カテゴリ:カイロプラクティック( 51 )
2017日本カイロプラクティック徒手医学会
今年の学会は、大型台風に向かって出向き、
帰りは追いかけられて飛行機は欠航、一晩足止めをくいました。
結局、開会終了翌日の昼前に帰路に就くことになってしまいました。
患者さんの予約をキャンセルさせていただくことになり、大変ご迷惑をおかけしました。

それでも興味深い基調講演やワークショップにも学ぶことが出来て、大変有意義な学会でした。
特に、関節の可動を3D画像で解析し運動軸や運動の支点に新たな発見があったこと。
これまで理解されていた常識とは違った関節可動が見えてきました。
また幸田秀樹歯科医師のワークショップでは、「顎口腔系の繋がり」という視点から、
姿勢制御系における興味深い症例を見ながら勉強しました。
そのうえに台風のこともあり、忘れがたい学会となりました。

会場は宝塚医療大学の講堂でした。

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by m_chiro | 2017-10-24 14:24 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
JSC西日本支部セミナー(7.8~9)
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JSC西日本支部セミナー(7.8~9)
熱心な受講を頂き、感謝のほかありません。


「JSC西日本支部&九州カイロ同友会ジョイント・セミナー」
JSC西日本支部と九州カイロ同友会からの依頼で、8日~9日の二日間にわたりセミナーをさせていただきました。

カイロ手技の守備範囲が広くなり、神経や内臓・内分泌など皮膚にブラインドされて組織の奥深くにある器官をターゲットに治療が行われることも多くなりました。
それらの器官をピンポイントで絞り込むことは容易ではありません。
それでもなおかつ効果があがるとしたら、刺激が生体にどのように作用するのかを考える必要があるのでしょう。

カイロの基本的なコンセプトから情報交換という視点で、ブラインドされた器官や組織への対応を試みました。
臨床応用として硬膜管マイナーソフト構造と、経絡系運動ベクトルの指標から調節する方法を主に紹介しました。

運営を担当いただいた田中勝士先生、ジョイントでご協力いただいたJSC&同友会会長・荒木寛志先生のご厚意にお礼を申しあげます。

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by m_chiro | 2017-07-12 17:08 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(3)
カイロ学会(10.15~16)
10月15日(土)~16日(日)はカイロプラクティック徒手医学会が開催されます。
今回は第18回大会で、名古屋での開催となります。
テーマは「ロコモティブ・シンドロームにおけるカイロプラクティックの役割」。
私は役員を辞したので、気軽に参加して勉強に集中できます。
オフィスは臨時休診となりますが、大事な勉強の場なのでご理解ください。


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by m_chiro | 2016-10-12 09:00 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
D.Lungの「自己免疫疾患&アレルギー解消テクニック(L.A.S.T)」を学ぶ
11月23~24日の連休に、Dr.Lungの「LASTセミナ」を受講してきました。

「自己免疫疾患」とは「身体が自分自身に対する無秩序な免疫反応を起こす疾患」(Taber)とされています。
Dr.Lungは、アレルギーや自己免疫疾患に対する薬を使わない自然療法を特化開発した方法を紹介されました。

カイロプラクティックの手法にも、こうしたアレルギー対応の方法論はこれまでも何通りか紹介されてきて、私も多少は学んできました。

Dr.Lungは、アメリカで開業するカイロプラクター(DC)です。
今回はじめて紹介されたDr.Lungですが、Lung先生は自己免疫やアレルギーの無秩序な反応に「特定の規則パターン」を発見したと言っていましたので、とても興味をもって参加いたしました。

自己免疫疾患の大部分はウイルス性で、一部は遺伝性だとみているようです。
そして、特に一般的にみられる7種のウイルスから、その関連する活動性を特定して、ソリューション(解消)するという治療方法でした。

更に、そのウイルスがターゲットにしている身体組織を特定し、併せて反応の解消を行います。
またその関連ウイルスに食品的な補助を与えないように、該当する食品によっては最低5日から3週間の摂取を取りやめるアドバイスが必要なようです。

解消テクニックといっても、方法は実に単純なものでした。
これで…..!?、ホントに?…と思ってしまいます。
身体への情報系の操作なのでしょう。
身体への情報、つまり刺激の入出力は私が心掛けている方法なので、ぜひ応用してみたいと思っています。

