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「二関節筋」を意識したストレッチ
私は患者さんへの在宅エクササイズをよく指導する。
これは正しい運動機能を学習させるだけではなく、自ら治そうとする意欲や管理意識を自覚させる意味も持っている。
ここ数年、「二関節筋」という概念を取り入れた運動やストレッチングを多用するようになった。

「二関節筋」の特性に気づかされたのは、実はロボット工学関連の著書である。
人型ロボットを創ることを目指した研究者たちが、ぶつかった問題。
それはヒトのようななめらかな関節の動きを作り出せないことにあったようだ。
そこでヒトの運動生理に答えを求めたのであるが、どうも関節が動力源ではないということに気づいたらしい。問題は、神経生理学の運動制御がテーマである。
ところが工学系の用語にあるのは「電動機制御」だという。「motor」と「motion」の制御の違いであるが、進化的にみると陸上の脊椎動物の特徴は「二関節筋」にあったことに気づくのである。今では、リハビリテーションの教育や臨床の現場でも「拮抗二関節筋の力学」が応用されつつある。

次の論文でも、二関節筋の概念的特徴が述べられている。
協調制御モデル(熊本水賴著)」

「二関節筋」は古くから知られた哺乳類から両棲類に普遍的に存在する筋肉である。ところが二関節筋は、両端の一関節筋群と協調活動をする。論文では、「ヒトや動物特有の四肢先端に於ける出力制御・剛性制御・軌道制御に貢献していることが理論的、実験的に明らかになった」と評価している。
しかしながら、二関節筋による四肢出力特性や運動制御特性への関わりが理解されているとは言い難い。

個人的な研究会参加やカイロプラクティック徒手医学会の活動を通じて、愛知医科大学の熊澤孝朗先生の研究室とお付きさせて頂いたご縁があった。
研究室の山口佳子先生からは、「筋学や関節疾患に関心があるようでしたら」と、愛知医科大学の丹羽滋郎・名誉教授をご紹介頂いた。
その時、熊沢先生が臨床家との交流をとても重要視して、研究に活かしておられたこともお伺いしたのであるが、丹羽滋郎もその中のお一人だったようである。
丹羽先生は人口膝関節の権威であったが、現在は愛知医科大学の運動養育センターの参与を勤められて筋学の普及に取り組んでおられるようである。

早速、丹羽滋郎先生のご著書「メディカル・ストレッチングー筋学からみた関節疾患の運動療法―」を取り寄せて読んだのだが、驚いたことに「二関節筋」の重要性がこの本の執筆の動機になっているエピソードが語られていたのだ。
関節疾患を筋学から見直したというのである。これまた何という因縁だろう。
今では、この本が私の在宅エクササイズの種本になった。
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丹羽先生は「暮しの手帖」に長年にわたり「医学・健康ページ」に執筆してこられたようである。その中に次の一文がある。

腰痛や肩こり解消の鍵は、「筋肉」と「脳」にあります。筋肉は運動器のひとつですが、整形外科の教育のなかでも、筋肉のことを学ぶ機会はあまりなく、日常の診察で、骨や関節ほど重要視されてきませんでした。そして、日本の整形外科医の関心は、欧米に負けないレベルで、いかに的確な手術をするかということでしたから、画像にとらえやすい骨と関節の障害に、もっぱら注目してきたのです。そんな傾向が、慢性腰痛や肩こりに、五十肩という、ありふれた整形外科の「病気」に、これまで効果的な治療法や、痛みを軽くする方法を示せなかった、いちばんの理由ではなかったでしょうか。なぜなら、これまで整形外科医が治せなかったありふれた運動器の疾患を筋肉の側から見直し、その目で従来のストレッチのやり方などを工夫して、患者さんに実際にやっていただくと、予想もしなかったすばらしい効果を、この目でみることになったからです。


カイロプラクターも骨や関節とばかり言わずに、「筋学」をその機能的特性からも学び直す必要がありそうだ。
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by m_chiro | 2011-05-31 09:05 | 動態学 | Trackback | Comments(2)
一列に並んでボタンの花が咲きました
今年は例年よりも1週間~10日ほどの遅れで、庭のボタンの花が咲きました。
一列に並んで、行儀よく咲きました。
今日は春の日差しが心地よい一日でした。
家の中より外の方が暖かです。
ボタンも早くに散ってしまいます。
一年に一回だけの開花なんだから、もう少し咲き誇っていてほしいものです。

