろくなって、その上に猫背で姿勢が悪くなってきたのだそうだ。半年ほど前に脳ドッグで検査を受けたが、異常はない、とされたようである。
「一度、診てもらいたい」と言って連れて見えた。

明らかにパーキンソンニズムの徴候がある。
パーキンソンニズムは特有な症状を示す。
姿勢反射の障害もそのひとつで、猫背で前傾姿勢になって歩幅を小さく歩く。「無動」や「ななめ兆候」という椅子に座る姿勢が一側に傾く姿位もそうである。

またや安静時の振戦もある。
興味深いことに意識を他に向けさせると治まる。
大抵は一側の手の震戦に始まり、同側の下肢へ、更に対側の上肢から下肢へと連鎖していく。

筋運動の強剛(rigidity)も特徴的である。
運動の起動から最後までほぼ一様に感じる抵抗感がみられる。
「歯車様強剛」とか「鉛管様強剛」とよばれる抵抗感のある運動である。

これらのパーキンソンニズムのうち、この患者さんに特徴的な症状は「ななめ兆候」と軽度の特徴的な歩行、動作の緩慢さだった。
強剛はみられない。振戦もない。
その上、半年ほど前に脳のMRI診断を受けている。

パーキンソンニズムの判定のうち2項目だけが該当していて、ぎりぎり治療対象とされるが、他の疾患を除外しなければ「パーキンソン病」の確定にはならないとされる。
パーキンソンニズムの原疾患が何か。
薬物などに曝されても薬剤性パーキソンニズムが起こるし、脳血管性パーキンソンニズム、その他の脳の変性など、それは専門医の鑑別診断が必要となる。

この患者さんに、例えば手の振戦がでるようだったら神経内科を受診するように勧めておいた。母指と第2指が接触している手の様で、今にも丸薬を丸めるような動きの振戦が始まるような態勢にあったからだ。軽い体操なども日課にすべきだと話した。

さて、この患者さん1ヵ月も経って、再診にみえた。
先日から左指に振るえがでるようになったので、神経内科を受診したと言う。
パーキンソンだろうと言われて、1週間後にMRIの予約が入ったようだ。
必ずしも画像が決定的になるわけでもないが、診断手順としては当然だろう。

左の肘関節の運動に軽度の強剛が出ていた。
右肘の運動はスムーズだった。

パーキンソンの病態分類は1度~5度に分けられている。
1度は一側性パーキンソンニズムなので、きっとこの患者さんは1度の分類されるのだろう。
もう20年も前に、やはり50代の男性に同様な患者さんがみえたことがある。
この方も早めの投薬と自覚的な運動調整を続けて、70歳ほどになった今でもしっかり仕事に従事している。早めの対応で、頑張ってほしいと思う。

身体平衡機能系の調整することで、徒手療法もお手伝いできるものがあると思っている。

「パーキンソン病の診断基準

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by m_chiro | 2012-03-30 14:19 | 症例 | Trackback | Comments(0)
皮膚考学研究所の試供品とピソマを試す
設計士の30代女性が PCに向かって仕事をしているうちに首が痛み出し、とうとう動かせなくなった。
その日は早めに就寝したそうだが、翌朝には起き上がることもできず、首の回旋もできなくなった。そんな女性が治療にみえた。

頭を動かさずに体位を変え、左右を確認するときは眼だけを動かして行っている。
こうなるまでに顔面チックが数日続いて、チックが治まったと思ったら首が痛み出たらしい。

寝たら起き上がれない患者さんを、いきなりベッドに寝かせてしまうと、後が厄介である。
明らかにMPSなので、先ずは座位で圧痛をリリースして首の可動域を改善しておきたい。

ちょうど皮膚考学研究所の長谷川先生から商品と共に試作品も提供いただいたので、Sansetu先生の記事「臀部と大腿外側(風市)にピソマを貼ったら」を参考に応用を試みることにした。ちょうどいいタイミングだった。

今回は触診で圧痛点を探るという手法ではなく、可動に伴う痛みの出現部位から罹患筋を想定して進めてみた。

頭部を右に回旋させる。15度ほど回旋した時点でT3横突起の外側に限局した痛みが出現した。その部位を10秒ほどタッピングして(名称は分からないが長谷川先生試作の梅花鍼様シリコン製器具で行う)、再び頭部の右回旋を行わせると可動域が大幅に改善した。そこにピソマを添付しておく。
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(図と写真は「筋骨格系の触診マニュアル」より転載し、Trpの部位と関連痛の部位は簡略書き加えた。斜角筋の圧痛触診は右であるが症例では左である。)

