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年末年始・休診のお知らせ
寒波が続き、雪の多い、とても寒い年の瀬を迎えました。
今日30日(金)は午前中診察を行い、午後は大掃除で、仕事納めとしました。

今年は3.11大震災で、大変な年となりましたが、
来年は佳き年であってほしい、と願わずにおれません。

今年1年拙いブログにもお付き合いいただき、ありがとうございました。
お陰様で良い刺激もいただきました。
感謝いたしております。
また来年も、よろしくお願いいたします。

年末年始のお休みは以下の通りです。

12月30日午後より
1月3日(火)まで

休診させていただきます。
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by m_chiro | 2011-12-30 16:46 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(2)
まるでヨーロッパ中世期の本を思わせる「解剖図譜」
まるでヨーロッパ中世期の本を思わせる「解剖図譜」が届いた。
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今年の「九州カイロプラクティック同友会」の忘年会で、「会長賞」をゲット。
昨年の「ノートPC」に続いて、2年連続での大賞の受賞である。
なんと、ラッキーな!

昨日(12月24日)、まるでクリスマスの・プレゼントかのように、海外からの郵便物として届いた。荒木先生、顔に似合わず、何とも粋な計らいをするものです。

714頁、重さ4.9㎏で、本の装丁、紙質、手書きの原画印刷といい、まるで中世期の本を思わせる立派な、しかも美術価値のある本である。

手にして、とても感動した。
中を開いて、2度感動である。まさに美術画である。

いくつかのページを写真で紹介します。中には折込の図譜も付いていて、何とも贅沢な豪華本です。

この本を「会長賞」として提出いただいた会長・荒木寛志先生に、心からの感謝を!

我が家の家宝にします!!

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by m_chiro | 2011-12-25 23:30 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
やはり「痛みの生理学」が欠落しているとしか思えない!
「日経メディカル・オンライ」に連載されている「レセプトを読み解く」の最新記事・『病名に「痛」が付いた疾患で、受信者が最も多いのは?』(2011.12.22)は、やはり「痛みは医療の重大な問題であるということを再認識させるものだった。

記事の著者は木村真也氏(株式会社・日本医療データセンター社長)で、1000万件を超えるレセプトや健診データを分析して医療の問題や現状に探りを入れている。今回の記事もレセプトの出現頻度を調べた内容である。

レセプトに出てくる病名で、「痛」が付いている頻度に限定しての調査である。その病名だけで「341」あったそうだ。その341の病名から記載された患者の実数を集計し、受診率を割り出したものである。
と言うことは、「椎間板ヘルニア」とか「脊柱管狭窄症」とか、痛みの原因疾患として臨床現場で頻繁に使用されているものは除外しているのだろう。

この記事の狙いのひとつは、痛み症状の保有者数における男女比をみることにある。だから、既に明らかな「陣痛」や「痛風」は除外されており、「痛み症状」そのものの総数ではない。さらに代替療法を受けた痛み患者は、実数にカウントされていない。

それらを割り引いてみても、「痛み」は人間の最も身近で深刻な問題として、相変わらず存在し続けていることがわかる。

記事の図1~4は、年代別に受診率ベスト20を男女比で集計している。見ると年代別に
特徴があるものの、頭痛、腰痛は1位、2位を争ってダントツで、デッドヒートしている。 
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「腰痛症」の年代別推移で男女とも倍々に増加している。
その具体的病名のベスト20に「筋筋膜性腰痛症」がランクされていて、これは意外であった。
興味深いのは圧倒的に多い「腰痛症」や「頭痛」である。つまり「原因は特定できません」と宣言した病名である。

「筋筋膜性」という概念を持ちながら、よく分からない、原因を特定できないとされる「腰痛症」や「頭痛」が他の病名を圧倒的に凌ぐ頻度で出てくるのである。
そのこと自体、何よりも不可解だと思えてくる。

やはり、臨床の現場で「痛みの生理学」が欠落しているとしか思えない。
それとも、「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」への理解が不足しているのだろうか。
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by m_chiro | 2011-12-25 23:07 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)
3年越しのポインセチアが咲いた
3年前、小ぶりの鉢に植えられたポイセチアをいただいた。
きっと来年も咲かせてみようと、育ててみました。
が、2年目は青々とした観葉植物でした。
木は大きくなったものの、花は咲きません。
そこで園芸店に出向いて、どうしたら花を咲かせられるか聞いてみました。

「これは難しいですよ。素人では無理だと思います。観葉植物として楽しんでみるのもいいものですよ」。

素人は無理? 
素人とプロはどこが違うのだろう?