このセミナーに出席する前日に「シェーグレン症候群」と診断された患者さんが治療にみえました。
今回のセミナーで期せずして「シェーグレン症候群」に関した知識も学びました。

この疾患は「エプスタイン・バール・ウイルス」が関わるとされています。

エプスタイン・バール抗体は成人の95%に存在する(米国疾病対策センター)が、その中の35%から50%だけが病的な症状を現わすのだが、往々にしてそれは見過ごされているのだ、と話していました。

こうした7種のウイルスのDNAやRNAが体内に残り、疾患が不活発な状態で残留しているのだそうです。
身体内外の条件が揃うと再び活性され、活動性ウイルス症候群として現れるというわけです。
こうした休眠状態のウイルスに対する過敏状態を解消する方法が紹介されました。

興味深いことに、線維筋痛症も「エプスタイン・バール・ウイルス」あるいは「コクサッキー・ウイルス」による自己免疫疾患だと断言していました。



「コクサッキー・ウイルス」は、手足口病のウイルスとして知られていますが、小さな RNAウイルスで腸管系ウイルスの代表的なものとされ、A,Bの2群に分けられているようです。
卵黄に対する過敏性があり、1週間は卵黄の摂取を避けることが過敏性解消に必要だとしていました。

治療は簡単だが、原因ウイルスの特定、ターゲット組織の特定、過敏性食品等の特定など、その分析が重要です。
そして検査はすべて筋力検査における抑制状態で判断されます。
筋力検査はかなりハードな手法を用いていました。
こんなにハードにしなくても分かるだろうになぁ~、と思いながらセミナーを受けていました。

臨床的にどんな変化がでるのか、応用してみたいと思います。
まずは早速、シェーグレン症候群の患者さんに応用するとしましょう。
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by m_chiro | 2014-11-27 12:55 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
PAACセミナーと親しき仲間(9.13日~15日)
PAACセミナーの教材テキスト
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9月15日(月・祭日)は、日本の代表的なカイロプラクティック団体であるPAAC(パシフィックアジア・カイロプラクティック教会)に招かれて、セミナー講師を務めることになった。
AM10~PM4:00まで、正味5時間の講演とワークショップである。
よその会に招かれて、見知らぬ人たちの中で話をするのは緊張する。

前日の13日(土)から14日(日)は、科学新聞社の研修室でトータルボデイバランス(TBB)の仲間が熟練会をやっているというので、そちらにも顔をださせてもらった。
青森の小野先生を中心に、診察・検査・治療・効果確認の手順で技術の錬成をはかる熟練実習である。
その2日間、私は患者モデル役で、皆さんに手厚い治療をしていただいた。
よその会に行くのだから、体調を整えてしっかり頑張ってくるように、という励ましだろう。
治療を受けるのも久しぶりである。
小野先生からは身体の状態を随分と酷評されたが、おかげで生気を取り戻したようである。
親しき仲間というのは、実にありがたい存在である。

セミナー本番では、そのお仲間の一人であるS嬢からスライド係を手伝っていただいた。
テーマは「臨床推論の痛み学」で、1コマ目で痛みの基本的な事項を確認し、2コマ目で実際の症例を素材にして、痛み症状を持つ症例の臨床推論を試みた。

徒手療法には多様な手技がある。
痛みの治療と言っても、多くは身体機能を回復させる手法を用いながら痛みに対するアプローチとする方法が多い。
痛みは「機能因」であるから、機能にアジャストすることは効果的に作用する。
だから方法も一様ではない。

そんな多様で個性的な手法にも少なからず共通項がある。
その共通項とは一体どのようなもので、それは何を狙った手法なのか、それを探るのが3コマ目のテーマだった。
多くの質問もいただいた。

PAACの役員や事務方の先生方には多大なお世話になった。
得難い経験もした。新たな仲間ができたようで居心地もよかった。
酒田在住のカイロプラクティックの大先輩がPAACの役員を務めており、私はこのセミナーで初めてその大先輩にお近づきをいただいたのである。
懇親会やホテルでの朝食などなど、いろいろ気遣ってもいただいた。
おかげで何の不安もなく講師役に集中することができた。
仲間というのは有難い存在だと、つくづく思った。
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by m_chiro | 2014-09-16 17:14 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
関節を鳴らす音(クリック音)に、どんな意義があるのか!?
背骨の関節を捻ったり押したりして、「ボキッ」という音が出る手法がある。
この技法は「マニピュレーション」と呼ばれ、徒手療法の業界では広く使われている。
治療師でもない素人でも、首や腰を捻って素早い動きを与えては、関節を鳴らす人たちもいる。

