<   2009年 07月 ( 11 )   > この月の画像一覧
空のある日の一日
毎日、毎日、雨ばかりで、大好きな散歩も十分に楽しめません。
だから、桐子も空も、いつも寝てばかりいます。


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くっついてたら、暑いんよ!

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お父さんの膝枕もいいけど、
でも、やっぱり、くっついていたら暑いんよ!


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お父さんの健康枕で寝てみたら、これがなかなかいい案配。
いい夢見れるんよ!


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私って、結構美人なんやけど...、
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でも、歯並びは悪いんよ!
神様は二物を与えないってことなんよ。

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by m_chiro | 2009-07-29 23:36 | わん・にゃん物語 | Trackback | Comments(5)
木立ベコニアの花が満開です
Mさん、一昨年いただいた木立ベコニアの花が、今年は沢山の花をつけました。

今が見ごろです。

写真でお届けします。

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昨年は、木が弱って咲かなかったので心配でしたが、今年は見事です。

綺麗に咲いて、

皆さんに喜ばれていますよ。
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by m_chiro | 2009-07-29 23:17 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
右往左往した患者さんの症状
62歳の技術職の職業婦人が、仕事に集中力がなくなった、仕事が遅くなった、体力もなくなっていつも疲れている、何もしたくない、身体中のアチコチが痛い、と言ってみえた。
治療室に入ってくる動作、着替えの動作も緩慢である。歩行は僅かに前傾で上体が動かない。摺り足ぎみに歩く。
ふと、「パーキンソン」が頭をよぎる。
「前からそんな風に歩くの?」と聞くと、「歩き方は同じ」らしい。

「疲れるって言うけど、具体的にどんな具合に疲れを感じるの?」と聞くと、「とにかく日中でも眠くなるし、今まで普通にこなしていた仕事なのに、パニックみたいになって、どうしていいか分からなくなる。体が思うように働かない」と言う。強度の便秘もある。
「いつ頃からそうなったのか」と尋ねると、「徐々にだが、特に2週間前ぐらいから気になりだした」そうだ。
以前から整形外科に通院しており、MRIも撮って「頚椎症」の診断を受けている。鎮痛の注射と電気治療、鎮痛薬も処方されている。

深部反射もバビンスキーも正常。右上肢、上胸背部に強いこわばりがある。肘関節の他動的に屈曲/伸展すると、微妙なひっかかりがある。膝関節でも微妙だ。
全体的に関節の可動性が少ないが、頭蓋は顕著だった。まるで地蔵さんの頭を触っているような感じだったが、若い頃から美容院に行くと頭皮が硬いと言われてきたようである。

抑制反応のある信号系をリセットして頭蓋療法を中心に治療を行ったが、なかなか頭蓋リズムを回復させるには至らなかった。それでも背部の筋は多少弛んで楽になったと言う。が、治療後に患者さんに伝えたことは、一度、神経内科で診ていただいてパーキンソン病の除外診断をしてもらいたい、ということだった。

早速、神経内科を受診すると、CT撮影で問題はないとされた。そして、心理的なものだろうから精神神経科で診てもらいなさい、と言う結論になった。
今度は神経科に行き、「うつ病」と診断されて薬物治療をすることになる。
それでも思うように改善しない患者さんは、いつものように整形外科での鎮痛の注射と電気治療を頼りにしている。

一向に改善の気配が見えない患者さんは、もう一度、神経内科に再診した。
すると神経内科医が「一体何を調べてもらいたいのだ?」と取り合ってくれなかったらしい。

こんな繰り返しだったが、私も数回治療をした。頭蓋のリズムが大分回復するようになると動きも幾分スムーズになり、仕事もどうにかこなせせるようになった。それでも、通常の半分くらいのようである。

次に暫らく振りでみえた時には、左の手足に振戦が出るようになっていた。この間、少しでもよくなりたい一心で、紹介されるままに医院やいろいろな代替療法を試してみたようである。原因が分らない不安感を覗いたようだった。