次に左回旋を行わせると、同じように左僧帽筋(T1横突起外側周辺部)に局所の痛みが出現した。そこを押圧するとT11~12左外側に関連痛が起こった。
そこも同様にシリコン器具で10秒ほどタッピングを行ってみた。
再度の左回旋で、これも可動域が大きく改善する。
ところが、今度は最終可動域で左斜角筋鎖骨上部に局所痛がある。
そこを押圧すると左前腕に関連痛が起こる。これもタッピングでリリースされる。

これらの3ポイントにピソマを貼付して可動域をみる。
痛みも軽減されて、可動域が大きく改善されている。
肩をすぼめる動きも難なく出来る。

これでベッドに仰臥位になってもらうことにした。かばいながらでも何とかスムーズにできた。
これで主症状の治療はOKではあるが、前駆症状の顔面チックが気になったので脳神経のチェツクを行った。三叉神経の第1枝と第3枝に、動眼神経、外転神経の作用筋に抑制バランスがみられる。これは神経学的病変ではない。が、出力系の遅延があるのだろう。
それを小脳テントのテンションのリリースで調整して治療を終えた。
ベッドからの起き上がりも労せずに行えた。
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by m_chiro | 2012-03-29 10:55 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「痛み学」NOTE 50.ゲートコントロール仮説の鎮痛機序と疑問
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

50.ゲートコントロール仮説の鎮痛機序と疑問

痛みがあると無意識にそこを擦ったり、手を添えたりする。
すると不思議なことに痛みがやわらぐ。
そんな経験は、誰もが少なからず持っていることだろう。
この現象は多くの人の知るところであったが、その機序はよく分からないできた。
そのメカニズムを解説したのが、心理学者のメルザックと生理学者のウォールである。
この理論は、1965年に「ゲートコントロール説」として「サイエンス」誌に発表されている。
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原理は脊髄後角にある膠様質(後角第2層)のSG細胞と、中枢へ情報を投射するT細胞との関わりと作用に集約されている。
要するに、中枢に痛み情報を伝達するT細胞(投射ニューロン)を、そのシナプス前(SG細胞)で抑制するというのである。

痛み情報は、細い神経線維(Aδ線維:1~5μm、C線維:<1μm)が担っている。
ところが、太い神経線維(Aβ線維:12~20μm)が触刺激によって興奮すると、SG細胞を興奮させてゲートを閉めてしまう(シナプス前抑制)
したがって投射ニューロンであるT細胞のシナプス前(SG細胞)で、痛覚線維からの情報は抑制されてしまう。結果的に、T細胞には痛覚情報が伝わらない、という機序になっている。

この理論は、痛みの生理学における組織学的研究が幕を開けた1960年代の仮説である。
多くの人が納得し、魅了させられた理論とされている。

ところが組織学的解明が進むにつれ、抑制細胞であるSG細胞なるものが、実は仮定の産物であったことが判明する。これはゲートコントロール仮説の理論的破綻でもあった。

それでも触刺激で痛みがやわらぐという現象は確かに存在するわけで、ゲートコントロール説はまたぞろ修正が加えられて徒手療法を裏付ける仮説として尊重されている。
この仮説も今では、SG細胞は抑制の「介在ニューロン」と変更され、投射ニューロン(T細胞)を直接抑制するという機序が想定されることになった。

それでも疑問として残る。
なぜ、太い神経線維(Aβ線維)が入力されると痛覚線維は抑制されるか、ということである。
そこにどんな法則性があるのだろう。

疼痛抑制システムの賦活には中枢系の関与なしでは考えられないことであり、ゲート理論はまだまだ研究や考察を積み重ねることが必要なようである。
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by m_chiro | 2012-03-26 17:59 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
コリャ、驚いた!
PubMedのAbstractから
“Debating the value of spine surgery.”脊椎外科手術の有用性を検討する

AOA(アメリカ整形外科学会議)の2009年度会議での驚きの報告が書かれています。
脊椎外科手術に関する専門医の意見のようです。主な内容は以下のようなものです。

腰椎の関節固定術が腰痛治療のためによく行われる手術で、全体的な椎間板症については、外科医と患者間でわずかながら承認されてきた。
しかし手術の結果とその指標については、論争の的で混乱したままである。