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一年を季節の節目毎に24当分した「24節気」という表現があります。
酒田祭りが終わった5月21日が、その24節気の「小満」にあたるようです。
あらゆる生き物、植物や花々が生命力豊かに地上に満ちるという意味で、
「小満」と呼ばれているのだとか。
田植えの時期、カツオなどの魚も大移動をはじめる時期です。
野原や山々にも草木の生育が活発になり、緑も濃く生茂り出しました。
ボタンも大きな花が重そうです。
藤の花も花房が紫色にふくらみ始めています。
今年は、この「小満」の時期が1週間ほどずれ込みましたが、
田植えを終えて水を張った田んぼでは、カエルの大合唱が聞こえます。
こうした自然のリズムに人々の暮らしの日常を重ねて来たのでしょう。
「小満」、時節の表現は自然の営みに数字をつけるよりも、
ずっと豊かな「いのちの営み」を感じます。
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by m_chiro | 2011-05-26 19:33 | 守屋カイロ・オフィス | Trackback | Comments(0)
盗人・桐子の悪行三昧
我が家の愛犬・桐子は幼犬期に野良生活を過ごした。
捕獲されて保健所送りになるところを、里親探しのお世話で私の所に来た。
それから10年が過ぎた。

この頃は年のせいか顔に白髪が目立つようになったが、顔は精悍で、おそらく甲斐犬の血が濃いMixと思われる。
外見に似合わず、とても気持ちの優しい犬で、しかも実に忠実である。
これまでいろんな犬を飼ったが、これほど飼い主に忠実な犬は初めてだ。
命令系は、ほとんど忠実にこなす。

ところが食べることになると、理性が壊れるようだ。それも家族が留守をする時に壊れる。
以前は、卓上に置いていたサバ缶を開けてペロリと食べていた。
まさか、缶詰めを開けて食べるとは思いもよらなかった。その時のことを記事にした。
「呆れた食い意地!」

それからも、この盗人・桐子は家族の留守中に急ぎ働きをしていた。
例えば、生米。
ホーローの容器に入れている蓋を開けて生米を盗み食いしたのである。
たまらずに対策を講じた。
ホーローの容器に紐をかけて開けられないようにしたのだが...。

桐子はいつも人のやることをジーと見ている。
こんな眼差しで...。
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寝そべっていても、桐子の眼は人のしぐさを観察している。
鋭い観察眼だ。感心するほどである。
食べ物の時は、特に真剣だ。どこに何を収納するか、そんな眼差しをいつも向けている。

こちらは空の「好奇心の眼」。
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違いが分かりますか...?
ただ面白そうか、つまらなそうか、それだけを注視している好奇心の眼である。

さて、ホーロー容器に紐をかけて開けられない様にしていたのだが、桐子は紐を引っ張ると蓋を開けることができる事を学んだようだ。
なんと次には、その紐を解いて容器の中の生米を食べていた。さすがに、また紐を掛け直すことだけはできなかったが、呆れた盗人である。
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こうして紐をかけていたというのに...。
とうとう容器を別の部屋にしまい込まざるを得なくなった。

更に呆れた悪行は、最近の出来事である。
内陸地方にある麺屋さんの「黒うどん」が美味しいので、多めに買いこんで冷凍保存にしている。
最後の一袋を冷蔵庫の冷凍室に保存していたのである。

買い物から帰ると、そのうどんを包装したビニール袋が床に落ちているではないか。
どこから空袋を引っ張り出したのだろうと訝りながら、置いていた場所の記憶を家内と2人で高速検索したが思いつかない。
「まさか冷凍庫を開けるわけはないだろう(笑)...」
と言いながら、その冷凍庫を開けてみたら...、「ない!」。
ギョギョである。

犬の手は上方からの引き手の動きだけだから、逆手を使うことはできないだろうに...。
と、冷凍室の取っ手を見ると、写真でも分かるようにキズや歯型があるではないか。
どうも歯と手を使って冷凍室を開けて、うどん玉の袋を取り出したあげくに冷凍室は閉めたようだ。たまたま体が当たって閉まったのだろうが...。
何という悪行、呆れかえって言葉を失ってしまった。
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結局、冷凍室には「魔除け」のガムテープを貼ることにした。
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桐子はガムテープが大嫌いなのである。
これで近づけまい!!!
ガムテープの剥がし方をマスターしないことを祈るばかりである。
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by m_chiro | 2011-05-24 21:45 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(6)
「恐れ-回避モデル」は、なぜ痛みの憎悪因子になるのか?
前回の記事の続きです。
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上の図は「fear‐avoidance model(恐れ―回避モデル)」とされるもので、痛みの悪循環に陥る典型的なパターンが示されている。
「痛みの体験」に対する対応の在り様で、その後の痛みが両極端に変わるというもの。