振戦はローリングを伴っており、動きを指示すると止まる。つまり静止時振戦である。身体徴候はパーキンソン病を疑わせるものだった。何よりも、パーキンソン病の臨床症状である4大症状の「安静時振戦」、「筋固縮」、「緩慢動作」、「姿勢反射」、これらの徴候が揃ったわけである。こうした身体徴候を記して、もう一度、神経内科に紹介した。精神科で処方されている処方箋も持参するように指示した。
その結果、MRIに異常はないが、「どうもパーキンソンのようだ」ということになった。担当した神経内科医は「MRIに異常が出ていれば良かったのだけど」と言ったらしいが、良かったのは医師の都合に過ぎないのだろう。そもそもパーキンソン病が画像診断できるのは、どの程度の割合だと言うのか。それでも、「L-ドーパ製剤」を処方されて経過を観察することになった。

この患者さんにとっては、何の解決になったわけではない。でも、不安に明け暮れているよりは、やるべきことが見えてきた、と言うことだろう。
専門医が画像診断ばかりに頼らずに、身体徴候をしっかりみてくれていたら、こんな右往左往しなくてもよかったのにと思う。
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by m_chiro | 2009-07-28 00:56 | 症例 | Trackback | Comments(0)
「痛み学・NOTE」27. 神経因性疼痛の機序と舞台
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

27. 神経因性疼痛の機序と舞台

ところが、この悪循環説だけでは理解できない痛みの存在が明らかになる。
それが神経因性疼痛とされる難治性の痛みである。
神経因性疼痛は悪循環説にみる痛みの発生機序と全く違っている。
つまり機序となる舞台が違っている。
神経自身が痛みのジェネレーターになるのだ。舞台は脊髄における神経細胞である。

熊澤孝朗先生の論文「痛みは歪む」に、分かりやすい図が示されていたので下に引用した。
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図は、痛覚神経終末が脊髄の神経細胞に接続される舞台での活動が示されている。

脊髄の神経細胞にはいくつかの受容体がある。
重要なのは「NMDA受容体」で、このゲートが開いてしまうと中枢での痛み感作が作動するのだが、通常ではこのゲートは閉ざされている。
つまりMgでゲートに蓋がされている。
神経終末端ではグルタミン酸とサブスタンスPが蓄えられていて、特にグルタミン酸は脊髄における痛みの伝達物質として主導的役割を演じている。
補佐役はサブスタンスPである。
グルタミン酸の役割が明らかになった背景には、毒ササコを食べた婦人にアロデニア症状が出たというエピソードからだった。
毒性物質はアクロメリン酸で、グルタミン酸を分子構造内に持っており、これが脊髄の抑制系介在ニューロンを選択的に破壊するということが分かったのである。

さて、強い痛みが持続的に伝達されるようになると、グルタミン酸は神経終末から多量に放出されてくる。
ところが、グルタミン酸を受容するNMDA受容体は、Mgによって閉ざされている。

そこで別のイオンチャンネル・non-NMDA受容体のゲートになだれ込み、脱分極が活発になる。
この脱分極の活発化はMgの蓋を外す力となる。
こうした状況が続くと、この働きに補助的に働くのが神経終末に蓄えられているサブスタンスPである。
この神経ペプチドの受容体はNK1受容体で、サブスタンスPが入り込むことで細胞内変化が起きてPKC(たんぱく質キナーゼC)が作られる。
このPKCがNMDA受容体の蓋を外す第2の力となる。

こうしてNMDA受容体のMgの蓋が開くと、グルタミン酸がNMDA受容体になだれ込み、同時にCaイオンも流れ込んで興奮し、痛覚物質であるプロスタグランジンと一酸化窒素(NO)が作られることになる。
プロスタグランジンは脂溶性で、NOは気体であるため、どちらも細胞膜を易々と通過し、痛みは中枢性の感作となって伝達されて行くのである。
神経因性疼痛という難治性の痛みは、侵害受容性の痛みとその機序が全く異なる頑固で鋭敏な痛み症状となる。
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by m_chiro | 2009-07-28 00:50 | 痛み学NOTE | Trackback(1) | Comments(2)
「痛み学・NOTE」26. 「痛みの悪循環説」と侵害受容性疼痛の機序
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

