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「認知症」を勉強してみようという気になった
河野和彦医師が考案した認知症の治療マニュアル「コウノメソッド」。
その紹介と効果について書かれた本。

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河野医師の著書は、介護者や家族を視野に入れて噛み砕くように説いている。

認知症に取り組んで、劇的に改善したメソッドと記録が、認知症にほとんど無知な私には新鮮なおどろきだった。

DVD付きで、認知症への取り組み次第で幸不幸の分かれ目になることを知ることができる。

「認知症」のことを勉強しておかなくては....、そんな気になった。
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by m_chiro | 2013-10-04 08:56 | Books | Trackback | Comments(0)
シュガー・ブルース「砂糖病」
1923年のアメリカでは禁酒法が全盛で、アルコールに代って砂糖消費が急激に増大した時でもあった。その時に「シュガー・ブルース」という歌が世に出た。
アルコール中毒者は逮捕されるので、酒飲みたちは日が暮れるとアルコールの代わりにキャンディのビンから手を抜くことができなくなっていく。
やがて彼らはアルコール中毒から砂糖常用者になった。

「シュガー・ブルース」は、ひとりの砂糖常用者が個人的な状況を歌った歌だ。
やがて「シュガー・ブルース」は、全世界の砂糖中毒症を意味する代名詞になる。

「抜け出したい、溺れたい」、「寄るな、寄って」、「お願い、やめて」….。
魅惑と拒絶の二つの感情が対立するブルースの基本的な構図の作詞である。
そんな悩める心根が歌われたのだ。

ジン、コカイン、モルヒネ、ヘロイン、砂糖。
共通した「白い物質」と「中毒症状」。
分かっちゃいるけど止められない。

c0113928_23453176.jpgウイリアム・ダフティの本・「砂糖病」は、原題が「Sugar Blues」(シュガー・ブルース)である。

歌の題名を本のタイトルにしたのも、著者のダフティ自身が砂糖中毒の重症患者だったからだろう。

砂糖中毒からの脱出経験をもとに、砂糖病の背景と実態が書かれている。

1979年に翻訳本が刊行された時に、この本を読んだ。ちょうど、私が開業した頃である。とても刺激的な本だった。
例えば、こんな行(くだり)がある。

澱粉や(蜂蜜や果物に含まれているような)多糖類が消化されると、モノサッカライドすなわち単糖類に分解される。これは体が利用できる物質であり、栄養分である。しかし、澱粉と糖類が一緒に摂取され、発酵が行われると、澱粉と糖類は二酸化炭素(炭酸ガス)、酢酸、アルコール、水に分解されてしまう。これらの物質は、水を除けば、すべて体が利用できない物質であり、毒である。タンパク質が消化されるとアミノ酸になるが、これは体が利用できる物質であり、栄養分である。しかし、タンパク質が砂糖と一緒に摂取されると、これらは腐敗し、様々なプトマインやロイコマインに分解されてしまう。これらの物質は体が利用できないものであり、毒である。酵素による食物の消化は、体が利用できるような形に食物を整えてくれるが、バクテリアによる食物の分解は、体が利用するのに適さないような形に食物を変えてしまう。前者は栄養分を我々に与えてくれるが、後者は我々に毒をもたらすのである。


砂糖病とされる症状はいろいろあるようだが、上記の記述に典型的な患者さんがみえた。

彼女の訴えは、喉や胸部に何かが詰まっているような感じがあり、中胸背部が苦しいのだそうである。
3月頃からの症状で、もう3~4か月続いている。

耳鼻咽喉科や内科も受診し、CTその他ものもろ検査をしたが、胃カメラ検査で「逆流性食道炎」と診断された。
2週間ほどの投薬治療でよくなり、漢方薬の処方に変わったのだそうだが、症状は相変わらずに続いていると言う。

彼女は私の患者さんの友人で、他県に在住している。
居住地に推薦できる治療家はいないだろうかと尋ねられたのだが、残念ながらいなかったのだ。それで遠路、友人を頼って私のところまで出向いてみえたのである。

身体を診させてもらうと、クロストーク現象やエネルギーバランスの乱れがあり、姿勢制御系パターンを複数内包している。もっとも気になったのは、中胸部から上腹部にかけて貫通するように乱れたエネルギーバランスだった。これでは疲労感も極まっていることだろう。

直感的に「砂糖病」がイメージされたので、聴き取りをすると絵にかいたような生活習慣や食生活を覗いたようだった。
しかも砂糖に至っては、想像以上の摂取である。
食後のデザート、コーヒーに砂糖、中間のケーキやお菓子、飴玉に清涼飲料水などなど…。
これでは有機酸がつくられるのでゲップが出る。お腹がはる。
その上に食欲がない。疲れやすい。動揺感にめまい感、次々と不調が報告された。