ひとつは痛みに対する正しい情報を与えることで、痛みと対応する楽観的で前向きな態度に導くことができる。結果、痛みが軽快し、回復も早めることができるというものだ。正しい情報を与えて、痛みを知ってもらうというのが鍵である。

もうひとつは対称的である。痛みの元となる誤った認識に基づいて脅す、あるいは悲観的な感情を生み出させる。画像は、それを増幅させるツールにもなる。
「ガラスの腰」という説明は、確実に脆さをイメージさせることができる。
そうした説明が頭から離れない人も中には居る。
何しろヒトの記憶の保有時間は魚類などと違って随分と長い。だから印象的で強力な体験は更に記憶を強固にしてしまう。
その結果として不安や恐怖から過剰な警戒心が生まれ、不安要素を極力避けて過ごすようになる。
行動の抑制が廃用性の障害を生み、機能障害をもたらし、そしてうつ傾向となる。
こうした抑制された心身の状態は、痛みを悪化せる因子として作用する。悪い循環にはまるのである。

では「恐れー回避モデル」が、なぜ痛みの憎悪因子になるのだろう。その神経機能の仕組みとも考えられる研究論文がある。

この論文は、理化学研究所が「進化的に保存された恐怖反応を制御する仕組みを解明」した研究で、2010年に10月10日付けで「Nature Neurosciennce」のオンライン版に掲載された。

脊椎動物は危機に対する対応を獲得してきた。それは生存のために不可欠な能力であり、進化の過程で生得的な能力となった。
例えば、突然、捕食者が現れると動物は恐怖に晒される。その危機対応は「逃げる」か「すくむ」かである。こうした状況下での行動選択は、動物の生死を左右する事態である。

これらの反応を生み出す神経系は、間脳の「手綱核」から中脳の「脚間核」へと接続されている回路に依存されていることが分かった。これが研究のテーマだった。それを明らかにしたのである。

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「手綱核」は、外側と内側に亜核を持っている。論文にある上図からも分かるように、それぞれが別ルートで「脚間核」に入っている。左右の手綱核からの外側(赤)と内側(緑)からの回路は逆転し、大きさの比率も逆転しており左右非対称であるが、脚間核に入る時には外側回路(赤)は背側へ、内側回路(緑)は腹側に入る。
そして内側回路は、腹側からセロトニン神経の多い縫線核に投射している。興味深いことに、脚間核の背側と腹側の交通はほとんどない。

この研究で、恐怖やストレスの「逃避行動」あるいは「すくみ」の「行動選択」に関わっているのは外側亜核の回路だということが分かった。そして内側亜核の回路は「戦略的行動プログラム」に関わっているとしている。「すくみ」と「逃避」の行動を担う回路が別々に存在するというわけである。

外側亜核の回路を選択的に阻害すると、「すくみ反応」が起こるのだそうだ。
論文の図に示されているように、ゼブラフィッシュによる実験の動線では「すくみ反応」になっている。
したがって、ストレス反応に対する「行動選択」は「闘う」「逃げる」という戦略プログラムを作動できなくなって、「すくむ(行動抑制)」しかなくなるのだろう。
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そうなると、セロトニン神経系の活動に問題が生じる。
よって、下行性疼痛抑制系の鎮痛機序も作動し難くなるのだろう。
結果的に、痛みが治り難くなる。

不安を煽って恐れを抱かせ、行動を抑制することは、痛みを治り難くするだけでなく、うつ傾向や精神疾患をもたらしかねない、という構図がみえてくる。
この論文から、そんな係りを読み取ったのだが。。。。。。。
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by m_chiro | 2011-05-23 23:35 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)
不安を与える脅しは痛みの改善につながらない
中年の婦人が担ぎ込まれて来た。待合室のソファーに倒れ込んで、間欠的に襲ってくる痛みに呻いている。専業農家の女性である。自力歩行が出来ないほどの激痛である。とにかく座位も立位も出来なくて、側臥位が比較的マシなようではあるが自発痛があり間欠的に激痛が襲う。

