「左膝が痛んで歩けない….」
前日の記事「咳が治らない...!?」の患者さんが連れてみえたのは、「左膝が痛くて歩けない」という患者さんだった。

左足拇趾の内側で、物を横に押し返したときに痛めたらしい。
10日ほど経っても具合が悪いので、温泉に行ってジェットバスで盛んに刺激したところ、翌日には更に痛んで歩けなくなった。

触診すると、左の鵞足部の筋筋膜が弛んで脛骨が外旋している。
単純な組織の損傷のようだ。

ところがよく聴いてみると、以前から左下肢痛(しびれ感を伴う)、左鼠蹊部痛が続いているのだという。
診ると、左下肢の動脈幹に沿っての緊張がある。
「左脚はシビレだけでなく、冷える?」
「冷えるなぁ~」

「こういう症状は、いつごろから?」
「2年前に狭心症の治療でステント留置の手術を受けた後からかな…」

「でもカテーテルを入れたのは腕からではなかったの?」
「腕からだったんだけど、ステント入れたら、そのステントのところに今度は血栓が飛んで….、すぐに集中治療室で10日間動かないようにされて、そのときは鼠蹊部からも入れたんだけど…。そういえば左の鼠蹊部は上手く入らなかったのか、何度も何度もやり直してたなぁ~。後になってからも左の付け根だけが痛かったもの。」

動脈幹の機械受容器は伸長刺激に対する感受性が高いとされている。

その時の刺激で、反射的に大腿の動脈幹や周辺膜組織の緊張が残されているのかもしれない。

慎重に動脈幹や周辺膜組織に脈管系マニピュレーションを行った。
すると左下肢の触診感覚がとてもよく反応し変化した。
最後に、鵞足部へは伸縮性テープで収縮方向への作用を補強するように貼付する。

終わって歩かせてみると、「アレッ! 痛くない! 歩けるぞ!」。

「左脚のシビレは?」
「今はシビレてないよ。脚の痛みもない。ああ~、嬉しいなぁ!」
劇的な変化だった。

結構、術後の瘢痕が思わぬ症状をつくり出すこともあるようだ。
徒手療法はいろんな機能の可能性を考慮して、多角的視点から観ることが大事なんだ。
この患者さんにも、そんなことを改めて思い知らされたのである。
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by m_chiro | 2014-11-14 17:32 | Trackback | Comments(0)
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