「痛み学」NOTE73. 脊柱管のマイナーソフト構造❶
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。 73. 脊柱管のマイナーソフト構造 ❶ 脊髄圧迫あるいは神経根障害、もうひとつの可能性 脊柱管狭窄症の診断を受けた女性の患者さんがみえた。 彼女は60歳を目前にして次第に下肢の痛みとシビレ症状を発症し、病院の診察を受けている。 MRI画像所見で脊髄断面の面積がかなり狭くなっていて、手術の対象とされた。 就業の傍ら親の介護もしているので、今、手術したらそれもできなくなる。 彼女は手術を回避して、カイロプラクティック治療に活路を求めることになった。 やがて症状も改善した頃に、再度MRIを撮った。 結果、画像上でも狭窄していた脊髄に拡がりが見られるようになっていた。 私も改善前後の画像を見せてもらったが、確かに脊髄の圧迫の程度が少し拡がって脊髄の流れに一定の空間が、より確保されていたのである。 それでも脊柱管そのものの変化に違いは見られない。 では、なぜ手技治療で脊髄圧迫の病態が変化したのだろう。 脊柱管狭窄症が改善した症例は、カイロプラクティックの臨床でも多々経験するところである。 同じことは、椎間板ヘルニアやその根障害とされる病態にも言える。 そこには「整形外科学」と「徒手療法の脊柱学」における決定的な違いが、きっとあるのだろう。 そう考えた方が納得もいきやすい。 おそらくは、脊柱における生体力学的な視点の違いなのだろう。 もっと具体的に言えば、脊柱の「骨構造の病理」と「マイナーソフト構造の機能力学」における視点の違いだろう。
by m_chiro
| 2016-09-06 17:16
| 痛み学NOTE
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