26.「痛みの悪循環説」と侵害受容性疼痛の機序

これまで侵害受容性の痛みと神経因性の痛みについて触れてきたが、両者の機序はどのように違っているのだろう。その舞台を覗いてみることにしよう。

さて、1943年にリビングストン(英)が発表した「痛みの悪循環説」は、その後も多くの支持を得てきた理論である。侵害受容性疼痛の機序は、この説でよく理解することが出来る。
組織が侵害されると受容器が痛みを中枢性に伝達する。

この痛みの持続は交感神経を緊張させるところとなり、局所に血流の循環不全が起る。その部位は虚血、乏血状態となって、組織の酸欠と栄養の欠乏状態となる。
この事態は、その部位に発痛物質が分泌・遊離されることとなり、それを受けて更に受容器は興奮する。
こうして痛みの悪循環がはじまる。痛みの伝達は脊髄反射によって更に組織の拘縮をつくり、それが更なる組織の虚血を生むということで悪循環を修飾する。

この悪循環説には逆循環のルートがある。
サーノのTMS理論などが、この逆回りルートからの痛みを主張している。
つまり、最初に作動するのが脳の不安情動系だというわけだ。
怒りや不安といった情動的なストレスは交感神経を介して細動脈などの血管を収縮させる。
そして組織の酸欠状態が作られる。

こうしたストレスが習慣化され、あるいは条件付け反応が起ることで、副腎が刺激される。
いわゆるストレス反応が起ると、やはり血管が収縮して酸欠組織ができあがり、発痛物質が分泌・遊離されて侵害受容器は興奮し痛みが伝達されるのである。
脳の不安情動系から起動した痛みのサイクルは、リビングストンの悪循環説のルートに戻り痛みのサイクルの悪循環が回りだす。
こうして圧痛点もつくられる。
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by m_chiro | 2009-07-28 00:43 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
気の毒な経過
「今のままでは大変なことになりますよ!」
痛みに関するマニュアルが間違っているのです。それに早く気づいてほしいものです。他人の人生がかかっているのです。

加茂先生の嘆きが分るような気がします。

一昨年前に、治療にみえた初診の患者さん。
40歳の女性で、椎間板ヘルニア手術後の下肢痛である。
この女性は医療従事者で、2月頃から腰殿部痛になった。
病院で脊椎外科医の診察を受けたところ、L5-S1間の椎間板ヘルニアと診断されて、それから2ヵ月後の4月に手術を受けている。
確かに腰の痛みは楽になったが、術後、手術痕から仙腸関節部、左大腿後部、ふくらはぎ、踵、第3~5趾にかけて痛みとしびれが出る。また、不眠、頭痛、めまいも起こるようになり、神経内科で自律神経失調症とされる。
神経根ブロック注射、デパス、メチコバール、ロルフェミンを処方されたが改善には至らず、6月に再びMRIを撮った。
解消しない下肢痛は、「椎間板ヘルニアの再発」と診断されている。

それでも春から職場復帰をしたい、と治療にみえた。
治療の結果、痛みも半減して家事もこなせるようになり、意欲的に活動できるようになった。下腿から第3~5趾にかけて痛みとしびれが残るものの、職場復帰に向けて気持ちも前向きになっていった。
術後のCRPS(複合性局所疼痛症候群)であれば難治性である。
「腰痛は脳の勘違いだった」の本も貸し出して、痛みに立ち向かう気持ちを強く持たせた。椎間板ヘルニアと痛みやしびれは無関係なこと、などなど治療のたびに話をした。
予定通り、春には職場復帰を果たした。

ところが、数ヶ月経って、彼女は悲痛な面持ちで再び来院した。
何でも、職場でギックリ腰になったらしい。
また、脊椎外科医に診てもらったところ、「椎間板ヘルニアの再発」とされ、勧められるままに再び手術を行ったそうである。
再術後は腰の痛みも楽になったが、退院すると、今度は最初の術後の下肢痛よりもひどい痛みとしびれに悩まされるようになったらしい。座ることも苦痛になった。