こうなったら意地でも咲かせなきゃ!
というわけで、ネットで調べまくりました。

そして、とうとう3年目の今年、クリスマスに合わせたように見事に開花です。
去年求めた黄花の苗木にも、白っぽい花が咲いています。
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冬には花が少なくなります。
外は、この冬はじめての積雪、道路はアイスバン。
寒波が冷たい風を運んできて、とても冷え込んでいます。
治療室に赤い彩りを添えると、患者さんが声を上げます。

花が咲くと言っても、実は葉が赤くなるのだそうです。
でも、どこから見ても花です。
花を咲かせる大事なポイントは3つ。
ひとつは「思い切った剪定」。
根元から10㎝位のところで切り詰めました。余分な枝も払いました。
葉がなくても大丈夫でした。新芽が伸びてきました。

2つめは「短日処理」。
9月下旬から40日間、毎日欠かさず17時~朝8時まで、15時間は納戸に入れて光を遮りました。納戸のガラス窓はダンボールで塞いで、完全に光を遮断しました。芯の葉が色づき始めるまで続けました。

3つめは温度。寒い地方では、気温の管理が難しい。10度以下はポインセチアにとって大敵のようです。冷え込むときは、新聞紙で帽子をつくりかぶせてあげたり、特に気を使いました。
やっぱり、咲いてくれたら嬉しいものです。
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by m_chiro | 2011-12-21 21:20 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(2)
「説明モデル」から、思わぬ状況が見えてくる
「NBM(物語に基づく医療)」という考え方が推奨されるようになって、患者が自分の症状や病いをどのように捉え理解しているかを聞き出すことが求められている。
これを実際に臨床に採用するには、かなりの熟練が必要のように思う。
それでも、未熟なりに応用していると、思わぬものがみえてくることがある。

先日、こんな患者さんがみえた。
中年の管理職の男性である。1か月ほど前から頚胸移行部が苦しくなるのだと言う。
それも朝方に目覚める頃に始まって、起き出して暫くの間に限られている。

「どうして、そうなったんだと思いますか?」
「何か思い当たることはありますか?」
と振ってみるが、「ない」の即答である。
ここで引き下がっては、「説明モデル」の聴取はできない。

「どんな些細な生活の変化でもいいんですよ。それが参考になることがありますから。症状を自覚するのが寝起きに限られているようですから、例えば枕が変わったとか、寝具が変わったとか、布団に入ってからTVを見たり、本を読むようになったとか、生活リズムの変化でも、眠りの質でも、何でもいいのです。思い出したことがあったら、いつでも言ってください」

「あっ、枕を2つ重ねで高くして寝るようになりました」
「何で、そんなに高くするようになったんですか?」
「最近、いびきが大きくなったと言われて、枕を高くしていると善いようなんで...」

「そうですか。いびきが大きくなったのが気になっているのですね。それで枕を高くして寝るようにしたわけですね」
聴取では、反芻して確認を取るのが大切だとされている。問題を共有するための確認である。

この患者さんは頚肩部の痛みを主訴としているが、実は「いびき」が気になっているのだ。
いびきの原因にはさまざまな要因が考えられているが、いずれも決定論的なものではない。
疲労やお酒の飲みすぎなども指摘されるが、これらは一過性なのだろう。
肥満や加齢現象で咽頭周辺の筋力が低下したり、気道が構造的に狭くなることも要因になっているかもしれない。アレルギーによって扁桃周辺の腫れがあるのかもしれないし、顎の構造的な問題があるかもしれない。