治療を終えて、砂糖病のこと低血糖状態のことなどをお話しして、まずは2か月ほどの砂糖絶ちを勧めた。その他に油物、乳製品、脂質の摂取に気を付けるように食と「異化、同化」の話をした。
おそらく脱砂糖の辛い日が続くだろうが、1週間もすればそれも安定するだろう。

予測通りに、いい報告が彼女から入った。
砂糖の害、中毒症状、これらは思いもかけない症状を生む深刻な食と生理機能の重要な問題だと思う。
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by m_chiro | 2013-06-19 23:59 | Books | Trackback | Comments(0)
天才の解剖図譜
c0113928_17313591.jpgレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)が、40年間(20代~60代まで)にわたり解剖学の研究をしたことは知られている。

その間に書かれた解剖学の研究成果は、現存するだけで3,800紙葉あるそうだ。

手稿に至っては15,000ページほどになるらしい。

単純計算にしても一日1ページのペースで書いたことになる。
いわゆる「解剖手稿」とされる文献である。

驚くべき集中力と飽くなき探究心が集約されていて、ダ・ヴィンチが解剖学者としても超一流であったことが窺える。

そのダ・ヴィンチの「解剖手稿」を解説した本が出版されたので求めて読んだ。
と言っても「解剖手稿」の選りすぐりであって、全編にわたるものではない。
125頁ほどの「解剖手稿」案内書という感じである。

東京美術館で6月30日まで開催されている「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」に合わせた解説書の意味合いがあるのかもしれない。

それでも天才・ダヴィンチの解剖学に関する並々ならぬ関心と、人体の秘密に迫ろうとした気迫や探究心を十分に感じることができる。
天才の思考や眼力、そして何よりも探究すること、科学する者の態度を学ぶことができる。

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写真にある頭蓋の絵を見ても、実物を正確に観察して描いているダ・ヴィンチの姿や意志が浮かんでくるようだ。
頭蓋を表面的に捉えるだけにとどまらず、内部の精査して隠された空洞や血管の走行する溝、上顎洞や前頭洞までも描き残している。
解説によると、上顎洞の存在がはじめて記載されたのは1651年だそうだ。
ダ・ヴィンチは1519年没であるから、それより一世紀半も早く描き残したことになる。
「私の居場所」を求めて位置座標軸を「視交叉」のところに設定しているのも面白い。

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上肢を8方向から観察して、その機能的な動きにも言及している。
その他、内臓や神経なども正確で微細であるし、手稿の解説も分かりやすい。

特にダ・ヴィンチが眼球やその神経機能に注目していたことも、画家としての宿命的な探究心の渇望があったせいだろうか、と思えてくる。

ルネッサンス期の医学レベルを知る上でも、とても刺激的な解説書であった。
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by m_chiro | 2013-05-30 17:44 | Books | Trackback | Comments(0)
「キャパの十字架」沢木耕太郎著
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沢木耕太郎著「キャパの十字架」を読んだ。

一枚の写真から推論をし、仮説を立て、検証していく、その緻密なプロセスがとても参考になった。
また、極上の推理小説でも読んでいるように面白かった。




一枚の写真とは、「LIFE」誌に掲載された有名な写真「崩れ落ちる兵士」である。
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1936年のスペイン内戦で、共和国軍兵士が反乱軍の銃弾を受けて倒れるところを撮ったとされる写真だ。
戦場カメラマン・キャパの名前を一躍有名にした写真である。

いろんな雑誌に何度となく登場した写真であるが、これほど物議をかもした写真もめずらしい。

場所は銃弾が飛び交う戦場とされる。
カメラマンの命でさえ危うい状況の中で、今まさに銃弾を受けて崩れ落ちる瞬間を捉えることなどできるものだろうか。
そんな思惑が錯綜して、写真の真贋論争が沸き起こるのである。
いろんな論客が推論し、物理学者まで巻き込んで世界を騒がせた。
が、キャパ自身は口を閉ざした。

やがて、この論争に決着がついたと思わせる告白が発表される。
「崩れ落ちる兵士」の家族が名乗り出るのだ。
しかも戦死の状況も詳しく述べられた。一兵士の戦死の状況が事細かに、写真を解説するように報告されたのか。
これが逆に怪しいということになり、写真の真贋論争は終息しなかった。

