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桜..♪♪♪ ②中山の桜(遊佐町)
小牧排水路の桜並木から鳥海山に向かって車を走らせると遊佐町に入る。
ここ中山地区を流れる洗沢川の堤防には、60本の桜が植えられている。

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この桜並木は天皇陛下がご結婚された記念にと、中山地区の人が植樹した。
昭和34年のことである。
それから半世紀が経過したことになる。
今は大木に成長して桜の名所になった。
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洗沢川には鳥海山の雪解け水が流れていて、
雨上がりでも綺麗な川底を覗かせている。
川を渡して、鯉幟が5本も掛けられている。
風がないので勢いのない鯉のぼりになっていたが、
風が吹くと川面を渡る鯉幟になる。
鯉に跨る金太郎さんがいいねぇ~。

背景には、まだ雪を冠った鳥海山が望める。
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by m_chiro | 2011-04-28 00:11 | 庄内の記 | Trackback | Comments(2)
桜.♪♪♪ ①小牧排水路沿いの桜並木
寒空が続いていたが、やっと桜が咲いた。
8分咲きかな....。
でも、今日は生憎の雨。
せっかく咲いた桜も雨に打たれて散りそうだ。

昼過ぎから雨上がる。
今日は午後から休みだし、さあ、花見に出よう。

先ずは、ご近所の桜の名所から....
酒田市内にある港南公園のところに小牧排水路がある。
その排水路に沿って桜並木の遊歩道がある。
ここは酒田市でも古くからの桜公園である。
排水路の水面にも桜が映っていました。
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by m_chiro | 2011-04-27 23:37 | 庄内の記 | Trackback | Comments(6)
祝;山本斉投手(ヤクルトスワローズ)がプロ初勝利
高校球児の山本灯斉君は、大阪から野球留学で2005年に酒田に来た選手だった。
高校時代(酒田南校)に1年生で甲子園に出場し、控え投手ながら4回途中まで投げた。

しかし、その後は腰痛に悩まされて、2年生の時は野球が出来ない状態になった。
腰椎分離症と診断され、全く投げれなくなった。
もう野球は止める、と覚悟を決めていた時に治療にみえた。
とても身体能力の高い選手で、「分離症でも野球は続けられる」と励ましながら治療した選手だった。負けん気も強かった。ただ野球をやれればいい選手では満足できなかったのだろう。

3年生になって本来の力を発揮し出したが、念願の甲子園出場は逃している。
それでも、その年にヤクルト・スワローズがドラフト3巡目で指名しての入団となった。

プロ3年目の昨日、広島戦で7回を無得点に抑える好投をみせる。
本来の力を発揮してプロ初勝利を勝ち取った。
7回を被安打2、奪三振5、与四球2の無失点の見事な成績である。
(http://www.yakult-swallows.co.jp/game/archive/201104/20110422/)
高校2年生時代の辛い思いを知っているだけに、本当に喜ばしい!

これからも白星を重ねて、頑張って活躍して欲しいと思う。
こんな時だからこそ、東北に縁のあったスポーツ選手たちの頑張っている姿も力強い。
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by m_chiro | 2011-04-23 18:42 | 庄内の記 | Trackback | Comments(0)
神経障害性疼痛の補足
前回の記事(痛み学NOTE38.関連痛と神経障害性の痛みをどうみわけるか)について、日頃お世話になっているbancyou先生からコメントをいただいたので、記事にしてお返事とします。

「神経障害性疼痛」とは「Neuropathic Pain」の邦訳で「神経因性疼痛」とも訳されていますが、昨今の成書では「神経障害性疼痛」という訳の方がよく見かけられます。
同じ言葉の訳語なのですが、印象的に広い範囲の神経障害をカバーしているように思えて、記事には「神経障害性疼痛」を用いました。

「Neuropathic Pain」の国際疼痛学会の定義では、「神経系の一次的な損傷、あるいはその機能異常が原因となって生じた疼痛」(1994)とされていましたが、現在はその改定案である「体性感覚系に影響を与える損傷や疾患の直接的結果として生じている疼痛」としています。ニュアンスが少し変わって、体性感覚系への影響が重視されています。

「Neuropathic Pain」は難治性疼痛を代表する痛みとされていますが、何をもって難治性とするかというと第1に通常の鎮痛薬が効かないこと、第2に発症の機序が多様であることでしょう。末梢神経系、中枢神経系、交感神経系に病態をつくり、神経系の機能的および器質的変化を伴って発症するとされています。しかも、患者さんの心理的な要因が加味されて、複雑に交錯した機序で生じる痛みなのでしょう。

