考えさせられる記事だなぁ~!
日本の国民医療費の年次推移をみると右肩上がりに上昇していて、2025年度には65兆円に上るという推計が出されている。

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そんな折、「m3.com」が連載した「Doctors Community10周年 注目トピックスと10年後の医療」の記事のVol.6は「不必要な医療ありが9割超」というタイトルで書かれていた。
いろいろと考えさせられる記事だった。

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不必要と感じる声は「医師、患者ともにあり」が9割を超えている。

今日みえた腰痛患者の中にも、過剰検査を思わせる例があった。
ひとりは3か月も続いている腰痛の老婦人である。
整形外科で原因が不明とされていろいろ検査を受けた。
X-Rayにはじまって、背部のMRI、腰部のCT、大腸検査、骨シンチグラフィーと続き、あげく「どこもわるくありません」とされた。
この患者さん、明らかな動作痛だった。
だから安静位では痛みを感じない。
先に筋痛問題を考慮すべきだろうが、重篤な疾患を除外することが優先されたことになる。
その間に3カ月が過ぎてしまったというわけである。

もうひとりは中年の婦人であるが、健康体操の教室から帰ったら腰痛で、どうにもならなくなった。
整形外科を受診して、レントゲン撮影、そしてご丁寧にMRIで、どこにも問題がない。
結局は「筋肉痛でしょう」と言われたようだ。

またひとりは、旅先の駅のホームで腓腹筋が痙攣し歩行できなくなった婦人で、車椅子に乗せられて病院に行き、下腿のX-rayと腰部のMRIを撮って「どこも悪くない」とされた。

なんでそうなるのだろう。
筋・筋膜症候はドクターの頭の片隅にもないようだ。
小さな町の小さな治療室でも、今日こんな例があったくらいだから、全国規模にしたら相当に不必要な医療検査が行われたに違いない。

そこに「患者の激しい要求」の声や、「経営のため」の思惑があるようだが、そうした「不必要な医療がある」という声には耳を傾ける必要がありそうだ。

以下に、その記事から「不必要な医療」として挙げられた具体例を引用しておこう。

【経営に関する問題】
・診療単価が下がっているので、「もっと検査を!」という院長。いやそれ違う
・医療費の取り合いに発展する過剰医療。
・某私立病院を受診すると、必要ない検査まで多数実施される。患者はいろいろ検査してもらったと喜んでいるらしい。赤字病院が一気に黒字化!
・病院経営のため、客単価を上げるにはどうするべきか真剣に考えている医療者、特に管理者。また、そうしなければ経営が成り立たない状態に追い込んでいる厚生労働省、国。

【薬・検査】
・特に精神科の向精神薬、認知症外来の認知症薬、整形外科の骨粗鬆症薬、泌尿器科の自律神経系内服投与など。その投薬で本来の症状が改善するどころか、ポ リファーマシーで薬剤性医原病となり、不必要な入院まで増える。患者が無駄に医療を求め、医者がそれに答える形で病気を作り、無駄な入院が増え、医療費が 右肩上がり!
・慢性的な経口摂取不能はPEGの適応なし。ただ、PEG増設しないと療養型病院への転院が難しく、施行せざるを得ない。家族もそのような患者に対し、不必要な治療を求める。
・風邪の抗生剤処方。そもそも風邪の保険診療。湿布の保険適応。
・どうでもいい検査を提案。どうでもいい検査を希望。
・回復の見込みの無い人の胃瘻、抗認知症薬。
・中心静脈ポート、胃瘻、健診における胃バリウム検査。
・食思不振ですぐに点滴。
・保存的治療で十分な脳出血でもコストのため手術する脳神経外科医など。
・ルール破りの不妊治療、命の選別。
・腰痛患者に7種類の鎮痛薬を含む22種類の薬が処方されていた。
・医者は無駄な抗菌薬投与や無駄な入院治療をして経営に転嫁している。
・不必要な検査や投薬は完全に無くすことはできないが、ある程度の歯止めは必要と思う。看護師任せで漫然と処置をするケースは多いと思う。また患者も自己負担が少ない人は後発品をいやがる。 ・初診時の採血で、検査の評価料をもらうために一項目当たり少ない量で多くの種類の検査をする医者。
・頭部打撲で救急病院受診患者の場合、不必要と思われる場合も頭部CT撮影しておかないと見逃しと追及される恐れがあるので、全例撮影するような、「防衛医療」が避けられない現状がある。

【患者問題】
・生半可な知識で要求が激しい患者がいる。
・症状の経過を見て後に診た医師が、前医を批判したり中傷したりする医師も多く、患者もうわさなどに振り回されドクターショッピングしている。
・不必要な医療行為をしなければ、患者の信頼が得られないと感じることもある。
・何も処方しないと患者から不満を訴えられるので、かぜ薬なり何らかの処方をする。
・とにかく専門医(実際は専門医でなくても患者さんが判断)受診したり、すぐ転医したりする患者。
・一方的に患者権利を擁護する時代の流れがその原因となっている気がする。
・治療の必要がなくなっているのに、療養の場がない、家族が見られないなどの理由で退院しない患者。
・中国人が国保で受診し、一時帰国の度に長期大量処方を要求する。
・複数の診療科受診あり、重複を認めることがある。
・多数の病院を同じ患者が同じ科で受診。症例数でいい病院を決める。
・風邪薬や鎮痛薬・湿布薬など予防的に持っておきたいとの希望多い。全て断っている。
・患者を指導していくのも医者の責任。
・適応外手術を受けることによる生命保険収入。
・生活保護患者が、治療により必要のなくなった薬の処方を引き続き要求する。
・医療に対する認識にズレがある上、情報過多な状況からある程度、仕方がないのではないか。

【制度】
・医療費が増える原因は様々あるが、大きな要素は終末期医療である。特に、尊厳死を認めない現在の法律では、必要以上に終末期医療に金がかかる。政府が医療費を削りたいのであれば、自ら尊厳死を考え、法律化することが求められる。また、不必要な検査投薬の原因の一つに、訴訟対策があり、医療事故は全例免責とすれば、不必要な医療費は減るはず。
・出来高払いを一般医療でも考え直すべき。
・もともと、日本では、医療機器も、薬品も多すぎて、供給過剰であって、その背景に企業と政府・官僚のつながりがあることは否めない。よって、今後も続くであろう。
・玉石混淆の論文、データ、不必要な医学書、無茶苦茶なガイドライン。不必要悪の専門医。
・日本は、自由開業医制であり、出来高払い制、イギリスはGPがある地域のプライマリケアを最小のコストで担う。自ずと、我国の医療は出来高払いのため、アメリカに近く、不必要な医療も必要悪として生じ得るであろう(あくまで推測の域ではあるが)。

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by m_chiro | 2014-11-05 17:09 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
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