この関節音は「クリック音」と呼ばれているが、音の出どころには流体力学における「キャビテーション」効果という解釈が行われている。
キャビテーションとは、椎間関節包の内圧が瞬時に(急激に)変化することで滑液の一部が気化し気泡が発生することにある。
そして、気泡がお互いにぶっつかりあって割れると音が発生する、とされている。
要するに、関節包内を急激に圧縮するようにして、関節内の動きをつける操作を行う時に発生する音である。

だから治療操作として行うマニピュレーションには、動きの制限された関節に対して可動させる「目的」を持っている。
マニピュレーションとは、キャビテーションを伴う関節操作のことなのだ。
でも音を出す現象のために行う操作は意味がない。
熟練した治療家が行う関節の可動操作(マニピュレーション)だから意義もあるのであって、クリック音の発生(現象)に意義があるのではない。
マニピュレーション操作の目的と、それに伴う現象(クリック音)を同一視してはならないんのである。
そこには危険が伴うし、弊害も現れかねない。
だから未熟な人がやるべきことではないのだ。

カイロプラクティックでも、マニピュレーションの技術は古くから一般的に行われてきた。
だからと言って、カイロプラクティックとマニピュレーションはイコールではない。
マニピュレーションの技術を全く使わないカイロプラクティックの手法もたくさんあるのだが、マニピュレーションを行う治療家でも、キャビテーションに伴う現象を確認した人は多くはいないだろう。

その実験がYou-tubeに掲載されていた。
「関節が鳴るのは一体なぜか?」(公開日: 2013/08/10)
関節音(クリック音)に、どれほどの意義がないことが見てとれる。
その危険性についても紹介されているが、それはあくまでも意味なく関節を鳴らす行為についての警鐘である。


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by m_chiro | 2014-04-17 19:35 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
謹賀新年2014
明けまして
おめでとうございます。

                           2014年 元旦

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昨年は大変お世話になりました。

拙い記事にお付き合いいただいた皆様、心よりお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

また本年も、変わらぬお付き合いと、ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。


治療室に正月の飾りつけを致しました。
馬の木彫りは、昔々、講師を務めた折、記念に受講生から頂いたものを、午年に因んで一緒に並べました。懐かしく思い出しながら、あの頃の熱も一緒に引き出したいものです。
背景の扇面に書かれた短歌は、私には曰くのもので昨年額に入れました。
曰くについては、後日、記事にしておきたいと思っております。

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by m_chiro | 2014-01-01 11:49 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
2013カイロ学会・リポート
「日本カイロプラクティック徒手医学会」(11.9-10)が開催された。
テーマは「徒手療法の役割」である。
今年の学会でも沢山の刺激を頂いた。

外部からの招待講演の人選とその内容も、今学会の一貫したコンセプトを窺わせるものだった。
山口創先生(桜美林大学心理学・教育系 准教授)の基調講演「皮膚と心~「第3の脳」としての皮膚の役割」を切り口として、山本義春先生(東京大学大学院教育学研究科 教授)の特別講演「生体のゆらぎとその役割」へと続く。

山口先生は、皮膚を単なる自己と外界を分ける被膜ではないとみる。
皮膚は心の発達や快適な人間関係を構築する入口なのだ。
そしてオキシトニンの作用によって身体に自己治癒能力が高められ、ヒト機能の恒常性を維持している、とその仕組みを読み解いてみせてくれたのである。
皮膚を通した刺激は、脳との緊密な関係性があるのだ。

では、その皮膚に与え得る刺激と役割とはいかなるものであるか。
山本先生は「確率共振」という現象の概念から、その役割を説いた。
どのような刺激が生体系のゆらぎをもたらすのか。
その生体のゆらぎには、どのような機能的役割があるのか。
刺激とその機能的影響について、自律神経系、姿勢運動制御系や五感などにみる役割について実例を挙げて解説してくれた。