例えば、末梢神経系に神経の炎症や損傷が起こると、その神経の経路に電気生理学的変化や形態学的変化(例えば、神経腫やNaイオンチャンネルなどの発現が増加、エファプスと言われるシナプスを介さないニューロン結合など)が見られるようになります。
これは中枢性感作(脊髄レベル、大脳皮質レベルの感作)に可塑性の変化をもたらすことに繋がります。逆に、脊髄や脳の中枢神経系の病変に伴って起こる痛みもあるわけです。

交感神経系でもエファプス現象が起こるようですし、その終末からはプロスタグランジンが放出され、発芽現象も見られることもあるようです。

また、下行性疼痛抑制系の機能低下も神経障害性疼痛の範疇に入るのでしょう。

したがって、たとえヘルニアや脊柱管狭窄のような画像所見による神経への物理的障害痕が見られたとしても、実際に神経が機能的、器質的な変化あるいは感覚系の変容を発現していなければ神経障害性疼痛とはみなされないわけです。

そこで、問題になるのが臨床的な特徴です。神経障害性疼痛は、痛みの質や強弱など特徴的ですし、知覚異常は特に重要だと思います。自発痛(電撃痛、拍動痛、灼熱痛など)、痛覚過敏(閾値の低下)、アロデニア症状、自発性感覚異常、刺激による感覚異常、無知覚、知覚低下など、極めて特徴的です。急性あるいは亜急性に運動麻痺や筋脱力が進展して現れることもあるでしょう。

また、交感神経症状という臨床的特徴なども含めて考えると、痛み単独の症状は関連痛とみるべきだと思います。やはり徒手治療家としては、感覚変容のない痛み単独の症状に対しては関連痛、MPSとして対応すべきだろうと思います。

我々にとって絶対的禁忌ではない神経障害性疼痛に対しても、MPSを考慮して対応すべきであろうと思います。こうした神経障害性の難治性の痛みには多分に代償性のMPSが混在することがある、と考えるべきです。その混在するMPSに対処することで、痛み患者さんの生活の質や維持あるいは改善に寄与することができると思っています。
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by m_chiro | 2011-04-22 17:50 | 痛み考 | Trackback | Comments(4)
「痛み学」NOTE40.  関連痛と神経障害性の痛みをどう見分けるか
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

40.関連痛と神経障害性の痛みをどう見分けるか

「痛み学NOTE 36.嘘つきの痛み」
に述べたように、「小殿筋のTPが坐骨神経痛だと嘘をついている」とされている。これはMPS(筋筋膜性疼痛症候群)とされ、体性関連痛の範疇に入る病態である。

その体性関連痛のメカニズムとなると、機序は決して明らかとは言えない。筋膜痛や線維筋痛症のような筋肉に起因する病態には複雑な病態生理学があり、その研究解明は後れを取っているのが現状のようだ。

腰下肢痛はカイロプラクティックの臨床の現場でもよく見られる症状である。
厄介なことに、痛みを訴えている部位が必ずしも治療部位とは限らないことが多く、この問題は本当にややこしい。

かつて腰下肢痛と言えば、すなわち神経の圧迫や絞扼と相場が決まっていた。
つまりは「根性痛」とみなしていたのである。不思議なことに、圧迫された神経根部で「感覚神経だけが障害され運動神経には影響が及ばない」とされていることも、怪しいと思われるようになっていた。

それでも「後根神経節(DRG)の感受性は過敏である」を根拠に説明づけられている。しかし、どう考えても侵害部位から逆行性に痛みが伝達される仕組みは理解できない。だから根性痛は「異所性興奮」という神経障害モデルで説明せざるを得ない。

こうした神経障害に伴う痛みには中枢性と末梢性があり、病態生理学的には「5つの基本的機序」(「痛み学―臨床のためのテキスト」409頁)が提示されている。
それによると、①痛みに感受性のあるニューロンへの直接の刺激、②損傷された神経の自発発火、③、中枢神経系の感作と求心路遮断による神経系の再構築、④内因性の疼痛抑制系の破綻、⑤交感神経依存性疼痛の5つで、この基本的機序が単独あるいは複合して痛覚伝導系が障害されて発症するとされている。

多様な発症機序ではあるが、症状には類似点があるようだ。
それは、次の3つの症状に要約されている。a)灼けつくような、突き刺すような痛み、b)発作性あるいは間欠性の痛み、c)感覚変容(触刺激に過敏、冷刺激に対する灼けつくような感覚、無感覚部痛)の3症状で、発汗過多、皮膚温の変化、萎縮性変化(爪、皮膚、筋、骨など萎縮)が見られることもある、とされている。