開示されている情報によれば、こうした手術による機能的改善が有意義であるかどうかは議論の余地があり、手術を選択するにもコストが高い。
支払う側(政府や個人)からの支持も極めて少ない。

2009年の会議では、椎間板置換術(disc replacement surgery)に対してメディケアや民間保険は必ずしも支払うべきではないとする意見が圧倒的だった。

興味深いことに、この懐疑派の中でも椎間板変性が慢性腰痛の主要な原因と信じている整形外科医は23%に過ぎなかった。

「もしもあなたに1つのレベルで退行性変性による慢性腰痛の経験があれば、どんな治療のコースを選びますか?」という仮定の質問に対して、61%が保存療法(nonoperative)と答え、38%が何もしない、と答えている。

100人以上の応答者の中で、固定術か椎間板置換術を自分の意志で選択する、と答えた脊椎外科医はただ1人だった。

脊椎外科医は、自身の退行変性による腰痛に対しては脊椎固定術や椎間板置換術を選択しない、と言う。
ほとんど全員と言っていいくらい圧倒的多数の脊椎外科医の意志である。
選択するのは「保存療法あるいは何もしない」だそうだ。
自身は保存療法を選択するという脊椎外科医が、患者さんにはそれを勧めるというのでは解せない話である。
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by m_chiro | 2012-03-22 16:47 | 痛み考 | Trackback | Comments(3)
「痛み」と「動き刺激」の関わりについて
痛みには必ず反射的な反応がつきまとう。
関連の組織に筋スパズムや硬直が起こるし、それに伴って可動制限もみられる。
慢性化すれば痛み行動をとるようになる。痛みを避けるために動きを抑えてしまうのである。いずれにしろ「痛みと動き」には、重要な関連性があるということだ。

さて、カイロプラクティックでは特異的な動きを検出することに独自性を見出してきた。リスティング(椎骨の特異的なズレを記号化する。あるいはアジャストの方向を示す)が、そのことを証明している。
だから操作手技では特異的なコンタクトが肝心である。
でも、そんなことは痛みには何の関係もない。
サブラクセーションが痛みの原因とはされていないからである。

では、フィクセーションはどうなのだろう。骨のズレではなく関節が固着するのだ。
視点を変えれば、それは筋・筋膜の障害にみえるし、関節靭帯あるいは滑液の問題かもしれない。要するに関節複合体の動きが制限されている。
だからジョイントプレイも消失する。これは明らかに痛みと関係しそうだが、それすら実証されたものではない。それほどにカイロプラクティックの科学は、いまだスタートラインなのだろう。

そもそもフィクセーションでは特異的な固着などは追及されないし、この病態の特異的な動きなど無いに等しい。だから特異的なコンタクトもあったものではない。
要するに、固着化を解除することが肝要なのである。

当然、目的は可動を回復することにある。
ということは、「動き刺激」は入力すればするほど、その効果も大きいということになる。もしも、その固着化が痛みに関係しているのであれば尚のこと、「痛み刺激」を抑えて「動き刺激」を入力することが操作手技の基本になる。

だが、固着化した組織は伸張刺激に対して抵抗する。
その場合は軽度の痛みが伴うことがあるだろうが、それでも「動き刺激」の入力は痛みや動きの改善度に大きく影響する刺激となる。

ところが、慢性痛などの認知行動療法として行われるエクササイズとなると、運動がリスクになることがある。
過剰な運動は、逆に腰痛などの痛みを発生させるリスクが高くなることが知られている。こうした調査では(Physical activity and low back pain; Heneweer et al,2009)、機能・能力の障害が活動レベルの低下とイコールではないとされている。

問題は「不活動」にある。したがって、エクササイズのリスク要因は、「過剰な運動:運動強度」と「不活動:動かないこと」という両極にある。

では、どうすればいいのか。出来ることから始められる軽度の運動で、しかも継続しやすいエクササイズにすることである。

エクササイズを習慣化することが重要である。段階的に運動量をあげていくために、一定期間でゴールの変更をしながら進めることも、認知運動療法では推奨されているようだ。そのためには、運動量、歩数や時間、距離などの記録をとることも求められるだろう。

いずれにしろ、「不活動」は痛みのリスクを高める要因である。
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by m_chiro | 2012-03-19 17:54 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
わんこの春よ来い!
小学校でも卒業式を迎えました。
これで学校関係はすべての卒業式を終えます。

