今回は、脊柱管狭窄症の痛み?
64歳の男性・Iさんの腰殿部痛と左下肢痛の例。

平成16年に、頚から肩・上肢の痛みで「環軸椎亜脱臼」と診断されて手術。
平成18年11月には、両側の腰下肢痛で腰部椎間板ヘルニアの手術。
「その都度、整形外科の手術で助けられた」そうだ。
兎も角、「それはよかったですね」。

ヘルニアの手術から1年経たずに、今年の7月末から両殿部痛と左下肢痛に苦しむ。
今度の診断は「脊柱管狭窄症」である。

手術が必要だが、昨年手術したばかりだから今回は様子をみましょう、ということで入院治療になった。1ヶ月の入院期間中、ブロック注射を行う。

痛みに変化はない。結局、坐薬と鎮痛剤、シップ薬を処方されて通院治療に変わる。

このままでは仕事に復帰できない。
頼りにしていた整形外科医に投げ出された思いで、他の方法を試そうと来院する。

痛む側を上にして、股関節を屈曲させた側臥位でないと痛みをしのげない。

これは中殿筋障害の特徴的な姿のようだ。
股関節を屈曲する方が楽だというのは、大殿筋の緊張はないのだろう。
こうしたケースでは、圧痛が深部にあるため見逃しやすい。
中殿筋の障害は仙腸関節に関連痛を起こすこともあり、深部にある本命の中殿筋TrPを見逃してしまうことがある。

そんなわけで「増悪因子と寛解因子」は治療の必須聞き取り項目である。
負荷が加わる組織や寛解される組織が特定しやすく、治療のターゲットをしぼりやすくなるのだ。

やはり、中殿筋に強いTrPがあった。腸腰筋付着部周辺にはバンド状に圧痛と拘縮した組織が触れる。リリースしていくと、1週間ほどで跛行もなくなり随分と動作も楽になって、仕事をはじめるまでになった。

根性痛や狭窄症の痛みと言われるものは、本当に怪しい。
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by m_chiro | 2007-11-27 22:35 | 症例 | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 心療整形外科 at 2007-11-28 21:51
タイトル : 痛みを診ることのできない医師たち
今回は、脊柱管狭窄症の痛み? 神経根性疼痛、根症状、根刺激症状、nerve root pain、 radicular pain これらの言葉で定義されている痛みを根底から払拭しなければならない。 神経根には痛覚受容器(ポリモーダル受容器)がない。そこを刺激したところで、そこに炎症が起きたとしても痛覚は生じない。それは生理学が教えるところである。 神経根に注射針をさしたときに痛みが再現するのを根拠にすることもあるが、これは無茶な話だ。針を刺せば穴があき一過性に脱分極が生じる。圧迫とは全...... more
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