脳が創る解答表(2)
古い脳(辺縁系)が、第一次の価値判断を行っています。
わかりやすく単純化すると、「快」と「不快」の価値判断を大雑把に行うわけです。
犬や猫は、ほとんどこの判断系で生きていますね。

この最初の価値判断に対して、今度は人間の脳である新皮質が細かく理屈をつけて納得しようとします。第一次の価値判断は、ほとんど個々人の感覚的な判断です。

例えば、嫁と姑のいざこざを考えてみましょう。
最初に古い脳(辺縁系)が、感覚的に好き嫌いを判断します。
もしも、どちらかが「いやだ!」と最初の判断をすると、今度は新皮質がその判断に理由づけをして、その感覚を強固なものにしていきます。
こうなると、もううまくはいかなくなります。
「話しても分からない」のは、こうした脳の特性によるからです。

でも理性的な人は、新皮質で「嫌い」や「不快」の感情を打ち消す理由づけを行って、何とか仲良く生きようとすることもできるはずです。

もっと具体的に理解するために、下の女性の絵を見てください。
心理学で用いる有名な絵です。

c0113928_0284471.jpg

この女性は、「老婆」か「若い女性」か? 
あなたにはどちらに見えますか。
「老婆」と答えた人も、「若い女性」と答えた人も、古い脳で第一次の価値判断をしたことになります。
すると新皮質は、その根拠となる理由づけを行うのです。

同じ一枚の絵で、何で「老婆」と「若い女性」という対称的な結論が出るのか? 
それは個々人の感覚(第一次価値判断)の違いによります。

老婆と答えた人には、何で若い女性に見えるのか、おそらく理解できないでしょう。

同様に、若い女性と答えた人には、老婆に見えた人の感覚を理解することができません。
「話しても分からない」の最も単純な理由です。

でも、新皮質で理由づけができれば、老婆とも若い女性とも見ることができるはずです。
ヒトの脳内では、こうした情報の入出力によって答え(アルゴリズム)を獲得しながら生きているのです。

その人の脳内に、その人の「解答表」が創られ、ヒトは様々な場面に遭遇しながら、その都度よりよい答えを検索して対応するのです。
 
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by m_chiro | 2008-02-21 23:59 | BASE論考 | Trackback | Comments(6)
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Commented by syaruruk at 2008-02-22 13:05
こんにちは。私、このだまし絵とてもすきです。いろいろなのがありますよね。
この絵は、最初若い人に見えて、それから、老婆も見えて、笑ってしまいました。
何回も見たことがあるのに、不思議です。
Commented at 2008-02-22 13:10
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Commented at 2008-02-22 21:19
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Commented at 2008-02-22 21:29
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Commented at 2008-02-23 19:24
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Commented at 2008-02-24 22:30
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