あまり長引くので担当医に訴えると、「交感神経ブロックをしましょう。これで治まるでしょう。今までほとんどの患者さんが治っています」と説明されたらしい。
結局、ここでも勧められるままに4日間の入院で、L1,2,3から交感神経ブロックを行った。
退院して帰宅すると、左下肢が熱を持って腫れ、足の指から足底、足背も腫れて赤くなり、指も曲げにくくなった。
それから、2ヶ月ほど経過して腫れは多少引いたものの、痛みやしびれに加えて腫れや熱感が消えない。指の屈曲/伸展での左右差もこんな感じで、左の趾は曲げれない。
少し腫れ気味に血管も浮いていて熱っぽい。下腿がこんな状態である。
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あれほど、椎間板ヘルニアと痛みは無関係だと説明していたのだが、私の説明など何の説得力も持たかったようだ。
それに、私が聞き取りした限りでは、気圧や天候に痛みが左右されていたとも思えない。

CRPSに、必ずしも交感神経依存があるとは限らない。
そもそもは1986年に、アメリカのロバーツ医師がRSD(交感神経ジストロフィー)とされる患者さんに交感神経ブロックを行ったようであるが、結果は思惑通りにはいかず、効果的なケースと変化しないケース、そして悪化するケースが出た。ここに至って、交感神経の異常興奮を論拠にしてきた痛みの概念は破綻してしまった。
つまり、交感神経の「依存性疼痛(SMP;sympathetically maintained pain)」と「非依存性疼痛(SIP;sympathetically independent pain)」を分ける必要が出てきた。
更に、交感神経ブロックで悪化する「ABC症候群(angry backfiring C-nociceptor syndrome)」という概念も生まれることになった。
ABC症候群とは、C線維の侵害受容器が過敏になりバックファイアーを起こす症候群で、軸索反射や後根反射などの逆行性興奮が関与していると考えられている。神経の損傷や糖尿病性ニューロパシーなどの神経因性疼痛で、自発性の灼熱痛があり、痛みの部位に血管拡張と皮膚温の上昇など炎症性の所見がみられるものである。

どうも、印象的には「ABC症候群」のような経過である。

ところで、彼女は私に何を期待してみえたのだろう?
聞くと、「何でこんな状態になったのか知りたくて...」と応えた。
「それは私に聞くのではなく、あなたが信頼して任せたお医者さんに聞くべきです」。
お医者さんには聞いたと言う。「RSDになったのでしょうか?」って。
すると、そのお医者さん、「RSDを治すためにやったのに、RSDになるわけないだろ!」と怒ったらしい。「時間が経てば腫れも痛みも治ると説明されたが、もう2ヶ月も経ったのに...」と悲痛な表情である。

「それなら、お医者さんの言葉を信じて、もう少し様子をみてみたら...」という言葉をかけるのも、むなしく思えた。
気の毒と言えば、気の毒な経過を辿っている。
最初は、ありふれた腰殿部痛だったのだろうに。
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by m_chiro | 2009-07-24 00:56 | 症例 | Trackback(1) | Comments(2)
めまい
中高年の男性。2ヶ月ほど前に風邪をひいた。微熱が続き、咳が出て2週間位治らなかった。体重も3~4kg減ったそうだ。以来、めまいが続いている。
前頭部の頭痛、耳鳴り、左の難聴、目のちらつき感もある。
特に左半身が痛苦しく、鎮痛剤も処方されている。めまいが中々完治しないから、と治療にみえた。ひどいときは回転性のめまいで起き上がれなくなる。動けるようになっても動揺感があり、歩いていてもふらつき感がある。

10年前に左の鼓膜に穴が開き手術を受けている。3~4年前に初めて「めまい」を経験した。その時に検査を受けている。CTでは問題がなく、結果的に左耳の中耳炎を指摘された。水が溜まって、抜いてもらって良くなった。それ以来、耳鼻科での治療は継続中だった。今回の2度目のめまいが起るまでは、問題なく生活できていた。

「めまい」の患者さんで、最初に除外すべきは脳障害である。めまいの強弱には関係なしに、重篤な問題を見逃さないようにしなければならない。ほとんどは簡単なチェックで見分けられる。自力で来院できるからと言って、良性のめまいとは限らない。中には付き添いから支えられてみえる患者さんもいるが、多くは医療機関で事前に診断を受けている。

