階段を昇ると右足関節の内踝に痛みが...
3ヶ月ほど前から階段を昇るときに、特に右足首の内踝に痛みが走るようになったと言って、50代の医療従事者の女性が先日みえた。思い当たることもない。立仕事なので負担がかかったのだろうか、と本人は思っているようだ。
整形外科を受診すると、「扁平足」を指摘された。テーピング治療を受けてきたが、なかなか改善しない。

診ると、確かに扁平足で足底の腱が異様に弛んでいる。足裏マッサージなどをしたわけでもないらしい。
「もしかして、イボイボ健康サンダルなどを愛用してる?」。
仕事中も、家庭でも、健康のためにと、いつもイボイボサンダルで過ごすようにしていると言う。それはいくらなんでも過剰刺激だろう。
「それは止めた方がいい」と言うと、「健康サンダルって悪いんですか?」と逆に突っ込まれた。
健康サンダルが悪いわけではない。寝ている時以外は、ほとんど一日中イボイボで足底を刺激されるのだから、足底の腱が弛んでもおかしくない。刺激の効果が如実に出たわけだ。
足底の腱が弛めば、当然アーチは下がる。扁平足になる。足元がおぼつかない。やり過ぎは、決していいことではない。

でも、痛みは右内踝である。痛みのラインを探ると、どうも肝経上である。
対側左上肢の三焦経に反応点を求めた。そのポイントを刺激して内踝の痛みの変化を尋ねると、「痛まない」と言う。そこで三焦経ライン上にある筋および関節の可動を調整し、反応点の刺激による痛みの変化を確認すると、負荷をかけても痛まなくなった。

するとこの女性は「手が何か関係があるんですか?」と聞く。
「あるようですね」と言うと、「どんな関係なんですか?」と聞き返された。
こういう質問には正直困ってしまう。何しろ、鍼灸理論でカバーできる知識がない。
だから、どうしても身体の運動連鎖におけるストレス軸として説明することになるのだが、今回どうしたわけか経絡に結び付けて説明してしまった。

「東洋医学では、この手のラインはホルモン系に関係するラインとされて、...」と話し始めたら、途中で話の腰を折られてしまった。
「え! ホルモン系ですか? 実は私、4月から更年期症状を指摘されてホルモン剤を服用していたのですが、今度はストレス性胃炎になって服用を止めたんです。そう言えば、止めた頃から踝が痛み出したような気がします。そのせいでしょうか?」。
「その因果関係はよく分かりません。踝のところは、肝臓系のラインとされているようですから...」。
ここでも話の腰を折られた。

「えっ! 肝臓ですか? 私、この間の健康診断で肝機能の数値が高いと指摘されたんです。肝機能を指摘されたのは初めてなので、今年は大分薬を飲んだせいだろうと思っていたのですが、こんなところにも関係していたんでしょうか? まぁ、驚いた!」。
「いや、因果関係はよく分かりません。ただ、東洋医学では情報エネルギー系のラインの関係が説かれていて、痛みとの関係では妙に符合するでんす」。

こんなやり取りをしたが、内臓機能との関連がたまたま一致しただけなのか、それとも相関関係にあるのか、鍼灸理論に門外漢の私にはよく分からないことなのである。
それでも、痛みがこの陰陽交叉法によく反応しやすいのは事実である。
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by m_chiro | 2008-09-16 22:22 | 症例 | Trackback | Comments(4)
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Commented at 2008-09-16 23:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sansetu at 2008-09-18 09:49
守屋先生、私もやっと落ち着きました。経絡の臓器名は解剖学的臓器名とは違うものの、井穴刺絡などではほとんどそのまま使える相関があります。
もちろん理由なんて分かりませんが、使えるものは使える、といった感じです。
酒ブログにも書きましたが、14日に東北泉いただきました。これは本当に武士的な酒です。こんなタイプの酒は初めて味わいました。まだ残っており、毎日味の変化を試しています。兄も同席した友人も皆とても喜んでいました。ありがとうございました。
あと、話の腰を折る患者さん。けっこう笑えました。いますよね~。
Commented by m_chiro at 2008-09-19 02:39
嗅ぎコメさま、了解しました。
「谷底へ落ちたら、そこから這い上がろうとしないで、もっと穴を掘れ!」という格言もあるそうですよ。
Commented by m_chiro at 2008-09-19 02:50
sansetu先生、経絡は解剖学的臓器名とは違うのですね。ありがとうございました。
お酒で、あのような評を書けるなんて、私には信じがたいことでした。絶句ものでした。造り手に伝えておこうと思います。きつと喜ぶでしょう。
私は今「かぼす三昧」です。いろんなものにかけまくりです。
ちりめんにカボスでの一杯もいけました。
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