これらは病態時モデルを使った動物実験でも明らかである。
あるいは広作動域ニューロンから下肢痛として脳に投射された痛みということもあり得るだろう。広作動域ニューロンが感作あるいは反応性が亢進すると、非侵害性の刺激(温熱や触刺激)にも痛みが生じるようになる。これは、正常な組織への刺激でも痛みを誘発する病態を意味している。

そうなると神経障害性の痛みは、必ずしも痛み症状だけとは限らないとみるべきだろう。おそらく、異常な感覚の変容が伴うはずである。あるいは痛みは一過性の強力なもので、まもなく異常感覚や神経麻痺症状が起こるかもしれない。

そう考えると、純粋に末梢への痛みだけが訴えられているケースでは、関連痛を想定して治療対応することが賢明であろうと思う。関連痛と神経障害性疼痛とでは、圧倒的に筋・筋膜障害による関連痛が多いのである。このことは徒手療法の臨床現場で特に感じる。

それでも、時には神経障害性の痛みが紛れ込んでいることがある。それらは徒手療法に対する応答が治療後の変化としてみえにくい。ところが、こうした難知性の痛みには代償性の体性関連痛が混在しているケースがある。この混在した体性関連痛を上手にリリースすると、意味のある軽減として感ずることがある。しかし、背景にある神経原性の痛みは難治である。煎じ詰めて言えば、神経障害性疼痛には特徴的な痛みに加えて、「感覚変容」や交感神経反射症状が伴うと言ってもいい。

したがって、痛み単独の症状は「神経障害性疼痛」ではあり得ない、とみるべきだろう。トリガーポイントが特定できれば、関連痛であることはより確実になる。

ところが「感覚変容」と混乱しやすいのが「しびれ」感である。だから、「しびれ」を訴えられると悩まされる。でも上記の特徴に照らすと、患者さん自身が「しびれ」感を自覚している「異常感覚」なのか、それとも第三者からの皮膚刺激で認識できる「感覚の障害」なのか判別しやすい。第三者からの刺激により、感覚の消失あるいは過敏があれば「感覚変容」とみることができる。

神経障害性疼痛には代償性のMPSが混在することが多い。これもMPSに対応することで早期に症状の軽減が期待できるだろう。やっかいなことにMPSにも「しびれ感」や「麻痺」と思われる症状が附随することがあるからだ。明らかな神経障害は別にして、ここは筋・筋膜への対応を第一に取り組むべきである。
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by m_chiro | 2011-04-21 22:27 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(2)
カランコの花が咲いた
ようやく桜の蕾も膨らみはじめてきた。
街並みのこぶしも白い膨らみを大きくしている。
やっと春だ!

震災地にも桜が咲いて、TVでも被災者がしばしの苦労を忘れて花見を楽しんでいた。
笑顔は元気になる。

治療室には、一足早く春がきた。
カランコの花が、研修生が記念に残して行った籐の花台で今年も可愛く咲いた。

でも、今朝は一転してまた寒空に雨。
一進一退を繰り返しながらも、確実に春は来る。
被災者の心を思い計りながら、この寒空には溜め息が出る。
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by m_chiro | 2011-04-19 08:54 | 庄内の記 | Trackback | Comments(2)
膝窩筋と膝痛
急に春めいて、外に出る機会が多くなってきたせいだろうか。
膝の痛みを訴えてみえる患者さんが続いた。
どういうわけか、同じような患者さんが続くことがよくある。
人の生活のリズムが同じように変化したことなども誘因になるのだろうか、と思う。

その膝痛の患者さんは、一様に膝窩筋の問題を持っていた。
1人はバスケット・ボール部の高校生である。
2週間ほど前から左膝に痛みが出て、バスケット部の練習も辛くなってきた。
整形外科医院でX-rayに異常はなく、膝関節炎と診断されて消炎鎮痛剤を処方されていたが経過が思わしくない。
片足立ちや最大屈曲で痛みが出ていたが、次第に階段を降りる動作が出来難くなってきた。
外側ハムストリングの遠位部に、ジャンプ兆候のある強い圧痛があった。
膝窩筋部には圧痛と腫脹があり、まるでベーカー嚢腫のように腫れている。痛みを押して運動してきたからだろう。
ハムストリングの圧痛をリリースしても顕著な改善がみられないので、代償性の圧痛なのだろう。主要な障害は膝窩筋だろうと思われた。
治療は膝窩筋をターゲットに膜系のリリースを行い、部活動を休ませて在宅でのアイシングを指導した。部活動の再開まで3回/1週間の治療を要した症例だった。

