「私の考えるケア」② 「患者さんにとっての事実」を受け入れることからはじめる
とかく治療家は、自分の概念を患者さんに押し付けたり、あるいはその概念の中に押し込んでしまいがちになる。
一種の治療家の原理主義的な対応なのでしょう。
看板を掛けて標榜しているのだから、ある意味で当然のことなのだろうが、先ず初めに概念ありきの対応をやめることにした。
4年前に治療した患者さんとのエピソードから学んだことである。

患者さんの訴えを、「すべて患者さんにとっての事実」として受け入れよう。
そんなことは有り得ない、正しくない、間違いだ、善い、悪いなど、一切の評価をすることなく受け入れよう。
患者さんは自分の状況や病状を一番よく知っているはずなのだから。その事実を、先ずはそのまま受け入れよう。
評価せずに。

そこから、更に進めて、患者さん自身による「見立て」を聞き取ることに重点を置こう。
これは患者さんによる「解釈モデル」あるいは「説明モデル」でもある。

これまでは、聞き取る側に「損傷モデル」の前提があったように思う。
だから、患者さんも「損傷モデル」に思いが行き着く。
結果、「特に何も思い当たることがない」と言う言葉が返ってくる。

「解釈モデル」を上手く引き出せると、面白いことが見えてきた。
患者さんの思い違いや勘違い、健康に対する信念や信仰のようなもの、何よりも生活の有り様が見えてきて、とても参考になった。

生き物には「こうすれば、こうなる」という法則が通用しない。
だからこそ、根拠なく不安を煽るような説明はやらない。
できるだけ安心を与えることを第一義にするが、そのために嘘をついたり、誤魔かしたりはしない。
患者さんの何とかしたという真摯な気持ちからは、逃げない。
患者さんの治ろうとする「道筋」や「力」を邪魔するようなことはしない。
だって、よくなるものは、よくなるのだから。
その上で、よくなる最短距離を考える治療をして行きたいものである。

4年ほど前に治療した患者さんとのエピソードから、思い至ったことであった。
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by m_chiro | 2008-10-18 00:48 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
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