カテゴリ:膜系連鎖( 6 )
トリガーポイントなどの鎮痛に介入する現象って何だろう?
[ある症例から]
右臀部から足首までの下肢痛を訴えて、中年の婦人が治療にみえた。
睡眠中も度々痛んで目覚め、下肢を伸ばしていても痛みが起こる。
3日前から急に痛み出した。思い当たることもない。

どこか悪い病気だろうか、と不安げに聞いてくる。
患部を上にして側臥位にさせ、その痛みがどんな動きで起こるのか、脚の運動をさせてみた。
伸展と外転の動きで特に顕著である。
中・小殿筋からTPを探って、押圧するとジャンプ兆候の関連痛が起こる。
中殿筋と小殿筋にそれぞれ一か所ずつトリガーポイントがあった。

それぞれのポイントの深さに到達するまで感覚を差し込み(押力で入り込むのではなく)、その硬い部位に手の感覚が届くと、そこから動きがリリースされる方向に感覚を向けて待つ。
すると組織の同調作用が起こる。あるいは拍動が起こって、その後にフニャッと動き出す。
グリグリと揉むわけではない。
停滞した深部の組織が動き出す方向に感覚意識を向けているだけである。
これでもう一度、脚を動かしてもらう。
「アレッ、痛くない!」。

これは悪い病気ではなく、「筋・筋膜性疼痛症候群:MPS」という病態であること。
筋線維がダマのようになって、そこがトリガーポイントとなった下肢の方まで痛みが飛んで行く関連痛が起こること。
そんな説明をしていると、「トリガーポイントって、この間テレビでやっていました。このことなんですか。テレビでは鍼をしていたけど、触っても治るんですか?」
私はただ触っているわけではなく組織の干渉を引き出しているのであるが、揉んでも、押しても、鍼でも、トリガーポイント注射でも、いろんな方法が使われている。

でも即興的に痛みが消えたからといって、この病態は侮れない。
筋・筋膜の問題は動きによる負荷でまた痛みやすくなるからだ。
問題が発生するような反復する動作や、身体機能のアンバランスに注目して、在宅でできるストレッチやマッサージを指導することも回復に役立つだろう。

「SPINE」に、こんな報告がある。
“A Prospective, Randomized, Double-Blind Evaluation of Trigger-Point Injection Therapy for Low-Back Pain.”
「腰痛へのトリガーポイント注射療法の前向き無作為化、二重盲検評価」(ジョージ·ワシントン大学医療センター)

4週間の保存療法の後に、残存した63人の腰痛患者を対象にしたトリガーポイント注射治療の有効性を無作為化、二重盲検によって評価した論文である。
4つの異なるタイプの手法で評価している。
①はリドカイン注射、②はリドカイン&ステロイド、③は鍼治療、④冷却スプレーと経絡圧、である。結果、4つのいずれもが同程度の有効性を示した
要するに、トリガーポイントに直接機械的刺激を行っても同等の症状の緩和をみたわけで、注入薬物が重要な要因ではない、という結論である。

もう一つ「ランセット」からの報告。
“A control, double-blind comparison of mepivacaine injection versus saline injection for myofascial pain.”「筋・筋膜痛のための生理食塩水注射とメピバカイン注射によるコントロールの二重盲検による比較」

急性の局所的筋痛のある28人に0.5%メピバカイン局所注射を行ったグループ。
同タイプの症状を持つ別のグループ25人に対しては、同量の生理食塩水注射を行った。
その二重盲検比較によると、生理食塩水注射を行ったグループでは最初の注射の後の緩和がより多く見られた。
しかしながら、両群に有意な差はなく同様の緩和がみられている。
痛みが緩和する可能性を考えると、単に局所麻酔薬とは考えられない。
もしかしたら、注射針を刺入することで、痛みの緩和が起こるのかもしれない。