もう1人は中年の婦人で、お茶会で正座していた後で公園を散歩していた時に左膝の両側が痛み出した。歩行を行わせると、立脚後期から遊脚期にかけて痛みを訴える。
圧痛が膝窩筋部にあり、リリースするとすぐに歩行での痛みが出なくなった。

また1人は農家のおばさんで、畑仕事に出て膝の内側下方が痛みだした。右膝の屈曲位で痛みが起こる。やはり圧痛が膝窩筋部にある。

三者三様の症状だったが、膝窩筋へのアプローチが効を奏したと思われる。

膝窩筋は、大腿骨外側上顆、外側半月板および腓骨頭の3部位に起始腱を持ち、脛骨後面近位部に付着する筋である。
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深部にある小さい筋であるが故に、単独筋の調査が難しいとされていた筋のようである。したがって、その機能がよく分からないとされているが、屈筋とする意見が圧倒的に多い。中には、伸筋という見方も少数ながらある。成書では、膝関節で下腿部を内旋、屈曲に作用するとされている。

私は膝関節の上下にある二関節筋群のコントローラーとして、膝窩筋が機能しているのではないかと推論していたので、屈曲位でも伸展位でも不都合が起こりやすいのではないかと推測していた。

ここに興味深い論文がある。東北大学大学院医学系研究科/運動機能再建学分野・大西秀明らが行った研究調査である。
「歩行および立位保持中の膝窩筋筋活動について」
この論文では、健常者男性10名の歩行および立位保持中における膝窩筋の筋電図から、その機能を明らかにしている。

それによると、歩行中では立脚初期、立脚後期と遊脚後期に強い活動を示している。
最も強いのは、立脚後期9.3%時点である。そして、立位保持中における筋活動は膝関節屈曲角度の増加(0度、30度、60度、90度)に伴って増加している。
要するに膝窩筋は、歩行時には遊脚後期から立脚初期にかけて膝関節過伸展を防御し、立脚後期から遊脚初期にかけては膝関節の屈曲可動に関与する。
立位保持時には脛骨の前方移動を防ぐように活動する、というものである。
共に閉鎖系運動連鎖に関して起こる作用のようである。

臨床上でみる膝窩筋障害の一面を納得できた論文であった。
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by m_chiro | 2011-04-18 15:43 | 動態学 | Trackback | Comments(0)
発生学上の定説は覆るのか?
学会活動や業界でお世話になり、ご指導を頂いている荒木寛志先生から興味深い論文を紹介していただいた。

大阪大学大学院・生命機能研究科の近藤寿人教授らの研究報告で、英国王立医学院と米国コロンビア大学の研究グループと共同研究したものである。

この論文は「Tbx6に依存したSox2遺伝子の制御が、体軸幹細胞の神経系と中胚葉への発生運命を決める」というタイトルで、英科学誌「Nature」の電子版(2011Feb. 17;470(7344):394-398)に掲載された。

脊椎動物の発生は、受精直後の胚から神経系や骨、筋肉、内臓器官などの組織がそれぞれ別々の幹細胞から形成されるという発生学上の定説がある。
受精直後の胚は三胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)に分かれてから、組織や器官が形成されるとされている。
すなわち外胚葉からは神経と皮膚が、中胚葉からは骨と筋肉、結合組織などが、そして内胚葉からは肺や消化管、消化腺などが形成されるというものであるが、私もブログの記事で引用したことがある。当然、発生学の成書にもそう書かれている。今回の研究は、この定説が覆るような報告である。

近藤教授らの研究は、神経系と中胚葉はいずれも「体軸幹細胞」と呼ばれる共通の細胞から生まれ、その後に神経系や骨、筋肉に分化する、というのである。
そのことを、中胚葉の発生を促すTbx6遺伝子や神経系の発生を促すSox2遺伝子を働かなくさせたノックアウトマウスを使って、胴体部における発生のルートを明らかにしたのである。

これまで神経系(外胚葉)と骨・筋肉(中胚葉)は発生学的にルートが別とされていたものが、胴体部では「体軸幹細胞」という共通の細胞から発生することを明かしたことになる。
下手な説明よりも、近藤教授の資料の図を見た方が分かりやすい。

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体軸幹細胞が神経になるか筋肉や骨になるかは、Tbx6という転写を制御する遺伝子蛋白が細胞の分化のスイッチになっているというわけだ。

遺伝子の調節領域の中でスイッチが「ON」になる調節領域を「エンハンサー」と呼ぶそうで、この体軸幹細胞の神経系と中胚葉系(骨や筋肉)の発生のカギになるのがSox2遺伝子である。

