痛み学NOTE⑦ 神経が歪む病気としての痛み
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。

⑦ 神経が歪む病気としての痛み
受容器が侵害されなければ痛みが起こらないのか、と言えば、そんなことはない。
痛覚受容器の侵害と関係なく起こる痛みがあり、それが「神経因性疼痛」である。
神経系の可塑的変化によって起こる痛みで、難治性の、言わば「神経が歪んだ」状態とみるべきだろう。
生理的な痛みの機序では説明することができない痛みなのである。

例えば痛覚過敏であるが、本来は痛みを発生しないような軽い蝕刺激でも痛みを引き起こすアロデニアがある。
私も、十数年も前にアロデニアと診断された患者を診たことがある。
後にも先にもアロデニアの確定診断を受けた患者を診たのはその一例だけであるが、私にはお手上げだった。

とにかく1分と同じ姿勢を保てない。
ベッドに背中が触れただけでも、身体に触れただけでも痛がった。
座っていても、じっとしていられないようだった。
ありとあらゆる診療科目を回り、ドクターショッピングを続けざるを得ないといった気の毒な患者だったが、さりとて私にはどうすることもできなかった。
今ならば、何らかのアオバイスなり方法を試みることが出来るようにおもうのだが...。
でもこの患者が、痛みという病気の存在に関心を向けさせてくれたように思う。

他にも帯状疱疹後神経痛、癌や糖尿病の患者、術後神経痛、幻肢痛などが神経因性疼痛とされる。
神経因性疼痛は、発症の詳しい仕組みも分かっていない。
消炎鎮痛薬(NASIDs)や医療用麻薬(オピオイド)も効かない。
今のところ効果的な治療法も見つかっていない。
痛覚受容器は関与していないとされているようだ。

なぜ神経が歪むのか。
よく分かっていないとは言え、強い痛みが「持続」すること、末梢あるいは中枢神経の「損傷」、そして「心理学的機序」が基盤になって、神経系に可塑的変化がもたらされたのだろう。
それでも、なぜ痛みが広範に伝搬していくのか。
例えば細胞レベルの問題とか、少し違った視点からみることも必要なのかもしれない。
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by m_chiro | 2007-12-20 22:18 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(4)
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Commented at 2007-12-21 22:35
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-12-25 23:19
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 東京の女性 at 2008-01-14 14:25 x
「RO暗殺者の受難」,http://linainfo.net/movie/mov0028.zip
Commented by 東京の女性 at 2008-01-14 22:34 x
「RO暗殺者の受難」,http://linainfo.net/movie/mov0028.zip
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