冬の間に屋根の雪降しなどで左の腰下肢に痛みがではじめたが、我慢をして仕事を続けているうちに頑固な痛みが続くようになったらしい。
それが朝目覚めた時に強い下肢痛が起こった。それでも出かける予定があったので、無理を押して車の運転をした。
用を済ませて帰宅したら更にズキズキと痛み出し、翌朝には間欠的な拍動性の痛みに襲われて身動きが取れなくなった。そんな経過である。

左下肢の皮膚に触れるだけでピリピリ痛むようである。こうした痛みは炎症性の徴候だろう。薬物での鎮痛が手っ取り早い。市内にペインクリニックがないので、病院の整形外科を受診するように勧めた。恐らくブロック注射をされるだろうが、その方が早く楽になるだろう。その旨を伝えた。

あるいは検査で椎間板ヘルニアと診断され、手術を勧められるかもしれない。手術をしなくてもきっと良くなるから、そこは慎重に対応するようにと話して病院に直行させた。

その日の夕方に、同行したご主人が報告にみえた。入院することになったと言う。

それから2カ月近く過ぎて、この患者さんが治療にみえた。跛行している。
診断はL5-S1間の椎間板ヘルニアだった。硬膜外ブロック注射で激痛は軽減し座れるようになったが、腰や左下肢の痛みは残った。MRIの検査で指摘された椎間板ヘルニアの手術を勧められたが、「農家は休んでいられない」と断ったらしい。
すると、「あなたの腰はガラスの腰だから、いつ何があってもおかしくない。再発したらその時に手術しましょう」ということになり、1週間でそのまま退院させられた。安静と通院を続けていたが、仕事ができるほどには回復しない。

「ガラスの腰」なんて、お医者さんも文学的表現をするものだ。
イメージ的にも脆さや危うさがダイレクトに印象付けられる表現である。
おかげで患者さんも恐る恐る安静を保って生活してきた。

左アキレス腱反射だけが消失している。殿部から大腿部、特にふくらはぎには顕著な圧痛があった。それらをリリースすると随分動きやすくなった。
こうした腰下肢痛患者は身体平衡バランス系も変調している。こうした平衡バランス系の調整も、徒手療法における痛み治療の重要な手法だと思っている。この平衡バランス系が再構築されることで、生体力学的修正が行われる。活動性を促す上でも重要な因子となるだろう。

治療の3日後に、用事のついでにと、ご夫婦で治療室に顔を覗かせた。
農繁期に入り忙しくなったが、「どうにか手伝いができるようになった」と夫婦で喜んで報告に来た。痛みがすべて解消したわけではないが、ともかく動き始めたことが回復への第一歩になる。

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治療は動ける状態を作ることであり、更に大事なことは痛みの情報を与えて「ガラスの腰」に対する恐怖心を払拭することだ。
治療後に動きの評価を行い、痛くない動きを確認させ恐れずに動くことを勧めるが、痛み出したら早めに対応する在宅での方法も教えておいた。

悪性ではない痛み患者に対しては、安心と活動性を与える治療が重要なのだと思う。

つづく
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by m_chiro | 2011-05-20 16:43 | 痛み考 | Trackback | Comments(2)
酒田祭り・前夜祭(5月19日)
大震災の後だからこそ、こうした神事は元気にやらねば…と、
今年も酒田祭の春が来た。

田植えもギリギリ終えて、今夜は前夜祭だ。
節電を考慮してか、夜も早めの切り上げ。
灯りも控えめだったが、多くの人が出店通りに出ていた。

道路添いに祭り提灯が夕闇を照らしていた。
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出店を行き交う市民。子供たちも長い冬を終えて解放されたように楽しんでいた。
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イベントの準備に舞台も設置されていた。
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市役所前では、大きな山鉾に灯りが入り、お祭りムードを盛り上げている。
その横に、巨大獅子頭が明日の出番に向けてスタンバイでした。
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あした天気になあれ!
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by m_chiro | 2011-05-19 22:25 | 庄内の記 | Trackback | Comments(2)
40代女性の偏頭痛
40代の女性が左頭部の頭痛で治療にみえた。側頭部から左眼窩までズキズキと痛む。
初めての経験ではないようだ。

「もしかして月経周期に伴って起こるのか」と尋ねると、確かに生理中に痛むが毎月ではないと言う。月経に関連する女性特有の偏頭痛の発症時期は一定しているわけではない。最も多いのは生理前の発症だとされている。