ところが面白いことに、転写制御因子であるTbx6をノックアウトしたマウスでは、中胚葉領域でも本来できないはずの神経管が作られるのだそうである。
ということは、Tbx6はSox2遺伝子をOFFにする働きをしていることになる。

最近の発生学に関する研究では、どうも従来の定説に合わない研究が出てきたりして疑いを持たれていたそうなのだが、今回の研究報告は定説を覆しそうなものだそうだ。

こうした現象が高等動物の神経系の発生プロセスにすべて共通しているのかどうか、私にはよく分からない。

でも、最も驚いたことは三胚葉モデルの定説の由来についてであった。
それは1920~1930年代の両生類胚の研究に基づいているのだそうである。
当時の発生学のパイオニアたちはイマジネーションを大胆に駆使して作業仮説を立てていたそうで、その後継たちがパイオニアたちの発想を教条化して行った結果なのだと言うのである。

科学的手法の発達によって定説は見直され、あるいは覆されるのだろう。
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by m_chiro | 2011-04-11 18:24 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
「体からのシグナル」(科学新聞社刊)
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科学新聞社の最新刊「体からのシグナル」を読んだ。
著者はジャン=ピエール・バレル(Jean-Pierre Barral,D.O)である。
バレルはフランスのオステオパスで臨床医でもある。
1999年の「Time」誌の特集号で、「新しい時代に期待される代替療法界のトップ100人」のうちの1人に紹介された。だからどうだという訳ではないが、代替療法界における体表的なドクターの身体観や健康感を知りたい、と興味を持った。

この本は一般向けに書かれたものであるが、内容は徒手治療家の手引にもなる。
臨床の現場で患者さんが縷々述べる不調の訴えを、身体機能の変調における指標としても学べる。私には根拠がよく分からない解説もあるが、指導管理上のアドバイスや愁訴の説明にも役立つ内容が豊富である。

バレルは内臓マニピューレーションの指導者としても有名で、本書の内容も各内臓臓器にかかわる身体機能との関係に集中している。
そこには心身一如の概念が織り込まれている。
その体と心が発する信号を正しく理解しよう、というのが本書の狙いでもある。

例えば、理由もなしに右肩が痛み出し、医師に「肩関節周囲炎」と診断された51歳の女性のケースを紹介している。彼女は鎮痛剤と消炎薬を処方されたが、「飲むとお腹が痛くなるし吐き気」がする。
バレルは、視診から「顔色が黄色っぽく、髪はやや脂性でフラット、肌にはつやがある」ことに気づく。触診では「肝臓と胆嚢の辺りが敏感である」ことを触知する。
ドクターの手は、肩ではなく肝臓に集中する。

患者さんは、「肝臓で、どうして肩が痛くなるの?!」と、当然のごとく問う。
その辺の推論を述べながら、肋骨内側の肝臓マニピュレーションを行い、胆嚢周辺を反復加圧して胆汁を排出させる手技を施すと、「肩はかなりの動きを取り戻しはじめる」。

治療後に、バレルはアドバイスを送っている。
「チョコレート、クリーム、ドーナツはだめ。アルコールには近づかないこと。野菜と果物は出来るだけたくさん取る。水は回数を多く、一度に少量を飲む。定期的に歩くようにして、ひと月もしたらまたおいでください」。

次の来院時に、忠告を守った患者さんの肩は「元どおりに動くようになっていた」。
閉経期の女性はエストロゲンがピークになり、肝臓に問題が生じやすくなるそうである。男性でも肝臓に問題が発生すると肩関節周囲炎が起こることがある、と記している。

肝臓のトラブルは肩への関連する症状だけに止まらず、腱炎やテニスエルボーのように肘の症状などとも関連することがある、とも述べていた。
私もこうした症例を度々経験したことがあって、納得した一節だった。

全編を通して「身体―栄養(化学)-精神(心理)」のトライアングルという視点から、著者の臨床的経験を踏まえて解説しているのであるが、感情反応と内臓機能との関連についての見解には不案内で何とも紹介し難いものがある。
それでも、感情であれ、内臓器官であれ、病的な一線は「過多」か「不足」に対する身体反応であるとする見方には納得させられる。

こうした内容が、主な内臓器全般について症例をあげて解説しているので、とても興味深く読めた。
体のシグナルとは、つまりはヒトの情報系の所作である。
ヒトの情報系には2つある。ひとつは「神経系」で、もうひとつは「遺伝子」で、そこには「流通する場」と「変換・翻訳する場」がある。
情報の流通については、多すぎるか、少なすぎるかのバランスが大事なことがよく納得できてくる。
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by m_chiro | 2011-04-06 23:32 | Books | Trackback | Comments(2)



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