薬物の副作用の可能性を考慮すれば、生理食塩水は局所麻酔薬より適した流体と考えられる。
そう結論付けている。

さて、いったいトリガーポイントや筋・筋膜の障害による鎮痛・緩和にどんな作用が介在するのだろう。
機械的刺激も刺激の強度に関係なく、皮膚接触から強刺激まで様々な手法があり、それぞれが効果を上げているという。鍼では深部の組織に直接的に介入する方法もあるようだ。
注射も局麻剤でなくても、生理食塩水でもいいらしい。
要するに何でもありの様相である。

そこには何か共通する条件があるに違いない。
それを探りながら、私は今、細胞の流動性(フロー現象)に関心を持っている。
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by m_chiro | 2015-07-23 15:58 | 膜系連鎖 | Trackback | Comments(8)
特異点としての膜系(「虚実皮膜論」から)
膜系理論と治療の力学❶「虚実皮膜論」に思う

江戸時代前期に活躍した近松門左衛門(1963~1725)は、人形浄瑠璃・歌舞伎の作者である。
恋愛ものの結末は、ハッピーエンドか悲劇と相場が決まっているが、そんな中で近松文学では「心中」という結末を持ってきた。
これは悲劇なのか、それとも幸せの極みなのだろうか…。

観劇する側から見れば悲劇ではあるのだが、心中者の立場に立てば「幸せ」の極みなのかもしれない。
恋愛ものの結末に、もうこれ以上のシチュエーションは思いつかないのではないだろうか。
そんなことを思いながら小説を読み漁っていた若い頃に、三島由紀夫の小説に出会った。

一途な想いを自分の脳の中で作り上げている人にとって、実はそれも虚像なわけだが、三島文学の主人公にとっては、それこそが実像なのだ。
その像の対象が女性であれ何であれ、その想念の像が崩れていく、あるいは壊れていくことは、それを所有している脳には許しがたいことなのだろう。
したがって想念の像(本人にとっての実像)が虚像になってしまうことに歯止めをかけない限り、自分の憧憬や理念さえも保てなくなってしまう。

そこでどういう決着をつけるかというと、自分を抹殺してしまうのである。
脳を殺してしまうのだ。
そうすれば、自分の脳内の像は理想の実像のままで永遠に生き続ける。
そう考える。
そして自決する。
「金閣寺」の主人公は、美しいままの理想の姿を脳内に留めておくために金閣寺を燃やしてしまうのである。
そんな決着のつけ方は、近松以来の衝撃的な結末だった。

余談が過ぎたが、さて近松門左衛門の芸術論は「虚実皮膜論」というものらしい。
近松からその芸術論を聞いたという穂積以貫という人が、「難波土産」に記録として残している。
「虚」とは実体のないもので、嘘偽りの類である。
「実」は真実という実態を持っている。

芸や創作の面白さというのは、この「虚」を包み込んだ皮膜と、「実」を包み込んだ皮膜のはざまにこそある。そういうことらしい。

この譬えは、とてもおもしろい。
私は「現象」「潜象」という分け方をしている(『「現象」と「潜象」の相関にかかわる仕組みがありそうだなぁ~』)。
症状を持つ実態を「現象」(虚)とすると、現象には超越的な存在根拠として隠れた実態(実)がある。
つまり「潜象」である。
この現象と潜象をつないでいるのが、「皮膜」ならぬエネルギー系としての「膜」の存在ではないだろうか。
近松流にいうと「潜現皮膜論」ということになる。

現象が「虚」なのか、あるいは「実」なのか、それすら判然としないものもある。
芸術論的には、そこに面白さがあるのだろう。
身体の治療も、そこが面白い!
この潜象と現象(虚実)のはざまの「膜系(皮膜)」が、特異点として作用しているといってもよさそうだ。
そして特異点は変化をもたらす。

はじめて人体解剖実習を行ったとき、もっとも印象深く残ったのが膜系、皮膜系の見事な存在だった。
神経系や脈管系も皮膜され、膜系は身体をくまなく繋いでいた。
そして今、「エネルギー系としての膜系」という言葉を反芻しながら、膜系の魅力に思いを馳せている。
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by m_chiro | 2015-05-22 16:07 | 膜系連鎖 | Trackback | Comments(6)
身体機能の連鎖は面白い
先日、終了間際にギックリ腰になったと言って突然みえた女性の患者さんがあった。
なんでも、両手に荷物を持って階段を昇って行った際に、腰にピリッとした痛みが走ったのだそうである。そのまま会議に出て座っていたら次第に具合が悪くなり、立ち座り、歩行も辛くなって、そのまま直行してお見えになった。

