発症要因は多様である
右肩が痛い、と言ってみえた婦人。
夜間に痛みで目覚める、のだそうだ。
もう一カ月近くになる。

でも日中は気にならないから、そのうち治ると思っていた。
確かに可動域も正常で、痛みもない。
左右の肩周辺の筋を触診すると、痛み右肩周辺の筋のトーンが相対的に緩い。

仰臥位になってもらったが、すぐに痛みが起こるわけではなさそうである。

右肩から身体フローが停滞しているところを感じて、その部位にタッチさせて検査をする。
鎖骨や小胸筋、胆嚢周辺….、どこにタッチさせても右肩周辺の筋のトーンに変化はない。

あれ??…と思って右肩から頭部へとフロー感覚を移動させて観ると、右のTMJでヒットした。
右の顎関節だ!
下顎を右から左へ側方偏移させることで、肩周辺の筋のトーンが抑制されているのだ。

「歯を治した?」

「2か月くらい前に、被せていた冠が取れたので新しく付け直した。でも、歯の具合は悪くないけど….。顎の異常で肩が痛くなるの?」

「右肩は寝ているときだけなんでしょう? 動かしても痛まないし、関節も正常に動いているよ」

「えっ..、なんで? でも、そう言われれば、そうだね」

「姿勢など筋のバランスを調整しているところは、体のあちこちにあるんだよ。顎関節もその重要な役割をしているから、顎の異常で問題が発生することはあり得るんだよ。歯を治してから、噛むことにも不都合なことは全然なかったの?」

「…..あ~、そう言えば、ジュースを飲んだとき、入っていた氷の塊を噛み砕いて、すごく痛い思いをしたことがあった。そういえば、その後から肩が寝ているときに痛み出したんだ…」

それで顎関節の治療を行う。
咬筋と下顎頭の位置を調整して、下顎が右側方偏移で正常に動く軌道を修正した。
右肩周辺の筋のトーンが、いい感じに戻ってきた。

街で患者さんのご主人に偶然会った。
家内がよくなった、今度は私もみてもらうよ!

身体の変調には何かわけがある。
それも実に多様である。だから身体機能の相関をみることは面白い。
いつも上手くヒットしてくれるといいのだが、人をみることは難しい。
その謎に向かって探求を続けたい。
うまく原因にヒットすると、治療家にとっても快感である。
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by m_chiro | 2015-10-05 09:17 | 症例 | Trackback | Comments(0)
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