急性腰痛は安静にすべきか! それとも運動療法を行うべきか?
“Bed rest: a potentially harmful treatment needing more careful evaluation."

この論文によれば、急性腰痛患者がベッドで安静にして寝ていることは有害だ、と結論づけている。
ただし、激痛で動けない場合はこの限りではない。
急性腰痛患者39例の安静臥床にしたRCT(ランダム化比較試験)で調査した結果である。

安静にして床に伏していても急性腰痛の改善が認められた研究はひとつも存在しないそうだである。
ということは、急性腰痛患者が安静に寝ているのは、有害で危険な行為という他ない。
効果のない有害な対応は止めるべきである。
「安静第一」は、激痛で動けないケースを除き迷信という他ないようだ。

また次の論文は、急性腰痛に対する運動療法は無効だとしている。
“A randomized trial of exercise therapy in patients with acute low back pain. Efficacy on sickness absence.”

急性腰痛患者363名を対象にした治療を3群に分けて、比較調査を行った結論である。
1つは標準的治療群、2つめは運動療法群、3つめはシャム(疑似治療)群に振り分けて、1年間追跡調査した。
RCT(ランダム化比較試験)によると、腰痛による欠勤率は運動療法群が最も高く、シャム群(疑似治療)が最も低かった。
この調査では、急性腰痛に対する運動療法には効果がない。
よって、ぎっくり腰などの急性腰痛に運動療法は効かない、ということになる。
世界各国の腰痛診療ガイドラインも急性腰痛に運動療法は勧めていないようだ。

では、急性腰痛になったらどうすればいいか。
もし激痛で動けないようであれば、最低限の安静が必要だろう。
動けるようであっても、運動や運動療法は効果がない。
要するに、安静にしないで日常的な動きをできるだけ行うことである。

急性腰痛による痛みで活動レベルは低下する。
が、これは機能や能力の障害ではない。
だから日常的な動き、歩行など低レベルの活動を取り入れて過ごすことは低リスクなのである。

したがって「安静臥位」は、激痛で動けない限り選択しない。
かといって、運動や運動療法のような過活動を強いることは悪化するだけである。
リスクが高い。
急性腰痛患者には日常的な軽度の活動こそが望ましい、ということになる。

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by m_chiro | 2015-06-02 17:00 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
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