運動分析では、前後屈で痛みが腰仙部を横に広がる。左腰部の筋のトーンは低下していて、左右差が明らかである。左腰腸肋筋の損傷のように思えた。左の腹斜筋も緊張度が低下している。骨盤反射も前方と後方で異常だった。筋線維の損傷が大きければ腫れや熱感があるだろうが、そんな徴候はみられない。おそらく浅筋膜の障害だろう。

ギックリ腰は、睡眠後に起きるのが辛くなりやすい。だから、痛まない動きを出来るだけ行うことが望ましい。だからと言って、やたら意味のない刺激を与えることも好ましくない。カイロプラクターがよく行うマニピュレーションは、こうした患者さんに用いると大抵は余計に悪化させてしまうことが多い。このことは、近年のカイロプラクティック理論で提唱されている「デスアファレンテーション(求心性入力不全)理論」によっても理由づけられる。侵害刺激が過剰になり、圧・動き刺激が減少すると、入出力のコンビネーションの悪化が痛みを増強させるのである。すると筋スパズムが起こる。交感神経の緊張も亢進して自律神経症状も発現する。デスアファレンテーション理論は、この入出力信号のコンビネーションに注目しているのである。

この患者さん、治療後には痛みも半減したようだが、左腰部の筋群は相変わらず緊張度が低下したままだった。何故だろうかと思いながらも、取り敢えず注意事項を指示して明朝もう一度みることにした。

翌朝、「痛みがなく起きれた」と言って再診にみえた。
どれどれ...と思いつつ触診すると、緊張度の低下した左腰部の筋は相変わらず低下したままである。それでも立ち座りや歩行も8割方は大丈夫らしい。だから慎重に動けば大した問題はないのだそうだ。

そこで、特に痛みを感じる動作などはあるのか、悪化因子を聞いてみた。
「右手を伸ばして物を取るような動作で痛む。左手を伸ばすのは何ともない」と言う。
そこで再現させてみた。確かに右手を伸ばすと腰仙部に痛みを感じるようである。

そう言えば、「荷物を両手に持って階段を昇っていてギックリ腰になった」と言っていたことを思い出した。大胸筋を触診すると右の大胸筋鎖骨部に強いジャンプ兆候の圧痛があり、それは右乳房下部へ跳ぶトリガーポイント(TP)である。右肩甲骨内側部にも圧痛がある。そして右胸郭は固着したように可動性をなくしている。
腰部にばかり気を取られて、見逃していたようだ。
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右の胸郭の固着が大胸筋TPを作ったのか、あるいはその逆かはわからない。が、こうした胸郭の片側の固着が、対側の腰部や腹部の筋群を代償して緊張度を低下させたのではないかと推測された。

そこで左胸郭部のTPをリリースすると、固着した胸郭が動き出し、併せて対側腰部(左)の筋群の緊張低下が戻ってきた。
今度は右手を伸ばしても腰への痛みが起こらなくなった。

身体機能の連鎖は本当に面白い。
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by m_chiro | 2011-02-28 12:12 | 膜系連鎖 | Trackback | Comments(4)
身体の歪みは必ずしも矯正すべきだとは限らない
解剖学者の故・三木茂夫先生の書き残された論文には、これまで大いに啓発されてきた。
例えば、生の原型について書かれた「宇宙の根源現象」には「らせん」と「リズム」に関する記述がある。
このことを初めて洞察したのはゲーテらしい。