ところが、やっかいなことに必ずしも確定診断が得られているとも限らない。めまいの患者さんは単一症状ではなく、よく随伴症状を訴えることが多い。だから確定診断もやっかいなのだろう。
この患者さんのめまいは、聞き取りした限りでは原因がよく分からない、とされたようである。

発症経過からみると前庭神経炎が疑われる。それでも、今でも時々発作が起る。以前からの耳鳴り、難聴もある。メニエール病と診断されてもおかしくはない。
寝返りや朝起き上がる時にも「めまい」が起ることがあるので、慎重に動いているようだ。すると頭位変換のめまいも除外できない。
前庭神経炎は回転性の発作が治まっても10ヶ月もふらつき感が残ることがある、と専門医に聞いたことがあるから、これも否定できない。
きっかけは前庭神経炎でも、混在しているのかもしれない。

めまいが起こったらどうしているか、を聞いてみた。
すると「目をつむって安静にしていると、しばらくして落ち着いてくる」と言う。
そこで、開眼と閉眼でどんな変化があるかを尋ねると、TVを見るとダメらしい。
本人は、明るい光がダメなのだと言うが、どうも眼反射に問題がありそうである。

眼球運動をみると、明らかに右上方向で動揺している。
「確かに右上を見ると具合が悪くなる」と言う。
治療は、頭蓋から頚部、眼反射まで視野に入れて行った。

3回目の治療にみえたときに、「昨日また発作が起った」と言う。
2回目の治療の後からとても気分がよくなり、昨日はグランドゴルフに出かけたそうだ。
すると夜にめまい発作が起り、朝起きるときは随分気分が悪かったようだ。眼反射が安定していないので、まだ動くものを追うようなことには気をつけなければならない。

頭蓋と眼球運動を安定させることに集中して、治療を続けることにした。
治療5回目で眼反射が安定し、眼球運動でも動揺がなくなった。
38日間で計7回治療して、めまいや動揺感、前頭部痛や目症状も解消し、日常の生活を取り戻したが耳鳴りは消えなかった。

めまい症状の半数近くは、「良性の頭位めまい」であるが、症状は回転性であったり、ふらつき感であったり一様ではない。動けないというので往診することもあるが、それでも「良性の頭位めまい」は数日で安定しやすい。
原因不明とされる「めまい症」の割合も結構多くある。原因不明の「めまい」は、機能性の問題などが混在しているのかもしれない。
そんなときでも、何が憎悪させるか、どうすると落ち着くか、これらの情報がとても参考になることがある。
徒手療法としては、頚部から頭蓋、眼球運動など、視野を広くして機能性の問題をみていくことが必要なのだと思う。
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by m_chiro | 2009-07-17 19:35 | 症例 | Trackback | Comments(6)
「土門拳生誕百年祭」と紫陽花
著明な写真家である土門拳は、酒田市に生まれました。
そして、1974年には酒田市名誉市民第1号となりました。
土門拳は、その全作品を郷里の酒田市に寄贈されたのです。このことを受けて、酒田市では1983年に「土門拳記念館」を建設しました。
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写真専門の美術館としては、日本でも最初の建物です。
個人の写真記念館としては世界でも唯一のものとされています。

なんと土門拳の全作品約70,000点が収蔵されています。
それでも、一堂に全作品が見れるわけではありません。順次、公開されています。

この写真館は、酒田市の最上川沿いの飯森山公園の一角にありますが、その周囲一帯には公益文化大学とそのキャンパス、市立美術館、運動施設、競技場、文化施設館など公共設備が集中しています。
そこは一大文化公園と言った感じです。

土門拳記念館は小さな湖のほとりに建っており、その湖を囲む約8000平方メートルに、湖のぐるりが「紫陽花園」になっています。94種1万5300株もの紫陽花が植えられてて、シーズンには花見客で賑わうのです。
私も遅ればせながら行ってきました。紫陽花はもう終盤でした。
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土門拳写真館の設計は谷口吉生氏の手によるもので、自然環境と建物が協調されたすばらしい空間を造っています。1984年には第9回・吉田五十八賞受賞、1987年3月芸術院賞受賞した優れた建物です。


