桐子の祭壇
桐子の介護に半年ほど費やしてきたが、
いざいなくなると今の空間がとても寂しく感じられてならない。 顔が見えないことが寂しさに拍車をかける。 それで食卓の奥に写真を置いて、俄か祭壇を作った。 祭壇となると花がいる。 食べ物もあげておこう、とデコレーションしているうちに祭壇らしくなった。 これで居間にいるときは、いつも桐子の顔が見られる。 妙なもので、そんなことが慰めになった。 仏事でも、死後の初七日、四十九日、一周忌….、と続くのは、残された人たちの心のけじめとして必要なのだろう。 そうして仏事を重ねているうちに、残されたものたちは平常の心を取り戻すのだろう。 そう一人合点した。 そして今日は、空(くう)の一次預かりのご一家から立派な献花が届いた。 誠に有難い限りである。 早速、俄か祭壇に飾った。 いよいよ祭壇らしくなった。 多くの人に心を寄せてもらい、桐子も幸せな犬だった、とつくづくと思う。 桐が寝付いた日から、桐のベッドに空が添い寝をするようになった。 寝付いて2日は、食いしん坊の桐子も一切食も断った。 水も飲まなくなり、スポイトで水を与えたが、それすら飲まなかった。 息を引き取った日も、空が添い寝をしていたのだが、その空も気づかぬうちに桐子は静かに逝ったのだろう。 私が気づいた時には、まだ身体も温かかった。 関節も自由に曲げることができた。 ただ呼吸だけが止まっていた。 静かに終えたことが、私には何よりの救いだった。 さよなら….食いしん坊の桐子!
by m_chiro
| 2017-11-21 12:03
| わん・にゃん物語
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