朝顔の茎が支柱にらせんを描いて巻きつく様。杉の古木のらせんの溝(ほとんど左巻き)。
植物の葉がらせん状に次々と飾りつける様。花弁の渦巻き。
発芽の連続写真では芽の先端がらせんを描きながら真直ぐに成長する様。
大動脈壁にみる線維のらせん。無髄神経に見るらせん。
血管に腸管、尿管に卵管、精管に臍の緒など互いに交差したらせんの層線維。
羊の角、マンモスの牙などなど。DNAもらせん構造だ。
これは生き物だけに留まらない。台風の渦、ジェット気流、渦潮に素粒子のスピン運動などなど。

身体を見ても、やはり「らせん現象」としての捻じれや傾斜が観察できる。
大なり小なり捻じれの見られない人は、先ずいない。
急性の痛みを訴える人、例えばぎっくり腰になった人などには、特に顕著に捻じれや傾斜がみられる。
だからといって、捻じれや歪みを特別に問題視することなどない。
問題にすべきは痛みであって、歪みや傾斜ではないからである。
だから、代償された歪みは、痛みが消えれば戻ることが多い。
身体に見る「らせん」の歪みは生き物の原型なのだから、右巻きの「らせん」現象だろうが、左巻きだろうが、すべては代償作用に従っている。

従って、身体の捻じれ現象を抱えている人でも、特別な問題もなく健康に過ごしている人は沢山いる。
では、身体の捻じれ現象は全く問題がないのかと言えば、そうとも言えない。
それは「生の原型」としての代償する捻じれパターンが、壊れているタイプである。
このタイプのらせん現象は、「生の原型」であるべき補正のパターンを作れていない。
非代償性の歪みパターンである。したがって、この「非代償性タイプ」は痛みや不調を引き込みやすい。

そこで何をすべきかと言えば、本来の代償性の「らせんパターン」、補正作用としての「傾斜パターン」に戻してあげればいい。
どこでその補正パターンが崩れたか?
それが分れば、そこを補正パターンに歪めてあげればいい。
ぎっくり腰で傾斜した身体を、なまじ矯正したりすると動けなくなることがある。
これは補正作用を取り除いた行為の結果だからであろう。

長年、人の身体を観察して、この「らせん構造」に築いたドクターがいた。
三木先生が言う「生の原型」と、同じ観察を身体に見つけたわけである。
オステオパシーのゴードン・ジンクD.O.である。
アイオワ州のデモイン・オステオパシー大学で教鞭を取りながら、生涯の大半を筋膜の研究に費やしたとされるドクターである。
そして、健常者の「代償性らせん&傾斜のパターン」と、病的な「非代償性パターン」を分析している。
代償する部位も決まっていることに気づいた。
つまり、後頭骨-環椎-軸椎部位、胸隔膜、横隔膜、骨盤隔膜の4部位に注目している。
補正作用が、どの部位で崩れたかを分析すれば、治療のターゲットを絞り込める。
本来の補正パターンを再現できれば、身体は自ら修正方向に作用する、と言うわけである。

私はこの原理を参考にして、治療に生かしている。
力学的介入はほとんど行わない。刺激の入出力による学習能を利用している。
それでも残された非代償性パターンがあれば、そこで初めて力学的な介入を行っている。

身体の歪みは真直ぐに矯正すればいい、と言うわけでもないのである。
本来が「代償性パターン」で当たり前なのである。
この代償性を壊したら、身体は不調になる。原型に戻せば本来の機能を保ちやすい、と言うことにもなろうか。
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by m_chiro | 2009-06-11 22:37 | 膜系連鎖 | Trackback | Comments(2)
筋膜は「へちまたわし」のイメージ
筋組織はいくつもの合胞体構造になっていて、一般的な細胞体構造とは違っている。
この筋組織には結合組織と呼ばれる支持構造があり、これが膜系の仕切り構造を作っている。
一本一本の筋線維は筋内膜で包まれ、それらのいくつかは筋束となって筋周膜で仕切られている。

