「痛み学」NOTE 67.  慢性痛における筋痛症問題の概念はややこしい❹ 
「痛み学・NOTE」は、日々の臨床で痛みと向き合っている医師や日本を代表する研究者の著作あるいはホームページを通して学んだり考えたりしたことを、私の「学習ノート」としてまとめ、書き綴るものです。


❹ 線維筋痛症(FM)を「筋痛症」で括るべきなのだろうか

前回紹介したCareNetの記事「正しい線維筋痛症の知識」で、著者は線維筋痛症(FM)の症状とその背景について下の図から解説し、その症状と進展プロセスを以下のように解説している。
c0113928_74873.jpg

全身痛、しびれ、疲労感、感覚異常(過敏や鈍麻)、睡眠障害、記憶力や認知機能の障害などいわゆる不定愁訴を呈する。中枢性過敏症候群に含まれる疾患の合併が多い。痛みや感覚異常の分布は神経分布とは一致せず、痛みやしびれの範囲は移動する。天候が悪化する前や月経前後に症状がしばしば悪化する。症状の程度はCRP<CWP<FMとなる(図1)。


線維筋痛症は、多彩な症状や疾患が背景にある慢性痛である。
慢性広範痛症(CWP)は機能性身体症候群(FSS)とダブルようにも思えるが、名称としては背景にある広範な中枢性過敏症候群を想定すると、FSSの命名の方が妥当のようにも思える。

ところが線維筋痛症(FM)に至っては、筋の異常を思わせる指標は広範な圧痛(TeP)ぐらいで、筋病理に関する根拠は見当たらない。

線維筋痛症の診断基準も圧痛点の数に依存していて、主要な症状が筋痛にあるというだけの話だ。
背景の疾患も一様ではなく個性がある。

したがって、FM診断基準だけに従って線維筋痛症(FM)と決めつけてはならないし、その背景を考えると線維筋痛症候群(FMS)と呼ぶべき疾患なのかもしれない。

また、病態生理学的視点に立てばFMSは中枢神経系疾患であって、筋疾患の括りでは理解も解決もできないようである。
[PR]
by m_chiro | 2014-10-16 07:49 | 痛み学NOTE | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://mchiro.exblog.jp/tb/22809172
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 「痛み学」NOTE 68.  ... 「痛み学」NOTE 66.  ... >>



守屋カイロプラクティック・オフィスのブログです
外部リンク
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
ほとんどがMPSなんだけ..
from 心療整形外科
月経が再開した
from 心療整形外科
TPは痛みの現場ですらな..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
脊椎麻酔後頭痛について
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
起立性頭痛
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
「5%の中に本当の椎間板..
from 心療整形外科
髄液循環系と揺らしメモ
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
医師はユニコーン(架空の..
from 心療整形外科
末梢神経の周膜と上膜にも..
from 反証的、鍼灸・手技・心理臨床
また勉強になりました。
from 漢のブログ
ライフログ
検索