身体所見をとると、右の僧帽筋や肩甲挙筋のトーンが低下している。そのために肩甲骨が下垂し、耳の位置にも変位がある。
僧帽筋は副神経支配である。副神経は僧帽筋や胸鎖乳突筋を支配する。
僧帽筋のトーンの低下は関連症候かもしれない。
舌下神経も純粋に運動神経で、下の動きに関連した筋群を支配している。
舌の前方突出運動で変位はみられないが。左右への運動筋で抑制バランスが保てない。
小脳テントにも内圧の変動があり、上部頸椎と関連するリリースを行って、再評価してみた。
僧帽筋のトーンが大分回復し、肩レベルも左右バランスされてきたようだ。

この患者さんの「いびき」も咽頭周辺の筋力が低下したためのものかもしれない。
私の推論を説明した後、高枕を控えるように指導しておいた。

その後「いびき」はどうなったか分からないが、2日後に患者さんを紹介していただいた。
結果、よかったのだろうかなぁ~?
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by m_chiro | 2011-12-19 14:46 | 症例 | Trackback | Comments(6)
こんな奇跡が起こるんだね
12月10日のニュース番組で驚くべき奇跡の回復が放送されていた。


http://youtu.be/9Nw6g8qAPIY(これはYou-Tubeのコードで、別の映像)

オランダ人のモニーク・ファンデルホルストさんは、13歳の時の事故で脊髄を損傷し両下肢が麻痺した。
それでも彼女はパラリンピックの「ハンドサイクル競技」に出場し、北京大会で2つの銀メダルを獲得している。

そのモニークさん、ロンドン・パラリンピックを目指してトレーニング中に、今度は自転車と衝突して負傷したのだという。

そのリハビリを続けて数か月後に、今度は奇跡が起きた。
両下肢に感覚が戻り、歩き始めた子供のように転んでは起き、転んでは起きを繰り返し、ついには歩くことができるようになったという。

それどころか、オランダの自転車競技のプロチームと契約し、2016年のリオで開催されるオリンピックに出場する計画だという。

「医学的には説明ができない」と医師団は語っているようだが、こんな奇跡が起こるんだね。
すべては脳・身体の振る舞いなのだろうが、何事にも強い心で継続することも大切なことなんだろう。
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by m_chiro | 2011-12-11 22:33 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
ツヴィンガー宮殿に行ってきました
12月2日~4日(日)に、九州カイロプラクティック同友会の忘年会があり「ツヴィンガー宮殿」を訪ねました。

ツヴィンガー宮殿とは、ドイツのバロック様式の宮殿で中庭には庭園があります。
ドイツのザクセン選帝侯(ポーランド王でもあった)が、1709年から23年の歳月をかけて建てられた宮殿です(現在のトレスデン市)。
この当時、ヨーロッパには磁器をつくる技術がなく、東洋から伝えられた有田焼が宝石のように重宝され、王侯貴族が収集したそうです。
中でも、ツヴェリンガー宮殿を建てたアウグスト王は欧州最大のコレクターで、そのコレクションや陶磁に関する資料や文献・その他の東洋陶磁が保管されている宮殿でもあるのだそうです。
アウグスト王はマイセン磁器をつくらせたり、古伊万里や柿右衛門の絵柄を取り入れたり、日本の陶磁と深い関わりがあったそうな。

同友会で我々が行ったツヴィンガー宮殿は、ドイツの実際の宮殿ではありません(念のため)。
実は、本家のツヴィンガー宮殿と深い所縁のある佐賀県の有田焼の地にある宮殿です。
「有田ポーリングパーク」に、実物のツヴィンガー宮殿をモデルに建築された建物なんです。
でも、立派な宮殿でした。
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その前で記念写真を撮りました。
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どうですか。
ドイツに行ってきたみたいにでしょう!

