患者の「自助努力」を処方する治療家でありたい
構造的異常を痛みの原因にしない②
日常生活の癖が原因でいつのまにかヘルニアが生じる
ヘルニアがあっても痛くない人は筋痛(スパズム)が起きていないのです。ヘルニアのサイドと痛みのサイドが有意に一致する率が高いのであれば、体の歪みの癖(筋肉の短縮、痛みを避ける体位)と関係している可能性があります。
このあたりは研究してみるべきです。手技療法家のご意見は?


体癖傾向や習慣性姿位は、手技療法家にとってとても重要な研究課題だと思います。

こうした体癖傾向は筋肉を短縮させる、あるいは逆に筋肉の正常な収縮度を失わせることにつながりやすく、それが代償性の運動連鎖や機能連鎖を引き起こすことになると考えます。

そこに何かが引き金になって、スパズムが起こると「痛み」となる。

おそらく、痛みは最終警告なのでしょう。事前の警告が発信されているはずなのに、皮質有意の人間の脳は自分の都合で対応してしまいます。本能的な警告系の受信を無視しているか、気づかないのかもしれません。

ペットの猫や犬の生き様を観察していると、動物は自らさまざまな身体の変化に対応して自助努力をしていることに気づかされます。調子が悪いと、食事をもとらずにじっとうずくまったまま動こうともしません。回復が訪れるのを待っているかのようです。我が家のペットには、庭の土に穴を掘って、その中に身体を入れて休めていた猫もいました。回復するまで3~4日も、そんな暮らしをしていたのです。

ところが、人間は予定や仕事を優先させて、ついつい無理を重ねてしまいます。警告の受信は退化して役に立っていないか、無視されるのでしょう。

子供を叱るときでも、最初はやさしく言って注意します。それでも聞かないと、大きな声で注意します。次には、怒鳴ります。最後は「ゴツン!」です。最終警告です。
同様に、痛みには事前の警告があるものと思うのです。最終警告の「痛み」が発信される前に、その事前にも対応したいものです。

体癖傾向や習慣性姿位に注意してあげることは、患者の自助努力を促す一つの有り方でもあるでしょう。最も、それ以前になぜそのような体癖や習慣が起こるのかが問題とされなければなりませんが...。

ともかく、患者の自助努力を促すために、体癖傾向や習慣的姿位を指摘することは大切なことと考えます。身体の運動学や動態学的分析を行い、筋のトーンをみると推理できます。その推測に基づいて、必要な在宅のストレッチやエクササイズ等などを指導する。

医師が薬を処方するように、「自助努力」を処方する治療家でありたい、と思います。
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by m_chiro | 2007-12-07 11:05 | 雑記 | Trackback | Comments(5)
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Commented by タイガー 森島 at 2007-12-07 21:48 x
動物の生態が、哺乳類としての人間に対して、役立つ情報をくれることがあります。先日、犬の鼻をいたずらしていたら噛まれそうになった。口の中に手を入れても平気なのに、鼻呼吸しか出来ない犬にとって鼻はいじられたくない部位なのでしょう。人が上向きで寝なくてはいけないのもその構造からして当然なのに、一般には横向き寝があまりにも多く、からだへの重力付加を無視している生活の人が多すぎます。
Commented by MTBライダーうるう at 2007-12-07 22:12 x
お初です。
先日は守屋先生はじめ、安達先生ややすひろ君にも久しぶりに会えて、大変うれしいでした。森島先生(タイガーを付けたほうがいいですかね?)にも久しく会っていないですね。こちらのブログは毎日、目が疲れるほどに繰り返し見ていましたが、コメントが出来ずにすみません。勘弁してください。紹介されている書籍を少しずつ購入していっていますが、速読を学びたいくらいです。先日のセミナーでも、筋・筋膜に対するアプローチが有効とおっしゃっていましたが、私はそれらしい本をあまり持っていません。固有受容器の調整はしたりしますが、どれほどのものか? トリガーポイントについてもいろいろと学びたいので今後とも宜しくお願いします。
Commented by m_chiro at 2007-12-07 23:32 x
タイガー・シマちゃん、厳しい御指摘を有難うございます。

そうですか、犬は鼻をいじると嚊みつきますか。人でもそんなところをいじったら怒るんじゃないですか。でも、我が家の犬は、「ダメ」の注意を教えるときに鼻と口を押さえます。そのせいか、鼻を触ってもOKですけど。どんないじり方をしたんですか、一体。

重力負荷については、検討課題ですね。今度、いろいろ教えてください。
Commented by m_chiro at 2007-12-08 12:54 x
ライダー・うるうるさん。私も久し振りに逢えてうれしかったよ。
頑張っているようで、うれしく思います。
TrPの資料については、アダピーちゃんに聞いてみるといいよ。
それから、加茂整形外科のサイトで勉強しなさい。ここは学びの宝庫です。
Commented by アダピータケウマ at 2007-12-12 18:19 x
急性腰痛などで筋性防御に伴い筋肉が硬くなっている場合には、痛みと強い運動制限が起こってきます。筋膜・筋肉にもトリガーポイントが現れます。この場合のトリガーポイント生成のメカニズムとしては、伸張反射が関係していると思いますがいかがでしょうか。先日の大阪のセミナーで馬場先生のお話にも関係するのがありましたが、伸張反射による筋の収縮はかなり多いのではないでしょうか。
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