「崩れ落ちる兵士」は本当に撃たれたのか。

キャパの写真集などを翻訳もしたノンフィクション作家・沢木耕太郎氏が、長年の疑問に決着を付けるべく取り組んだ意欲作である。

現地を取材し、キャパのあらゆる写真に目を通し、これまでの真贋論争の論説をあたり、一枚の写真から「崩れ落ちる兵士」の正確な場所、銃弾の物理作用と標的の崩れ方、人物の特定、カメラの特定、写真の撮られた角度、季節から雲の動きなどなど。
一瞬を切り裂いた一枚の写真とその状況が推論され、検証されていく。

写真の真贋論争からはじまった謎は謎を呼び、糸は幾重にも錯綜し、ついには思わぬ結論に辿り着く。
それだけではない。書名にあるキャパが背負った「十字架」とは何を意味しているのか。
キャパ自身の実像に迫りながら、この天才的な写真家の生き様までもが推論されている。
何よりも、著者の推論と検証の手法に関心させられた。
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by m_chiro | 2013-04-16 17:55 | Books | Trackback | Comments(0)
「ブレインブック」で「 みえる脳」を学べる
12月初めに九州カイロプラクティック同友会の忘年会に出かけた折、福岡から大分県の会場に向かうマイクロバスで、科学新聞社の斉藤社長と同席した。

バスの中で、斉藤社長がバッグから一冊の本を取り出して見せてくれたのが、「ブレインブック」という新刊本だった。
版元は南江堂であるが、科学新聞社でも販売することになるようだ。
そのときに注文しておいた「ブレインブック」が届いた。

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“THE BRAIN BOOK”の翻訳本だが、養老猛司先生が監訳されている。

サブタイトルを付けて、「みえる脳」としたところも養老先生らしい。最初に手にして、そう思った。

「ブレインブック」は、脳の局在的病巣を扱った専門書ではない。
見開き2頁に、ひとつのテーマを取り上げてビジュアルに構成している。

そこには脳の局在とその働きが、あらゆる角度からイラストにしてあり、頭の中で3Dのイメージとして結び付けやすく、また分かりやすい。

およそ人の機能や運動、情動に関わる仕組みもビジュアルな構成で解説されていて、とても気に入った。
脳を学ぶための手引書、人を知るための入り口としては、最適な教材だと思う。
脳に関心のある初学者にも興味深く脳を知ることができるだろう。
そこから、さらに深い学びを求めるのであれば専門的な本は巷にたくさんある。

脳の局在的作用については、1頁まるごとイメージ写真が使われているものもある。
一見無駄に思えるが、このイメージは強くその作用と結びつく役割を持っている。
だからこそ「みえる脳」というサブタイトルは、この本の役割を強調したものだろう。
見開のどの頁であろうと、折に触れて学べるのもいい。

それでも、形態が分かったからと言って機能が分かるわけではない。
あらゆる事象が「脳化」という言葉で表象されるように、脳は多角的に捉えることが必要なのだと分かる。そのことが「人を観る」ということに通じるからである。
だから「ブレインブック」で扱っている項目は広域にわたっている。

例えば、社会脳、思考、言語とコミュニケーション、意識、自己、人格、知性やユーモアなどなど…。哲学的課題にも触れ、どれもが脳の作用を通して解説されている。しかも、脳神経科学や生理学の最新の情報や発達史などを織り込みながら人の理解へと繋げている。

この本を通して人の理解に繋げることができれば、脳を介した身体への入出力の刺激や言語の有り様も見えてきそうである。
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by m_chiro | 2012-12-21 19:01 | Books | Trackback | Comments(0)
絵本「いのちのれきし」は、その本自体が好き
「わたしの本棚」③いのちのれきし
この本、そのものが好き


前回の記事からの続き。最後の3冊目。

その3冊目は、大型の絵本。バージニア・バートンの「せいめいのれきし」という本である。数年前、東京に出向いたときに立ち寄った書店で見つけた本だ。

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卒業後、私はある研究所に就職したが、そこでは月刊誌や単行本も手がけており、私は本作りのプロセスを真近に見てきた。
当然その業務にもかかわってきたが、主には校正などだった。
そんな経験もあってか、本の制作する側の視点から本を探すことがある。
装丁やデザイン性、レイアウト、紙質など、目に付くと内容云々よりも、その本自体が欲しくなる。

「いのちのれきし」は、そんな視点から手にした本である。
「地球上に せいめいがうまれたときから、いままでのおはなし」と表紙に副題がつけてある。
約48億年もの生命の歴史が70数ページの絵本の中に凝縮されていて、これには驚きだった。
見開き2ページに数億年の歴史が見て取れるのである。
味わいある手書きの絵、簡潔な文章、劇場型の幕場構成で大人も楽しめる絵本だ。

