踵のトゲは、痛みの原因か!?
老婦人が腰痛で来院した。
見ると、跛行する。
聞き取りをしたら、右のふくらはぎと踵が一年前から痛み始めた、と言う。
整形外科でレントゲン写真を撮り、踵のトゲが原因だと言われ、手術を勧められている。手術は嫌だと言ったら、リハビリと称する電気治療を一年間続けてきた。
が、痛みと跛行はひどくなる一方で、その痛みをかばって歩いているうちに、腰が痛み出したらしい。
「踵の痛みはトゲを手術しないと治らないから、腰の痛みをなんとかしたい」。
跛行の上に、「長くは歩けない」と言っていた。

アキレス腱周辺や腓腹筋、足底腱など圧痛だらけである。
アキレス腱のところには、もう1本腱でもあるかのように索状の硬結がある。
それらをリリースすると、ずいぶん跛行が少なくなった。
在宅での腓腹筋ストレッチとアキレス腱周辺マッサージも、頑張ってくれた。
通常歩行になって、買い物なども普通にこなせるようになるまでには、一ヶ月ほどかかった。
あれほど「踵のトゲ」のせいだ、と言い張っていた婦人も「筋・筋膜痛」を認めざるを得なくなったようだ。痛みの原因となった「トゲ」とやらは、どこかへ行ったのだろうか!
どこかへ行ったのは「痛み」の方で、「トゲ」は骨の隆起物で残っている。
「トゲ」は痛みとは無関係なのだ。
c0113928_16435.jpg

「Anatomy Trains」に踵の骨棘ができるまでが載っている。
踵骨(Heel bone)の骨膜(periosteum)が足底筋膜(plantar fascia)に引っぱられて、骨芽細胞(osteoblasts)がトゲを作り出すのである。はじめに「トゲ」があるのではなく、筋膜の緊張から問題が発生するのです。そして痛みの受容器は、トゲなどの骨にあるのではなく、引っぱられたり、必要以上に緊張した骨膜や筋・筋膜にあるのです。
c0113928_119890.jpg

踵の筋膜は、図のようにアキレス腱や周辺の筋・筋膜に続いています。こうした組織に問題が発生しているのでしょう。

仮説(間歇性跛行)

まさに、加茂先生の仮説「筋肉性間歇性跛行」でした。
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by m_chiro | 2007-12-28 01:30 | 症例 | Trackback | Comments(2)
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Commented by junk_2004jp at 2007-12-28 12:44
踵骨自体も大きな棘とも見ることができますね。踵骨も取ってしまいますかw。

骨棘は微小損傷の修復なのかもしれませんので、痛みの原因というよりかは結果かもしれませんね。
Commented by m_chiro at 2007-12-29 23:21 x
加茂先生、骨棘は微小損傷の修復の結果と理解していいのですね。

>踵骨自体も大きな棘とも見ることができますね。踵骨も取ってしまいますかw。
これ、笑えました。

確かに、突起という名前のついているところも棘と見れます。茎状突起なんて棘そのものですが、それが痛みの原因になっている、とは言われない。
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