同じパーク内で、有田焼の絵付け体験もしてきました。
有田の街並を散策しながら有田焼の名品も見てきました。

前夜は、嬉野の「山水」という旅館に投宿。
ぬるぬるしたお湯の岩風呂で温泉気分を満喫した後で、恒例の忘年会。各地からの銘酒が持参され、酔いしれました。2次会、3次会と続いて、バタンキュウでした。飲みすぎました。おしゃべりも過ぎて、翌朝は声枯れ状態でした。

忘年会恒例のお楽しみ企画、なんと、私は昨年に引き続いて「同友会・会長賞」をゲットです。
「Atlas of Human Anatomy and Surgery」という手書きの解剖図譜の大著でした。
解剖書というよりも美術書というべき図譜です。
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同友会に参加すると、なぜか「善いとこ取り」が続いています。
実物は海外から送られてくるのだそうで、まだ手元には届いていません。
でも、ホントに届くのだろうか。でも、うれしい景品でした。

ご提供いただいた荒木寛志会長に感謝です。

いや~、楽しかった!
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by m_chiro | 2011-12-07 13:55 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(4)
保健所からの施設衛生調査
12月早々に、保健所からの立ち入り衛生調査が行われた。
担当官の主任の男性官と女性の2名がみえた。
身分紹介の後で、主任の男性に「前回は何年前でしたか?」と尋ねられた。
10年以上前のように思うが定かではない。
「5年に1度の約束なんですが...、申し訳ありません.......。」、と担当官。

その後に形式的に施設を見てから、2,3の注意事項を伝えられた。
ひとつは手洗い消毒である。
私はヒビテン液(手洗い用)とポンプ・スプレー式の抗菌液と2種類を設置している。
ところが、手洗い用は「オスバン液」にすることと注意された。
理由は、ヒビテン液の使用法に難点があるからのようである。
お勧めは、ポンプ・スプレー式の抗菌液とのことだった。

もうひとつ、待合室と治療室は戸による仕切りが基本なのだそうだ。
私のところはオープン形式で床から天井までの衝立のような仕切りがあるだけである。
今更どうもならないが、やはり最も重視したのは胸部レントゲン所見だった。
施術者に感染症患者がいないか、チェックされる。これは当然のことだ。

担当官との雑談の中で見えてきたもの。
それは、「柔整師でありながらカイロプラクティックを標榜している」というクレームが寄せられるのだそうだ。
それも特定の人から。
そうなると施設に立ち入らざるを得ない。そんな空気が読み取れた。衛生調査は、その口実としてついでに行なうのかもしれない。
きっと、柔整師がカイロを標榜していることを快く思わない同業者なのだろう。
私の治療室の看板表示は「カイロプラクティック」のみであるが、開業時には柔整師として届けているために、ひと騒動があった。
カイロ治療を行うのであれば、「柔整業務を廃業にしてほしい」ということなのだろう。

柔整師法を順守すれば、「骨折・脱臼・捻挫の応急手当」ということになるが、応急手当で業務が成り立つのだろうか。
現実に私も交通事故の患者さんには柔整師として書類を書くので、柔整業務を行っていることになる。
柔整患者が少ない。保険請求もされていない。だからと言って、廃業しなければならいということにはならない。

それに、先日、こんなことがあった。
スーパーで買い物中のママさんが、「2歳の子供の手を引っ張ったら、肘が外れて動かせなくなった」と言って駆け込んできた。

肘内障である。子供は、どうやら泣き止んでいる。
これでベッドに乗せると、また泣いて抵抗するのは目に見えている。
予約の患者さんを治療中でもあったが、若いママさんが抱っこしている状態で、泣き止んでいる時に、そのまま待合室で整復した。
一瞬のことなのだが、それでも子供はまた泣き出した。
ママさんまで、目を丸くして驚いている。

お菓子でも与えて手の動きを見てもらった。どうやら普通に動かせる。
これで様子を見てもらうことにして、それでも問題があったら整形外科に行くようにと告げた。「応急手当」という柔整師法に順じた施術をしたわけである。
別に大した技術を用いたわけではないし、一瞬の整復なので料金はいただかなかった。保険請求などの業務の方が、私には面倒だ。「その後はすっかり大丈夫になった」と1週間ほど経ってお礼に見えた。

