カテゴリ:カイロプラクティック( 51 )
公的研究機関との共同研究の道筋がみえてきた印象深い学会
「第14回・日本カイロプラクティック徒手医学会」盛会裏に終わる!

9月22日(土)~23日[日]の二日間にわたり、仙台市の情報・産業プラザ・多目的ホールで開催された「第14回・日本カイロプラクティック徒手医医学会」が盛会裏に終了しました。大会長を務められた小倉毅(DC、PhD)先生の奮闘に負うところが大きかった学会だったと思います。
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若い学生さんが多く、いつもと違った雰囲気と活気のある学会でした。特に印象深かったのは、基調講演や一般講演に東北大学サイクトロン・ラジオアイソトープセンターとの共同研究を進められてきた小倉先生との協力関係で実現できた演題があったことです。小倉先生のご尽力に感謝です。

東北大学サイクロトロン核医学研究部からの報告は、私にはとても興味深いものでした。講演された田代学教授は基調講演「代替医療の臨床研究で用いられる画像診断技術」についての中で、カイロプラクティックによる刺激がPET画像上に現れる関連性を解析された例を紹介していました。その中に、とても強く印象づけられた報告がありました。

それは免疫細胞であるNK細胞が、健常者ではどの部位に活性が見られるかというもので、
田代教授の報告によると「右の運動野と視覚野」だというのです。これはとても興味深い報告でした。視覚系における眼球支点の片寄が問題になるのでしょう。

右の視覚野ですから左眼球からの情報と運動からの情報に問題がありそうに思いました。そこからの情報系に不均衡が生じることは、身体機能の面でも問題が発生しやすくなるのではないだろうか、と推測したわけです。

臨床の現場で、患者さんの眼球運動と頭位・頸部の回旋による代償性をみていると、多くの人が右水平方向に片寄りがあり、それを代償するために頭位を左に回旋させて使っている人が多くみられます。こうした患者さんは左眼球の頚眼反射に弱点があり、それを代償せざるを得ない頭位と眼位、頸部の回旋位を保つようになるのではないかと推測しました。
この報告は、今学会での私の一番の収穫でした。

一般講演でも「サイクロトロン核医学研究部」からの「頸部痛に対するカイロプラクテッィック施術後の骨格筋糖代謝変化 [18F]FDG PET研究」の報告がありました。こうした公的な研究機関との共同研究の流れが、とても印象に残った学会でした。

東北大学の大学院医学系研究科の教授である、あの大隅典子先生の特別講演までが公開講座として用意されていました。「いくつになっても脳細胞は作られる!」がテーマでした。現代社会でクロージアップされている「心の病」が、脳の可塑性の問題から、記憶や学習による神経再生、そして神経機能に与える影響について、画像による解析と分析を通して心的エネルギーとの関わりが述べられていました。

Dr.ジェンシーが生前に強くアドバイスしていたことがありました。それは「公的研究機関と共同研究をすること」でした。

その流れが小倉先生のご尽力で道筋が作られていることを感じながら、心地よい疲労感を感じて終えた学会でした。
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by m_chiro | 2012-09-25 12:48 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
六然社・直伝講習(9.19)「復習Guide ①」
参加された方々のために「復習のためのガイド」を記しておきます

①ヒトの空間認知能力

人間の能力で何が凄いかと言ったら、おそらく誰もが「もちろん高次能力」と答えるだろう。現代の高度の文明や文化を築いたのも、この高次の能力に負うところである。だから異論はない。
でも、この能力って脳の進化に伴って増築されてできた脳の領域が担っているのである。だからと言って、その能力の凄さが下がると言うものではないが、それでもよく考えてみよう。
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ヒトの進化のプロセスの中で、二足歩行を成し遂げた生物学的な特性の中での凄さは、何と言っても環境空間における立ち位置を認識する能力にあるだろう。

