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「カイロ動態学」ワンポイントMEMO ①亜脱臼とサブラクセーションの違い?
「亜脱臼(サブラクセーション)」とカイロプラクティックの「サブラクセーション」は、どこが違うのだろう?

カイロプラクティックにおける「サブラクセーション」の用語は、カイロの根幹をなす重要な概念を含んでいる。それでもカイロプラクティック百数十年の歴史の中で、「サブラクセーション」は多くの関係者によって色づけされ、意味づけされてきた。
そのため同義語の数も100を下らない1)。
中には「サブラクセーション」という用語をカイロの概念から排除しようとする極論もある2)。

カイロプラクティックが日本に伝わって、最初に受けた受難もやはりサブラクセーションの訳語だったのかもしれない。
当時、日本でカイロを紹介した先駆者たちは、サブラクセーションを外科領域で用いる「亜脱臼」と訳したのだ。
医科系の用語に従えば、確かに「サブラクセーション」は「亜脱臼」と訳されている。
だから英語圏では当然、「亜脱臼」の意味で使われている。さてさて困ったことだ。
私も初学の時代、「亜脱臼」という訳語でサブラクセーションを習った。
カイロの「サブラクセーション」は、外科領域で用いる「亜脱臼」と同義語なのだろうか。

関節には、いくつもの種類がある3)。
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外科領域で起こる亜脱臼(サブラクセーション)は、図のような関節に起こる損傷を意味している。
ところが、カイロラクティックは脊椎にみられる椎間関節の問題を取り上げて、それを「サブラクセーション」と表現した。
椎間関節は、「平面関節」の関節種類に相当する。
この関節には、亜脱臼は起こりにくい。

平面関節は、二つの椎間関節面が平面的で相互にずれように動く運動を行う。
頸椎は7つの椎体がつながっていて水平方向や回転運動が可能ではあるが、亜脱臼や脱臼を起こすような外力が加われば骨折を伴う損傷になりかねない。
ましてや仙腸関節は不動関節とみられている。
したがってカイロプラクティックの「サブラクセーション」は、脊椎や仙腸関節に限定した現象を想定しているわけで、椎間関節の亜脱臼を考慮に入れているわけではない。
それでもカイロプラクターは、脊椎のみならず身体に300ほどある関節すべてをアジャストの対象とする4)。
だから、脊椎に限定的したアジャストをしているわけでもない。

いったい、カイロプラクターがアジャストする関節の現象とはなんだろう。
そこに「アブラクセーション」の本来の意義があるのだが、ややこしい用語を採用したものである。
だから、この用語を排除しようとする動きも消えないのだろう。

1)「カイロプラクティック サブラクセーション」メリデル・ガッターマン原著、2003エンタプライズ刊
2)「カイロプラクティック・コンセプト」ひとり語り(1)http://mchiro.exblog.jp/19647615/
3)「人体解剖学」藤田恒太郎著、南江堂、2009改訂第42版
4)「エッセンシャル・カイロプラクティック・哲学」バージル・ストラング著、1997、科学新聞社刊
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by m_chiro | 2015-11-13 12:33 | 動態学 | Trackback | Comments(0)
だから、骨じゃないんだって!
「肩こりは頚椎X線で“みえる”のか」
頚部症状とX線所見との関連についてはいまだ議論が続いているが、弘前大学整形外科の熊谷玄太郎氏らは地域住民762例を対象とした調査において、その関連を評価した。その結果、男女とも頚椎の矢状面アライメントは頚部症状と関連していないことが示されたが、女性においては頚椎の変性変化と頚部痛強度との関連が有意であったことを報告した。(Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2014年2月26日の掲載報告)

弘前大学整形外科の調査から、Care Netの「肩こりは頸椎X線で“みえる”のか」の記事。
その結果は、X線写真にみる頸椎矢状面アライメントと頸部症状は関連していない、ということ。

だから、問題は骨ではないんだ!