月経に伴う偏頭痛はエストロゲンが関与するという仮説が有力である。
だから、閉経の年代になると、つまりエストロゲン分泌が不安定になると鎮痛コントロールも難しくなってくる。

例えば、歯科領域では顎関節症などはエストロゲ濃度が高まることで起こるとしている。
それとは逆に、月経周期に関わる偏頭痛ではエストロゲン濃度が低いから起こるというわけだが、だからと言って必ずしもエストロゲン濃度そのものとの関連が明らかなわけでもなさそうである。

要は、低かろうが高かろうが安定状態にあれば起こり難いということなのだろう。
したがって、そのエストロゲン濃度のサイクルが急激に変化すると、内部環境も急激な変化に晒される。そんな時が危ないのだ。
と言うことは、生体維持に関わって起こる現象なのだろう。

生体維持機能を変化させる要因はエストロゲンだけではない。他にもある。
例えば、気圧や気温の急激な変化などもそうである。あるいは不眠や空腹などにも影響される。又は光や音、匂いも憎悪因子になることがある。
つまり自律神経機能に結びついている。
突き詰めれば、視床下部の変調である。

この患者さんは偏頭痛が起こる前にとてもイライラして怒りっぽくなるそうだ。
そんな状況の後に偏頭痛に襲われる。交感神経優位の状態から副交感神経に急激なシフトが起こり、頭部血管系が拡張したのだろう。

このケースでは副交感神経を抑制する治療を行うことになるが、神経反射などをチェックしながら体内環境を安定させることを試みることになる。
カイロプラクティックの手法にもさまざまな治療法がある。大抵は効果的に緩解させることができる。応用として、井穴刺絡学からF5、H5のポイントを選択的に末梢刺激する方法や貼付刺激を行うのも有用な方法だと思う。
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by m_chiro | 2011-05-17 09:31 | 症例 | Trackback | Comments(0)
今度こそ、春本番かな?
暖かくなってきたと思ったら、一夜にしてまた寒い日に逆戻り。
かと思うと、冷たい雨。
例年であれば田植えも終わっているというのに、今年はやっとボツボツ始まりだした。

孟宗汁は東北の春を告げる料理である。でも、まだ孟宗は出てこない。
山菜も出足が悪い、と言う。
鳥海山麓の農家の人が、「今年はカブトムシの幼虫が一匹も出てこない」と教えてくれた。
いつもは商売になるほど沢山出てくるらしい。
今年は異常に寒く長い冬だった。災害も起こった。

そんな冬を耐え忍んで、君子蘭が咲きはじめた。
小さな春の訪れだが、うれしいひと時である。
昨年秋に株分けをして少しスリムになったが、今年も変わらず多くの花を付けてくれた。
黄花もオレンジ色も、ほぼ同じくして咲きはじめた。
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今度こそ、春も本番かな?
でも、予報では大雨になるとか...
田植えが終わると、「酒田湊まつり」である。
街路の電柱に花飾りが付けられ、俄かに春めいてきた。

こんな時だからこそ、「祭り」はしっかりと元気よくやらなくちゃ!
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by m_chiro | 2011-05-14 12:48 | 庄内の記 | Trackback | Comments(2)
「将来、骨折する可能性がある」らしい???
小学5年生の女子が腰痛で治療にみえた。
スポ小でバレーボールをやっていて、小学5年生ながらレギュラーだそうだ。

1か月半ほど前に練習試合があり、その直後から腰痛になった。
スポ小のコーチからアイシングを勧められて3日間続けてみたが、鎮痛には至らなかった。
やむなく整形外科医院に受診した。X-Rayの結果に異常が見られなかったようだが、お医者さんには「将来、骨折する可能性がある」と言われた。「運動をやめろとは言えないから、自分で判断しなさい」とも付け加えられたようである。
それから1カ月運動を休んでいたが、それでも動作痛があり階段を上がるのも辛くなってきた。

治療室に入って来る姿は軽度の前傾姿勢である。
バレーボールではレシバーのポジションだそうで、まるで今にもレシーブ体勢に入ろうかという歩き方である。腰を伸ばすと痛いので前傾で歩いているようである。
運動痛の評価を行うと、確かに屈曲が最も緩解する。
伸展等の動きは可動できる最終域で痛みを訴える。
頭頚部の屈曲反射、骨盤反射、眼球運動で右方向と下方向のサッケードに問題がみられた。
小学生なのに、頭蓋リズムと仙腸関節リズムに動きが感じられない。
そこで頭蓋と仙骨から硬膜リリースを行った。眼球運動を調整する治療も加えた。
治療後には直立姿勢を保てるようになっている。再び運動評価を行うと、伸展運動でも痛みもなく最終域まで出来るようになった。