その空間認知は、どのようにしておこなわれているのか。それを理解することが、すなわちヒトの姿勢制御系を知ることでもある。

こうした空間における自己認知のシステムは、情報処理系としてプログラムされている。

このプログラムは、脳に対する入力刺激を神経学的に統合するかたちで機能しているのである。それは反射的な運動制御として、筋肉に出力されるプログラムとなっている。

このプログラムは強いものではあるのだが、実は危うい。だから神経学的に代償されることで統合しようとする。その結果が、姿勢の歪みであったり、機能的な不均衡として出力されるのである。

治療家は、ともすると表現された身体的に代償された結果にアプローチするわけだが、ここは視点を変えて神経の入力情報から姿勢制御系を捉えてみようとするのが、今回の直伝講習の主旨である。

その主な入力情報とは何か。
①視覚系の情報、②聴覚系の情報、③頭位、④頸部の回転、⑤迷路刺激、⑥固有受容器である。


これらの入力情報が統合されて、ヒトは空間における自己を認知していることになる。要するに、これらの全てのシステムが統合されて脳が機能しているのだということを知る。そんな機会になることを、この講習では意識して臨んだ。

特に、今回は網膜からの視線運動反射(視動反射)、眼球運動、頚眼反射の反射バランスの不均衡による神経学的代償作用が身体にどのように影響するかを診た。
そして視覚神経系へのアプローチが、どのようにその制御系に変化をもたらすか、その治療の一例を紹介してみたわけである。

(22~23日は、日本カイロプラクティック徒手医学会に出席します。
続編は、その後に書くことにします。)

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by m_chiro | 2012-09-21 19:12 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(2)
六然社主催の講習会(9.16)に飛び入りでワークショップ
六然社主催の講習会(9.16)に、飛び入りワークショップ

佐渡の萩原先生とはブログを通して交流を深めてまいりました。
(「反証的、鍼灸・手技・心理臨床」http://sansetu.exblog.jp/)
かれこれもう5~6年になるでしょうか。

いまだお眼にかかったことはありませんが、多くの学びを頂いて尊敬する先生でもあります。
鍼灸師とカイロプラクターという領域の違う分野でありながら、妙に共感する意見が多くありとても身近に感じる存在でもあります。

その萩原先生から声をかけていただいて、鍼灸関連の出版である「六然社」が主宰する勉強会に飛び入りで出させていただくことになりました。
「直伝講習会第13回 孤独な角を持て!」(六然社の小窓)http://yuishouron.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/13-a2d9.html)

六然社・主宰の寄金丈嗣先生は、「ツボに訊け!―鍼灸の底力」(ちくま新書)の著者でもあり、ジャーナリストでもあります。鍼灸関係者を問わず、治療家には是非読んでほしい優れた本です。治療家としての精神も鍛えられます。

その9月16日(日)が、いよいよ近づいています。

この話を頂いた時に、鍼灸関連の勉強会にカイロプラクターが出て行ったら顰蹙をかうのでは、と不安でもありました。が、参加者はみなさん手技に関心を持っている先生方のようです。でも、何よりも萩原先生にお目にかかれることを楽しみに、出向きたいと思います。

さて、私への依頼はカイロプラクティックの考え方を、自分自身の守破離を通して話してほしい、とのこと。前段は「カイロプラクティック・コンセプト」というテーマで話します。たいした「守破離」ではありませんし、私は自称カイロプラクター、生涯一学徒に過ぎませんので、コンセンサスに基づいた話ではありませんが、自分の経験や学びから得た本音の「カイロプラクティック・コンセプト」を語ろうかと思います。脱線しなければいいのですが.....。

後段は、何か少し練習すれば応用できそうなテクニックの紹介をして欲しいとのことです。
徒手療法であれ、鍼灸であれ、共通のテーマに「からだの姿勢制御系」があります。
その神経学的代償作用をテーマに、視線運動反射、眼球運動反射による体幹の代償作用との関係を見る検査と治療法を紹介しようかと考えています。
この方法はマニピュレーションの心得がなくても、触診と感覚の技量さえあれば簡単に応用でき、臨床的にも大きな効果が期待できます。
前回の記事「むち打ち症患者、なんでこうなるの!?」でも少し触れました。

時間があれば、もう一つマニピュレーションに関するものを紹介しよかと思いますが、それを「リコイルの三次元操法」とでも呼んでおきましょう。
でも、時間があるかな?