もう、お彼岸がすぐだというのに、今日は風雪注意報が出されました。
いまだに最低気温がマイナスになります。

路上の雪が消えたものの、まだまだ寒い~!
わが家のわんこ達も春を待ち焦がれています。
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by m_chiro | 2012-03-18 15:47 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(0)
環境因子もイエローフラッグか?
ここ2年程前から頻繁に治療にみえる独身の女性がいる。
腰痛や頸部痛、背部痛など、その時々でさまざまな痛みを訴えている。
治療するとよくなるのだが、また再発する。
多くは痛みの愁訴であるが、思い当たる原因もなく度々繰り返される痛みである。

いつも月に数回治療にやってくる。こうした再発を繰り返す患者さんには、イエロフラッグから見直すことが勧められている。
つまり、心理社会的要因を探ることになる。

イエローフラッグは7つのカテゴリーに分類されている。

1.痛みに対する態度と評価、2.行動、3.補償問題、4.診断・治療経過における介入、5.感情、6.家族、7.仕事。

以上の7項目のカテゴリーにおける心理社会的要因から見直しすべきだというわけだ。

それとなくいろいろと探りを入れるのだが、どうもヒットしない。
そうしているうちに2年も過ぎたかたちである。治療で回復しては又頑張って仕事をしているのだから、それでよしとすべきだがどうも気になる。

昨年末には不正出血も出るようになって婦人科の診察を受けたが、原因は不明とされた。
体温も乱高下するようになり、子宮の精密検査が予定された。

その女性が年が明けて、正月末に引越しすることになった。それで腰から身体中が痛いと言って治療にみえた。
これは原因がはっきりしている。引越しによる筋痛である。

その彼女が久しぶりに治療にみえた。
仕事に出ようとしたら身体中が痛んで辛かったので、落ち着くまで待ったそうだ。
でも仕事に出ようとすると痛い。やむなく、休みを取って治療を受けようと決めた。
すると、なぜか痛みがおさまっていた、というのである。

「最近、あまりひどくならないようだね。久しぶりの治療だね。」
「そう言えば、そうですね。この頃、体調はいいですね。」

「不正出血はどう?」
「落ち着いてますね。だから検査は3月末にしようと思ってます」

「最近調子がいいのは、何かいいことでもあったの?」
「別に変りはないですね。治療が効いて来たのでしょうか?」

「それだったら、あまりにも反応が遅いんじゃない...」
「じゃ、何でしょうね....」

「もしかしたら、引越しで環境が変わったせいかな。例えば前のアパートは湿気が多かったとか....」
「そう、前の部屋は冷暖房の設備もなくて、寒いし、日当たりも悪かったし、湿気も多かったですね。冬は部屋に帰ると暖まるまで時間がかかって。私、安いアパートばかり探してるから...」

「なんだか、寝袋に入って寝ないといけなみたいだね」
「ホントに、寝袋を使ってたんですよ! 今は冷暖房完備ですから過ごしやすいですよ。」

湿度や寒気は身体に応える。もしかしたら、彼女の痛みの再発は環境因子が関わっているのかもしれない。

ところで、イエローフラッグには環境因子の項目は見当たらない。
「7.仕事」に職場の環境はあるが、あまり再発を繰り返す見直し項目に住居の環境因子も入れておくべきではないだろうか。
そんなことを思いながら、彼女の話を聞いていた。
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by m_chiro | 2012-03-17 17:40 | 症例 | Trackback | Comments(0)
妊娠中は携帯電話などから放射される線量に注意した方がいいかも?
Cell Phone Radiation Leads to Hyperactive Offspring in Mice:携帯電話による放射線がネズミに異常行動の子を引き起こす」というタイトルの記事。

この記事は、「携帯電話(800-1900MHz帯伝播):子宮内暴露により神経発達障害・行動異常を来すことが明らかに!」(内科開業医のお勉強日記)で知りました。

あくまでもネズミの研究からの報告です。

エール医科大学(Yale School of Medicine)の研究者が、妊娠中のネズミのグループを入れた2つのゲージで比較実験を行いました。
一つはゲージの上に、電話音を弱めてはいるが発信中の携帯電話が置かれました。
もう一つは、発信を停止した電話が置かれました。
こうして生まれたネズミの子供の様々な行動や心理、脳の電気活動について調査を行ったのです。