そんなことは既に明らかなのに、いまだに臨床の現場ではその単純な因果論が俎上に上がる。
医学は解剖学の発達と並走するように進歩してきた学問だから、解剖学的に診ようとする習性がつきまとっているのだろう。

この調査も、「女性においては頚椎の変性変化と頚部痛強度との関連が有意であった」と結んでいる。
どうしても、その因果論が気になるようだ。

医学は、あくまでもヒトを身体という閉鎖されたシステムの中で捉えて診ようとする。
ところが実際のヒトは、人間関係や社会的あるいは環境的要因と共存する開いた系である。
だからヒトを閉鎖系の中に捉えている限り、ヒトの持つすべての症状を証明することなどできないのだろう。

こんなことを言うと、「骨の変性変化と症状の関連はゼロではないだろう!」、と小児病的に「全か、無か」を盾にしようとするかもしれない。
でも問題とすべきは、「脊椎の変性変化と疼痛強度との相関」がセントラル・ドグマになっていることなんだ。
だから、そうした関連性が「ゼロか、ゼロでないか」なんて、大した問題ではない。
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by m_chiro | 2014-03-25 08:39 | 動態学 | Trackback | Comments(0)
「二関節筋」を意識したストレッチ
私は患者さんへの在宅エクササイズをよく指導する。
これは正しい運動機能を学習させるだけではなく、自ら治そうとする意欲や管理意識を自覚させる意味も持っている。
ここ数年、「二関節筋」という概念を取り入れた運動やストレッチングを多用するようになった。

「二関節筋」の特性に気づかされたのは、実はロボット工学関連の著書である。
人型ロボットを創ることを目指した研究者たちが、ぶつかった問題。
それはヒトのようななめらかな関節の動きを作り出せないことにあったようだ。
そこでヒトの運動生理に答えを求めたのであるが、どうも関節が動力源ではないということに気づいたらしい。問題は、神経生理学の運動制御がテーマである。
ところが工学系の用語にあるのは「電動機制御」だという。「motor」と「motion」の制御の違いであるが、進化的にみると陸上の脊椎動物の特徴は「二関節筋」にあったことに気づくのである。今では、リハビリテーションの教育や臨床の現場でも「拮抗二関節筋の力学」が応用されつつある。

次の論文でも、二関節筋の概念的特徴が述べられている。
協調制御モデル(熊本水賴著)」

「二関節筋」は古くから知られた哺乳類から両棲類に普遍的に存在する筋肉である。ところが二関節筋は、両端の一関節筋群と協調活動をする。論文では、「ヒトや動物特有の四肢先端に於ける出力制御・剛性制御・軌道制御に貢献していることが理論的、実験的に明らかになった」と評価している。
しかしながら、二関節筋による四肢出力特性や運動制御特性への関わりが理解されているとは言い難い。

個人的な研究会参加やカイロプラクティック徒手医学会の活動を通じて、愛知医科大学の熊澤孝朗先生の研究室とお付きさせて頂いたご縁があった。
研究室の山口佳子先生からは、「筋学や関節疾患に関心があるようでしたら」と、愛知医科大学の丹羽滋郎・名誉教授をご紹介頂いた。
その時、熊沢先生が臨床家との交流をとても重要視して、研究に活かしておられたこともお伺いしたのであるが、丹羽滋郎もその中のお一人だったようである。
丹羽先生は人口膝関節の権威であったが、現在は愛知医科大学の運動養育センターの参与を勤められて筋学の普及に取り組んでおられるようである。

早速、丹羽滋郎先生のご著書「メディカル・ストレッチングー筋学からみた関節疾患の運動療法―」を取り寄せて読んだのだが、驚いたことに「二関節筋」の重要性がこの本の執筆の動機になっているエピソードが語られていたのだ。
関節疾患を筋学から見直したというのである。これまた何という因縁だろう。
今では、この本が私の在宅エクササイズの種本になった。
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丹羽先生は「暮しの手帖」に長年にわたり「医学・健康ページ」に執筆してこられたようである。その中に次の一文がある。

