起き上がることが困難な頚背部痛
40歳・男性、一昨日の朝、クシャミをしたら頚にズキンとした痛みが起こる。
頚の全可動域で左肩甲骨上角周辺に痛みが起こるので、頚を動かさないように縮めて動いている。寝たら起き上がることが困難で、時間をかけてやっと起きるそうだ。度々、寝ちがいを起こす、と言う。


左肩甲骨の上角が下方に、後頭骨は右回旋している。左肩甲挙筋のトーンが低下しているようだ。左上僧帽筋は項部でのトーンも落ちている。左側臥位で手枕する体癖傾向があるのだろう。指摘をすると、いつもその姿勢でTVを観ている、と言う。いつもこの筋群にストレッチをかけているために弛んだ筋ができあがる。そのため、クシャミによる爆発的な内圧を防御できなかったのだろう。

身体内部にはS状の軸が感じられる。筋活動の遅延が顕著である。筋活動の遅延をリセットすると、身体内部のS字の軸が消えて、右の腹直筋外側から下部肋骨にかけての軸が強調された。

その中で最も良く反応する部位が肋骨下部にあり、そのポイントを押圧すると首の可動がスムーズに行えるようだ。このメリディアンは、おそらく肝経の線で、ポイントはLR14(期門)だろう。鍼灸師ならこのポイントにハリを打つのかもしれない。私は鍼灸師ではないが、こうした反応を利用しない手はない。

ましてや筋のトーンが低下した部位に症状があるケースでは、できるだけその部位を刺激しないように治療することにしている。そこで、頚の動きと痛みの改善をモニターしながら、右肋骨上のポイントに刺激を加えて左肩甲骨上角周辺と同調させた。

ベッドから起き上がらせると、すっと起きれた。
「アレッ、起きれた!」。
「良かったね。最近アルコールの量も多かったんじゃないの? 少し控えた方がいいと思うよ。お腹も張るし、ゲップも出るでしょう?」。
「分かりますか? 気をつけます」。

というわけで、肩を揉まないことと体癖傾向を注意した。この患者さんは発症から3日目を迎えており、この時期はうまく反応させると劇的に良くなることが多い。
痛みのある部位が、刺激するターゲットであると限らないのだ。
こうした変化をみると、つくづくとそう思う。
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by m_chiro | 2008-02-19 21:49 | 症例 | Trackback | Comments(4)
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Commented at 2008-02-19 22:03
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Commented at 2008-02-21 17:43
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Commented at 2008-02-22 00:08
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Commented at 2008-02-22 08:41
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