鍼灸関連の勉強会に出向くのは初めての経験なので不安もありますが、セミナー後の懇親会共々楽しみたいと思います。
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by m_chiro | 2012-09-07 08:23 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
継続こそ力
九州カイロプラクティック同友会の夏期合宿で症例検討会(CCR)が開催された。お招きを受け8月4~5日と開催地の福岡・太宰府の会場に出向いた。

ここ数年続けて足を運んでいる。九州同友会のCCRが開催されて、かれこれ20年は過ぎたろう。
スタートは症例の報告会であった。
担当のメンバーが順番に発表を受け持ち、自身の症例から1題を俎上に挙げて報告する。
言ってみれば学会のミニタイプのスタイルである。
そして聴衆した会員は、その報告に対して質問をする。そんなやりとりが月例会で行って来たのである。地味な活動であるが、20年も続けばメンバーにとっては大きな財産でもある。

その成果もあって、同友会のメンバーは例年必ずカイロ学会での発表者を出している。
敬服に値する活動である。ところが発表者にとっては、聴衆する側からの質疑が「突っ込み」に感じられるようになり、数年前から重苦しい雰囲気が出始めたようだ。成長段階で起こる痛みのようなものだ。

そんな打開策を模索していた頃に招かれて、CCRの活動を実際に見学させてもらった。
そして、参加者が全員議論に参加する「症例検討会」の本来のあり方を行うべきではないかと具申したのである。

その実際の進め方を提示したり、改善策を講じたり、ここ数年は実際に行いながら試行錯誤を続け、ようやく一つのスタイルに辿り着いた。

今年の夏期合宿CCRは、そのお披露目のようなものである。
3題の症例がそれぞれ発表されたが、とてもいい方向に議論が進んで嬉しくなった。
問題を指摘すれば、発表者にも参加者にも一言も二言もあるが、ここが新たな出発なので先ずはその門出を讃えたいと思う。

昨日、関係幹事からもメールをいただいた。

「同友会の会員一人一人の意識が高まり、きっとレベルアップできると感じました。会員それぞれが切磋琢磨し頑張ってゆきます」。

嬉しい言葉だった。
継続は力である。こんな地味な活動を、弛むことなく20年も続けている同友会メンバーの意識の高さをあらためて感じている。

作家であり、医師でもあったサミュエル・スマイルズの言葉を、ロンドン・オリンピックを観戦しながら、あらためて思い起こした言葉がある。
同友会の皆さんと共に噛みしめたい、と思う。

我々は、失敗することによって、
どうやればうまく出来るかを発見する。
間違いを犯さない者は、
このことを発見することが出来ない。

外部からの援助は人間を弱くする。
自分で自分を助けようとする精神こそ、
その人間をいつまでも励まし元気づける。

(サミュエル・スマイルズ
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by m_chiro | 2012-08-10 08:40 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
ジェンシー先生の格言から
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ジェンシー先生(J.Janse,D.C.:1909-1985)は、米国ナショナル・カイロ大学の学長職や業界の要職を歴任。カイロプラクティックの科学的発展に貢献した。
1984年に5度目の来日を果たし、精力的に講演セミナーを行う。
不死の病に犯され、ドクターストップをおしての最後の講演となった。そのときに、次の名言を残した。

“Chiropractic is a way of life. It is a concept to live by.” (1984)