この絵本が読まれている姿を想像すると、実にほほえましい光景が浮かんでくる。
大人が文章を解説しながら読んで聞かせる。
子供は、まるでドラマ仕立てに話を聞きながら絵を見ている。
絵本が媒体となって、生命や生き物、地球の歴史を学ぶ。
本が持つ意義までもが凝縮しているような本である。

この本の著者、バージニア・バートンというアメリカの絵本作家を知ったのは、この本を手にしてからだった。
1世紀も前に生まれたこの絵本作家は、「いのちのれきし」を書き上げるのに8年の歳月を費やしたそうだ。
1942年には、最優秀絵本に選ばれている。
ぜひ多くの人に手に取って欲しい本だ。
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by m_chiro | 2012-12-21 12:23 | Books | Trackback | Comments(0)
2次情報に惑わされるな。1次情報に当たれ!
「わたしの本棚」 ②オセロー
2次情報に惑わされるな。1次情報に当たれ!


前回の記事「脳化と身体性、その新たな関係のバランス」、地方新聞の新聞内新聞に連載のコラム「わたしの本棚」からの取材の続き。

これまで読んだ本の中から、「本にまつわる思い出」あるいは「人生に影響された内容」で選ぶ3冊。その2冊目は、シェイクスピアの「オセロー」をあげた。

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オセローは、7歳の頃から中年になるまで戦場を駆け巡って、数々の武勲を立ててきた人物である。
その軍功を称えられてベニスの将軍に上りつめた、勇敢で冷静な武将だ。
ベニスの将軍になってから、貴族の娘デスデモーナと結婚する。
デスデモーナは世の男性の羨望の的で、若く美しく知性的な女性である。
ところがオセローの腹心の部下が、嫉妬のあまり悪企みをする。
オセローを陥れたいのだが、力ではとうてい勝てない。

そこで企む。
デスデモーナのあらぬ噂をオセロ-に囁くのだ。繰り返し、繰り返し...。
繰り返されて吹き込まれた事実無根の企みは、オセローの頭の中で事実になる。
やがてオセローの中に妄想が生まれる。
その結果、冷静な武将の心が狂いはじめる。
そして悲劇的な結末を迎えるのである。

この戯曲に学んだことは、2次情報、3次情報に惑わされてはならないということである。
そのためには、1次情報に当たれ、原典に当たれということ。
これはサイエンスの基本でもあるし、不惑の人生を歩むための大事なスタンスだと思う。


とても現実的なさまざまな深層心理を扱った戯曲で、心に残る一冊だった。
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by m_chiro | 2012-12-18 15:51 | Books | Trackback | Comments(0)
「脳化」と「身体性」、その関係性のバランス
「わたしの本棚」 ①「唯脳論」(養老猛司著)
「脳化」と「身体性」、その関係性のバランス


先日、地方新聞の新聞内新聞のコラム「わたしの本棚」シリーズの取材を受けた。
このコラムは担当した者が、次の予定者を指名してリレーする趣向で連載されている。

最近読んだ本で面白かった本を選ぶのかと思っていたら、これまで読んだ本の中から3冊選んで紹介してほしい、ということだった。

しかも、その本にまつわる思い出、あるいは人生に影響されたこと、などなどと付帯条件がつけられている。やれやれ、面倒な話だ。

これまで読んだ本から3冊選ぶというのは、結構むずかしい。
あらためて過去に読んだ本を時系列で思い起こしてみると、私の読書傾向は偏っているようだ。

カイロプラクティックに携わるようになってからは、専門書や自然科学、医科学あるいは生き物に関する本が多くを占めている。が、文芸書では面白い本に出会うと、その作家の本をほとんど読み尽くす。
だから読んだ本の数の割には、作家の人数はそれほど多くはない。

c0113928_12382269.jpgそれでも敢えて選ぶとすれば、第一に「唯脳論」(養老猛司著、1989)をあげたい。
「唯脳論」は、私にとってバイブル的な本でもある。
何しろモノの見方や考え方を変えさせられた。

「唯脳論」の内容を端的に言えば、今の時代はすべてが「情報の優位性」で解釈できる。そのことを養老先生は「脳化」と表現していて、あらゆる事象から脳化現象を読み解いている本だ。煎じ詰めれば、「脳の中に生きている」社会を詳らかにしている。
脳化された社会に生きているということは、逆に見れば「身体性」を喪失することでもある。