すると、胎児期に携帯電話の発する放射線(radiation)に晒されて成長したネズミのグループには、より異常に活動的で、不安傾向があり、記憶力も低下傾向が見られたそうです。

この研究者たちは、子宮が携帯電話の放射線に晒されると、胎児の脳に影響を与え、多動症などに影響する可能性があるとして実験の証拠を提出したわけです。

ただし、研究はネズミで行われ、直接人体での実験結果ではありません。
懐妊の期間も胎児の脳の発達など、ヒトとネズミではとても違いがあります。

それのもかかわらず、エール医科大学の生殖生物学Hugh Taylor部長は、妊娠期間中に携帯電話の使用を制限することは正当かできる、としてジャーナルに科学的報告を発表しました。

行動変化は、脳の前頭前野、注意欠陥/多動性障害(ADHD)と関連する同じ領域における神経の発達障害をRF(高周波)の放射線に結論付けたものでした。

「Yale press release」上で、Taylor部長は次のように言っています。

「われわれは、ネズミにみられた行動の問題が、ネズミへの携帯電話の放射を子宮に晒したことによって起こされたことを実験によって示しました。人間の子供たちでの行動障害の上昇は一部この胎児への携帯電話照射暴露に帰されるかもしれません」。

そのメカニズムの解明には、さらなる研究が必要なことは言うまでもありません。

WHO(世界保健機構)は、携帯電話を発がん性のある危険(carcinogenic hazard)に分類しました。

その一方でアメリカ医師会の研究(2011.2)では、若干の専門家によればこれらの研究が主要な欠陥があると言うけれどもと前置きして、携帯電話による放射がある特定の脳領域の血流を増加させるかもしれない、と示唆しています。
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実際に人間への影響はどうなのか.
ネズミでの研究リポートからは正確なところは分からないわけですが、僅かでもリスクが想定できるのであれば注意するに限る。
そう思う記事でした。

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by m_chiro | 2012-03-16 11:47 | 雑記 | Trackback | Comments(2)
身体平衡機能系を統合する技法① PRYTテクニックと宮本式・新正体法
身体平衡機能系を統合する技法
①PRYTテクニックと宮本式・新正体法


身体の基本単位を頭、頚部、肩、胸郭、骨盤、上肢、下肢として、それらの相互の情報機能系により統合される身体のあるべき姿を求める技法に、PRYTテクニックがある。

アプライドキネシオロジー(AK)では、PRYTテクニックを基本的な検査と治療に加えている。

PRYTとは、ピッチ(pitch)、ロール(Roll)、ヨー(Yaw)、ティルト(Tilt)の頭文字を集合した用語であるが、船舶や航空機の位置を示すための言語から採用した。
それを身体の傾斜や歪みに対応させて用い、それぞれの歪みの検出法と矯正法が考案されたのである。

c0113928_10253785.jpgPitchは、基本単位である頭部と骨盤が身体に対して前方あるいは後方に位置してる状態を意味している。

そのために、股関節の外転や屈曲運動に制限がみられることがよくある、とされている。

(掲載した図や写真は、「アプライド キネシオロジー シノプシス」(栗原修DC訳、科学新聞社刊、2008より転載した)

c0113928_10265396.jpgRollは、基本単位が横断面における傾斜という歪みとなって現れる状態を意味している。
Rollには、視覚性立ち直り反射が関与するとされる。

c0113928_10273844.jpgYawは、肩に対する頭部の回旋、足部に対する骨盤の回旋が存在する状態を意味する。

Tiltは、頚部の筋に由来する身体の一側性の傾斜である。

PRYTテクニックは、頚部と骨盤の固有受容器の検査によって確認されるのである。
頚部の小さな筋の1g中には約500の筋紡錘が含まれており、特に頚部の問題は体幹下部に及ぼす影響は大きいと見られる。

下の写真は、Yawの動態における抑制バランスの反射テストによる検査である。
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こうした身体の平衡機能系の問題は、身体治療の根幹をなす概念であろう。

昨日、記事にした「宮本式・新正体法」を概観すると、身体平行機能系を統合する方法論の一つに位置付けられるように思う。
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もっとも宮本先生の操法は、治療者の技法を応用する形で行う体操であるが、個々人が自らの身体調整を在宅で行うことができるということに公法としての意義を持つ方法であろう。