そして、その翌年(1985)、惜しまれてこの世を去った。
私は、この言葉を次のように理解した。

「カイロプラクティックとは一つの生命観(すこやかに生きる方法)であって、その考え方は(患者さんの)「生きる」ということに活かすことである。」

要するに、患者さんが「活き活きと生きる」ためのお手伝いをすること。そう覚悟をあらたにさせられた言葉だった。

カイロプラクティックとは一つの生命観であって、脊椎マニピュレーションのことではない。技法はそれを実現するための手段なのだ。だから手段は多様であっていい。

ならば、ゼネラリストとしての治療家を目指そう。そう覚悟を新たにさせられた言葉だった。
と言っても、私は「カイロプラクター」と自認しているだけである。
だから、あくまでもカイロプラクティックの「生涯一学徒」だ。


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by m_chiro | 2012-07-03 01:05 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(1)
「スラスト」も「リコイル」も速度が決め手
マニピュレーションで、運動系に有効に働く刺激の要素って何?

理学検査で筋力テストは頻繁に用いられるが、マニピュレーションが筋力に及ぼす影響は実際のところどうなのだろう。
研究では、マニピュレーションを行った部位の筋活動電位(electromyographic activity)を測定する方法が使われているようである。
カイロプラクティックの中では、徒手筋力テスト(MMT)による変化を調査したものものあるらしい。だが、まともにデザインされた研究は、ひとつもないとされている。
MMTならば我々でもできそうだと思うが、そんなにあまい話ではないようだ。

MMTを使うカイロプラクターは多いが、必ずしも一様の手法で行っているとは限らない。だから結果にバラツキがある。
MMTの熟練度によって、いわゆるアーチファクト(偽りの所見)や、クロストーク(信号の混戦)の問題が絡む。この問題は筋電図記録でも起こりうる問題ではあるのだが...。
より少ないリスクを考慮すれば、胸椎へのスラストによる変化を見た方がよさそうだ。
というわけで、胸椎に対し片側性の後方-前方スラスト(高速低振幅スラスト)を行って調査している(Herzog,Suter)。そのスラストによる筋電図活動を、反対側の傍脊椎筋で観察したのである。

さて、マニピュレーションでの重要な技術的3要素は、1.角度、2.力度、3.速度にあるとされる。
これらの要素をバラバラにして、果たしてどの要素が筋電図活動に影響を与えるのは、どの要素の刺激なのだろう。マニピュレーションとはキャビテーションを含む関節操作のことである。キャビテーションとは、あの「ボキッ」というクリック音(cracking)のことである。

研究では、クリック音は活動電位の誘発に影響しなかった。力の大きさも影響しなかったが、大きな影響が見られたのは唯一「速度」であった。
ということは、筋電図活動に影響を与えるようなマニピュレーションの刺激要素は「速度」ということになる。

速度が重要な刺激要素であるとするなら、それは押す速度だろうが、引く速度だろうろうが、どちらでもいいという話だろう。
ならば、「リコイル」も「スラスト」も、速度という刺激の視点で見れば同じ効果を引き出せる、ということになるはずだ。「押してもダメなら、引いてみろ」とは言うけれど、鍵は「速度」なんだ。
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by m_chiro | 2012-05-18 09:04 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(2)
関節が固着(フィクセーション)すると痛みは起こるか?
「フィクセーション」は「痛み」にどうかかわるのか。あるいは無関係なのか。
これもまた興味深いテーマである。

フィクセーションは仮説の一つであるが、実証されたものではない。
だが、関節の動きやジョイントプレイが失われている現象を臨床的には頻繁に経験するし、痛みをもつ患部には可動制限が伴っていることも多い。

カイロプラクティック治療は、この可動制限を最終的に解除することが治療目的にもなっている。
前回の記事で紹介したキャシディDCは、フィクセーションと痛みの関わりについて次のように述べている。

「背部痛というものは必ず反射的に筋スパズム、筋のコリ、そして可動制限を伴うものであり、マニピュレーションは反射作用を通して筋を弛緩させ、痛みを減少させ、結果として正常な可動域を回復するのです。しかし、これを完全に証明するにはまだまだ研究が必要です。….カイロ大学のカリキュラムは、今後、よりフィクセーション理論に基づく診断の正当性を立証するという方向に進んでいくと思います」。

