「指揮はDriveではなくCarryだ」
5月12日、市民会館「希望ホール」に「小澤征爾指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団コンサート」を聴きに行った。
会場の「希望ホール」は2004年に建設された会館で、この町の出身である歌手・岸洋子さんのヒット曲「希望」から命名された新しいホールである。
今回の催しは、開館5周年記念事業として実現したコンサートだ。
チケットの購入は応募ハガキから抽選する方法が取られた。
一人ハガキ一枚限定で2名分のチケットの購入ができる。
私は別名も含めて3枚申し込んだ。
幸いなことに2名分のチケットが当たり、夫婦で出かけた。それも座席は前列5列目の中央席で最高の位置だ。

プログラムは、モーツアルトの「デヴェルティメント ニ長調 K.136」、「オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314」、チャイコフスキーの「交響曲第6番 ロ短調「悲愴」作品74」である。

指揮者の小澤征爾氏はタクトを持たないでオーケストラと対峙した。
タイトルにした「指揮はDriveではなくCarryだ」という小澤氏の言葉は、師でもあるカラヤンから受け継いだ指揮の極意なのだろうか。
その言葉通りに、単なるオーケストラの奏者たちを動かす指揮ではなかった、と感じた。
音やリズム、旋律や間合い、沈黙や高まり、静寂やうねり、時には音を押さえつけ、時には流し、集め、飛ばして、旋律を会場の隅々まで満たした。
楽器の違いや、奏者の醸し出す音や旋律の流れ、力量を、自在に操って会場いっぱいに運んだ。
聴く者は最早単なる聴く者ではなく、名人小澤氏に運ばれた音や旋律に溶け込んで一つになったように感じながら聴いた。

「DriveではなくCarryだ」
この言葉は、治療家にとっても深い味わいを残してくれる。
私もいつの頃からか、治療による介入を極力避けるようになった。
治療に介入は付き物だが、それを介入しないように心がけると言うのは、矛盾した話に聞こえるかもしれない。
治療者は、どうしても自分の概念を患者さんの身体に押し付けてしまう。
介入しないようにするとは、そのことを指している。

「圧変動」に注目するようになったのも、そんな感覚からかもしれない。
ダイレクトに介入して変化をもたらすのではなく、からだが自ら在るべきところに立ち戻ろうとする力を引き出したいのである。
音楽だけでなく、とても素晴らしいものを感じたひとときだった。
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by m_chiro | 2008-05-15 07:20 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
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