宮本式による「動診」は、とてもPRYTの検査にも通じる観方のように思える。

本の表紙の写真を見ても、PRYTの動態が見受けられるだろう。

リセット操法も軽微な刺激を身体に伝搬させることで身体平行系の機能を取り戻すことを狙っているように解釈した。

宮本先生の発想力、着眼力、そして弛まぬ努力が、独自の身体理論として世に出されたのだ、と思えてくる。
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by m_chiro | 2012-03-14 10:43 | センタリングの技法 | Trackback | Comments(4)
どこかで見たような、聞いたような....
「新正体法入門」感想
http://sansetu.exblog.jp/tb/17885924
http://sansetu.exblog.jp/tb/1788660
http://sansetu.exblog.jp/tb/17916130


いつもブログで学ばせていただいているsansetu先生が、「新正体法入門」の本の感想を寄せておられた。それを読みながら、「どこかで見たような...、聞いたような....」と思いながら、ノドに棘が引っかかったみたいに気になってしかたがなかった。

数日経ってもなぜか気がかりで、この本を取り寄せることにした。
先日、本が届いてパラパラと開いてみて驚いた。
「新正体法」の創始者のことが書かれていて、写真が掲載されていたのである。

「あっ、宮本さんだ!!」

実は私が30歳前の時で、治療界の新参の時代の一時期を宮本さんと共に学んだことがある。
その当時、彼はすでに自分の研修グループを持ち指導的立場にあった。

共に学んだ研修会とは「有終会」と称し、私の義父である山田博士(やまだひろし)が主宰していたものだ。そこには200名ほどの研修生がいて、毎月40~50人ほどが入れ替わり参加していたのである。宮本さんはいつも数人を連れて参加していて、新参の私は研修会の案内やら会場の準備やらを手伝っていたのであるが、年齢が近いこともあり親しくさせていただいた。

その「有終会」の忘年会が高尾山で行われたことがあった。
藁葺屋根の佇まいが数棟と水車小屋の里が作られていて、そこは焼き鳥料理がメーンであったと思う。私と宮本さんは偶然にも同じテーブルの隣り合わせに座ることになり、大いに語り痛飲し、酔うほどに肩を抱き合って笑い合い、あんなに愉快な時を過ごした記憶がないほどに楽しかった思い出として残っている。
その時以来、またよくしていただいた。小金井の治療室にも招かれたことがあるが、新参の私には治療の中身を理解するまでには至らなかった。

それから間もなくして、私は実家の事情で帰郷せざるを得ない状況になり、義父も引退して郷里に引っ込んだ。
そんなわけで宮本さんとの交流も途絶えていたが、あるとき突然私の治療室に顔を出したのである。

何でもボランティア運動の途中に、近くを通ったので立ち寄ったとのことだった。立ち話で挨拶をして、彼はすぐに慌ただしく去って行かれただけだったが、それから間もない昭和56年に、今度は「新正体法」という本が送られてきた。

「御無沙汰いたしております。私此の度、今迄の研究の一部を自費出版致しました。御一読いただければ幸いです。御元気で」と添え書きが寄せられていたのである。
宮本さん、35歳の時の著書である。

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この出版から3年後に「図解 続・新正体法」が届いた。精力的な活動であったが、彼がこの著作で願ったことを、私はこの時点でもよく理解できないでいたのである。
何しろカイロプラクテイックに夢中になっていた時であった。

そして平成3年4月に、宮本さんの訃報が届いた。クモ膜下出血だったそうだ。44歳という余りにも若すぎる死であった。
数々の治療法に学びながら、宮本さんの本質を見抜く彼の眼力には敬服させられるものがあった。患者さんのためにと、一生懸命で誠実な彼の努力は、短い期間の交流の中にも十分に窺えた。この時の無念な思いを、今でも鮮明に覚えている。
この同じ年の11月に、私は「リ・ボーン-等身大のカイロプラクティック-」というムック版の本を著したが、この本を宮本さんに見てもらうことは出来ないでしまったのである。

宮本さんの2冊の本は、やがて本棚の片隅に置かれたまま、あまり顧みられることもなく過ぎて、先日来のsansetu先生の感想記事を読むまでは、宮本さんの目指した意図を知らぬままに終ったかもしれない。

本棚から再び引き出して読み始めて、改めて彼の意図したとても大切なことの一端に気づかされたのである。更に、学びを深めることにしたいと思う。

併せて、Sansetu先生の記事に深く感謝したい。
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by m_chiro | 2012-03-13 16:56 | Books | Trackback | Comments(4)



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