ワークショップは「臨床機能神経学」である。
カリフォルニアで開業する吉沢公三(D.C.)先生によるカイロプラクティック神経学を紹介する講演である。
ヘミスフェリシティーという用語は、左あるいは右の脳機能が低下することのようだ。
左右の脳機能は、決して独立して存在しているものではなく常に情報の交流がある。

ところが、ヘミスフェリシティーが起こると、様々な身体の不調現象が起こる。
それは筋骨格系の諸々の障害に結びつくだけでなく、自律神経症状や他の機能的疾患、精神科領域の疾患にも結びつきやすい。
そのことを証明するように、発達障害のケース・スタディとして治療記録を披瀝してくださった。

機能神経学を応用した検査と治療は、従来の概念を一変したものであった。
とかく、治療者の関心は治療手技の手法に関心が向く。
吉沢先生は、何のための(手技・刺激の目的)、いつ、どこ(身体部位)に刺激を入れるか、という身体から脳に向かう情報伝達の神経ルートを考慮して刺激を送る。

その刺激はカイロプラクターが用いる手法と何ら変わるところはないが、神経系のルートを考慮した入力法である。
その後に刺激が身体機能にいかにフィードバックされたかを確認する。
良い結果がうまれたら、個々に独自のプログラムを作成して在宅エクササイズを処方する。
その成果を治療室で確認しながら、進めるというものであった。
ここでも神経系のルートを考慮した刺激の目的論が重視されていて、いろいろな意味で治療の概念がシフトしているのを感じたワークショップであった。

パネルデスカッションでは「臨床の落とし穴」がテーマである。
落とし穴に嵌まった症例、印象に残る症例などをパネラーが出題し、「ケース・カンファレンス」の手法で臨床推論しながら進める手法である。

「ケース・カンファレンス」は、とかく徒手療法の業界では疎んじられている。
しかし、こうした臨床推論のあり方は見立てや症例の考察に活かされる。
要するに、技術論ではなく、何のために、どう対応するか、といった吉沢先生の紹介されたケース・スタディに通ずる訓練ができるのだ。
c0113928_2359788.jpgケース・カンファレンスは、私が所属する「九州カイロプラクティック同友会」で20年以上も継続してきたCCR(ケース・カンファレンス・リポート)の発展型として採用された。

私もCCRの改良に協力させていただき、また今回はパネラーとしても参加した。
時間が足りず押せ押せで終了したが、CCRに関心を持つ人が少なからず出てきて嬉しい企画であった。
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懇親会では、旧知の先生方と飲みながらの談笑。楽しい夜を過ごした。
刺激的な学会だったなぁ~!
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by m_chiro | 2013-11-15 00:07 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
「ペイン・スケール」は「痛み評価」の記録に必携のツール
今では、痛みの評価が必須のバイタルチェックになりました。

臨床の現場では、数値評価法(NRS)が簡便に使われているようです。
NRSは「痛 みのない」状態を0として、「耐え難い痛み」10までの間の数字から、患者さんが数字で表現する方法です。
しかしながら、患者さんの好みの数字が選択されたり、あるい は忌み嫌う数字が避けられたりすることがよくあり、個性や文化・環境が色濃く反映されやすい欠点があるとされます。

今回、江崎器械株式会社(http://www.esaki.biz/)の新商品「視覚的アナログスケール(VAS)」 は、その欠点をカバーするスケールでもあります。
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              (スケールの面面と商品ケース)

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(スケールの裏面には、検者が患者さんが示したポイントを数字で評価するようになっています)

VASは患者さんに数字で評価してもらうのではなく、ペインロードのどの地点に自分の痛みがあるか、患者さんが示した地点を検者がスケール裏面の数値で評価します。

できるだけバイアスを取り除き、より正確な主観的評価法して痛み記録のツールに活用できれば、臨床上の評価にも反映されることでしょう。

二回目以降の評価では、患者さんが前回に示したポイントからはじめると、患者さんは自分の痛みの状況をその時点で再認識することにもなるようです。
とかく人間は過ぎ去ったことを忘れがちですから….。