その筋束の集合は筋上膜で包まれて固有筋を作り、他の固有筋と分けている。
これらの筋膜は固有筋を束ねて更に腱に合流する。それらが合成されて骨膜になり、更にまた違う筋肉に移行して行く。
これらの筋膜組織は膠原線維と考えられており、体性神経線維が分布している。
Aδ、C線維のグループⅢ、Ⅳの神経である(Lloyd-Huntによる神経線維の分類 )。交感神経も含まれている。
こうした膜系の連鎖は固有筋の概念と違った構造体として、支持機能と運動機能、情報網として作用しているのだろう。
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この筋肉の膜構造を眺めていると、「へちまたわし」のようだ、と思えてくる。
身体の頭頂から足の先まで、その表層から深層へと、筋膜は「へちまたわし」のように筋肉や血管、神経を内包しながら全身を包み込んで多重構造による支持組織のイメージが湧いてくる。
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                    「へちまたわし」

この前の記事(1月21日「B.フラーとT.ヤンセンに膜系連鎖を学ぶ」にsansetu先生がコメントを寄せてくれた。武道の流派の動きを引用してヤンセンのロボットの動きを評しいる。

支点・力点、作用点の流動と固定を同時進行で行なう技術がありますが、このロボットの動きとよく似ています。支点が流動するので相手は何をされているのか分からなくなります。

このコメントは有り難かった。コメントの中で、「支点が流動する」という表現は筋膜リリースの手法のコツだと感じた。

一般的に固有筋のストレッチは、その筋の起始あるいは停止(関節)を固定して伸張させる作用点を作る。
ところが筋膜のリリースでは支点が流動する。つまり固定することはしない。
かといって支点がないわけではなく、支点が変化する。つまり支点は流動するのである。

筋膜が持つ伸縮性と弾性それに神経系の情報ネットワーク網は、徒手治療が果たしている役割も多いにちがいない。
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by m_chiro | 2009-01-27 16:27 | 膜系連鎖 | Trackback(1) | Comments(4)
B.フラーとT.ヤンセンに膜系連鎖を学ぶ




08.1.22の記事歪みのニューモデルで、身体のテンセギリティー構造について触れた。

テンセグリティとは、張力(tension)と統合(integrate)を組み合わせた造語で、リチャード・バックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller, 1895年7月12日 - 1983年7月1日)がその概念を広めたものである。
フラーは、アメリカのマサチューセッツ州出身の思想家、デザイナー、構造家、建築家、発明家、詩人として多才で天才的な能力を発揮した人である。

さて、このテンセグリティーとは圧縮力と張力という相反する力でバランスさせる、構造的安定の自己調節系とでも言えるだろうか。
今では身体治療には欠かせない概念でもあるだろう。

この概念から身体構造をみると、どうしても支持構造を(実はそれさえも張力としての作用もあるのだが)結ぶ筋膜系に思いが行き着いてしまう。

ハーバード大学医学部のイングバー博士(Donald.E.Ingber)は、生物の構造を生み出す基本原理こそが「テンセグリティー」だ、と主張している。
博士の論文である「生物のかたちを決める力」の一節が、そのことを納得させる。

人体の要素は、分子から骨、筋肉、健にいたるまで、まるで自然が選んだとしか思えないほど基礎構造にテンセグリティーを利用している。たとえば、私たちが腕を動かすとき、必ず皮膚が伸び、細胞外基質が伸張し、細胞が捻れて、細胞内骨格を形成する連続した分子が張力を感じとるわけだが、細胞や組織がちぎれたり、連係が途絶えたりすることなくこれらの現象が起こる仕組みは、テンセグリティーでしか説明できないのである。


テンセグリティーという概念から身体をみると、どうしても筋・筋膜系の連鎖という仕組みに注目せざるを得なくなる。

さて、冒頭で紹介した動画は風を動力にしたロボットである。
その製作者であるヤンセンの個展が、アジアでは初めての開催となった。
「テオ・ヤンセン展」

このヤンセンのロボットの動力は風である。だからエンジンも電脳もない。
だけど、その動きは実に繊細である。
一般に見られる関節構造だけのロボットのようなギクシャクした動きではない。
ヤンセンのロボットはテンセグリテイーの応用なのだろう。

身体の巧妙な動きを演出しているのは、やはり膜系の連鎖にこそあるように思える。
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by m_chiro | 2009-01-21 19:57 | 膜系連鎖 | Trackback(1) | Comments(5)



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