この解釈によると、フィクセーションは周辺の筋スパズムや筋のコリによるものと理解できる。が、マニピュレーション(キャビテーションを含む関節操作)は可動制限された関節に向けられる。
それはあくまでもマニピュレーションによって、間接的に周辺の筋を反射作用で弛緩させる効果をもたらすからである。

筋の弛緩がもたらされると、固着した関節の可動域が回復する。
フィクセーションには「痛み」が伴いやすいが、それはフィクセーションが素因であるということではないのである。
だとすればマニピュレーションは、筋スパズムや過緊張を解除するための間接的効果を狙った一つの操作手技ということになる。

カイロプラクティックが主張してきたような特異的な変位を解除する手法には、多くのスキルが開発されてきたが、フィクセーションには特異的も何もないはずである。

それでもマニピュレーションが特異的でなければならないという原則があるのであれば、特異的なコンタクトが痛みに対してどれほどの意味を持つのかは大きな疑問である。

キャシディDCの解釈を受ければ、フィクセーションを解除するための特異的な操作手技に捉われる必要はない、と理解できる。
カイロプラクティックは伝統的な考えに固執することなく、「それはなぜか」を考えなければならないと思う。

フィクセーションの状態では著しくⅠaやAβ神経の活動が低下する。マニピュレーションは、このⅠaやAβ神経の活動を刺激することで、C線維の活動を抑制するという鎮痛機序が提示されてもいるのである。
そして、フィクセーションを解除することは痛み系の解除だけではない。反射的にもたらされる自律系の解除にも影響するもので、その影響に関する取り組みが待たれている。
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by m_chiro | 2012-03-05 12:47 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(2)
背骨のズレが痛みの原因にはならない
カイロプラクティックの世界的な学会である「世界大会」が東京で開催されたのは1997年のことだった。
WFC(世界カイロプラクティック連合)が主催し、WHO (世界保健機構)が後援している。日本で開催された最初のカイロプラクティックの国際会議だった。
当時の日本におけるカイロ業界の現有勢力が結集して世界大会を盛り上げたのである。
世界30ヵ国から約1,800名が参加しており、その盛況さは国内外の関係者からも特筆された内容だったと思う。
世界の著名な研究者が、メーンテーマ「頸椎の障害と治療」について講演している。

中でも印象に残っているのは、ケベック・タスクフォースからの発表であった。共著者のひとりであるデビッド・キャシディ(J.David Cassidy DC,PhD.;カナダ・サスカチュワン大学教授;下の写真)が、「むち打ち疾患に関するケベック調査特別委員会」を代表して、世界に先駆けての基調講演を行った。
おそらくメディカルな領域でも特に関心を寄せた発表であったろう。

結論を言えば、頸椎カラーはできるだけ装着しない方が早くよくなる、ということに尽きる。だが、個人的には学会の舞台裏で行われたキャシディDCへのインタビューがとても興味深かった。

キャシディDCは、「カイロプラクティックのスタティック・パルペーションは軟部組織の硬直や痛みを確認するために行うもので、いわゆる[背骨のズレ]を探すためのものではない」ということを前提にして話を進めていく。そこへ、「では、あなたはサブラクセーションを信じていないということですか」とインタビューアが突っ込む。

「痛み」と「背骨のズレ;サブラクセーション」の関係は、信じる信じないという問題ではない。存在するか否かにある。
キャシディDCは “The New England Journal of Medicine;NEJM”という著名な学術雑誌にも論文を発表している。「NEJM」に論文が掲載されたカイロプラクターは彼以外いないだろう。それほど研究者としても傑出している。そのキャシディDCが研究者として明言する。

「背骨のズレが痛みの原因になるという証拠は存在しません」。
「また、脊椎の微小な変位、すなわちズレというものが痛みの原因になるということを実証した人はいまだいないのです」。