また、江崎社製のVASスケールは、患者評価側に顔マークが両端についており、子供や高齢者にも一目でペインロードの善と悪の方向が理解できるようになっています。

このスケールは我々の臨床における「痛み評価」の記録に必携のツール です。
お勧めします。

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by m_chiro | 2013-08-02 08:45 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)
「カイロプラクティック・コンセプト」ひとり語り(3)
「カイロプラクティック・コンセプト」ひとり語り(3)続き
3.D.D.パーマーの素性②


ガルの「骨相学」は怪しい理論ではあったが、19世紀ヨーロッパの科学界まで巻き込んで普及していく。
この理論が出てきた背景には、当時、人種や性別や民族性による優位性と序列の説明に比較解剖学を利用しようとした風潮があったようだ。
こうした民族や人種の優位性を社会的・政治的に牽引する背景は、医科学の領域にまで及んでいた時代だったのだろう。
それがどのようにしてアメリカに普及し、そしてD.D.は「骨相学」に何を学ぼうとしたのだろうか。

骨相学は比較解剖学を踏襲した理論として普及したわけではなかった。
観相学や心理学の要素を取り入れてアレンジされたのである。
次第に似非科学の意味合いが一層色濃くなって、その観相・心理的な流行がより顕著になるのはアメリカにおいてである。

その切っ掛けとなったのが、骨相学の創始者であるガルの弟子・シュプルツハイム(1776-1832)による全米講演ツアー(1832)である。D.D.が生まれる十数年前のことであった。
シュプルツハイムはアメリカ講演行脚の途中にボストンで亡くなったが、彼の死に影響されることなく骨相学は普及していく。
ボストン医学会なども骨相学を評価し、称賛したと伝えられている*)。

そのアメリカで、骨相学をより大衆的に普及させたのがファウラー兄弟だった。
彼らはニューヨークで骨相学を広めるためのビジネス会社を立ち上げ、機関誌の発行やブック商法などを媒体として大衆向けに事業として展開していく。
頭蓋の特徴的な観相をパターン化し、「心身の健康法」を広めていったのである。

こうして骨相学は科学的思考から頭蓋の観相とパターン化に応じた能力や心理、思考、知性、性格診断、職能適正などを結び付けて、占い的商法の理論になったのではないかと思われる。
本の売れ行きも「骨相学」の人気を裏付けるものであった。
骨相学が似非科学とされて、表舞台から消えた今でも信奉者はいるらしい。
1934年のシカゴ万博では、骨相学の計測機械が20万ドルもの値がついたというから、隠れた信奉者の存在は確かなのだろう。

脳の局在的機能という視点からみれば、骨相学は正しく発展させる意義を持ってはいたのだろう。
しかし当時は脳研究の基盤も不備であり、ヨーロッパの骨相学者は「脳器官の構造」、「精神機能」、「頭蓋の形状」を恣意的に結び付けてしまった感がある。
それとは対称的に、形態と体質や気質の研究を行ったエルンスト・クレッチメル(1888-1964)は、精神疾患などの関連性について医科学に功績を残している。

さて、D.D,が骨相学に何を求めたかは分からない。
D.D.が残した文献には、骨相学からの影響を窺わせる内容も見当たらない。
ただ、人骨標本のコレクションには尋常ではないマニアックぶりであった。

私がパーマー・カイロ大学を取材したときに(1990)、大学付属図書館に陳列されていた、
そのコレクションを見せてもらった。
以下の写真は、その時に撮影したもの。これらコレクションはアメリカ医師会(AMA)調査団によって「まぎれもなく、現在最高の人骨コレクションである」と評価されている。
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D.D.は、E.クレッチメルのように、骨形態と精神気質や病気との法則性を真摯に求めていたのかもしれない。

D.D.は医学の学歴を持っていなかった。すべては独学であり、その勉強の深さや幅を窺わせる蔵書もパーマー大学付属図書館に収められている。
その独学の人がカイロプラクティックを創世し、今では多くの国で医療に組み込まれるまでになったのである。

もうひとつ、D.D.の素性を語る上で避けて通れないこと、それは「マニピュレーション」を学んだことである。このことは項を改めて紹介したい。


*)骨相学とアメリカ社会での影響については、小川正浩氏らの調査に概略紹介されている。
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by m_chiro | 2013-07-12 16:01 | カイロプラクティック | Trackback | Comments(0)



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