「唯脳論」での問いかけは、「形態」と「機能」、「物」と「心」、「見えるもの」と「見えないもの」といった二元論か、あるいは一元論かの問いかけではなく、「身体性(物)」と「脳化(情報系)」の新たな関係性が求められていることでもあるだろう。

私は、「脳化」と「身体」の関係性を「均衡」と理解した。
「情報」の優位性が高まれば、シーソーゲームのように「身体性」は低下する。

ところが人間は、体調が悪くなり身体は休むことを要求しているにもかかわらず、約束や予定を優先する。
つまりは脳の情報を優先して、身体はその情報によって制御されている。
こうして「身体性」は失われていくのだろう。

この本と出合ってから、身体を観ること、治療をすることの意義と方法論がガラリと変わった。と言うより、変えさせられた本である。
脳を抜きにして、つまり神経系(情報系)を抜きにして身体を語れない、そう思った。

「唯脳論」は、1989に刊行された本である。脳ブームが起こる前の頃である。
「唯脳論」を読んで感動し、養老先生に業界での講演を依頼するために鎌倉のご自宅を訪問したことがある。

その講演が実現し、講演録を文章に起こした。
了解を得て、そのタイトルを「脳医学との交差点」と変更し、「リ・ボーン 等身大のカイロプラクティック」(1991)というムック版の本に掲載したのである。
「脳化」と「身体」の関係性は、カイロプラクティックの重要なコンセプトのひとつだと確信したからであった。

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このことは「唯脳論」という本にまつわる大切な思い出である。
だからこそ、私にとっては今でもバイブル的な本なのである。
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by m_chiro | 2012-12-17 18:02 | Books | Trackback | Comments(0)
「こうして生まれる-受胎から誕生まで-」
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2002年に刊行されたこの本は、医療撮影の技師でもあるアレグサンダーシアラススが世界で初めて胎児の成長をCGで再現したものです。
医療用可視化の技術で、400点を超える画像を紹介しながら受胎から誕生までを追っています。

著者のアレグサンダーシアラスは、イエール大学医学部の准教授兼科学的可視化主任としてこの仕事に携わりました。
その著者が、TEDのスピーカーとして登場し、動画を紹介しながらこの仕事に取り組んだこと、生命誕生の神秘を語っています。
このURLのタイトルから、ぜひ映像でごらんください。

Talks | TED Partner Series
アレグザンダー・シアラス 「受胎から誕生までを可視化する」


2つの細胞が合体して生命個体が誕生するまでのプロセスには、その神秘と不思議さにあらためて感動します。
筋骨格系が完成される時期には、胎児が活発な動きを見せるようです。
動きは、筋骨格系の発達に欠かせないのだと再認識させられました。
2つの細胞が栄養膜に定着したら、細胞 間の情報交換(コミュニケーション)によって魔法のような神秘が織りなしヒトが産み出されていきます。
とても神秘的で魔法のような営みに感動です!!
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by m_chiro | 2012-07-06 22:30 | Books | Trackback | Comments(0)
シェイクスピア・シークレット
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シェイクスピアは、本当にあれだけの名作戯曲を書いたのか?
シェイクスピア別人説が取り沙汰されるが、別人が書いたという証拠は何もない。
でも、研究者の中からも疑惑が随分と浮かび上がっているらしい。
だからと言って、別人が書いたと声高に言う根拠も希薄なのだ。
読者にしてみれば、そんなことはどうでもいい。面白いものは面白い。
フアンにしてみれば、シェイクスピアが書いたと言うのならそれでいい。
でも、この小説を読んだ後は、なぜか一体誰が書いたのだろうと気になってしまう。

1年間で5~6作の名作戯曲を書き上げたなんて、とても常人技とは思えない。
だからこそ別人説も推測されるのだろう。

謎の多い作者と言えば、写楽も謎の絵師だった。写楽絵は残っているが、忽然と消えた実像も全く見えない。シェイクスピアは実像が明らかでも、彼が書いたという確かな証拠が見えてこない。

「シェイクスピア・シークレット」はミステリー小説で、作者はジェニファー・リー・キャレルという女性のシェイクスピア学者である。研究者の書いた小説なのだから、歴史上の事実である点と点を推論で結んでいる。
そこにシャイクスピア別人説にまつわる推理を織り交ぜて、「カーディニオー」という手稿の在処を追って連続殺人事件をからませている。

ブームになり映画化された「ダビンチ・コード」を思わせる展開であるが、私には「シェイクピア・シークレット」の方が断然面白かった。
これも映画化されそうな予感。
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by m_chiro | 2012-07-03 00:24 | Books | Trackback | Comments(0)



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