「ヘルニアです。手術以外ない」と診断された腰下肢痛
23歳の学生さんが連休を利用して治療のために帰省した。
4月16日の記事「交通事故患者による腰下肢痛と痺れのMPS症例」の息子さんです。
お父さんが良くなったので、同じような症状に苦しんでいた息子さんを紹介してきました。

一昨年の10月に、半年間の実習でデスクワークに専念し腰痛になったそうだ。
バンドでドラムも叩いている。その12月に、スノーボードをしたところ、右の下肢痛が出てしびれるようになり、整形外科を受診する。

MRIで大きなヘルニアがあると指摘され、「手術以外ない」と宣告されたそうです。
ところがこの彼は、「選択枝がひとつしかないなんておかしい」と思い、その整形外科での治療を断念した。賢い選択でした。

保存的に治療しようと、カイロプラクティックや整体、接骨院と色々試したそうです。少しでも軽減する治療を回って凌いでいるうちに一年が過ぎたが、痛みとしびれは軽くなっても消えることはなかったようです。

「他の治療院では原因は何だと言ってるの?」と尋ねると、「ヘルニアによる痛みだ」と言われていたと言う。
ヘルニアで下肢痛は起きないことを説明すると、この学生さんはコンピュターが専門のせいか、電気的なトラブルの説明をすんなりと納得してくれたようだ。
整形外科医である加茂先生の今日のブログ「あっしには関わりのねぇ~こと」では済まないでも断言しておられます。

当院のこの患者さんですが、深部反射は正常です。踵歩行もつま先歩行も問題ありません。SLRは50度位でツッパリが強くなりますが、crossed SLRは全く問題ありません。ハムストリング筋のトーンの問題でしょう。
右腰部から殿部大腿外側後面から膝裏、腓骨周辺の痛みとしびれがある。最近は、肩こりや肩甲間部まで痛いそうだ。こんな広い範囲に痛みがあるのは、筋・筋膜の問題である証拠でしょう。

内圧が右側に集中しており、強いストレス軸を作っている。中殿筋と膝窩、大腿筋膜張筋に数個のTPがある。圧変動と、左腸腰筋の筋活動の遅延をリセットした。TPは左上肢の肺経の2ポイントと心径の2ポイントを同調させてリリースした。
治療直後に動きや痛みを確認すると、とても軽快だと言う。身体機能の学習は間をおかずに入力した方が効果的である。続けて3日間治療した。
昨日は、町の春祭りで神輿を引いたが全く問題なかったそうだ。
徒手療法でもこんなに変化します。

加茂先生の結論「ヘルニアが原因で痛いとかしびれるということはありません」を私も支持します。

ヘルニアが原因で痛いのではなくて、筋痛の結果ヘルニアが生じているのかもしれません。痛みやしびれの本態は「筋痛症」myopainなのです。恐怖の筋痛症なのです。筋肉がspasm(痙攣)をおこしているのです。
押さえて痛い部位が必ずあると思いますが、その筋肉が罹患筋です。罹患筋が広がっていくこともあります。筋肉を押さえると痛みやしびれが放散することがあります。それを関連痛といいます。
手術をしてよくなることもありますが、それは手術をしたことによってspasmがとれたということです。
全身麻酔効果+手術をしたという儀式的効果(安心、納得)=spasmがとれた
しかし、またspasmがはじまることもあるでしょう。再発→検査→再手術

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by m_chiro | 2008-05-05 10:17 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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