腰痛や肩こり解消の鍵は、「筋肉」と「脳」にあります。筋肉は運動器のひとつですが、整形外科の教育のなかでも、筋肉のことを学ぶ機会はあまりなく、日常の診察で、骨や関節ほど重要視されてきませんでした。そして、日本の整形外科医の関心は、欧米に負けないレベルで、いかに的確な手術をするかということでしたから、画像にとらえやすい骨と関節の障害に、もっぱら注目してきたのです。そんな傾向が、慢性腰痛や肩こりに、五十肩という、ありふれた整形外科の「病気」に、これまで効果的な治療法や、痛みを軽くする方法を示せなかった、いちばんの理由ではなかったでしょうか。なぜなら、これまで整形外科医が治せなかったありふれた運動器の疾患を筋肉の側から見直し、その目で従来のストレッチのやり方などを工夫して、患者さんに実際にやっていただくと、予想もしなかったすばらしい効果を、この目でみることになったからです。


カイロプラクターも骨や関節とばかり言わずに、「筋学」をその機能的特性からも学び直す必要がありそうだ。
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by m_chiro | 2011-05-31 09:05 | 動態学 | Trackback | Comments(2)
膝窩筋と膝痛
急に春めいて、外に出る機会が多くなってきたせいだろうか。
膝の痛みを訴えてみえる患者さんが続いた。
どういうわけか、同じような患者さんが続くことがよくある。
人の生活のリズムが同じように変化したことなども誘因になるのだろうか、と思う。

その膝痛の患者さんは、一様に膝窩筋の問題を持っていた。
1人はバスケット・ボール部の高校生である。
2週間ほど前から左膝に痛みが出て、バスケット部の練習も辛くなってきた。
整形外科医院でX-rayに異常はなく、膝関節炎と診断されて消炎鎮痛剤を処方されていたが経過が思わしくない。
片足立ちや最大屈曲で痛みが出ていたが、次第に階段を降りる動作が出来難くなってきた。
外側ハムストリングの遠位部に、ジャンプ兆候のある強い圧痛があった。
膝窩筋部には圧痛と腫脹があり、まるでベーカー嚢腫のように腫れている。痛みを押して運動してきたからだろう。
ハムストリングの圧痛をリリースしても顕著な改善がみられないので、代償性の圧痛なのだろう。主要な障害は膝窩筋だろうと思われた。
治療は膝窩筋をターゲットに膜系のリリースを行い、部活動を休ませて在宅でのアイシングを指導した。部活動の再開まで3回/1週間の治療を要した症例だった。

もう1人は中年の婦人で、お茶会で正座していた後で公園を散歩していた時に左膝の両側が痛み出した。歩行を行わせると、立脚後期から遊脚期にかけて痛みを訴える。
圧痛が膝窩筋部にあり、リリースするとすぐに歩行での痛みが出なくなった。

また1人は農家のおばさんで、畑仕事に出て膝の内側下方が痛みだした。右膝の屈曲位で痛みが起こる。やはり圧痛が膝窩筋部にある。

三者三様の症状だったが、膝窩筋へのアプローチが効を奏したと思われる。

膝窩筋は、大腿骨外側上顆、外側半月板および腓骨頭の3部位に起始腱を持ち、脛骨後面近位部に付着する筋である。
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深部にある小さい筋であるが故に、単独筋の調査が難しいとされていた筋のようである。したがって、その機能がよく分からないとされているが、屈筋とする意見が圧倒的に多い。中には、伸筋という見方も少数ながらある。成書では、膝関節で下腿部を内旋、屈曲に作用するとされている。

私は膝関節の上下にある二関節筋群のコントローラーとして、膝窩筋が機能しているのではないかと推論していたので、屈曲位でも伸展位でも不都合が起こりやすいのではないかと推測していた。

ここに興味深い論文がある。東北大学大学院医学系研究科/運動機能再建学分野・大西秀明らが行った研究調査である。
「歩行および立位保持中の膝窩筋筋活動について」
この論文では、健常者男性10名の歩行および立位保持中における膝窩筋の筋電図から、その機能を明らかにしている。

それによると、歩行中では立脚初期、立脚後期と遊脚後期に強い活動を示している。
最も強いのは、立脚後期9.3%時点である。そして、立位保持中における筋活動は膝関節屈曲角度の増加(0度、30度、60度、90度)に伴って増加している。
要するに膝窩筋は、歩行時には遊脚後期から立脚初期にかけて膝関節過伸展を防御し、立脚後期から遊脚初期にかけては膝関節の屈曲可動に関与する。
立位保持時には脛骨の前方移動を防ぐように活動する、というものである。
共に閉鎖系運動連鎖に関して起こる作用のようである。