女性の担当官が、「患者さんは、柔整の施術かカイロの施術か分からないので、きちんと分けてほしい」と言った。

えっ! 柔整師法に定められたこと以外に、施術内容でカイロと柔整を分けているものがあるの?
 これは逆にぜひ聞いてみたい。

ところが、「ありません」と主任の担当官は一言。

マッサージ師の資格がないのに、なぜ「足裏マッサージ」は無資格営業に抵触しないの?
リラクセーションや癒しの名のもとに、無資格の施術が野放しにされている方が問題ではないの? 
法的にも整備されているマッサージなどの有資格の名称を、なぜ制約を受けることなく使用できるのか?
その方がよほど疑問である。
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by m_chiro | 2011-12-07 00:53 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
痛みは脳の中にある ④アメリカ発、痛み治療の最前線
アメリカ議会が2001年に採択した第二期バイオメディカル振興策は、「痛み10年宣言」であった。バイオメデイヵル振興策は、人間の医科学の中で最優先課題として取り組むべき政策として実施されたものである。

その第一期・バイオメディカル振興策は「脳の10年宣言」であった。この政策は、1991年~2000年までの20世紀最後の10年に、輝かしい成果を上げている。何しろ脳の研究が急速に進んだ。専門者間の議論が、お茶の間の話題にまで広がったのである。当時のクリントン大統領が署名捺印して、この政策がスタートした。

「痛みの10年宣言」は、痛み問題が社会問題に波及しているという実態を踏まえて(痛みは脳の中にある ③共有できない痛みの波紋)、アメリカが国家戦略として打ち出した政策である。痛みの研究と教育を興し、そのケアを充実させるという目的のもとに採択された政策で、その成果をもって世界の痛み研究の推進力になろうとしたのである。

この政策は、一気にヒートアップした。
スタート早々の2001年に、アメリカ医療施設評価合同委員会(JCAHO)が「痛みの評価」を第5の必須バイタルサインとして組み込んだのである。
これで必須バイタルサインは1.体温、2.血圧、3.心拍数、4.呼吸数、5.痛み評価の5項目となる。そして翌2002年には、医療保険に新しい治療コードが創設されている。このことの意義は実に大きい。

それまで、痛みは症状であり、治療の対象はその源疾患にあったわけである。それが、痛みそのものを治療対象にみなすことになったのである。そのために「痛み評価」は、必須のバイタルサインとなった。更に、痛み学の修得が義務付けられている。医師免許更新の必須条件に「痛み治療の習得」を学ぶことが加えられている。

こうして盛り上がりをみせた「痛み10年宣言」であったが、その後なぜかトーンダウンしたように感じられてならない。推測するに、3つの悪条件が重なったのではないのだろうか、と思える。

ひとつは、2001年の9・11テロ事件である。このテロ対策費として、アメリカは96兆円という巨額の費用を投じている。2つめは、大統領がブッシュに変わったこと。ブッシュ大統領は、どうみても研究よりも戦争が好きなようだ。3つめは、リーマンショックである。経済の落ち込みが研究費に波及したとも思えてくる。

11月29日付の加茂先生のブログ記事・「日本では痛みの治療は、先進国の中では最も遅れており」の中で、「滋賀医科大学付属病院・ペインクリニック科」のページから「慢性痛の社会的損失と欧米での痛み治療への取り組み、日本の現状」を紹介されていた。

アメリカにはじまった「痛み10年宣言」を受けてのスウェーデンの取り組みも紹介されている。

スウエーデンにおいても国民の約3割が慢性痛に悩んでいると推定され、スウエーデンの医療審議会では最近の痛みの研究の進歩に対応すべく、1992年に慢性痛に対する国家的な対策を始め、「痛みの治療組織として家庭医を底辺として行政側の援助で地方ごとに多角的な専門分野にわたるペインセンターを設立し、痛みの研究、教育面での積極的な活動をさせる。組織の整備と並んで教育問題を重視し、医学部と各種パラメデイカルにおける痛み教育のカリキュラムを設定し、家庭医に対し再教育、トレーニングを徹底する。」というような痛み白書を策定し、国としての医療体制に影響する積極的な見直しを行っています。

それに引き替え日本は。。。。。
日本では痛みの治療は、先進国の中では最も遅れており、痛みの治療など、患者中心の医療は、厚生労働省の調べで、日本が世界で遅れている科学技術のトップ10に入っていると報告されています。

日本での痛み治療はかなり深刻な状況のようだ。
「痛み10年宣言」はスローダウンの印象であったものの、アメリカ発ではじまった痛み治療の最前線を着実に前に進めてほしいものである。
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by m_chiro | 2011-12-01 18:15 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)



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