学術研究の進展は、それまでの理解や解釈を時代と共に変えてきた。
その結果として、明らかになってきた学理に則して自らの理論を前進させる姿勢が必要になる。
こうした事態に至れば、業界が一丸となって前進することが必要なのだが、それが簡単にはいかない。
過去の実績や栄光あるいは遺産に執着しがちになるからで、脱却するには強い意志も必要になる。

「カイロジャーナル72号」(科学新聞社)の「論壇」で、米国カイロプラクティック教育評議会(CCE)が「教育の新基準」の変更を迫られていることを報じていた。
この新基準の案件が論争の的になっているらしい。火種は、「サブラクセーション」の用語が排除されていることにある。確かに、サブラクセーションには新たな概念や解釈が必要だろう。古典的な概念から脱却しなければ消え去る運命が、ここにもあるようだ。
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by m_chiro | 2012-03-03 08:53 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(2)
富山セミナー(2.25-26)
2月25~26日、富山県氷見市でのセミナーを依頼され、24日に出向いてきました。

先々週は北陸方面に大寒波が襲来し、大雪との情報が入りました。
開催できるのだろうかと心配していたのですが、どうにか寒気も緩んで電車も平常通り動きました。
ヤレヤレでした。

酒田からは富山県高岡までは7時間を要します。
念のために、前夜は新潟市に一泊して、早朝に富山に向かいました。

高岡駅にお迎えがあり、氷見市の会場に向かいました。
会場が立派なのに驚きです。

JSC北陸支部の高橋克典先生が陣頭指揮で準備され、全国各地から多くの先生方が参加してくださったのには2度ビックリでした。
馬場先生や荒木寛志会長にまでお出かけいただき、恐縮しながらのセミナーでとなりました。

3部門に分けた内容にしましたが、背景には一つのテーマを設けています。
そのテーマとは、「ディスアファレンテーションと小脳環境、そして停滞軸とセンタリングの技法」です。
「ディスアファレンテーション」からみた鎮痛コントロール仮説も、カイロプラクティックからの機序として提示してみました。

夜は、宿泊先の「美岬」に移動、「ブリ大根」での大宴会・懇親会です。
懐かしい邂逅もあり、楽しいひとときでした。
それぞれの部屋では、大勢が集まってミニ・セミナーやら、談話会やらで遅くまで盛り上がったようです。
私の部屋にも、若手のメンバーが数人質疑やら議論にみえて、私もすっかり声がれでした。
楽しい夜を過ごしました。
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部屋からは湊が一望できます。

酒田に帰ったら吹雪。
また冬に逆戻りです。
昨日、今日と雪かきから一日が始まりました。
春がまだ遠い、といった感じです。
セミナーの準備やらで、先週は只々あわただしく過ぎてしまったように思います。
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by m_chiro | 2012-02-28 19:23 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
戦後カイロ界の重鎮逝く
2月22日、戦後のカイロ界を牽引してこられた竹谷内一愿DCが亡くなられたとの連絡が入った。

竹谷内先生はアメリカのカイロ大学を卒業された戦後最初の卒業生である。
卒業後、すぐに日本カイロプラクティック総連盟(JCA)の会長を務められ、日本のカイロ教育の礎をつくられた。

竹谷内先生がJCA会長時代に、私もその会員として、あるいは役員として大いに薫陶を受けた時代があった。とても懐かしく思い出された。

一番の働き盛りに大病され、その後は背後から業界の活動を支援されてこられたと聞く。

カイロプラクティックの教育に腐心され、臨床カイロ学会を開催するなど、業界のアカデミックな活動を牽引されてこられた.

世界的に著名な神経生理学者である佐藤昭夫博士との共同研究を通して、「体性-自律神経反射」にカイロプラクティックの協力を実現させた功績も心に残っている。

カイロの学問的発展を願った人であった。

心よりご冥福を祈りたい。
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by m_chiro | 2012-02-28 19:20 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)



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