臨床上でみる膝窩筋障害の一面を納得できた論文であった。
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by m_chiro | 2011-04-18 15:43 | 動態学 | Trackback | Comments(0)
オリックス・小林賢司投手のコンデショニング治療でみえたこと
昨年のドラフトでオリックスから1位指名を受けた小林賢司投手が正月で帰省した。
大学・社会人枠からの1位指名で、即戦力と期待されての入団だったが、結局一度も1軍のマウンドに立てずに1年が終わってしまった。

昨日、当院の始業に合わせて早速コンデショニング治療にみえた。
一年間の感想を聞いてみたら、「長かった~!」と一言。
よほど辛かったのだろうか? 

彼が中学の頃から不調のときにコンデショニング治療を行ってきたので、ある程度知り尽くしている身体ではある。
今回、気になるところが5箇所あり、中でもプロの選手としては致命的な問題になりかねない部分があったので、そのトレーニングについて話をした。
今のままではピッチングにムラができ、コンスタントに安定した状態を保てないだろう。

「トレーナーからは何か指摘を受けてる?」と聞いたが、「特に言われていない」とのことだった。
見てる視点が違うのだろうか? 私にはとても気になる部分だったのだが...。
今年の活躍は、この部分の克服にかかっているように思う。

TVでよくプロ野球選手の動きを観察するのだが、例えば巨人の野間口投手もとても気になる選手の一人。あんなにすばらしいボールを持っているのに、コンデションが不安定だ。
TVで見る限りだが、小林投手も同じ問題があるように思える。

ゴルフの石川遼選手にも同じ感想を持った。
プロに入ってからの前半はとても気になった。石川選手も同じ問題のように思えたが、後半はそれが克服されていた。
きっとトレーナーと取り組むべき課題を見つけたのだろう。

小林投手には活躍してほしい。
「早く一億円プレーヤーになって、雇って!」と言ったら、笑われてしまった。
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by m_chiro | 2009-01-06 12:42 | 動態学 | Trackback | Comments(2)
治療の哲学は方法論(テクニック)を規定しない
どんな医学や治療にも哲学がある。
哲学や思想という言葉が重たければ、「考え方」と置き換えてもいい。

カイロプラクティックにも哲学がある。
その哲学は「自然」と「人間」の存在を捉えた、言ってみれば原初的な世界観あるいは自然観である。

人間を含めた大自然・大宇宙は秩序と調和を保っている。
その大宇宙としての知性を「宇宙的叡智(Universal Intelligence)」としている。
カイロプラクティックの創始者D.D.パーマーはその著「The Science,Art,Philosophy of Chiropractic」に、この宇宙的叡智を「God」と記している。
キリスト教文化圏における世界観であるから、当然の帰結なのかもしれない。
東洋的な自然観で言えば「タオ」とでも言えようか。
これに対して人間は「先天的叡智(Innate Intelligence)」を宇宙的叡智から得て、小宇宙としてのヒトの秩序と調和を保っている。

これらがカイロプラクティックの哲学である。
その先天的叡智を賦活させてヒトの健康を保つこと、これがカイロプラクティックの治療哲学(考え方)ということになる。

ところで、哲学は方法論(テクニック)を規定するものではない。
その哲学を遂行するための方法論は選ばないのである。
ただ、その方法論(テクニック)が科学的であるためには「理論」がなければならない。
「理論」は「方法論(テクニック)」を規定するからある。だから、全うなテクニックには理論がなければならない。

例えば、カイロプラクテックのテクニック(technique)には多くの種類がある。
マニピュレーションと呼ばれる高速低振幅のスラスト・テクニックから、ノンフォース・テクニックに分類されるものまで、数十種類の理論とテクニックがある。
中には、4g程度の僅かな圧を用いるテクニックもある。カイロの治療手技も多種多様である。