土門拳の友人のグラフィックデザイナーである亀倉雄策氏が入口正面に銘板とほかにポスター・チケットを、彫刻家イサム・ノグチ氏が中庭に彫刻とベンチを、華道草月流家元勅使河原宏氏が庭園とオブジェを、それぞれに寄贈されました。

2009年には、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に二つ星として格付けされましたので、土門拳の写真に加えて自然と調和された空間を楽しめる観光スポットでもあります。

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今年は「土門拳生誕百年祭」で「三人三様」の特集が組まれていました。











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湖のほとりに立つと、鯉が餌をもらえると思い集まってきます。
この湖には、ケガなどで北帰行できなかった白鳥たちも暮らしています。
私も数年前に、電線に衝突して翼が折れた白鳥を捕獲しました。
犬と散歩していた朝に、白鳥がうずくまっているのを犬が見つけました。
捕獲して、保護センターに連れて行きましたが、この湖で暮らすことになるだろうと係りの人が語っていました。
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それから数ヶ月が経って、保護した白鳥に会いに行きました。
遠目に白鳥の姿を見つけたら、その中の一羽が私たちに向かって走り寄ってきました。
オッ~! 憶えてくれていたんだぁ~、と感激して私たちも足早によって行ったら、
何と、その白鳥が羽根を広げて、ものすごい声を出して駆け込んで来るではないですか。
これは、様子が違うな。どうも威嚇しているようだぞ!
白鳥は益々威嚇の度合いを強めて突進状態です。
私たちは一目散に逃げました。
聞くと、ちょうど卵を暖めていた時期で、気が立っているから注意してください、とのこと。
保護されたことなど、憶えているわけないよな。ファンタジーの世界じゃあるまいし…。
それでも、思い込みたいのが人間なのだろうか。
そんな思い出も、この記念館の湖にはあるのです。
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by m_chiro | 2009-07-15 22:26 | 庄内の記 | Trackback | Comments(4)
頻発する「ぎっくり腰」から
今年、社会人になった23歳の青年が、度々、「ぎっくり腰」になる。6月だけで、3回も「ぎっくり腰」になった。それも、立ち上がるとき、物を拾う動作、車の乗り降りなど、些細なことでギクッとなって動けなくなるのだそうだ。一昨日はボーリングをしている時にギクッとなった。

この青年、なかなかの筋肉マンである。殿筋や大腿の筋もプチプチで、はちきれそうだ。
身長も180cmを超えているし、上体もがっちりとした立派な格闘技系の体型である。
聞くと、ランニングなどの運動を欠かさず、トレーニングも怠らないとか。

印象的に、腰部の筋の過緊張があるのではと思い、腰部関連のマニュアル筋力テスト(MMT)を行う。顕著に左腸腰筋と右殿筋が弱く、ハイパートーンは右腸腰筋にある。痛みは、体幹の屈曲/伸展で誘発される。

典型的なデストーション・パターンを想定した。そこで、腰仙関節の関節面を合わせて圧縮し、内部からの力動を促した。低下した筋群は回復したが、まだ屈曲/伸展で少し違和感が残る。
2回目の治療で屈曲/伸展運動での痛みの誘発もなくなった。多少、筋の張り感が残るが、単純な問題のように思えた。

週末には研修があって、県庁所在地まで行くことになると言う。念のために、もう一度治療して万全の状態で出かけたい、と3度目の治療にみえた。「もうすっかり大丈夫みたいです」と言っていたが、腸腰筋はまだ不安定だった。

その研修初日に電話が入り、また治療の予約を入れてきた。研修会場まで車で2時間ちょっと運転をして、降りようとした時にまたギクッとしたらしい。「そんなひどくはないから研修が終えたらみてほしい」とのことだった。

「また悪くなってますか?」と聞かれたが、関節の可動も腰部の筋力もほぼしっかりしている。でも、他に問題があるのだろう。最初から見直しをすることにした。
立位で観察すると、この青年、随分と姿勢が悪い。両肩は前方に、顎は前に突き出している。歩かせてみると、腕の後方への振りがほとんどない。そこで、広背筋のMMTを行ってみた。両側がメロメロ状態で全くホールドできないほどの弱さである。ところが、斜角筋群は過緊張している。ハイパー・トーンの筋は反発刺激を加えると信号系が混乱して、正常な筋活動を起せない。青年の姿勢は最初から見ていたのだが、意識に留まらなかったようだ。
この状態から、青年の習慣的姿位やトレーニングとやらを推論してみた。

先ずは寝る姿勢だが、両腕を挙げて寝ているか?
広背筋をストレッチするトレーニングは?
枕が極度に高くないか?
胸筋や二頭筋、前頚部の筋群の筋トレは?