サッケードの問題が気になったので、日常の生活習慣を聞いてみた。
右方向に本を持ち、壁にもたれて座り、目線が斜め方向になって読んでいる、と母親が教えてくれた。

生活習慣姿勢の聞き取りは重要な治療のヒントになる。必要なエクササイズも指導した。

なぜ腰痛になったのだろう?
大好きなバレーボールを休んでいるのに、なぜ治らないのだろう?
骨折するから、もう運動はやれないのだろうか?
と、悩める小学生に「大丈夫だから運動をはじめなさい」と伝えた。
この小学生の腰痛は、単純な運動機能にロックがかかったことによるものだと思う。

このケースは、硬膜の律動を賦活させることで頭蓋-頸部と仙骨部のリズム運動を回復させた。固着した身体深部の動きの回復を狙ったのであるが、手法はどうであれ、こうした病態に対しては一般的に徒手療法が得意とする領域であろうと思う。

「将来、骨折する可能性」とは、おそらく分離症などを想定したものだろうが、そんな患者さんに不安を煽って動きを制限するような示唆を与えることには一利もない。
余計に痛みからの解放を遅らせるだけだろう。
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by m_chiro | 2011-05-12 22:31 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「天使とは……悩める人のために闘う者である」(ナイチンゲール)
3.11大震災から2か月が過ぎた。交通網は大分回復したようであるが、ライフラインが復旧していない地域もあるようだ。
ましてや震災地域の復旧への道筋は未だ目途が立っていない。原発の処理は更に深刻である。酪農やペットなどの動物たちにも心が痛む。

酒田にも避難してみえた方々が多くいる。
先日、避難されて来たご夫婦と知り合った。当時の状況や避難に至る経緯などを話しておられたが、本当にお気の毒であった。このご夫婦は退職されて、終の棲家を被災地に求めたのだそうである。そんな矢先に災害に見舞われた。でも、元気な様子が何よりの救いである。酒田に避難して来て、この地の公営住宅に応募したら当たったそうで、「もう酒田に移り住むことに決めた」と話しておられた。

こうした方々の話を直接お聞きし、また連日報道される状況を見聞するにつけ、この大惨事の行く末に暗澹たる気持ちになる。
TVで被災した老婦人が、「こうなったらもう笑うしかない」と明るく話していたニュースが印象に残っている。励ますつもりが、逆に励まされている。

私にも出かける予定があったのだが、いまだに県外に出かけるという気持ちが出てこない。
「.....引きこもりでしょうか。いいえ、誰でも」。
コマーシャルの詩のような感じだ。
今こそ政治の力に期待したいのだが、腹立たしい言動ばかりで余計に不安になる。

今日、5月12日はナイチゲンール生誕の日だそうだ。
読売新聞の「編集手帳」のコラムにそのナイチンゲールの言葉が紹介されていた。

「天使とは美しい花をまき散らす者ではなく、悩める人のために闘う者である」

原発作業員に自衛隊員や消防隊員、警察官、ボランティアなどの人々の活動こそ天使の姿に映る。
「編集手帳(2011.5.12)」の著者は、ナイチンゲールの活動に関わるエピソードとこの大震災の役人の対応を重ねて「世にお役所仕事の種は尽きまじ―」という言葉を引いて憂いている。

ナイチンゲールがクリミア戦争の負傷兵を収容した病院で働いていた時、毎食の肉は重さで割り当てられていたそうである。骨ごとの計量であるから、肉が多い場合もあれば骨だけのような場合もあり、ナイチンゲールは骨を除いて計量すべきだと進言した。ところが陸軍からの回答は「肉から骨をはずすには陸軍の新しい規則が必要だ」と却下される。

一方、この大震災で福島県川内村の住民が2時間の一時帰宅を認められた。ところが政府からは、「自己の責任において立ち入ります」という同意書に署名させられという騒ぎになった。

何とも溜め息の出るような話で、「編集手帳」の著者はナイチンゲールの言葉を引いて「悩める人をさらに悩ませてはいけない」と結んでいた。

法律や規則は誰のためにあるのか。
この非常時に保険をかけなければ行動できない対応には、溜め息を超えて腹立たしくなる。
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by m_chiro | 2011-05-12 12:51 | 雑記 | Trackback | Comments(0)



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