その治療手技のひとつであるマニピュレーションにも、スラストを用いる方法やドロップを用いるものまであり、それらは全てがマニピュレーション理論によって規定されている。
このマニピュレーション理論に規定されないテクニックは、つまりはマニピュレーションではない、と言うことである。

私はカイロプラクターなのでマニピュレーションを否定するものではない。その技法を私が日常的に使うかは、また別の問題である。
ただし、理論に基づかない「マニピュレーションまがいのテクニック」に対しては、無闇に使うべきではない、と忠告する。

カイロの創始者D.D.パーマーは、その哲学を疎外するものとして神経系の全体的あるいは部分的変調に注目した。
すなわち「神経のトーン」として表現した神経系の緊張状態である。
この「神経のトーン」に変調をもたらすものとして、脊椎の配列状態に求めた。
古典的な理論である。そこから方法論としての幾多のテクニックが生まれてきた歴史がある。

だが「カイロプラクティック」とは、テクニックによって表象されるものではなく、実は自然や人間を観るひとつの考え方(哲学)なのである。
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by m_chiro | 2008-11-19 01:58 | 動態学 | Trackback | Comments(0)
歪みのニューモデル
どのようなメカニズムが身体に働いて、歪み現象が起こるのだろう。
長年、身体の構造機能を扱ってきた徒手療法にとって、「歪曲モデル」は争点の一つだった。徒手療法で支持されてきた古いタイプの歪曲モデルは、「圧縮モデル」あるいは「加重負荷モデル」とでも呼んでもいいだろうか。

このモデルで重要なのは、身体構造の圧縮力を支える支柱そのものがコンセプトの核心になってきたように思う。
簡単に言えば、構造の上位にある階層が下位の階層に伝えられ、最下層が全体の荷重を受けとめるというものだ。
次の図は、その基本的な加重モデルを示している。
三角形の頂点が圧縮性の支柱に上位からの力学的負荷が加重して伝えられて行く。
もうこの旧タイプの圧縮モデルは、筋骨格系のもろもろの症状や病態に対する説得力を失ってしまったようだ。
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現在注目されている歪曲ニューモデルは、「テンセグリティー」である。
このモデルは張力を支える「引っ張り材」と、圧力を支える「圧縮力」のバランスに注目している。
人体の機能は、靭帯、腱、筋膜、筋肉などは連続した引っ張り材として捉えられ、骨は引っ張り材の要素を兼ね備えた圧縮材からなるとみる。
下の図は、テンセグリテイー構造としてみたウサギのモデルである。
ここには、腱、筋膜、筋肉が一本の引っ張り材の単位として描かれている。
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このモデルを、人体の歪曲モデルにすると次の図になる。
引っ張り材としての筋・筋膜などの作用に注目したモデルである。
そうなると支柱は単なる圧縮材ではなく、脊柱そのものも引っ張り材として機能し対応していることになる。
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さて、引っ張り材の機能が過度になった組織に何が起こったか。
組織の硬結は、その重要な要因となるのだろう。
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by m_chiro | 2008-01-22 00:30 | 動態学 | Trackback | Comments(5)
触診による錯覚
構造主義の原理は視覚系である。
徒手療法を行う人は、ともするとこの視覚にだまされやすい。
触診を行う先に構造を捉えようとする人は、意識が骨構造に向かう。
そのために、触診者の指先と骨構造の間に介在する筋肉を無視しがちになる。

例えば、下の写真は坐骨結節を捉える指先であるが、坐骨結節が変化し歪んでいるのではない。

変化したのは触診者の指先に過ぎない。
ところが、骨構造に意識が向いてしまうと、「骨盤が歪んでいる」という結論を導き出してしまう。
視覚系がつくるイルージョンを真に受けてしまうのだ。

筋肉の緊張度や肥厚などが意識されていれば、筋・筋膜組織の問題に注意するに違いない。
ところが、構造主義の治療家は「骨が歪んでいる」と錯覚して疑わない。
そして、治療の対象も骨構造に向けられる。

触診錯覚は、大きな間違いを生み出しかねないのである。

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「徒手医学のリハビリテーション」11p
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by m_chiro | 2007-11-22 18:50 | 動態学 | Trackback | Comments(4)



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