答えは推論通りだった。
ここ数ヶ月はうつ伏せで寝るようになり、それも高い枕に額を当てて、両手は頭方に置いて寝るようになったらしい。筋トレは鉄棒にぶら下がり、そこからの懸垂運動、バーベルを使った胸筋と二頭筋のトレーニングを行っている。つまりは、鍛えた通りの姿勢が出来上がっている。

そこで治療は、肩関節と頚胸部をターゲットに変えて、広背筋を安定させることを狙った。
今度は経過も順調で、ランニングなどに精を出しているようだ。
思い込みで治療をしていると、とんでもない見落としをしてしまうことがある。
習慣的な姿位や変則的な運動は、身体をつくるトレーニングに似ている。学習能が作用するからだ。入力された情報に合わせて身体が出来上がる。
姿勢分析からも色々見えてくるものがあるのだが、意識がそこに向かなければ見ていても見えてこない。

ふと、大好きなシャーロック・ホームズの物語を思い出した。観察力は大事だと、ホームズはいつも言っていた。シャーロック・ホームズの推理の原則は「細かな点こそ何よりも重要だ」とすることにある。だから、ワトソンとホームズは同じものを見ていながら、その推理は全く違ったものになる。時には情報量の大きさは重要だが、もっと大事なのは「本質的な情報を見抜くことだ」と言う。治療にも生かせる原則である。

「細かな点をよく観察すれば、事件の本質がわかるんだがね。とにかく、ほんとうに、平凡な事柄くらい異様なものはないのだ。(「花婿の行方」)」

「ほら、やっぱり! きみは観察していないんだ。だが、見ることは見ている。その違いが、まさにぼくの言いたいことなんだ。(「ボヘミア王家の醜聞」)」

あるものの断片を見て、その全体を当てる。部分のパターンから全体のパターンを復元する。こうした仮説形成のプロセスを説明するホームズの推理から、患者さんを観察する視点を学べるように思うのだが、単純なことこそ難しく疎かにしかねない。
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by m_chiro | 2009-07-13 23:35 | 症例 | Trackback | Comments(4)
「鉄線」を生ける
患者さんの御主人手作りの花瓶をいただいた。
廃品利用だろうか。器用な人もいるもんだ。
鉄製の輪が2つにパイプをハンダで付けて、綺麗にペイントされている。
錆茶色に茜色がまだらに入っている。
庭の鉄線の花を生けてみた。
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「てっせん」の花を「鉄線」と書くのだと初めて知った。
蔓が針金のように強いことから命名されたらしい。
牧野富太郎博士の植物図鑑に出ていた。

この図鑑は父親の形見である。
図鑑の植物図は手描きの図画であるが、ほとんどは絵描きの手によるもののようだ。

「花を褥(しとね)に木の根を枕 花とくらして九十年」の人生で、命名した植物は2500種以上(新種1000、新変種1500)とされる。自らの新種発見も600種余りとされる。
こうした根気のいる仕事をされたのですね。

図鑑の巻頭に、牧野博士93歳のときの写真が載っている。本に埋もれるように机に向かっている凛々しい姿である。
行ったことはないが、高知県には牧野博士の県立植物園があるらしい。

鉄線の花びらは虫に喰われたらしく欠け落ちている。
そんなことが気になるのは人様だけで、鉄線はあるがままに咲いているだけである。
こうして生けると、ムシクイの花びらも味わいがある。
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猫の置物を遊び心に置いてみた。
う~ん、面白げになった。
「ギャハ♪、ハハハハ~♪♪」
猫の笑い声が聞こえてきそうだぞ!
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by m_chiro | 2009-07-10 13:01 | 雑記 | Trackback | Comments(6)



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また勉強になりました。
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