変形性関節症(OA)には、ヒアルロン酸より羊水注入【米国疼痛医学会】
変形性膝関節症に、ヒアルロン酸を注入する処方が浸透している。

当院にも、ヒアルロン酸注入処方を受けているという患者さんが少なからずみえている。
その効果のほどを聞いてみると、よくなったと答える患者さんにはあまりおめにかからない。
ヒアルロン酸注入は1990年代に認可されていて、アメリカでは膝関節に限定して認可されているようだ。
もちろん日本でも、OAの一般的な処方としてヒアルロン酸注入処方は定着してきている。
が、その効果には疑問符がつく。

特に、65歳以上のOA患者への注入は臨床的な意義はなさそうである。
それでも一回の注入で7週間、複数回注入で12週間程度の有効期間とされているから、継続しなければ効果の判定も難しいものがあるのかもしれない。

そうした現状を踏まえて、最近ではヒアルロン酸に代わる安全で有効な治療となり得る研究が紹介された。
米国疼痛学会(AAPM)・年次総会からの報告である。

”Amniotic Fluid May be Safe and Effective Alternative to Hyaluronic Acid for Osteoarthritis Pain: Interim Results”

ヒアルロン酸注入に代わる方法というのは、「羊水」注入である。
米国ではヒアルロン酸注入は膝関節に使用する場合のみ認可されているが、「羊水」注入は「滑膜関節」全般に使用できるという広い応用性もある。
そのうえ「羊水」には、関節液と類似点が多く、腫脹や炎症を抑える性質もあるようだ。

研究は加工羊水製品(Amnio Clear LCT)の有効性を検討したもの。
調査対象は、グレードⅠ~Ⅲと診断されたOA患者170名である。
このグレード分類は、おそらくKellgren-Lawrenceの5段階分類によるものだろう。
つまり、以下の分類である。

 グレード0:正常
 グレードⅠ:疑わしいわずかな骨棘
 グレードⅡ:明確な骨棘、関節列隙の狭小化の可能性
 グレードⅢ:中程度の骨棘、関節列隙の狭小化が明確、硬化像中程度、
 グレードⅣ:著明な骨棘、関節列隙の狭小化が中程度、硬化像著明、
         関節輪郭の変形明確


報告によると、羊水注入後のVASとWOMAC指標で評価しているのだが、結果は下図のような高いレベルでの平均改善率であった。
長期的な治癒効果、あるいは腫脹・炎症も多剤と比べて発症率が低かったことを報告している。更に、無作為化対照試験などの追加研究が予定されているという。

       VAS        WOMAC
30日後  68.10%    70.90%
90日後  74%       82%


変形性関節症(OA)には、ヒアルロン酸に代わって「加工羊水」の注入処方が使われる時代になるのかも…。
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by m_chiro | 2015-04-09 18:20 | 痛み考 | Trackback | Comments(0)
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